『動物戦隊ジュウオウジャー』第29話「王者の中の王者」:感想

2016年9月11日

【ストーリー】

■主役はジュウオウジャー
・綺麗にまとめてありました。さすが香村さんです。
最初に戦う理由も、アイテムを持ち去ろうとした理由も用意してありました。流れ自体は定番どころですが、素直じゃないのはマーベラスの性格に合っているので説得力がありました。
前回に比べてシルバーなどゴーカイジャーの活躍が少なかったのは残念でしたが、ゲストが目立ちすぎるのも良くないから仕方ないですね。 ジュウオウジャーのほうに力を注いだのは正解だと思います。 

・デスガリアンは大王者の資格に興味が無いからそっちはどうにもならないように思いました。
そこは弱かったと思います。バングレイ>デスガリアンだったら成立したんですけどね。それはそれで作劇上問題があるのでどうにもなりません。

・大和のちょっとした掘り下げにつなげたのはさすがだなと感心しました。
貴重な人間相手の戦いをちゃんと活かしていました。 大和のことをもっと掘り下げようと思えば掘り下げられたと思いますが、そうしていたら今回のメインであるはずのゴーカイジャーやホエールの影が薄くなってしまっていたでしょう。優先順位を念頭に置いたまま無理のない範囲で掘り下げをしていく姿勢はプロとして見上げたものだと思います。


【アクション】

・予告で各ボスが映っていた時点で覚悟していましたが、ゴーカイジャーを交えての乱戦は微妙でした。ボスはデザインが凝っている分、動けないんですよね。比較的動きやすいゴーバスの敵をメインのホエールにあてたのは正解だと思います。
同時に登場する人数が多くなるとスーツアクターさんも第一線だけではなくなってしまうのも難点です。やられる敵の棒立ちやノーリアクションが目につきました。敵が間抜けに見えるとヒーローの活躍も霞んでしまいます。若手育成の面もあるので我慢しますが。

・その分、要所要所には力が入っていました。
冒頭のゴーカイレッドvsイーグルなどは見応えがありました。鞭対決も鞭であるレッドビュートと剣でもあるイーグライザーの違いを活かしていて面白かったです。

・個人的に気に入ったのは決戦でのジュウオウジャー5人の戦い方でした。
デーボスのビームを逸らしてブラジラに当て、ブラジラが体勢を崩した隙に5人で攻撃して倒していました。乱戦だとカットのつながりや位置関係がでたらめになりがちなので、そこを逆手にとってシーンに連続性を持たせていたのは上手いと思いました。台詞も少なめにスピーディに連携が取れていたのもチームワークが感じられて良かったです。

■ジュウオウホエール
・ゆったりした動きが独特でした。おそらく流れる水のイメージなのでしょうね。あれは太極拳、なんですかね? 
ホエールのペースで戦いが進むところが強キャラ感があって良かったです。

・腕につけたキャノンもそれほど邪魔に見えなくて何よりでした。
敵の攻撃を受け止めたりするところはかっこいいと思いました。共通武器の銃剣の取り回しが悪いのでむしろこっちのほうが使いやすそうにすら見えました。
まだまだいろいろ工夫できそうで今後のアクションが楽しみです。


次回はロボのほうのホエールの話のようです。
予告に映っていなかったので登場自体はもう1,2話先になりそうな感じもしますがどうでしょう。次回も香村さんだそうです。重要な回は自分でやっていくみたいですね。良いことだと思います。
ロボの登場が先延ばしになればその分香村さんの登板も続くかもしれません。それも楽しみです。

コメント

7 件のコメント :

  1. 香村さんの回なのでどうなるかと期待していましたが、期待した以上の面白さでした。

    個人的に一番グッときたのは、大和に対してマーベラスが、バカが〝39組〟いたといったシーンですね。
    自分たちもその39のバカの一つに数えているあたり、ゴーカイジャーが地球を守るスーパー戦隊の一組として自覚を持っていることが改めて確認できてよかったです。
    5年たってもその強い意志が変わらないのはとても感動しました。

    さてアクションですが、個人的に面白かったアクションはゴーカイレッドとジュウオウホエールのシーンです。
    感想も管理人さんとさほど変わりがないので割愛させていただきます。

    そういえば、クジラって天敵らしい天敵がいないことで有名なんですよね。
    その巨体が他の動物の牙を寄せ付けないようです。
    そういった点で〝王者の中の王者〟という名乗りはとても納得できるものがありました。
    あのアクションからも説得力がありますしね。月も少し削りましたし。

    ボスラッシュでアクドス・ギルがいなかったのは『ん?』となってしまいましたが、
    ゴクドス・ギルとして出すためだったんですね。驚いてしまいました。
    ワルズ、アクドス、バッカスときてゴクドス。
    自分たちが知らない間にも冒険を続けていたという描写になっていて、想像の膨らむいいスーツの改造とストーリー運びだと思います。


