『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』最終回まで見終わって:総合感想

2023年3月25日
 『暴太郎戦隊ドンブラザーズを最終回まで見終わったので感想を書きたいと思います。
*必要に応じて随時ネタバレがあります。





  *最初に:筆者は井上敏樹アンチです。
・最初に注意書きとして書いておきます。私は本作品のシリーズ構成である脚本家「井上敏樹のアンチ」です。
詳細は省きますが思想レベルで合わないし嫌いです。ドンブラザーズの感想にも私情が多々混じっている可能性が高いため、記事の内容にはバイアスがかかっている可能性が高いと思って読むほうが良いと思います。
以上、注意書き終わり。

一言まとめ

ベテランシェフの作った美味しいカレー
、にウンコをたっぷりかけたもの。
カレー3:ウンコ7の比率のものを、「一部は美味しいカレー」と呼ぶか、「それはもうウンコじゃん!」と言うかで評価が分かれる。

良かったところ

■濃い味付けのキャラクター
・ドンブラザーズは基本的にキャラ中心のお話です。メインストーリーは狂言回し程度しかありません。全50話のうち、総集編を除いた全話をシリーズ構成の井上敏樹が一人で手掛けています。
助けを求める相手を足蹴にする尊大な主人公、エア飲酒する風流家、欲望を滾らせて3回も怪人になる男、無実の罪だが愛のために逃げ続ける指名手配犯などいかにも井上らしいエキセントリックなキャラクターをベテランらしい深みのある台詞で描いています。
言葉の節々に価値観を感じられるような台詞から表情や仕草だけで自然と物語る描写まで一通り揃っています。
最近のニチアサは初期設定上に広がらないキャラや人間味が感じられない人物描写が多かったので余計に良く見えます。

悪かったところ:良いところ以外ほぼ全部。


■キャラの一貫性の無さと引き伸ばし

・良いところにキャラクターを挙げましたが残念ながら作品全体においては極一部の場面のみでした。
良いところは緻密に描かれている反面、キャラ崩壊も同然に不自然な描写が目立ちました。良いときは自然な語り口だったキャラすらも話の都合で捻じ曲げられ棒立ちになったり馬鹿になるので余計に不自然さが際立ちます。
そして何よりも深刻だったのは引き伸ばしです。同じ内容をクール単位で延々と引っ張りました。序盤から提示されていたのにまともに進展し始めたのは4クール目に入ってからなんてザラでした。どこがどう酷かったか以下の項目で例を挙げて具体的に説明していきます。

■敵幹部のリーダー・ソノイ
・雑な展開の代表格の一人は敵幹部であり主人公のライバルであり親友でもあったソノイです。
怪人となった人間を抹殺する処刑人である一方、誠実で清らかな人間は身を挺してでも守ろうとする理想主義者です。
主人公とは互いの正体を知らずに出会い、お互いに惹かれていきましたが、1クール目の終わり頃に正体を知り主人公のことを一度は手にかけました。
しかし不意打ちで殺したことに納得がいかず、まだ完全には死んでいなかった主人公の蘇生を手助けし、生き返った主人公と改めて決闘をすることを誓いました。

・…ここまでは人物描写も展開も良かったのですがここからが凄惨でした。
決闘の約束をしたのが15話で、実際に決闘したのが27話になってからでした。
なんでこんなに間が空いたかというと 夏 休 み だからです。公式が明言してるので事実です。夏休みシーズンにメインストーリーを進めたくないからというだけで不自然にキャラを動かすことを止めました。
それでいて夏休み中もソノイは出続け、特に関係ないことに首を突っ込み、挙げ句のはてに公式ギャグ要員にされて、バトルでは主人公とも雑に戦っては雑に撤退する奇妙な行動を続けました。決闘の約束はどこに行ったのでしょう。
夏休みが明けた27話になったら今度は突然何の前フリもなく決闘し始めました。なぜ間を空けたのか説明も釈明もなく、まるで15話が前回だったかのような流れに困惑しました。

・決闘の後がまた酷かったです。
今度はソノイが負けて死にましたが5話後の32話で生き返りました。
主人公の力を取り込んだことでパワーアップし、代わりに性格まで主人公のような尊大な態度になってしまい味方すら困惑するほどでした。
キャラとしては元々の性格が欠片も残ってない別人であり、新キャラとしては主人公のモノマネでしかないので退屈極まりなかったです。
そんな主人公のモノマネは2話経ったらあっさり終わりました。理由は「おでんを食べて感動したから」です。仲が良かった頃に主人公から聞いたおでんを実際に食べたことで元に戻りました。
…この展開が実に酷かったです。尊大になったソノイにおでんを食べさせるための苦労もなく、約束だったおでんを食べた感動も台無しにしていました。「なんか食べることになってなぜか治った」としか言いようのないご都合主義の塊でした。
しかもせっかくパワーアップして一度は主人公を倒したのに、スーパー化を習得した主人公と一度も再戦しないうちに正気に戻ってしまったのがま~た酷かったです。おかげでスーパー化した主人公の目ぼしい戦果がゼロになりました。 *バトルと販促関連の話は販促の酷はたくさん有りすぎるので別に語ります。

