『仮面ライダーギーツ』 第26話「慟哭Ⅱ:真紅のブースト!」:感想

2023年3月12日
■謎パワーアップ
・英寿がブーストを掲げたらブーストマーク2が出来上がりました。
そういう願いをGDPで事前に叶えていたからできたみたいですけどよくわからない点がありました。

・「生まれ変わった俺がいつか世界を守る覚悟を決めた時、それを実現できる力」を4人分あったそうです。
ってことは、英寿は最低でも4回生まれ変わってるってことですね。そうなるとまた疑問が生じます。
 A)英寿1人で4人分の生まれ変わり。(どういう理屈?)
 B)何度も生まれ変わったけど覚悟できたのが今回初めて。
どっちも意味がわかりません。
また「英寿が確信してた理由」も謎なままです。ブーストマーク2が生まれることを予想してなかったら「覚悟を決めた上で死にそうなのに敵の前でかっこいいポーズをすることにしたキチガイ」になってしまいますし、知っていた場合には「先の展開をわかりきってるやつの覚悟って何? そんなの覚悟って言う?」って話になってしまうでしょう。これまたどっちも意味がわかりません。

・また叶えた願いは他の人が優勝しても継続して有効なことが確定したため、ギロリが必死に英寿を負けさせようとしてきたことが更に意味不明になりました。
必死こいて落としても「生きてる限り参加権がある」は消えないから次回に普通に参加されて終わりでした。やるなら殺さないと意味がないのに椅子取りゲームで負けさせて退場したら喜んでいました。
「西暦元年から参加してる」も4回だけでは生まれ変わりを入れてもどう見ても足りず、特に解決していません。
転生設定が明らかになったことで運営やジーンが英寿について特に疑問を持ってこなかったポンコツっぷりに磨きがかかりました。「生まれ変わり」という概念を知ってるのになんで「なんであいつあんな強いんだろ。不思議~」とか本気で思ってるって馬鹿過ぎます。

・個人的には英寿の話としても成立していないように感じました。そこが一番良くないと思います。
英寿はこれまでもずっと他人を助けることはあっても、あくまで自分の願いを叶えることが第一目標だったと思います。世界を守るなんて英寿らしくないと思います。他の作品なら「我執を捨てて他人のために動けるようになった」というのは成長を表すエピソードと言えますが、願いを叶えるためのデスゲームの参加者を主軸にしてきた作品では口が裂けても言えません。ちゃぶ台返しどころじゃありません。
英寿が「世界を守る」覚悟を決めたようにも見えませんでした。
「子供=世界」なんて思想の強い博愛主義者ではなかったと思いますし、「他人はどうなっても構わない」なんて冷淡でもなかったはずです。
ゲストの子供の意義もあまり感じませんでした。展開もぶつ切れで具体性もなく、話が大してつながっていないように感じました。それでも意味があると信じて文脈をまともに探ろうとすると「子供がいなかったら英寿は覚悟を決められなかった」となる気がします。これで合ってるのでしょうか???

 ・アイテム入手も展開も全然ついていけませんでした。
作中では重大な出来事扱いだからしばらくはこれをベースに話が進むんですよね? かなりついていけない展開になりそうです。

■道長
・友達ジャマトのことは優勝するのに利用していただけで本気で友達だと思っていたわけではありませんでした。
そこの判断はまともなんですね。散々理解し難い言動を繰り返してきたので逆に戸惑いを感じました。
同時に「仲が良いんだね!」なんてドヤ顔で言ってたアホが更に馬鹿に見えることになりましたが、まぁそれはどうでもいいですね。馬鹿がアホになっても大差ありません。

・結局、道長がジャマトと協力する意義がよくわかりません。
優勝しやすいからとか言うならそもそも前のDGPの時点でも協力するほうが効率的なはずです。でも協力や馴れ合いを意図的に拒むのが道長のスタイルだったはずです。
これは成長なんでしょうか? 人間の全滅を目的とするJGPに参加している時点で理解し難い行動なので一部分だけまともになられるとかえって違和感が強まります。

■ジーン
・英寿に「俺たちにとっては遊びじゃないんだよ!」と怒られてジーンが面食らっていた姿が不思議でした。
ジーンはこれまで「感動」とか「歴史の英雄の本物に会える」とか体感性を重視した発言をしてきたのにそんな当たり前のことを言われてどうして戸惑うんでしょう? むしろそこで「良いね~ かっこいい! やっぱり推せるわぁ」みたいなとことんズレた人を人とも思わない発言をしてこその未来人オーディエンスじゃないんですかね。英寿たちのことをリアルな人間扱いしてるのに当事者意識で反発されると戸惑うという心理がわかりませんでした。

■ギーツ・ブーストマーク2
・見た目はブーストフィーバーから顔を変えて飾りが増えた程度という印象です。
個人的には地味に感じます。朱色と黒の色合いが地味過ぎる気がします。黒地の部分が綿素材みたいな地味なのじゃなくて、もっとメタリックな感じや神秘的な色合いだったら全体の印象が変わった気がします。

・アクションは一方的だから退屈でした。相手が反応できないほどの超高速はバトル映えしません。
それ以外の特徴が特に無いので期待も持てません。ブーストと大差ないのにブーストにあった「使うと無くなる」という特徴が減った分だけ地味になった気がします。


