『動物戦隊ジュウオウジャー』第24話「よみがえる記憶」:感想

2016年8月7日

【ストーリー】

■衝撃の展開
・今回は一段と面白かったです!
病気で子供の頃に亡くなった主人公の母親を目の前で殺すためだけに生き返らせるとは冷酷非道です。人質にしたり母親を操って攻撃させたりするほうがまだマシです。大和や他の仲間が激怒するのも当然でした。しっかり共感できる良いシーンでした。

・「最近は作品内で人を殺したりできないから仕方ない」なんて言う人もいますがやりようはまだまだあることもわかりました。寝言は寝て言え、ですね。

・一連の流れがバングレイの私怨だったところが個人的には良かったです。
「言われたからやった、必要だからやった」 よりも「やりたいからやった」のほうが力強いのは当然です。アザルドやクバルよりもバングレイが強そうに見えることにも納得がいきます。

・それに大和を嫌いだからやったのなら、バングレイにも大和の思想を嫌うだけの根拠があるはずです。今後のバングレイの掘り下げにもつながる可能性を感じました。

・個人的には変身後の名前ではなく本名の大和のほうを覚えたところも「おっ!」と思いました。
たいてい人間でない敵幹部が名前を覚える場合は「○○レッド」 のほうで、本名で呼ぶことは少ない印象があります。大和が両方の名前を名乗ったのに本名で呼んだのは高ポイントでした。バングレイがあくまで人格面で嫌ってることが伝わってきます。

■最後の花束
・構成としては大和の父親を連想させる流れに見えましたが、どうなのでしょう?
とりあえず再チェックしましたが、冒頭の大和と叔父さんの墓参りのときには下に置かれた花束は見当たりませんでした。大和が最後にもう一度来たときに持ってきたという可能性もなくはないですが、それだと最後に大和がちら見した意味がわかりません。
表向きは大和の父親、あるいはお爺さんなど親族という線で考えて良いのでしょうか。鳥男探しの件が置き去りになっているのであの花束を鳥男につなげる線も捨てがたいです。


【アクション】

■主役に向いてる
・イーグルの縦横無尽の活躍がかっこよかったです。
近づいても離れても、敵から攻撃されても投げられても、どんな状況からでも自分のペースに持っていけるところがかっこいいです。イーグライザーと飛行能力の相性は抜群ですね。


次回は夏休みおなじみのタイアップ回の模様です。
クバルの謀殺フラグはもう回収されるみたいでびっくりしました。てっきりバングレイの退場用の前振りかと思っていました。そりゃまぁ知られたくない秘密を知られたら、できればさっさと殺したいですよね。バングレイの性格ではいつその辺で話されるかわかったものじゃありませんし。

次回は田中仁さんの担当で、8話続いた香村さんの連続登板はいったん終わりのようです。
シリーズ構成の自分が伏線(クバルの謀殺、大和の父親?、バングレイが大和を嫌う理由)を撒いて、ローテーション陣にそれを拾わせて各回のメインストーリーにするスタイルにしたみたいです。良い考えだと思います。筋道がはっきりしてる香村さんのやり方なら他の脚本家が迷うことも少ないでしょう。半ワンマンスタイルといったところでバランスが取れていると思います。

コメント

6 件のコメント :

  1. 思想の対立している敵に、ひたすら自分の主張を強弁するのではなく相手の行為を逆手にとって「覚えていたからお前が復活させることができたんだ」というのは上手かったです。

    バングレイは悪辣な作戦もそうですが、言動が憎たらしいですね。思わず「こんなやつは早く倒してやれ」と感情移入したほどでした。

    操のようなタイプにとってレオは最も馴染みにくい性格だと思うので、仲良くなるのは最後かなと思っていたのですが、その前に思いっきり対立させるみたいですね。感情をぶつけ合うほうが直情径行なレオにはいいと思いますし、操にとってもライバルのような存在ができることで面倒な性格が治るきっかけになるかもしれません。

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    1. >相手の行為を逆手にとって「覚えていたからお前が復活させることができたんだ」というのは上手かったです。

      あそこはやり方としては綺麗でしたね。
      言い分としては少し屁理屈っぽくて弱いように感じました。バングレイは言い負かされた感じになるよりも、「なかなか言うじゃねぇか。そうでないと面白くねぇ」くらいの意気込みを買う程度でちょうどよかったかなと思いました。

