『王様戦隊キングオージャー』 第3話「我がままを捧ぐ」:感想

2023年3月19日
■納得がいかない
・女王のわがままが迷惑な問題行動であることには変わりないような?という疑問が最後まで解けませんでした。
大前提であるイシャバーナの社会制度がまずわかりませんでした。「女王はわがままだけどみんなそれを気に入って幸せに暮らしています」というのなら、あの強請りオジサンやボロ屋に住んでた子供は何なのでしょう? そんな不幸な人は生まれないはずでは? どういうふうに社会が廻っているのか全然伝わってきませんでした。不幸は目に見えて存在しているのに「これで良いのです」と言われても納得がいきません。
本来カタルシスを感じるべき場面でついていけなかったのでお話の満足度が低いどころかマイナスに感じました。

・たまたま立ち寄った国ならそれで済ませるのも有りかもしれませんが、主人公が納得するなら話は別です。
これだと主人公と視聴者の間で心の隔たりが生まれてしまいます。主人公の価値観を中心に回していくお話で主人公の考えに寄り添えないのは致命的な問題になると思います。このままだとついていけない価値観のお話が続いていきそうで不安が増しました。

・ギラの察しの悪さもマイナスでした。
「そういえば前に助けてもらったことがあった。悪い人なわけないな」と思い出すのが遅いです。そこは最初から理解した上で「なんであんな良い人がこんなわがまま放題をやってるんだ?」という部分に疑問を持つほうが自然だと思います。

■レインボージュルリラって何?
・大前提がわからないという点ではレインボージュルリラも同じでした。
あの世界に実在するものなのかわからないから話の前提についていけませんでした。ギラが実現不能な難癖をつけてるのか、苦労はするけど作れるような誠意の証なのか何の話か全然わかりません。結局、女王も実在性を疑い始めてようやく作中での扱いを理解できましたが、ギラがどういう意図で要求したのかはわからないままでした。

A)悪の王様らしく理不尽なことを要求した。
B)ギラもレインボージュルリラがどういうものかよく知らないので豪華絢爛な国だからひょっとしたらあるかもしれないと思って言ってみただけで悪意はない。
という仮説は思いつきましたが特に決め手はありませんね… 相変わらず悪役ぶったりするギラの行動規範がわかりません。

・レインボージュルリラを食べている子供ギラの身なりが良かったので高貴な生まれ説が補強されました。個人的には貴種流離譚よりも「人は生まれによって決まるのではない」というお話のほうが好きなので違ってほしいのですが。

■OP
・2話も無かったから5人揃うまではやらないのかと思っていました。
アニメ風な感じで映像は派手でしたがテロップは見づらかったです。個人的にはキングオージャーの地味めなデザインとは演出の方向性が合っていないように感じました。

■ゴッドカマキリ
・トンボで飛べるようになるならカマキリは何?、と思っていましたが足から斬撃が出せるようになるようです。
想像図だと地味なような気がしていましたが、映像としては蹴りを使う姿が思っていたより良かったです。戦隊ロボはスーツやデザインの都合で足をあまり使いませんからね。そういう点では新鮮味や意外性があって良かったです。この調子で同じ足パーツで被ってる蜂もどうにかなるでしょうか。

■キングズウェポン鎌モード
・鎌…なんですね。鎌に見えませんでした。刃じゃなくて盾の飾りに見えます。
剣と2つでカマキリの両手の鎌に見立てていたようですが無理があるように感じました。サイズ的に盾部分のほうが目立つのでアクションでも活かすのは難しい気がします。


次回は蜂の王様がゴッドカブトを連れてやってきたみたいでした。
「三大守護神のゴッドカブト!」と言われて困惑しました。デズナラクが「三大守護神~」とか言ってるように聞こえたときは「三大? キングオージャーは5体以上だから聞き間違いかな?」と思っていましたが三大で合ってたようです。伝説のキングオージャーとは別に存在するとはややこしいです。前回デズナラクがトンボに対して「秘宝を寄越せ。しらばっくれるなそこにあるだろ」と言っていたので混乱しました。三大守護神と呼ばれるものは別にあるけどそれとは別にキングオージャーの構成ロボも秘宝なんですか。私はまだ世界観や社会構造が飲み込めていないのでいろんな話を並行して話されると困ります。