    最後に少し論点がずれてしまいますが、自分は特撮を見るときついつい小物や武器に目が行ってしまいな性分です。
    そこで今回のホエールチェンジガンについてですが、実は玩具では持ち手から重厚に向かって右側の金色のプレートが思い切り肉抜きされてしまっているんですよね。
    TV本編ではしっかりとしてくるんだろうな、と思っていたら
    TVで使われている方もしっかり肉抜きされていました(笑)
    そこで番組を作るスタッフの細部にまでこだわる姿勢が伝わってきましたね。
    毎度のことではあるんですが。

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    1. >個人的に一番グッときたのは、大和に対してマーベラスが、バカが〝39組〟いたといったシーンですね。

      あそこも良かったですね。
      自分たちも含めているんだなぁと思いました。確かに今回わざわざ助けに来ているので納得です。

      >ボスラッシュでアクドス・ギルがいなかったのは『ん?』となってしまいましたが、ゴクドス・ギルとして出すためだったんですね。

      私はてっきり「一度ゴーカイジャーに倒されてる→こいつは出してもしょうがない」という判断かと思いました。vsシリーズなども含めるとブラジラも倒されていたと思いますが。

      >TVで使われている方もしっかり肉抜きされていました(笑)

      あれは玩具の都合だけでなく、キューブ模様を入れるためではないかと私は考えます。
      ホエールチェンジガンは全体は四角い形ですが、キューブ模様は少ないですから。そのために格子模様で入れたのではないかと思います。

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  2. >あれは玩具の都合だけでなく、キューブ模様を入れるためではないかと私は考えます。

    ああ、その解釈は新しいですね!
    玩具の特性上肉抜きなのは間違いないのでしょうが、
    肉抜きにしては幾何学模様を多用している凝った形をしていますからね。
    おそらくその解釈であっているのだと思います。

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  3. >綺麗にまとめてありました。さすが香村さんです。

    一番心配していたのがゴーカイが割り込んでくることによる世界観の矛盾でしたが
    取り繕ったり辻褄を合わせるよりも、2000回記念としてスーパー戦隊の歴史としての繋がりを
    ジュウオウジャーのテーマである繋がりに結びつけてドラマの超ど真ん中に持ってきたことに
    圧倒されて、「世界観の矛盾はあるけど、これがあるのとないのとどっちがいい?」
    と自問したら「すみません、あったほうがいいです」と思ってしまいました。
    香村さんは理詰めの説得力だけでなくこういう力技もいけるのですね。

    「君たちも歴史を〜」というハカセの言葉は、自分たち自身がスーパー戦隊の歴史を知り
    それを消すのではなく自分たちもその一員として加わって地球を守ると決意した
    ゴーカイジャー50話を思い出してぐっときました。
    VSシリーズとしても素晴らしい出来だったと思います。

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    1. >VSシリーズとしても素晴らしい出来だったと思います。

      そうですね。
      ゴーカイジャー自体が他の作品と毛色が違うので扱いやすいのもありますが、上手く活かして両作品ともに盛り上げていたと思います。

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  4. 40作品目&2,000回記念のお祭りにふさわしい2話でしたね。

    大和の「自分で見たものを信じる」は、序盤(ラリーさんやみっちゃん)からそうでしたがきっとこの後の展開にも大和の行動原理となっていきそうですね。

    ゴーカイジャーも今回のエピソードにとても合っていて、「無理やり出しました」感が一切なくゴーカイジャーの世界観も崩さず…ジュウオウジャーの一つのエピソードとしてはまっていました。

    キューブホエールが出てきそうな来週も、どういう展開になるか楽しみです。

    余談ですが…
    結局気になってゴーカイジャーも観始めました。

    レジェンドの扱いなどに偏りがあるので、各々思い入れがある戦隊ファンには賛否両論あるのでしょうが、私自身は楽しんでみています。

    35作品目ということで予算が多かったんでしょうか、全体的に戦闘シーンも派手でしたね。
    特にパイロット版の戦闘員の皆さんがいっぱいいて「おおぉ」となりました。

    メインライターの荒川さんの名前に見覚えがあるな、と思ったので調べてみたら、ちょうど私が中学生の頃に見ていた「BLUE SEED」というアニメの脚本家で懐かしくなりました。

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    1. >大和の「自分で見たものを信じる」は、序盤(ラリーさんやみっちゃん)からそうでしたがきっとこの後の展開にも大和の行動原理となっていきそうですね。

      香村さんがやって正解でしたね。
      他作品を交えることで大和の主張を相対化してより効果的に印象付けることができたと思います。

      >35作品目ということで予算が多かったんでしょうか、全体的に戦闘シーンも派手でしたね。特にパイロット版の戦闘員の皆さんがいっぱいいて「おおぉ」となりました。

      バトルに関しては信頼を裏切られることはないと思います。
      全てが1話と同等とはいきませんが、メンバー1人あたりに雑魚が数人以上出てくるバトルは数話に一度くらいのペースであったはずです。息切れしなかったことに驚かされたことが強く印象に残っています。

      >メインライターの荒川さんの名前に見覚えがあるな、と思ったので調べてみたら、ちょうど私が中学生の頃に見ていた「BLUE SEED」というアニメの脚本家で懐かしくなりました。

      私は見たことがない作品ですね。
      荒川さんは昔も現在もいろいろな作品を手がけてらっしゃいますね。

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