”ガンダムらしさ”がここにある。『クロスボーンガンダム・ゴースト』2巻:感想

2012年9月18日
クロスボーンガンダム・ゴースト』の2巻を読みました。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (2) (カドカワコミックス・エース)機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (2) (カドカワコミックス・エース)
(2012/08/23)
長谷川 裕一、 他

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■驚異の四つ巴戦
・内容は説明部分がやや退屈。しかし前半のスローペースを吹き飛ばす”四つ巴”の展開がすごい!
宇宙海賊vsサーカスvsザンスカールvsリガ・ミリティア。誰一人として共闘する余地のない過酷な戦場。普通の機体が多くいるから、Xゴーストやサーカスの異常さが際立ちます。

正直言ってこのシーンはアニメで見てみたいですね。陣営ごとに異なるカラーの四つ巴。色とりどりの戦場の中で輝くゴーストの銀色のボディと紫のサーベルは想像するだけで痺れます!

■ガンダムらしさとは

・クロボンを読んでると、すごく富野ガンダムらしいと感じます。一見すると少年漫画的展開で、わかりやすくかっこよくて、ちょっとヒロイックすぎますが、どこかしっくり来る感じがします。
思うに、それは群像劇になっているからではないでしょうか?

・今回の四つ巴のシーン、全体にはストーリーの流れに沿った一体感を持ちながらも、サーカスやザンスカールの隊長など各人、それぞれの思惑を持って行動しています。各キャラが生き生きと動き、それゆえに何が起きるかわからない緊張感。
そこが私がクロボンに強く感じる富野ガンダムらしさなんじゃないかと思います。

■にじみ出るガンダム愛
今回もガンダム好きにはたまらない内容が目白押しです。

・∨ガンのハンガー機構の戦術的価値やジオングもどきを出してサイコミュの否定をしたり、∨ガンの世界を後押しする一方で、小型化とビームシールド偏重の隙をつく武装を考えたり、本当に大好きなんだなぁと伝わってきて、読んでいて嬉しくなります。

・個人的にはシュラク隊の乗る∨ガンが女性的なシルエットにしてあったのが、印象的です。本来は少年的なシルエットでかなりイメージが違うはずなんですが、妙にしっくり来る。やっぱり先生はマンガが上手い。


ベルのしゃべり方が1巻とだいぶ違ったり、宇宙空間でラロの一面防御の発想は無理がないか?とか、フォントがちょっと空気気味とか、いろいろつっこみどころもありますが、ラストの海賊的戦法で圧倒するXゴーストを見てるとどうでも良くなります。

クロボンシリーズが好きなら、富野ガンダムが好きならおすすめの作品です。

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