・この後は輪をかけて悲惨でした。
ライバルとしての出番がなくなり、特にエピソードがないまま時間が過ぎていき、44話では序盤に悩んでいた絵を自力で描けるようになっていました。
作中でソノイ自身も「いつの間に描けるようになったのだろう?」なんて言ってましたがマジでわかりません。理由もきっかけも具体的な心当たりが見当たりません。中盤まではメイン扱いだったソノイでさえも雑に片付けられたことに井上の度し難さを痛感しました。
最終回から4話前の46話ではもっと雑な展開が起こりました。処刑人として人間を抹殺してきた罪をどう償うかが仲間入りするための課題だったのですが、それは「許しの輪」によってあっさり解決されました。
許しの輪を回すと殺した人が蘇るとても便利なアイテムです。一つ前の回でその伝説がいきなり語られたと思ったら46話ではどうやって行けばいいのかも謎だった場所に直行してゲットしていました。人の命や罪の清算という重大事項が見つける苦労や使う葛藤は一切ないインスタント展開で片付けられました。
こんな雑な展開を入れておいて、その後もときどき主人公とソノイのお話を序盤と同じようなテンションでやるのでついていけません。不自然な展開のせいで個々の描写が霞んでしまいます。

■オニシスター・鬼頭ハルカ
・雑な展開のもう一人の例がオニシスターに変身するハルカです。
高校生にして売れっ子漫画家として活躍していましたが身に覚えのない”盗作騒動”が巻き起こり地位を追われ、漫画家に戻る願いを叶えるためにドンブラザーズに加入しました。
ドンブラザーズに加入してからも事あるごとに「これ、漫画のネタになるかも」とあくまで漫画家中心の姿勢は崩さずバイタリティに溢れたムードメーカーとして活躍していましたが、10話で一旦願いを叶えて漫画家に戻りました。しかしあらぬ盗作嫌疑をかけられて自分と同じように戦っている2代目オニシスターを見て憤り、漫画家を止めてドンブラザーズに再び戻りました。

・…問題はこの後です。
なぜかまた漫画を描きたいと言い出し、逆にヒーロー活動に対しては特に関心を示さなくなっていきました。
その後も漫画関連のエピソードばかりを繰り返し、最終回では新しい漫画を描いて再び売れっ子漫画家に返り咲いていました。
10話で一度漫画家に戻ったエピソードが無かったことになっていて唖然としました。やっぱり漫画家を続けるほうが重要ならどうして戻ってきたのでしょう?
憤りを感じていた勝手に不幸にされてドンブラザーズ入りするように仕向けられるドンブラザーズの不条理なシステムには全く触れられず、盗作騒動も「実は未来、という名の平行世界からバカンスでやってきた自分が漫画を描いたせいだった」とここでしか出てこない唐突な別世界設定が後付けされ、世間的には何の解決もしないうちに復帰できてしまいました。盗作が再起の障害になるわけじゃないならさっさと新作を描けば良かったじゃないですか。
1から10まで意味がわかりません。序盤にやった個人回の主要エピソードまで無かったことにされたことに腹が立ちました。トップクラスに扱いの良かったキャラでさえも雑な扱いを受けるので元々扱いの悪いキャラはお察しです。

■鬼のような引き伸ばし

・展開の引き伸ばしの代表例は「獣人(ジュート)」です。
主人公の一族に作られた人工生命体の失敗作たちで基本的に不老不死で人間や敵勢力の市民も襲うので主人公と敵共通の敵と言える存在です。
公式でも「いろいろ謎があるように見えても、じつはほとんど《獣人問題》に帰着するんじゃないか?」と脚本家が語っていたというほどストーリーで重要な要素…のはずでした。

・そんなキー要素でも扱いはクソ雑でした。
早くも9話で敵幹部すら恐れさせる存在として鳴り物入りで初登場したのにすぐに大した出番はなくなり、ストーリーにもろくに絡まず敵として登場することさえほとんどないまま話数だけが過ぎていきました。ソノイとの決闘があった27話では「なぜここに獣人が?!」と言われるような賑やかしの乱入要員の雑魚として大量動員されていました。
すっかり賞味期限が切れたどうでもいい存在に成り果てたかと思えば、今度はソノイと入れ替わりで3,4クール目の中心になり獣人中心のお話が増えました。
増えたと言っても「メインストーリー=やる気がない」なので「獣人とは何か?!」→「まだ教えるには早い…」みたいな虚無い展開を続けて引き伸ばすだけでしたが。