      >バングレイは悪辣な作戦もそうですが、言動が憎たらしいですね。

      私はけっこうバングレイが好きです。独自の価値観で動く人物は善悪問わず好きです。大和たちがバングレイを許せないと思うのもわかりますし、バングレイがエゴを通そうとするのも良いと思います。

      >操にとってもライバルのような存在ができることで面倒な性格が治るきっかけになるかもしれません。

      中庸で扱い易いセラよりも先でしたね。
      私はレオと操が仲良くなるといっても結局操がこじらせて、
      操「俺たち親友だよな。今度いっしょに釣りに行こう!」
      レオ「う、うざい。やっぱ、こいつとは合わねぇ!」
      くらいの3歩進んで2歩下がる感じではないかなと思っています。

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  2. バングレイの戦法は確かに悪辣でレオ達が怒る理由としても筋が通っていたのですが、大和の怒りを煽ったことで攻撃を食らっていて、バングレイが少し間抜けに映っていたように感じました。
    最初はバングレイが大和の再起不能をねらっているのかとも思いましたが、バングレイの態度を見る限りそうでも無さそうだったので、イマイチバングレイが何をしに来たのかよく分からなかったです。

    後、バングレイの作った幽霊に追われる街の人達も放置でした。レオ達が片付けたのかもしれませんが、「大変だったなー」など、一言くらいあっても良かったように感じます。
    そちらも何故バングレイが復活させたのか理由が特に説明されませんでした。

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    1. >イマイチバングレイが何をしに来たのかよく分からなかったです。

      私はただの嫌がらせだと思っています。
      大和が挫けたり苦悩したりする姿が見たかっただけで、倒すとか殺すとかそういうつもりはなかったのだと思います。大和が母親の幻影を殺された時点で挫けていたら、たぶんバングレイは笑いながら帰っていっただろうと思います。

      >レオ達が片付けたのかもしれませんが、「大変だったなー」など、一言くらいあっても良かったように感じます。
      そちらも何故バングレイが復活させたのか理由が特に説明されませんでした。

      状況からすると倒して片付けたのだと思います。
      喜んでいた人に対してはどうしたのかは疑問です。その場合倒すのも問題があります。その辺りを示唆する台詞があると良かったですね。

      バングレイが一般人に対しても能力を使った理由は、ただの陽動だと思います。
      最初に出てきたタイミングから考えて、大和を予め付け狙っていたのは明らかだと思います。大和の大切な人をバングレイが自ら殺すことも作戦のうちだったでしょうから、他人に幻影を消されてしまっては台無しです。そのために大和を一人にさせ、レオたちをおびき出して大和と母親がいっしょに過ごす時間稼ぎをしたのだと思います。

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  3. 今回はいろいろ香村さんの真骨頂だったのかな〜と思います。
    殆ど流血もないのに残酷極まりない、家族への思いを突いた精神攻撃
    特撮世界にしかありえない条件を利用した、亡き家族との再会と再確認される絆、少しの救い
    敵の嘲りを逆手にとった啖呵からのカタルシスあふれる怒濤の反撃

    思えばザワールド登場編からの8話連続は、ザワールドが味方になるまでは緊迫感悲壮感の溢れる展開、それが一転して操のキャラを中心にしたコメディの乱れ打ちときて、最後はこれ、と香村さんの引き出しの広さと深さをたっぷり楽しませてもらえた気がします。

    >シリーズ構成の自分が伏線(クバルの謀殺、大和の父親?、バングレイが大和を嫌う理由)を撒いて、ローテーション陣にそれを拾わせて各回のメインストーリーにするスタイルにしたみたいです。

    特に特撮の経験の浅い田中さんには、一から単発エピを作るよりこのやり方が合っていそうですね。むしろ荒川さんの方がドロボウズの時のような、自分の趣味に暴走しないか心配してしまいます。
    特に大和の父親の話はできれば香村さんの回で見たいので、ちょっと祈るような気持ちです。

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    1. 香村さんの構成力の高さが存分に活かされていましたね。
      1話1話も全体の流れも均整が取れていると思います。

      >特に特撮の経験の浅い田中さんには、一から単発エピを作るよりこのやり方が合っていそうですね。むしろ荒川さんの方がドロボウズの時のような、自分の趣味に暴走しないか心配してしまいます。

      私もそう思います。
      荒川さんはいつも自己流なので難しいかと思います。香村さんがお膳立てを整えた範囲でどうにかなればいいのですが。

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