『仮面ライダービルド』 第6話「怒りのムーンサルト」:感想

2017年10月8日

■やらないんかい!
・前回の仲違いもあっさり解決し、戦兎の秘密も暴走もあっさり終わりました。引っ張り方が下手です。始まりが唐突で、終わりは尻すぼみの肩透かしなんて最悪です。
特に興味のないことを「これから話すので聞いてください」と言って無理やり聞かせておいて、「結末を話すのは後にします」と肝心なところを話さないで終わられては、生まれるのは面白さではなくイライラ感だけです。やるなら戦兎の過去についてもっと興味を引いてからでないと成立しません。

・それに説明された内容がどうでもいいものでした。
「実は戦兎もスマッシュの改造と同じようにガスに注入されていたんだ!」と衝撃的な事実なように語られていましたが、個人的には「え、今更?知ってるけどそれがどうしたの?」という感じでしかありませんでした。戦兎も自分が何かの実験をされたことは知っていたはずなのですが、いったい何の実験だと思っていたのでしょう? 戦兎も承知のことだと思っていたので話についていけませんでした。ますます「天才物理学者」の肩書が怪しく見えてきました。

・個人的には作劇としても情報の小出し感が見え見えなのに、作中でも悪役に情報量をコントロールされているのが見え見えなことにストレスを感じます。
片方だけでもウザいのに二重になっていて腹が立ちます。悪役が情報を開示すればいつでも終わるこの状態で謎で引っ張るのは無理があると思います。せめて主人公側の努力と行動で情報を手に入れる形にしてほしいです。

■戦兎と龍我
・戦兎と龍我の話も脈絡がなくて反応に困りました。
どうやら前回の龍我の行動は自分本位で他人を犠牲にしてもいいという考えの元で行われたようです。鍋島の件はただの気まぐれか、子供相手には容赦するといった基準の問題でしかなかったようです。

・それに対する、戦兎のヒーローであろうと努めている話も初耳なのでどうにもなりませんでした。
内容自体は良いと思うのですが、見せ方が下手です。今まで葛藤を描いていないので説明にしかなっていません。そのせいで最後の戦兎と龍我の言動の逆転も「そういう話がしたかったんですね」と生暖かく見守ることしかできませんでした。

■助かった理由
・結局、立弥が助かった理由って何だったのでしょう?
普通に倒して治しただけだと何の面白みもありません。「竜巻切りでガスを抜いた?」という可能性も思い浮かんだのですが、ガスを注入するって風船じゃないんですからそんな物理的にどうにかできることではないでしょう。
龍我のお守役のドラゴンが毒を抜いたのもそうなのですが、何がどうなっているのかわからず、置いてけぼり感が強かったです。


次回は今度は北都に行くそうです。
この前の西都があっさりだったので特に期待するものがありません。何をするんでしょうね。そろそろナイトローグとブラッドスタークの内輪話を聞かされるのにうんざりしてきましたのでそれは終わってほしいです。2人の武器が一般発売されることを考えると期待できそうもありませんが…

コメント

8 件のコメント :

  1. 未だに変身前のボトルをカシャカシャする動作に馴染めないのですが、今回みたいな感情が昂ぶった状態で変身!って場面では特に相性最悪ですね。さすがに終盤に行くにつれて省略はされるでしょうが…

    9月スタートになって販促量が多少マシになることを期待しましたが、どうもそんなに大差なさそうですね。ライダーが一人だけな分、話の軸がごちゃごちゃしないのがせめてもの救いですかね。

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    1. ボトルを振る動作は1話の印象のまま改善されてないですね。
      龍我みたいにボトルを持ったままパンチして、それで振ったことにするとかやれないことはないと思うのですが、スタッフとしてはあくまでシンプルに縦に振るなりきり遊びをアピールしたいようです。

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  2. 前回龍我がやらかしたことに関してのフォローは何もなかったのが不満でした。あれじゃ龍我に対する視聴者のイメージが悪くなるだけだと思いますね。あっちこっちでも言われていますが間違いなく龍我が立弥に対して謝罪するシーンは必要だったと思います。

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    1. 戦兎に謝ったことでスタッフは充分と考えたのでしょうね。
      龍我をフォローすることを重視するなら最後の脱出劇で天井が崩れてきたときに龍我が助けに戻ったりするほうが良かったでしょうが。

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  3. L.E.D.ガイスト2017年10月10日 11:57

    『エグゼイド』より酷くなることはないと思うが、『ビルド』の今後に更なる不安を覚えた6話。

    前回のラストで龍我が犯した凶行を繞って、戦兎と龍我が諍いを起こして数話分引っ張るかと思いきや簡単に終息しました(良いのか?それで……)。 『ビルド』のスタッフは彼の凶行を大した問題ではないととらえているのか、少し時間を置いただけで戦兎は最早気にしていないといった素振りに。ある意味、合理的判断なのでしょうが、3話での「くしゃっとなる」発言がより噓くさく感じました。