・散々引き伸ばした挙げ句に45話で雑に解決しました。その方法は「主人公が『俺に逆らったら殺すぞ!』と脅す」です。そんな方法で良いのかと思うでしょうが、実際に視聴しているともっと戸惑う展開でした。
それよりも15話前の時点では、主人公は獣人から「獣人たちは主人公の一族が作って封印した人工生命体だが、都合が悪いからといって存在を否定するな。私たちだって生きてるんだ」と言われ納得して殺すのは止めたはずなのですが、45話になったら「この食べ物も娯楽もない森で不死身の身体で永遠に生き続けろ。外に出ようとしたら殺す!」と真逆の主張になっていました。
しかもこの非人道宣言と同じ回のうちに主人公は「獣人にわざと乗っ取られて本拠地の場所を突き止める作戦だったが危うく戻れなくなりかけた」という大ドジを踏んだ直後なので凄まれても全然説得力がありません。こんなアホで「普通なら殺せない不死身の敵も主人公なら殺せる! なぜなら主人公は特別だからだ!!」なんて言われてもご都合主義にしか見えません。
論理的には全く意味がわからないし、感情的にも主人公の強さに説得力が欠けているので心底理解不能な展開でした。9話~45話という超長丁場だった獣人は本当にこれっきりで終わりでした。

■最後は放り投げ
獣人以外にも
・ブラックだけメンバーに正体がバレないすれ違い展開。
・ジロウの素性や二重人格。
・主人公の一族であるドン王家。
・マザーとムラサメ。
・新たなる敵幹部のソノシ、及び元老院。
など出すだけ出して引き伸ばしてきた要素はいくつもありました。
これだけいろんなものを引き伸ばした挙げ句に最後はストーリーもキャラも雑に投げて終わりでした。仮面ライダーキバや響鬼を見たことがある人なら想像がつくと思います。
ラスボスなんて1話前に顔見せしただけのポッと出で、キグルミも後半で出た敵幹部のスーツを色替えすらしない省エネっぷりでした。倒し方も味方が散々ボコボコにされた後に主人公が突然強くなって必殺技ワンパンで終了です。
しかも倒したからといって特に何もありません。「襲ってきたから倒した」だけで敵組織は健在ですし、欲望が溜まると人間が勝手に怪人化する問題も何一つ解決していません。登場人物も大半が1話時点から変化はありません。
ストーリーもキャラも解決した問題はほとんどありません。でも終わりです。最終回なので。終わり方も「主人公の記憶が消えた! なぜならそういうルールだから。味方もそういうルールなら仕方ないねと受け入れてお終い」というポッと出の設定だけで片付けました。

■異様な倫理観

・ドンブラザーズがヒーローものとして致命的な点は異様な倫理観です。
「自分たちに関係ない人なら死んでも大した問題じゃない」
これがドンブラザーズの基本的な倫理観です。誇張ではなく本当にそうです。

・代表例がキジブラザーこと雉野です。作中で明確な殺意を持って人間を死に追いやりました。
モデルにして絵を描くために妻を拉致した猟奇絵師を憎み、絵師が怪人になり主人公が必殺技で浄化しようとした際にはわざと割り込んで浄化を阻止し、敵幹部に切られて抹消されるよう仕向けました。
その回の最後に独りでニヤニヤしながら「僕は彼女のためなら”何度だってやる”」とモノローグをしていたので確信犯で間違いありません。

・こんな殺人鬼がヒーロー気取りなだけでも信じ難いことですが、他のメンバーの反応はもっと異常でした。
何一つ触れませんでした。「あれは偶然だよね?」と擁護するどころか何も起きなかったかのように振る舞い、その後も一度も話題に上がることすらありませんでした。雉野の人格について味方内で話したときでさえ「3回も怪人化したけどね」と別のことが問題視されていました。
結局最後まで雉野の殺意について話されることはなく、当の雉野自身は最終回でも「ヒーローをやっている間はダメな自分のことを誇りに感じられるんです。自分のためにヒーローやってもいいですよね?」なんて自分をヒーロー扱いしたまま終わりました。主人公もそれを肯定していたのでドンブラザーズではそれで良いそうです。

・殺人者は他にもいます。ソノイたち中盤まで敵幹部だった3人は怪人となった人間を抹殺する処刑人として多くの人を抹消してきました。
ドンブラザーズにほだされ、仲間になりたいと思い始めたときにも作中で前科が課題となりました。
そんな3人が人殺しの罪を解決した方法、それがソノシのところでも話した「許しの輪」です。回すと抹消されて謎空間に閉じ込められていた人々がみんな元に戻るとても都合の良いアイテムです。
というわけでソノイたちの罪は帳消しとなり晴れてドンブラザーズの仲間になれました。めでたしめでたし。
もちろんドンブラザーズのメンバーに「勝手な理由で人を殺しておいて戻せばそれで済むと思ってるのか?!」なんて言う人は一人もいません。代わりに「お前は後から加入したんだから当然俺より格下だ。文句ないよな?」とマウント取るやつはいましたけど。

・更にはドンブラザーズのメンバーが明確に人命に対する無関心さを突きつけたこともありました。
ソノイたちの後釜の敵幹部たちがドンブラザーズをおびき出すために街中で人間を拉致し、それでも来ないことに苛立ってドンブラザーズの本拠地に「人間を誘拐しまくってるのにどうして出てこないんだよ?!」とクレームを言いに来たことがありました。
そのときのドンブラザーズの返答は「今は会議で忙しい」でした。ちなみにこの会議の内容はソノイたちの加入を認めるか否かでマウント取りたい連中がグダグダ言ってただけのどうでもいいものでした。
悪役が人間をさらっていても自分たちの事情を優先する。殺人も知ってる相手を殺されたら怒るけど自分が知らない相手なら気にしない。それがドンブラザーズの提唱するヒーローです。

