『仮面ライダーギーツ』 最終回「黎明Ⅰ:ここからがハイライトだ!」:感想

2023年8月27日
■化かされてすらいない
Q:ツムリが裏切った真相それは?!
A:黒ツムリはツムリと一心同体なので同化して操ることも容易。
だそうです。
…それならツムリの意思と拮抗しないんでしょうか? ツムリは英寿の作る世界に協力することが願いのはずですから英寿を殺すことには大反対のはずなのですが。
 
・一方の英寿は「死んだ→死んだけど神になった。神なので最強です」で終わりでした。計画どおりとかですらありませんでした。そこで「化かされたな(コンコン)」ってスエルにやるんじゃないんですね…

…そもそも別にツムリに殺される必要がない気がします。スエルに殺されてても問題なかったのではないでしょうか?
もっと言えば「人間のままだと創世の力を自由に使えない。石像になるとできる」という時点で仕組みが理解できませんし、「でも死んだら神様になるから自分の意思で自由に改変できる」というのは輪をかけて理解できませんでした。

・え? 創世の力って「他人の願い」や信仰心が必要なんじゃありませんでしたっけ???
姉が死んでクズ化した景和相手に「願え。そうすれば願いは叶う」ってわざわざやってて、さっさと自力で世界を作り変えようとはしませんでしたよね? 英寿が神になろうが誰も願わなかったら叶えられないんじゃないんですか?
相変わらず設定の投げ捨てと突然生えてくるものが多くて意味がわかりませんでした。

■願い続けて…なくね?
「願い続ければ叶う」と景和たちが連呼している姿は自我を失った狂信者みたいで不気味でした。
景和はつい3話前まで「俺の願いのために英寿を殺す!」って言ってたし、道長も「願いなんて願うからろくなことにならないんだ! 願うなんて止めろ!」とアンチ願うマンだったと思うんですけどね。すっかり過去は改変されたようです。

・願い続けた人物が本当に誰一人見当たらないところが実にヤバいと思いました。
景和:世界平和→それは嘘で姉に良く思われたいだけ→姉が殺されたので生き返らせたい。他の人なんてどうでもいい→生き返らせたけど両親も姉もまた死んだ! 英寿を殺してもう一度生き返らす!!→世界平和のために警官になるぞ! 両親の生き返り? 何それ?
道長:友達と夢を叶えるぞ! →友達が殺された! ライダーは糞! ライダーをぶっ潰す力を手に入れて仇とは全然関係ないギーツをぶっ倒す! → 願いのために他人を犠牲にするDGPは糞だ! DGPをぶっ潰すためにベロバに加担していっぱい人間を不幸にするぜ!→願いなんて願うからろくなことにならないんだ! みんなライダー止めて普通に生きろ!→英寿と一緒に世界を救うために頑張るぞ!→ 肉うめぇ~ 死んだ友達なんてどうでもいい~ 俺は牛だから肉食えれば幸せ~
祢音:毒親両親に愛想が尽きた。本当の愛が欲しいから家出配信したりライダーやるわ→私は存在しない作られた人間だった。ショックだ… メンヘラファンと一緒に未来に行こうか→  メンヘラが強制送還されて未来に行けなくなったけど景和の姉と友達になって嬉しいな!(景和や英寿は友達じゃなかったんだ…) → 景和姉が死んだ!けど特にショックではないや。ライダーじゃないから何もできないし。それより無価値な自分に少しでも生まれた意義を作るために贖罪しよう → 父親と和解したからハッピー!本当の愛なんて無くても良かった。→大した理由はないけど英寿に協力してスエルを倒す(自分の幸せを守るため?)→作り変えられた世界では「スーパーセレブ配信者」になってなぜかいるキューンとじゃれ合ってま~す。  

レギュラーキャラ3人すらこの有様なのでもう何の話だか全然わかりません。
そもそも「俺は神様だから何でもできる」って言ってるやつが味方サイドにいて好き放題自分の願いを自分で叶えている状況で言われましても「隣にいる神様に『願い叶えて!』って頼むほうが早くない?」って感じです。

・レギュラーと言えばツムリの夢はどこに消えたんでしょうね?
英寿が勝手に願いを叶えちゃったので協力できていませんし、殺したのが協力扱いだとしたら甚だ不本意な結末だと思うんですが。
挙句の果てに英寿の創った世界を放って、ジーンたちの新DGPに協力しそうでこれまた意味がわかりませんでした。ツムリは何を考えてるんでしょう?

・個人的には「英寿はそれでいいのか?」と思いました
母と再会して以降は贖罪以外何もなかったと思います。贖罪を英寿の願いとすれば確かに「願い続ければ叶う」を実現したことになりますがそれでいいのでしょうか?
「死んでもいいから母親の罪を償う→死んで神になって罪を償った」って夢がなさ過ぎません? 贖罪なんてしたくてすることじゃないと思いますし、まして生まれる前の母親の罪のために犠牲になることは不条理だと思います。
この流れだったら
「英寿は消えた。…はずだったが消えなかった。なぜならみなが『スターオブザスターオブザスターの英寿のいる世界』を望んだからだ。(いつものDPGのロゴとルール説明「ここは『願い続ければ叶う世界』である」)」
なんて流れのほうがよほど前向きで合っていたと思います。英寿が幸せになれたように見えない世界で「誰もが幸せになれる世界」とか言われても納得いきません。
あるいは「みんなが『自分が犠牲になっても英寿を助けたい』という願いを持っていたから英寿が蘇り、英寿が蘇ったからみんな喜ぶ」みたいに「他人の幸せが自分の幸せになることもある」と示すほうが「幸せの総量は決まっている」という悪役のテーゼに対するアンチテーゼとしては綺麗にまとまった気がします。
最初のツムリが黒ツムリだったせいで「やっと呼び捨てにしてくれた(してません)」ってなってるし、英寿に救いがありません。

