『仮面ライダーゼロワン』 第35話「ヒューマギアはドンナ夢を見るか?」:感想

2020年5月10日

■みんな頭がおかしい
・前回の時点でドン引きしまくりだった唯阿はキチガイっぷりにますます磨きがかかっていました。(不破が)命がけで調べた不破の過去はどうでもいい普通のものでした。
過去が普通だったということ自体は別に構いません。そういうことも起きるものですし、普通でも戦うことにも意義があります。
ただ、何の手応えもなかったことで唯阿の凶行のイカれ具合の印象が増したのも確かだと思います。本人の意思を無視して不破の命を危険に晒した挙げ句にそれを「普通すぎてつまらない」と笑うなんてさすが頭がイかれてます。亡や滅亡迅雷も完全無視していますし、唯阿が何を考えているのかますますわからなくなりました。

・ところで不破はどういう経緯でAIMSに入ったのでしょう?
普通の人生を送ってる人間が昔事件があっただけで今は特に何も起きていない対ヒューマギア用の機関に入隊することは考えにくいと思うのですが。
ツッコミどころを避けて考えると「入隊前にチップを埋め込んだ」んでしょうね。入隊後だと周りから見ると「突然性格が変わって『ヒューマギアは許さない!』と意気込むようになった」なんて不自然なことになるでしょうから。
こう仮定するともはや全然平凡な人生ではないですね。突然脳にチップを埋め込まれて命がけの戦いをさせられてきたなんてそれだけで人生をかけて復讐してもおかしくない経歴だと思います。過去を気にするより現在のほうがよほど問題だらけです。

・亡は相変わらず初耳のことだらけでした。
復活したらよくわからないまま「アークの意思のままに」となっていて夢とか言ってたのは何だったんだと思っていたら不破の呼びかけであっさり戻ってまた困惑して、洗脳は解けたと思ったら今度は「自分の夢は滅の夢を叶えること」とまた初耳なことを言い出してまたまた戸惑いました。不破との会話がそことどうつながるのか全然わかりません。
そもそも「滅の夢」ってなんなのでしょう? 「アークの意思のままに」を夢だと考えているのだとすると亡の言っていることがかなり怪しくなってきます。実は滅は仲間相手にはおしゃべりするのが好きだったりするのでしょうか。そんな視聴者の知らない話を前提にされても困りますが。

・或人は相変わらずのキチガイで安定していました。
ヒューマギアとの共存云々で言うならヒューマギアを悪用する滅亡迅雷は滅ぼすべき存在だと思います。ZAIA社長は「夢を否定するから」という理由で倒すのに滅亡迅雷は倒さないのは筋が通らないと思います。倒すなら両方とも、許すのも両方ともであるべきでしょう。相変わらずヒューマギアキチガイで筋が通らないクズです。

・そんな或人にほだされた滅の株も下がりました。
迅を庇うのも或人を認めるのも唐突過ぎて白けます。スタッフは初期の滅が迅のシンギュラリティを初期化したことを無かったことにしたいようです。ゼロワンのスタッフなのでひょっとしたら「子供が誤った方向に進むなら洗脳してでも修正するのは親の務め!」なんて気の狂った価値観であってもおかしくないかもしれません。

・ZAIA社長を仕留めきれないのはわかってましたがかっこ悪かったです。
「ZAIAは絶滅する」とまで言っておいて、また「覚えてろコンチクショー!」とノコノコ逃げられるのはダサすぎます。人類を滅ぼしたい滅がZAIA社長を見逃す理由が1ミリも見当たりません。せめて或人に止められたから見逃すくらいの落とし所を用意してほしいものです。

・滅の父親話は最後まで1ミリも理解できませんでした。
話の流れとしては「夢」の話とつながってるはずなのですが、「父親型ヒューマギアとして作られたのだから父親をやるのが夢に決まってる」という趣旨は理解できません。それはむしろ夢から遠い立ち位置だと思います。夢の話といったら「ピアノ奏者の家に生まれたけど自分が本当にやりたいのはギター」なんて話は定番ですよね。
しかもロボットでこれをやるのは全く理解できません。生まれや育ちどころかプログラムされたデータに過ぎないものを当然のように要求されるなんて人権無視も甚だしいです。見終わってみても内容が全く理解できませんでした。

・ここ数話のストーリーのノルマは滅亡迅雷勢揃いだと思うのですが肝心のそこが壊滅的でした。雷「アークの意思のままに」って、滅亡迅雷の4人中3人がアークの意思を無視してるのでグダグダです。満を持して揃ったかのような雰囲気なのに既に空中分解してるように見えます。