・この倫理観の無さは客観的に見ても致命的でした。
宅配の仕事で訪れただけで「これで俺とあんたには縁ができたな」と言う主人公を1話からアピールし、公式展開でも散々キャッチコピーとして使っておきながら、「関係ないやつが死んでもどうでもいい」という恣意性を露骨に見せるのは矛盾どころか嫌悪感を感じます。
縁というのは人と人が出逢えば勝手にできるものであり、良い縁だけでなく嫌な縁もあるものだと思います。たとえばメンバー内でも厄介者扱いのジロウなんてまさに可能なら避けたい悪縁でしょう。
「ドンブラザーズは仲間です *ジロウは最初から勘定に入ってないので無視しても問題ありません」とモブどころかメンバーですらも平然と差別する姿に反吐が出ました。みんな仲良しなんてする必要はないと思いますが縁を語るなら嫌いなら嫌いでどう向き合うのかちゃんと描いてから言ってほしいものです。

■存在の無視
・ドンブラザーズでは存在自体を無視された要素がいくつもあります。
販促、バトル、巨大戦は当然まともなものはありません。井上なので。
やる気がないとかじゃなくてノルマ以上のものが本当にありません。なにせまともな幹部戦すらないのですから。
井上はバトルに興味がないのでバトル中は話が進みません。でも勝手に倒されるのも嫌なので、「小競り合いをした後に一旦離れて決闘を再開して一瞬で終わる」なんて理解し難い光景が幹部戦の度に起こります。バトルをしないどころかアレルギーと言っていいくらいに毛嫌いしています、
幹部戦がこんな有様なので巨大戦も雑魚専門です。そもそも誇張抜きでボスクラスが一人も巨大化しません。本当にゼロ体です。その結果、1号ロボも2号ロボも合体形態も最強形態もぜ~んぶ相手は雑魚の怪人です。
生身戦も巨大戦も必殺技ぶっぱで終了なので実に退屈です。クオリティが低いかどうか以前にまともなアクションが数えるほどしかありません。ストーリーを伴ったまともなバトルは一つもありません。
アクションやバトル目当てで見るのは無謀どころか見当違いです。

・存在の無視という点で別のベクトルで酷いのが追加戦士のジロウです。
戦隊の追加戦士と言えばここ10年くらいは実質二人目の主人公と言っていいくらいに優遇されることが多いですがドンブラザーズでは初期メンバー以下の冷遇でした。
第一印象が勘違い系の自惚れ屋のアホ&自分を認めないメンバーを粛清しようとするキチガイで視聴者どころか味方からも印象は最悪でした。
でもそれすら全体から見ればまだ良いほうでした。数話経って販促期間が終わった頃には脇役以下の活躍しか無くなり、ジロウ関連のエピソードの雑さはドンブラザーズ1でした。
ジロウは二重人格で龍と虎の2つのフォームをそれぞれの人格に割り振られています。2号ロボは龍と虎が合体するデザインだったため、ジロウも2人必要になりました。
そこでスタッフはジロウを分裂させることにしました。理由も理屈も何もありません。これまではその都度、人格が入れ替わっていたのに突然物理的に2人に分裂しました。普通なら分裂したのは怪人の能力とかアイテムの力とか理由付けするものですが何もありません。ロボの初登場が済んだらそれ以降は分裂せずにまた人格の切り替えだけになっていました。付けた設定すら捨てられるのがジロウです。
定番の人格の統合に至ってはここまで雑に済まされたキャラは見たことがありません。突然「俺たちは一つになる必要がある」と言い出してその場で済まされました。統合を言い出したのがもう一人の自分を嫌っている凶暴なほうの人格だったので違和感が凄まじかったです。なお、人格の統合が終わった後の残り2話はそれまで以上に空気でした。作中で「なんだか(良い意味で)普通になった」と言われたときには皮肉に聞こえました。奇抜さ重視で普通の良さが描けていない作品で言われても説得力がありません。
キャラ的にも目立ちやすく、専用玩具やロボまで持っている追加戦士がここまで空気にされたことに驚きました。不遇とか以前にキャラとして面白くないので出番がないことに特に反発を感じさせないところがまた酷かったです。

■割り切れば面白いとすら言えない

・映像作品として致命的なのはこの点だと思います。メイン要素に時間を割り当てるためのやむを得ない犠牲ではなく、ただの毛嫌いと手抜きから生じる無駄が多すぎました。
売りであろうキャラ単体に絞っても無駄が目立ちました。展開が雑なせいで不自然な描写が多く、話の都合のためにメインキャラすら台無しにしている場面も少なくありませんでした。
引き伸ばし癖がメインストーリーだけでなくキャラでも変わらない点も大きなマイナスでした。掘り下げる余地も広げる余地も感じられるのに何もせず、延々と同じ話を繰り返していました。大きな変化のない日常ものならまだしも癖の強いキャラクター性には合いません。