次回は…何をするんでしょうか? ジャマトに楽勝に勝てたことで障害が見当たらなくなってしまいました。といってベロバからのドライバー奪還は何も目処が立っていないのでスタートすら切れていません。
次回予告の感じだとベロバが勝手にやってくるみたいです。ニラムもなんか出張ってきていました。両者とも何がしたいのか全然わかりません。リスクを犯してまで勝負をかける場面だとは思えません。オーディエンスの関係で放っておけば運営側は動かざるを得なくなるのでベロバは特に待ち得なはずです。




コメント

4 件のコメント :

  1. エースと名がつく人物は、それぞれの時代のエースである。
    エースは、前世の記憶を引き継いで生まれ変わっている。
    何度も生まれ変わり世界を守る覚悟を持てないまま、優勝したりせんかったりを繰り返している。
    世界を守る覚悟を持てないまま優勝できた時は、件の願いをする事にしていた。
    こう考察すれば覚悟ができた時何かが起きると確信しているが何が起きるかわかってないが取りあえず力を求めてポーズしたと考えれなくもない(笑)見てないから知らんけど

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    1. 記憶を引き継いでいる可能性は低いと私は考えます。
      それだと一度脱落した後のメモの意味が運営が盗撮していた場合の言い訳にしかなりません。また本文で書いた「勝てることがわかってるのに覚悟って言えるの?」という疑問も消せません。

      >世界を守る覚悟を持てないまま優勝できた時は、件の願いをする事にしていた。

      目先の有効打が打てないときに将来の保険をかけておくのは堅実なので力をストックしておくこと自体はあり得ると思います。
      ただ、力を使うことを前提にするなら道長みたいに今の自分の強化に最初の方で叶える願いを使用しない理由が見当たらないと思います。運営に悪目立ちしたくないとかそういう気配も見当たりませんし。

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  2. 今週も感想お疲れ様です。キングオージャーついでに結局視聴してしまいました……
    今回の話がまったく盛り上がらないのが、owl様の直近の別作品の感想(ヒロプリ)のお陰で理由が分かりましたね。
    owl様のヒロプリへの感想で、ひと段落というワードがあって、成程なと。
    どこかでこの話についてはこういう結末になりましたよ、という段落がないので
    いつまでもずるずる引きずるし、キャラは固定されないので考察する意味すらなくなっちゃうんだなと。
    最初私は、狐がサポーターに珍しく怒りをあらわしたことに、「完全なブーメラン発言……そうかこれは自分自身に向けた怒りでもあるのか、それでようやく世界を救う気になってパワーアップ?あれでもそんな描写あったかぁ?」
    となったのですが、そもそも段落がなく、固定されてないからここら辺も上手くいかないわけですね。
    owl様の感想で合点がいきました(ギーツという作品だけでなく、ライブ感で作品作るために平成後期くらいから面白くない作品全部この悪い要素ありますよね)

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      「方向性が見えない」というのは長期作品では致命的な問題だと思います。
      一度でも一段落させることが重要なのは「こういう感じの話が進むんだな」と視聴者に作品の要領を理解させることが重要だからです。
      現状のギーツは「英寿がひたすら勝ち続ける話なのか」と思ったら手も足も出なくなってますし、「デザイアグランプリをまだまだ続けるのかな?」と思ったらジャマトグランプリになっていてDGPの運営の格が下がってまたDGPに戻っても何をするのか想像がつかなくなっています。長期的なゴールどころか短期的なゴールすらはっきりしないのでは視聴者は無駄に疲れます。

      本来なら一段落してるはずのところでできてないところがまた致命的だと思います。
      普通ならDGPで優勝して願いを叶えることが一つの節目になると思います。ところが実際には優勝しても叶える願いは「スターになる」や「GMと家族になる」と意味不明な内容の上にその後の展開もやった意義がわからないままで一段落どころか余計に混乱します。
      たとえばこれが「英寿が願いを叶え、着々と真相に近づいていく」だったら疑問を進んでいる方向は明白だったでしょう。
      あるいは英寿ではなく祢音が勝てば「本物の愛を手に入れたはずなのに満たされない。どうすれば本当の望みが叶うのかと悩みだす祢音(本当の愛とは何か? それは与えられるものなのか?)」となるでしょうし、
      景和が勝てば「死んだ人を蘇らせた! でも蘇った人はまたDGPに参加してすぐ死んでしまった。また生き返らせてもまた死に、その度に願う心が失われて別人のようになっていく… (これで平和と言えるのか? 欲望との正しい向き合い方とは? DGPこそが平和を乱す存在なのでは?)」といった具合に様々な道が開けてくるでしょう。
      想像できる道筋はいくつもあるのにやっているのはただダラダラとDGPを続け、現状に至ってはなぜか未来人の話ばかりしてるので今「ギーツは○○なお話です」と簡潔に正しく説明できる人はいないと思います。

      >最初私は、狐がサポーターに珍しく怒りをあらわしたことに、「完全なブーメラン発言……そうかこれは自分自身に向けた怒りでもあるのか、それでようやく世界を救う気になってパワーアップ?あれでもそんな描写あったかぁ?」
      となったのですが、そもそも段落がなく、固定されてないからここら辺も上手くいかないわけですね。

      あの辺は文脈が全然わかりませんでした。
      英寿にそんな人命第一な印象がありません。人を助けることはあってもあくまで優勝や母親探しが第一目標だったと思います。
      そもそもオーディエンスに怒るなら見世物にされてるとわかった時点で思うことだと思います。これまで表面的にはジーンたちと友好的に接していたのは我慢して利用するためじゃなかったのかと今更怒ることにむしろ違和感を感じました。

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