『牙-KIBA-』 4~6話感想

2014年6月8日
【4話】
・ロペスの性格とデュマスの状況を描き、武闘大会(ジャウスト)が始まった回。
この回は牙の中でも特に印象深い回です。
武闘大会と聞いたときには「メインキャラも5人もいるし、尺稼ぎか。これで4話くらいは埋められるだろうなー」と気軽に考えていたら、4話のうちにヒロインが負け、決勝戦手前までいって唖然としました。武闘大会なんておいしいネタをこんなにあっさり終わらせるなんて。
「なんだこのアニメ?」という言葉の意味が「意味がわからない」から「驚き」へと変わった瞬間でした。

【5話】
・ノアが異世界に召喚され、ネオトピアの外れの平和な街を満喫する、今思えば惨劇の前振りにしか見えない回。
決勝戦の途中にいきなりノアのぶっこむというものすごい強引な構成です。でもこの後のことを考えると確かに入れる場所がないと納得してしまいます。1話の間に何度も上げては落とす牙の構成に視聴者を慣れさせるための回とも思える内容でした。


【6話】

・「前回一人しか殺さなかったからな!」と言わんがばかりに人がバタバタ死ぬ虐殺回。
息子が親を殺した次は、幼なじみ同士が殺し、殺され、殺しあう。

・ゲイルの説く戒律を順守する絶対正義が悪いように見える一方、アイシャの語る平和も胡散臭さの上に成り立っているところが業が深い。
かつて戦争で活躍したという理由で街ごと労役を免除され、衣食住全てが国によって賄われている。確かに平和そのものだけど、その生活を支えているのは他のネオトピアの市民が収める税金のおかげ。あの苛烈な世界で街のためにどれだけの犠牲が払われているかと思うとアイシャの意見にも頷けません。

・そしてその全てを力で破壊し尽くすノア。
この時点では無自覚とはいえ、「力が全て」という牙世界の基本ルールを初めて体現した存在となった。力に振り回される人がいる一方、力を振りかざすものもいて、自分の居場所を確立するために力を求めるものもいる。人それぞれに異なる「意思・与えられた環境・力」、そこから生じるドラマを描くことが牙のテーマのように思えます。

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