・総評を書くにあたって考えれば考えるほど「雑なだけ」「やる気がないから」という結論に至る要素が多すぎました。
終わってから振り返ってみても2,3クールがスカスカで4クール目の終盤になっても内容の薄い回がいくつもありました。獣人関連は無駄に細かくした割に最後は雑に投げて終わりで本当に嫌になります。
途中からわざわざ追加したソノシゴロクはもう存在自体が不要だと思います。同族であるソノイたちとすら接点が作られませんでした。誰とも関わりがなく単体でも機能しないキャラをラスト1クールになってから追加する意義が見当たりません。ノルマで戦う相手ならヒトツ鬼でも変わりません。こんなポッと出で描く気もないモブに割いてる時間があったらやることはいくらでもあったと思います。
最後に各キャラの雑感を書いて終わりにします。

キャラの印象

■タロウ
・当初は目立っていたのですがどんどん空気になっていきました。
ワンマンキャラからの変化が全然上手くいってなかったと思います。俺様でも最強でもなく、それでいて”普通”になれたわけでもなくて、ただ無個性で空気になっていきました。
全体から俯瞰して考えるとタロウの役割は「ソノイの踏み台」だったなぁと思いました。ドンモモタロウという狂言回しの役割を除くと、ソノイの相手役という以上の存在意義が見当たりません。
考えてみれば当然のことなんでしょうね。井上に”普通”なんて描けませんから。普通になりたいキャラという時点でキャラとしての自殺につながるのは当然の流れでしょう。

・最終回の記憶喪失はまるで意味がわかりませんでした。あれのどこが救いになるのでしょうか?
せっかく友達になれたメンバーのことも陣のことも忘れて孤独な変人に戻ることをタロウが望んでいるとは思えませんでした。
メンバーが記憶喪失を受け入れていることも不可解でした。2話前の「脈がない! やったー!!(タロウに友達だと思われてるってことだ!)」と喜んでいた光景は何だったのでしょう? 雉野やソノイの態度からすると「ドンブラザーズなんてやらなくて済むならそのほうが良い」なんて罰ゲームみたいな扱いではないはずなのですが。
別人のように人当たりの良い好青年になって常に知り合いに頼りにされているような充実した生活をタロウが送るならわかりますがそんな様子はありませんでした。あれで良いんだという流れにするには「俺は本当は戦いたくない。早く戦いなんて終わらせて宅配屋さんになりたい」みたいな願望を秘めているキャラにでもしておかないと通らないと思います。

・最後までドン王家の生き残りと孤独な青年の2つの要素が重なりませんでした。
当初は変身すると人格が変わるのかとか思うほどの豹変っぷりでしたが何の意味もありませんでした。最終回まで見てもタロウが変身すると「祭りだ祭り!」なんて高笑いする姿になることと普段の感情が薄い様子がつながりませんでした。普段は相手に対しては問題解決を要求するだけで笑うかどうかとか精神性は求めたことがありませんし。
ストーリー面でもまともに決着したことが見当たりません。獣人関連では王家王家と言っていた割には王家の仇を取ることもなく元老院やイデオンには全く干渉せず、「タロウは生まれながらに特別なのだ」みたいに言われていた割には最後は強制的に記憶を消されて一般人にされてしまいました。まるで意味がわかりません。特別な存在なのか特別じゃないのかどっちなんですか。
こんな世界の都合に振り回される小者として終わらせるなら「タロウはタロウである。それはタロウという”役割”を与えられたという意味に過ぎない。役割が終わったらただの凡人に戻るのは当然である」みたいなしょせんは操り人形として終わったほうが冷淡な終わり方に合っていた気がします。ヒーローに対して冷笑的な態度としても中途半端だったと思います。

■ハルカ
・ハルカもタロウ同様に序盤は目立っていたんですけど空気になっていきました。
ギャグキャラとしての出番はたくさんありましたけど、一人のキャラクターとしては漫画漫画漫画でワンパターンでした。
漫画家として返り咲いてもその過程が全然描かれていないので何のカタルシスもありませんでした。以前の自分の作品を超える難しさやソノザからのアドバイスの活かし方、世間や周囲に認めさせること、苦労や工夫の余地はいくつもあったと思います。まぁ、井上に漫画のことなんて関心がないので描けないんでしょうけど。

・漫画は実態がなくて空虚なのに漫画を除くとハルカには変顔しか残らないところが虚しいです。
偽物との関係やソノザに漫画への興味を持たせるまでの関わりを重点的に描いたほうがまだ面白くできたんじゃないかと思います。

・10話でドンブラザーズを脱退した後に戻ってきたイベントはノイズでしかなかったですね。
無かったことにする以外にまともにつながる道筋が見えません。しかし復帰するにしても他のアプローチのほうが良かったと思います。
たとえば「元の生活に戻ったけれども漫画家としてスランプになり、ネタ探しのためにドンブラザーズに戻ることを決意した」なんて流れだったら実際のその後の流れと違和感が少なかったと思います。
ヒーローらしいことをやらせよう!とやったのに後が続かなくて全部が台無しになるのはダサいです。

