・今回のお話は比較的まともだと思いました。

キャラの役割分担や各国の協力、民と王などキングオージャーだと言及はされていたものの具体的には描かれてこなかった部分を必要に合わせて筋道立ててやっていました。普通のことなので客観的には大したことではありませんがキングオージャーとしては異例でした。

・ヤンマの王の話はもっと掘り下げたほうが良かったと思います。

庶民出のヤンマが民に対する王の責務を語るならヤンマ自身の掘り下げにもつながったでしょう。王とは何かをはっきりさせることは、ギラの理想とするラクレスの語った「一人ひとりが王になる」という話にも関係していることだと思いますし。

・シュゴッドの自己修復機能の話は相変わらず初耳でついていけませんでした。

個人的にはこれこそ前回ヤンマがAIがどうのと言っていたときにやっておくべき内容じゃないかと思いました。「AIはプログラムされたことしかできないが、自我のあるソウルに働きかけて自発的に協力してもらえば想像を超えたことができる」というのは自律性の話であり、王と民の在り方にもつながる内容だと思います。

結局、歯車までは直っていない点がまた不思議でした。それは自己修復機能じゃ直らないんですか。やっぱり何がどうなってるのかわかりません。

・ラストではギラが民に対しても悪の王ごっこを止めて普通に話していました。ここで変えるのかと意外に思いました。

個人的にはあの場面でダメだと思えるならもっと前の時点で態度を改めているんじゃないかと不思議に思いました。不評を受けての方針転換の結果と言われても納得しそうなくらい奇妙な流れに見えました。

・全体のフォルムは戦隊ではよくある箱型ロボですね。

個人的にはパイプの強調などやたらにメカアピールしてることに戸惑いました。コーカサスは人が1から作ったロボットなんですか、それともこれもシュゴッドなんですか、どっちなんでしょう？？

純機械だとするとシュゴッド中心の世界では衝撃的な存在だと思うのですが誰もそういう反応をしてないんですよね。「死んだシュゴッドを機械化して再び動かせるようにしたもの」くらいが無難なラインな気がします。

・バトルは相変わらず盛り上がらなくて辛かったです。ダイゴーグの格は落ちていて巨大さだけ売りでしたから並び立った時点で脅威には見えません。敵も味方も攻防がしょぼいので見栄えもしませんでした。

・どこからともなく現れたヘラクレス斧は角を持ち手にする点にびっくりしました。

カブトムシで角を使わずに背中を斧の刃に見立てるのは斬新ではありますが、カブトムシのアイデンティティが崩壊しているようにも見えました。個人的には逆張りな気がしましたが一般には受け入れられるデザインなのでしょうか？

・すっかり夏休みシーズンなんですがキングオージャーはメインストーリーも新商品の登場も抑える気配がありませんね。

「見逃し配信があるから『お出かけや帰省で見れなかった』という事態は気にする必要がない」という判断なのでしょうかね？

映像作品の在り方としては夏休みの公式中だるみシーズンは邪魔以外の何者でもないと思うので歓迎したいところなのですが、実際そう上手くいくのかには疑問もあります。子供の「見忘れた」は一週間くらい平気で忘れてもおかしくない印象があります。見逃し配信を見逃す可能性は充分ある気がするんですが大丈夫なんですかね？

それも考慮して夏休みシーズンの話は9月まで見れるようにするという手もありますが、結局「まぁ見なくていっか」と飽き気味になるケースには対応できないでしょうし。

とはいえ、配信ネイティブだとそもそも「配信期間中のどこかで見るものである」という思考で最適化されてて見忘れるという概念に当てはまらない可能性もあるので結局何とも言えません。その辺が実際どうなるのかは興味深いです。

次回はデズナラクの破壊作戦をジェラミーが止めようとしたりするみたいです。

全て滑ってる以降は活躍も出番もない状況が続いていましたが、ジェラミーの話も一段落させるつもりがあるってことなんですかね。

「一人でできることには限界があるのだから『全てを統べる王』なんて言ってないでもっと人を頼れ！」で終わらされるとジェラミー自体の格はあまり上がらないのでジェラミーの名誉挽回の機会もあると良いですね。

両親は裏切られ僻地で死に、ジェラミーはどちらにも受け入れられない半端者のハーフとして生きてきたので根本的には他者を信用してないのではないかと思える節もあるのですが1話で済ませるならそこを掘り下げてる時間は無いでしょうね。