・滅の変遷も「信じていた迅が突然裏切った」というシチュエーションをやったばかりなので成立しないお話だと思います。普通だったら或人「滅が信じてくれた? いや、また迅のように裏切る気かもしれない」といった葛藤があって然るべきタイミングでしょう。


次回はコロナの影響で総集編のようです。
何にも引っ張るものがないタイミングでお休みに入りましたね。今更、雷が出てきて盛り上がる視聴者はほとんどいないと思います。本編が再開しても「休む前は何をやってたんだっけ? →(再開した本編を見る)何やってるんだ、これ?」としかならなそうです。

コメント

8 件のコメント :

  1. こんにちは。

    今回の或人が滅に言った事って「お前が迅を庇ったのは、お前が迅の父親役でそれこそお前の夢だってお前も分かってるんだ!そうだろ!?その筈だ!そうに違いない!!いや絶対そうだ!!!」って押し付けてるだけなのに、何故か滅の或人株が急に生えて、急にストップ高になってて、ひたすら困惑するばかりでした。

    1ヶ月強ほど引っ張った不破の脳内チップ関係も、ひたすら凡庸なオチでした。
    いやオチ自体はどうでもいいんですが、得られた結果が「刃唯阿はマジでヤバいだろ奴」なのがきついです。

    アクション部分だと、滅vsサウザーで回転アングル使って乱戦っぽさ出してたり、メタクラクラスタvsバーニング迅であのメタルバリアを足場代わりに飛行する迅に対抗してたりと、普段では中々見れないカットが見れたのは個人的には少し良かったです。

    次週から3週、或人視点の総集編2回&不破視点の総集編で時間を稼ぐ様です。
    まぁゼロワンサイドは総集編といいながら新撮パートそれなりにあるみたいですから、感染者出てる戦隊よりは諸々な意味で再開が近いんじゃないかって予感はあります。

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    1. マッソさん、こんにちは。

      >って押し付けてるだけなのに何故か滅の或人株が急に生えて、急にストップ高になってて、ひたすら困惑するばかりでした。

      たぶんそこではなく、或人が滅を庇ったこととZAIA社長に啖呵を切っていたことを評価したのだと思います。ヒューマギア擁護は前からやってるのになんで今更?という点は謎ですが。

      >1ヶ月強ほど引っ張った不破の脳内チップ関係も、ひたすら凡庸なオチでした。

      本来なら「チップによって意思や記憶を制御されていた=インストールされたデータに従うヒューマギアと同じではないか?」といった提起につなげているネタだったと思います。ゼロワンに提起する内容があるとは思わないので今の虚無っぷりには特に違和感を感じませんが。


      アクション部分だと、滅vsサウザーで回転アングル使って乱戦っぽさ出してたり、メタクラクラスタvsバーニング迅であのメタルバリアを足場代わりに飛行する迅に対抗してたりと、普段では中々見れないカットが見れたのは個人的には少し良かったです。

      個人的は「いつもと違ったことをやろうとしているのは理解できるがクオリティは今ひとつ」という印象です。
      カメラの回転は回しすぎて状況が把握しづらくアクションに目が追いつかず「何かもみ合ってる」くらいにしか認識できませんでしたし、CGのほうはクオリティがしょぼく、カットによっては足場と立ってる奥行きがズレて宙に浮いているように見えるものもありました。褒めるのはクオリティが上ってからかなと思いました。

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  2. 更新お疲れ様です。

    最悪です。ついこの間まで空気だった滅が光速でほだされにかかってるなんて茶番もいいとこです。もっと悪に徹して独自の美学を見せてくれるのを期待したのにががっかりです。或人は相変わらず全ヒューマギアの気持ちを分かってる理解者気取りで虫唾が走ります。この作品における「夢」って人がプログラムした人のための用途のことなんですね。

    今回に限ったことじゃないですが、全ての流れが精神病患者の脳内を見ているようで恐怖を覚えます。
    命を張った不破を笑い者にする唯阿と亡も異常ですし、悠長に「メガネのバグは飛電と滅亡迅雷のせいだから」と言い張る社長も、わざわざ「メガネつけちゃだめだ!」と言いに行く或人と農園の人たちのドラマも理解に苦しみます。いったい何が主題で何が各キャラの今の優先すべき目的なんでしょう?