■猿原
・ジロウとは同列最下位って感じの存在意義のないキャラでした。
いや、もう「キャラとして存在してない」と言うべきかもしれません。最序盤の時点では公式サイトで”発明”だなんてのたまっていたエア飲酒だのを早々にやらなくなった時点で猿原という存在は消滅していたのだと思います。
最終回まで見た視聴者ですら”教授”という呼ばれ方をしていたことを覚えている人は2割もいないんじゃないでしょうか。実際には金が嫌いと言いながら喫茶店に入り浸っては女子高生に払わせているヒモ男だから教授なんて呼び方は忘れられても仕方ないと思います。
最初はお気に入りだったはずなのに早々に空気になり公式からも「当初の予定だとこんなキャラじゃなかったはずなんだけど」と言われる始末。だからといってキャラの軌道修正は行われない。こだわりが強い割には飽きやすくすぐに投げ出す井上の特徴をよく表したキャラと言えそうです。

■雉野
・雉野はあまり語ることがないんですよね。
人殺しもサイコパス性も作中で明確に問題視する必要がない扱いになっていたので、否定するとすれば作品全体に対してで雉野ではないと思います。
キャラクターとしてはミホに対して異常な執着を見せていましたが、井上に”弱い人間”を描くことはできないので雉野の根っこは描かれず、それでいて行動だけは過剰なので具体的に共感しようがありませんでした。
ヒーローへの意識も作品の倫理観のせいでそもそもドンブラザーズはヒーローなのか?という根本的な疑念がありますし、ナツミとの関係も上手く行く可能性すら感じませんでした。
サイコパスキャラとしても大人し過ぎました。人殺し以外はリアルのDVやストーカーのほうがよほど恐ろしく感じる程度の偏執性しか見せていません。サイコパスとしても等身大の卑小さを持った人物としても輪郭がぼんやりしたまま終わりました。
冷静に見ると「初期設定から離れられないトラブルメーカー」という以上の印象が薄いです、

■犬塚
・3クール目からはソノイと入れ替わりで実質主役だったと思います。でも私が井上と価値観が合わないせいかストーリーの徒労感が強かったです。
あれだけ引っ張ったナツミが性格の悪い悪女だったで終わらされると肩透かしどころじゃありません。犬塚があれだけ必死になるからには一角の人物なのだろう、少なくとも犬塚にとっては掛け替えのない人物なのだろうと思っていたらとんだ俗物でした。
主観と客観のズレや思い込みの話をしてきたわけでもありませんし、ナツミが悪女だから犬塚の献身が輝くというわけでもなく、ただ胸糞悪いだけでした。
ソノニとくっついたからOKみたいな雰囲気だったので井上と価値観が合わなかったんでしょうね。私はソノニと一緒にいても犬塚が幸せになれる気がしませんし、善人が不幸を背負い込んで苦しむ姿もわざわざ見たくありません。美女を侍らすことにそれほどの価値も感じません。

・メンバーとのすれ違い展開も意義を全然感じませんでした。
正体を知らないことで起こったドラマ自体が数えるほどしかありませんでしたし面白くもありませんでした。情報共有なんて最初からできていませんし、メンバー内のギスギスや内輪揉めなんて雉野犬塚やソノイたちなど顔見知りになった後でもやっていることだからすれ違いの必要性を感じませんでした。
そもそも”変身後のドラマ”がないから正体がどうのという話は成立しようがないと思います。それは序盤のタロウとソノイの友情を見れば明らかです。あれは変身前後で姿が違い、変身後は戦う理由があるから成立する展開でした。メンバー同士は犬塚が指名手配犯だろうがどうでもいいので仮に正体がバレても問題になりませんし、バトルはタロウのワンマン体制なので仮にキジとイヌが変身後も揉めていようが大した影響がありません。
考えれば考えるほど、何を考えてすれ違い展開が面白いと思ったのかわからなくなります。

■ジロウ
・空気過ぎて上に書いたこと以上に書くことが思い当たりません。
故郷の住人関連もあからさまに途中で設定から変えられていて最初から最後まで扱いが酷すぎました。
視聴者目線でも良い印象がなく応援したいキャラでもないので、もはや「生まれてこないほうが良かったね」という印象です。憎まれるために作られた悪役よりも悲惨だと思います。

■ソノイ
・タロウの付け合わせかと思っていましたが、全体で見ればタロウのほうが付け合せでした。
すれ違いや変身、敵味方、使命などドンブラザーズの構成要素を活かせていて序盤は面白かったです。
しかしそんなソノイですら井上の雑さからは逃れられませんでした。二度目の決闘が終わった後はタロウ化の解除も贖罪も放り投げられました。後半は「タロウ」と「おでん」以外に何を言っていたっけという感じです。

・結末はタロウを失ったソノイが描かれていない時点でどうしようもないと思います。
タロウに人間の善性を見ていたソノイにとっては一転して人間やドンブラザーズ活動に興味を失ってもおかしくないほどショッキングな出来事だったはずだと思います。宅配のシーンで終わらせたいから切り捨てたご都合臭がプンプンします。