    主人公・桐生戦兎は、バンドマン“佐藤太郎”の身体に“悪魔の科学者”と呼ばれる“葛城巧”の脳ないしは人格を移植された人物説がネット上で囁かれていますが、今回のラストでの立弥の証言でこの仮説がやや現実味を帯びた気がします。

    冬映画の告知がされましたね。今回の映画は『フォーゼ』も参加するとの事。詰まり、『ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』の『フォーゼ編』より前の話になるのかな?

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    1. >『ビルド』のスタッフは彼の凶行を大した問題ではないととらえているのか、少し時間を置いただけで戦兎は最早気にしていないといった素振りに。

      スタッフは謝った時点で既に終わったこととして片付けていると思います。

      >今回のラストでの立弥の証言でこの仮説がやや現実味を帯びた気がします。

      その可能性もありますし、そうでない可能性もあると思います。
      被験者が一人とは限りませんからミスリーディングの可能性もあると思います。戦兎の元の人格は第三者で、葛城巧はその第三者の身体を使って暗躍しているという線も考えられます。

      >『ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』の『フォーゼ編』より前の話になるのかな?

      弦太朗がスーツを着ているので私はアルティメイタムより後のことだろうと思っています。時系列をいじって混乱させるくらいなら、野生のベルトを草むらから飛び出させるほうが早いと思います。

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  4. 情報が小出しにされてるのは確かにその通りですが、別に「ウザい」って程のことでもないような…どういう点でそのように感じるのかもう少し詳しくご説明願えないでしょうか。私からすると、平成ライダーではこういう感じで謎を提示して引っ張るパターンがスタンダードですし、4クール作品ならそんなに最初から飛ばす必要もないと思っています。また、アギトなど、謎は出てくるものの、終盤辺りまでそれがどういう形で主人公側に関わるのか全然見えてこないことも多かったのに比べれば、現時点では龍我が巻き込まれた事件の真相に纏わる情報だと明示されてる分、親切な部類に入ると思うのですが。

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    1. 基本的に感じ方の違いです。
      >別に「ウザい」って程のことでもないような…
      >平成ライダーではこういう感じで謎を提示して引っ張るパターンがスタンダードですし
      >親切な部類に入ると思うのですが。

      どれもあなたにとってはそうでも私にとってはマイナス要素です。まずそこを理解してください。もしも「『ウザい』と感じることが客観的に見て間違っている」というお話でしたら論拠の提示をお願いします。

      もう一つ付け加えると、
      >アギトなど、謎は出てくるものの、終盤辺りまでそれがどういう形で主人公側に関わるのか全然見えてこないことも多かったのに比べれば

      これは私にとって意味を成しません。アギトのあかつき号事件の放り投げ方はかなり酷い部類に入れているため、アギトよりマシと言われても有意性がありません。


      前置きを終了してご要望にお答えして説明を付け加えると、
      1)敵が事態を把握している(ように見える)。
      2)主人公たちの行動が中途半端。
      3)それがメインストーリーとして優先され、それ以外の人物描写や一話ごとの盛り上がりなどが犠牲になっている。
      ことを主に問題視しています。

      一つの側面としては、主人公側の行動が異なれば問題視するほどではないと言えたと思います。
      たとえば、主人公が記憶を取り戻すことを最優先していてスマッシュを倒すために被害者の首元を掴んで「お前のボスはどこにいる!」と問い詰めてまわるような執着心があって積極的に行動していたり、あるいは逆に記憶やパンドラボックスに無関心で、「昔のことなんてどうでもいい。それより人体実験をするファウストが許せない!」とライダー活動を優先したりしているなら問題にはならなかったと思います。ファウストやナイトローグたちを追えば事態の全貌がわかると知っているのに積極的な行動を起こさないし、かといって無関心でもないのは変だと思います。

      現状はとても中途半端です。
      記憶を取り戻すことに躍起になるわけでもなく、パンドラボックスなどの謎解きが最優先でもなく、人助け優先かと思えば自分のことでいきなりキレだす中途半端な有様です。戦兎に主体性が感じられません。そのときどきの状況に流されてばかりです。といって「周りに流される自分のない人物」として描かれているとも思えません。

      また、
      >4クール作品ならそんなに最初から飛ばす必要もないと思っています。

      現状の記憶や式典での事件は4クール全体での主軸ではないだろうと私は考えています。前半2クール、あるいは1クール目以内に一段落してもおかしくないと思っています。ここもあなたとの相違です。

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