    メインと思しきZAIA社長VS滅にまず興味を持てません。ZAIAを潰すと息巻いていた不破は蚊帳の外、或人も途中までノータッチで、滅がもはや威厳のかけらもない社長をボコって何になるんでしょう。

    冒頭のアクションもCGがペラペラでショボすぎて興ざめでしたし、後半の乱戦も見づらかったです。滅のカウンターキックは好きです。

    確か雷って自覚なくスパイにされていた被害者ですよね。本人はメンテの仕事に誇りを持ってて、慕ってる弟もいた気がします。この調子じゃ滅亡迅雷の誰もすぐ味方になりそうで、その先さらに寝返っても不思議じゃないです。敵でも味方でもどっちでもいい存在ってすごいです。

    撮り溜め分が終わって来週から総集編なんですね。
    現実の災害の影響を受けた作品というとOOOを思い出しますが、小林靖子さんの脚本は世相を反映してメッセージを投げかけながらもちゃんとエンタメとして楽しませてくれるものだったと記憶しています。今作は微塵もそういうの期待できないでしょうね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >もっと悪に徹して独自の美学を見せてくれるのを期待したのにががっかりです

      これじゃ他の滅亡迅雷との差がありませんよね。ただでさえ何を考えているのかわからず「アークの意思のままに」ボットと化しているのに更に無個性化されては困ります。

      >この作品における「夢」って人がプログラムした人のための用途のことなんですね。

      プログラムというかそう思う人の主観的印象でしかないようですね。夢があるから戦えるだの言ってた不破が自分の過去が気になってふらふらするくらいですから。たぶん「俺の夢はお昼にいつも行っている店のカレーを食べることだ!」くらいも本人がその気なら”夢”と言っていいのだと思います。

      >いったい何が主題で何が各キャラの今の優先すべき目的なんでしょう?

      何にも感じませんね。ページを埋めつつ本編を進めないための蛇行以外の目的があるのかも怪しいです。

      >確か雷って自覚なくスパイにされていた被害者ですよね

      描写を見る限りだと滅亡迅雷としてのほうが本来の人格で、宇宙飛行士としての人格は後から上書きされたスパイ用の人格という扱いなのだと思います。
      そこも掘り下げれば「プログラムされたデータが人格となるロボットにおいて、後から上書きされた人格も本来の人格も何もあるのか? どちらかが本物なのか、どちらも虚構ではないのか? ロボットの自我とは、シンギュラリティとは?」といった提起が可能なネタのはずですが、ゼロワンではそんな話は全くやらないでしょうね。

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  3. タイトルにあったようなヒューマギアの夢といっても滅や迅たちの夢はわかりませんでしたね。明かされたのは亡の夢だけでした。「滅の夢を叶えること」といっても具体的じゃないのでそれでよかったんでしょうか、変に僕らが期待し過ぎました?

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    1. 私はライダーのタイトルには意味はあまり無いと思っています。
      ゼロワンの場合、ストーリー自体にも意味を感じないものが多いのでなおさらです。1話のタイトルの「オレが社長で仮面ライダー」なんて社長らしいとも仮面ライダーらしいとも感じたことがありません。

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  4. 今更ながら滅が或人を認めたら、滅が「我々ヒューマギアは人間の奴隷ではない」と言っていたのが馬鹿みたいですよね。この発言の意味ってなんだったんでしょう?人間がヒューマギアを奴隷扱いしてた証拠ってありましたっけ?僕は全く記憶にありません。

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    1. 作中で明言されたことはありませんが、状況証拠としては言えると思います。
      たとえば漫画家ヒューマギアの回では人間の漫画家がヒューマギアを道具扱いしてこき使っていました。
      寿司屋の回では或人たちが売り込みに行っていました。このとき寿司ヒューマギアに「お前はここで働きたいか?」など意思確認が行われた形跡が一切ありません。これも奴隷の扱いと言えると思います。
      その他、五番勝負でのレイダーとなるゲストからの暴行や誹謗中傷なども人道的扱いとは言えないでしょう。
      こういったことから「ヒューマギアは人間の奴隷扱いされている」と言う人物がいてもそれはおかしくないと思います。
      滅の主張の正当性に関しては不明ですが、そもそも滅の行動が正当性を必要としているのかも不明なので現状ではどうもこうもないでしょう。

      他に視聴者の知らない歴史という可能性もあります。
      滅も、その思考の元になっているであろうアークも起動したのはデイブレイクタウン事件の起きた12年前より以前です。その当時のヒューマギアの扱いが現在と異なっていた可能性も考えられます。

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