■ソノニ
・他人を弄ぶ悪行三昧をしていただけにしか見えなかったので井上との認識のズレが最も激しいキャラだと思います。
愛がどうとか以前に人として問題があるので犬塚とくっついても何も良いことだと思えません。
愛を知りたいとか言ってる割にはナンパ男をからかうだけで本気で知ろうとしているように見えませんでした。見当違いな努力をしてるソノザのほうがよほどマシに見えました。
愛の定義が狭いしソノニの人間性も底が浅すぎてまともな登場人物として扱うのは無理があると思います。

■ソノザ
・基本的に空気でした。元々「幹部その3」でしかないのでそれでもいいと思います。ジロウや猿原が空気になってるほうがよほど問題です。
ハルカや漫画関連は漫画の具体的な描写がないから説得力が皆無でした。漫画の何に心を動かされたのかまるで伝わってきませんでした。
編集者として動くようになることも能力面で説得力が感じられませんでした。「直感的だが伝わりづらいハルカと論理的だが情感がないソノザ」が力を合わせることで作品が良くなり、その結果前作を上回る作品を作って漫画家に返り咲くくらいのことはしてほしかったものです。実際には「ドンブラザーズの漫画を描きました!」ですからね。どこにソノザが関係してるんだか伝わってきません。
同じ芸術仲間のソノイとの話が無かったことも片手落ちだと思います。「なぜお前に絵が描けないのか? それは!」なんてアプローチができたでしょう。脳人という異種族同士のほうが芽生えた感情の機微の差を描きやすかったはずです。やりようによってはソノニの恋愛観を指摘することも可能だったでしょう。

■それ以外
・マスターもムラサメもマザーも元老院やソノシたちも、どうせやる気ないんだろうなと思っていたら実際やる気がゼロだったので特に語ることがありません。がっかりするものを見たらがっかりするのは当たり前です。

■アクション
・右肩下がりどころかほぼアクションと呼べるものが存在しませんでした。
バトルが実質存在しないからアクションも無い。シンプルなロジックで疑問を挟む余地がありません。
販促も文字通り「出すだけ」なので特に語ることがありません。アイテムや強化形態の登場も「出すだけ」で前フリもツッコミも何もありませんし。言うでもなく糞です。「販促や玩具なんて邪魔なだけだ!」と言いたいなら自分で制作費を出してから言ってください。

・ザングラソードとドラゴクウ、トラボルトの必殺技で暗い画面にネオンの縁取りが光る演出はかっこよかったです。
かっこよさ以外に光る!鳴る!って感じがバリバリ出ていて玩具要素を抑えているところが良かったです。

・キジブラザーとイヌブラザーが基本フルCGだったことはどうにもなりませんでした。
やる前からダメだろうと思っていましたが想像通りにダメでした。動かない、質感が悪い、出番もない。の三拍子で実験にすらなっていないと思います。

■最終結論:いつもの井上
・全体としては特に変わったことはありませんでした。
井上らしい奇天烈なキャラに、井上らしい雑な展開と放り投げ。いつもどおりです。特に何の発見も変化もありませんでした。
ベテランなので今更変化することのほうが少ないのでそれも普通なことです。本当に語ることがありません。相変わらず井上は糞だなと再確認し、他の東映スタッフもまともにコントロールできそうもないと再確認しました。



コメント

12 件のコメント :

  1. こんばんは。SNSではドンブラを絶賛する声ばかりあってうんざりしてたので、この記事に出会えて本当に良かったです。縁が出来ました。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      お役に立てて嬉しいです。

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  2. こんにちは。総評お疲れ様でした。            私は初めての井上脚本でしたが、不自然なまま物語が進行していくのが多々見られてこれが合わなかったです。     バトルは短時間で済ませる、用済みキャラの空気化、唐突に生えたり消える設定と勢い任せの描写が多かったですね。   獣人だと判明した瞬間、冷める雉野とか人物描写も一見癖が強そうに見えて、振り切れてない中途半端さがイマイチでした。           アノーニなんかは面白い話が作れそうなのに全く生かさないままの存在でもったいなかったです。                よかった点はドンモモタロウの動きがかっこよかったところですね。スーツアクターさんは傍若無人さを全身で表現していて素晴らしかったです。戦闘は全体を通してわずかでしたが非常に見応えがありました。     まとめたら1クールもかからないそんな内容の作品でした。                    

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >私は初めての井上脚本でしたが、不自然なまま物語が進行していくのが多々見られてこれが合わなかったです。

      整合性や一貫性はおよそ期待できない脚本家だと私は思っています。気に入ったキャラでも途中で放り投げてることは比較的珍しいほうだと思いますが。

      >アノーニなんかは面白い話が作れそうなのに全く生かさないままの存在でもったいなかったです。    

      何のためにいたのかわからない扱いで終わってしまいましたね。ソノイたちと同等の生物なのか戦闘兵器のような存在なのかすらわかりませんでした。

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  3. ・私は本作品のシリーズ構成である脚本家「井上敏樹のアンチ」です。 詳細は省きますが思想レベルで合わないし嫌いです。ドンブラザーズの感想にも私情が多々混じっている可能性が高いため、記事の内容にはバイアスがかかっている可能性が高いと思って読むほうが良いと思います。