コメント

4 件のコメント :

  1. 感想お疲れ様です。なんでOP引っ張るんだろう……流した方が絶対に良いのに。
    >■納得がいかない
    >女王のわがまま
    >ギラの察しの悪さ

    無理なキャラ付けと、物語のためのご都合動作という感じでしたね。
    女王は、1話の動きできちんとすぐに戦いに赴く戦士であり、医者としてもとてもいい動きをしていて、好感の持てる動きだっただけに少し残念です。
    来週の王様も、なにやら不穏ですが果たして。
    ちょっとずつずれていってしまいそうだなぁと。

    来週の感想も待っています。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >なんでOP引っ張るんだろう……流した方が絶対に良いのに。

      3話まで流さなかった理由は全然わかりませんでしたね。2話で流しても違いがないと思います。あれだけビジュアル重視にしたのにアピールしないのは不可解です。

      >無理なキャラ付けと、物語のためのご都合動作という感じでしたね。

      女王の良さも独自の論理も特に伝わってきませんでした。1話の印象から特に変化がありません。むしろよくわからない論理にギラたちが納得した違和感の分だけマイナスな印象です。

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  2. 歩けなかった少女が、何故歩けなかったのかよくわかりませんでした。
    最初は生活のため父親に詐病を強いられてたのか?と思ってましたが、最後に父親が歩けなかったのを知らなかったのでそれはありえないと思います。
    なんとなくですが、「わがままになれ」と言われた時の反応から手術後もし自分が歩けなかったらどうしようと悩んでたところヒメノへの憧れから前を向くことができました。という話がしたいのかな?と思いました。描写が全くないんでわかんないですけど

    今んとこ個人的にはまだ世界観の説明段階なのでまだ見えるが話の転がし方に早くも不安が見えるみたいな評価です。

    後は販促に対する話のフォローに不安を感じています。そういう世界観といわれればそれまでですが前話のダンゴムシと合わせてなんか唐突にそこら辺にいたのを武装してパワーアップという展開に見えて個人的に萎えました。
    なんか一言「うちの庭園に住んでいるツムリちゃん!助けに来てくれたの?」と一言でもあれば印象もマシになるかもと思いました。次のカブトムシで評価を覆して欲しいと感じています。

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    1. >歩けなかった少女が、何故歩けなかったのかよくわかりませんでした。

      私の解釈としては
      「少女は元々歩けた。しかし父親のために補助金を手に入れるため歩けないふりを続けていた」
      のだと思いました。
      だからヒメノは「わがままになりなさい(父親のために自分を犠牲にする生き方は止めなさい)」と言ったのだと思います。

      個人的な疑問点は「父親はどこまで共犯意識があったのか?」という点です。
      「お前が歩けなければ補助金がもらえるかもしれないのに」なんて口に出すろくでなしでない限りは、最初に「歩けない」と言い出したのは少女のはずです。少女のほうから「歩けないのは手術が失敗したせいだから補助金くらいもらう権利がある」と言い出したのか、それとも「私が歩けないのは女王のせいだ…」みたいに間接的に父親を焚き付けたのか。父親は本当に歩けないと思い込んでいる状況が伝わってきませんでした。悪者を出さないようにしようと変にこねくり回した結果、不明瞭な内容になってしまった感じがします。

      >そういう世界観といわれればそれまでですが前話のダンゴムシと合わせてなんか唐突にそこら辺にいたのを武装してパワーアップという展開に見えて個人的に萎えました。

      前回も今回も登場が唐突で、「え、今出るの?」と戸惑いました。
      これまでの印象だと普通の虫ロボたちはリアルで言うところの馬や牛のような家畜みたいに運搬など生活に身近な存在のように見えました。こういう存在で合ってるなら前回も今回も街の要素を描くついでにロボも前フリしておくことは難しくないと思います。単純な販促としても世界観の描き方としても虫ロボ周りは良くないと思います。

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