    なぜここまで自分のことを分析できているのに『なので最初からドンブラザーズ(井上敏樹の作品)を見ない』という選択ができないのだろう。
    バイアスがかかってるのを自覚した上で感想書いてくとか中々ユニークなことをする人ですね

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    1. 「井上作品である前に戦隊シリーズだから」が理由です。ただの井上作品は見てないものもたくさんありますよ。漫画版のクウガとかはまるで読んでません。
      私からすれば「井上が俺の領域に入ってきた」ようなものなのでなんで私の方がどいて当たり前なのかわかりません。あなたも自分の認識のバイアスを理解したほうが良いと思います。

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  4. 個人的にはそこまで嫌いな作品ではないけどこれくらいボロクソに言われてもまあ仕方ないなって感じですね

    少なくともネットで一部のファンやブロガーが絶賛するほどの作品ではないし井上脚本が合わない人は嫌いでもしょうがないなって思います

    個人的には伏線やキャラ投げっぱはもう井上脚本な時点で最初から諦めてたのでそれほどダメージは無かったです

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    1. >個人的には伏線やキャラ投げっぱはもう井上脚本な時点で最初から諦めてたのでそれほどダメージは無かったです

      私はメインストーリーや設定の投げっぱなしは最初から予期してたので「どうせ、そんなことだろうと思ってた」で済みましたが、キャラに関してはそこを投げたらお終いだと思います。キャラと局所的な展開の盛り上がりまで投げたら井上には何も残らないと思うので。それは井上としてもダメなことだと考えます。

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  5. 総合感想お疲れ様です。
    自分も異常な空気に気づくまでは何だかんだネットでの祭りを楽しみにしていたので今日からの映画も観てみたのですが、まさに制作者も視聴者もドンブラなら何やっても許されると思っている流れの集大成って感じでした(当然何かを解決するわけでもありません)
    細かい事を挙げていくとまさに管理者様の仰る通りで、冷静になってから纏めて言うと結局「他の戦隊が(倫理的に)出来なかった事をやってやったぜ」ってやってるだけの作品に思えますし、そもそも他の戦隊やライダーの比較対象にもなり得てないと思います。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >他の戦隊やライダーの比較対象にもなり得てないと思います。

      一応、フォーマットとしては戦隊と呼べると思います。
      1)5人前後のチームである。
      2)ヒーローものである(倫理観に反し、独特な価値観を前提としているが)
      3)その他、ロボや玩具などいろいろなノルマ。
      一通り含んではいるのでこれを戦隊じゃないと言うと「じゃあ戦隊って何だよ? あの戦隊も戦隊じゃないんじゃないの?」という話になってきてドンブラザーズを戦隊でないと否定するのは難しいと私は考えます。

      >「他の戦隊が(倫理的に)出来なかった事をやってやったぜ」ってやってるだけの作品に思えますし

      こちらの飛び道具的であるという評価を軸にするほうが適切なのではないかと思います。私の本文にも書きましたが、地の部分はキャラもエンタメも普通にガタガタですからね。

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  6. 初めまして。
    私はどちらかと言うと井上脚本に好意的ではありますし今作も好きな方なのですが「ちょっとここは…」「それはどうなの」と思う部分もありますし、比較すると管理人さんはお嫌いだろうけれどゴウライガンの方が好きだと感じました。(放映期間とかはスルーでお願いします)
    GWの映画は「いい加減にしろ」と思い自分の中では無かったことにしました。

    男女関係はそろそろ胃がしんどいです。なんでそこで間に入っている女性とくっつくことになるんだ、別の女性の方がいいかもしれないじゃないかと思うこともありますし、実際今作はそうでした。

    どの作り手もそうですが、信者の方の意見の圧が年々強くなっているところに、年季の入った井上脚本信者がくると冗談抜きで笑えん事態になるなあ…としみじみと思いました。
    普通のファンとしての居場所というか意見を益々言い難いと感じスマホのメモ帳に愚痴を書いたりの日々だったので、少し心が軽くなりました。
    好きな人間の立場からのコメントですみません、でもありがとうございます。

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    1. 匿名さん、はじめまして。

      >男女関係はそろそろ胃がしんどいです。なんでそこで間に入っている女性とくっつくことになるんだ、別の女性の方がいいかもしれないじゃないかと思うこともありますし、実際今作はそうでした。

      井上の放り投げ癖と恋愛模様との相性は最悪だと思います。
      「とりあえずくっつけておけ」というのはよくある最終回やエピローグの展開でも否定されがちな出来事だと思います。それまでの過程すらも馬鹿馬鹿しく見えてきます。
      まぁ井上は男女の仲が大好きなようで止めることは無いでしょうけどね。
      「好きでやってるならちゃんとやれよ!」と言おうにも、そもそも井上は
      「断片的にしか興味がないのに全部に興味があるように振る舞いたがる
      (なぜならそのほうが一家言持っているようでかっこいいから)」
      ようなのでどうあがいても無理だと思います。

      >好きな人間の立場からのコメントですみません、でもありがとうございます。

      どうぞご自由に。書いた内容の解釈や使い方は読者に任せているので私は一向に構いません。何かの役に立つならそれでいいです。

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