■DGP再び
・ジーンが「代償無しで参加者を幸せにする新しいDGPをやろうかって話が未来人の間で出てきてる」と話し始めて、それが良いことであるかのように描写されていることにめまいがしました。
異世界への干渉を止めろ! 異世界はお前らの玩具じゃないんだよ!! 何を学んだ馬鹿!!!
もう馬鹿かアホかと思いました。参加者を幸せにするとか言うなら、まず自分たちの幸せを叶えてからにしろってんですよ。未来人はみんな不幸せだからDGPなんかにハマるんでしょ? 現実逃避したままじゃ全然ダメじゃないですか。ジーンが「俺は俺の人生を生きてみるよ」とか言って未来に帰ったのは何だったんですか???

・タイムリープがあるから糞ややこしいんですよね。
ひょっとしたらあのジーンは「未来を良い世界に変えた300年後のジーン」でもおかしくありません。タイムリープがある世界なら時間経過なんて無意味ですからね。時間の連続性や人物の同一性を保証するものが無いので何の参考にもなりません。

■クライマックス消化試合
Q:時間を戻す相手にどうすれば勝てるんだ! ギーツ9も負けたしもうダメだ!
A:人間が神様に勝てるわけないじゃん。

・景和たちはどうせ小競り合いだろうなと思っていましたが、想像していたよりも更に酷いバトルが繰り広げられました。つまらなさ過ぎて最終回なのに語ることがありません。
いったいどこからがハイライトだったのでしょう? 来週から始まる次回作のことですかね?

■黎明って何?
・最後まで見てもタイトルの「黎明」が1話と同じである意味が全くわかりませんでした。
全くの別世界で時間軸も1話時点と異なるから同じにする意味を感じません。
東映公式ページに何か書いてあるかなと思いましたが、

黎明Fという、一つの世界が終わるところから始まった「仮面ライダーギーツ」。
最終話は黎明Ⅰ。また新たな世界で、それぞれが願いを抱いて進んでいきます。
未来へ進む彼らの姿を応援いただける機会もありそうです。
その時にはぜひ、また推しへの愛を爆発させていただければと思います!
としか書いてありませんでした。全く意味がわかりません。なんで新たな世界が同じ名前になるのでしょう???



全体感想は後日、別の記事にするつもりです。内容は期待しないでください。なにせこの通り書くことがありませんので。





コメント

8 件のコメント :

  1. 今年も1年間お疲れ様でした。
    自分は景和の様な善人面している癖に行動が伴っていない人物が苦手なので景和が本当に心底嫌いでした。
    結局ラスボスはエースの怨霊に体を乗っ取られたって解釈でいいんですかね?それって幸せなんでしょうか。他に気になった点は巻き戻し(ただし記憶は巻き戻されない)ですかねなんか既視感あります。
    結局幸せの総量という設定が自分的にはピンと来ませんでした。多分椅子取りゲームで椅子に座れた人はあぶれた人の幸せを犠牲にしている的な事を言いたかったんだと思いますが…。
    次のガッチャードはどうでしょう?自分的にアイテムが多そうで捌ききれるかな?って印象です。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >自分は景和の様な善人面している癖に行動が伴っていない人物が苦手なので景和が本当に心底嫌いでした。

      偽善者だと自白した後すら特にありませんでしたね。今回に至ってはずっと世界平和を願ってきたかのような口ぶりでしたし。小悪党が最後まで生き残ったような心境です。

      >結局ラスボスはエースの怨霊に体を乗っ取られたって解釈でいいんですかね?

      そんな感じの演出に見えましたけど、意味は全然わかりませんでした。
      A)英寿がスエルの身体を乗っ取って現世に再臨する。
      B)管理者であるスエルの身体を乗っ取ることで未来人たちに干渉できる権限を手に入れて未来人たちを締め出す。
      なんて意味があるのかなと見ながら考えていましたが、英寿は復活しないし未来人は相変わらずフリーパスなままだしで全然やった意義が感じられませんでした。何だったんでしょうね、あれ?

      >結局幸せの総量という設定が自分的にはピンと来ませんでした。多分椅子取りゲームで椅子に座れた人はあぶれた人の幸せを犠牲にしている的な事を言いたかったんだと思いますが…。

      DGPという作られた枠があるせいで人類全体の話をしてるのかゲームのルールの話をしてるのか区別がつきませんでした。
      DGP的に言えば敗退者の願いを優勝者の願いを叶える燃料にしているので総量は変わらないんでしょうけど、これ自体も燃料にされているのは「叶ってない願い」なので一つでも願いが叶ったなら幸せの総量は増えてる気もしますし。
      もっとわかりやすくするなら「DGPの被害者はみんな幸せな人(例:前回優勝者はいつも次回でジャマトに殺されている。景和の両親も今の人生に満足して幸せだから殺された)」としたほうが簡単だったでしょう。
      最近のスエルに至ってはもう今までのDGP関係ないし理不尽な強制参加デスゲームを開催しているやつが幸せの総量とか言ってるからどの口で言ってるのやらです。

      >次のガッチャードはどうでしょう?自分的にアイテムが多そうで捌ききれるかな?って印象です。

      外見以上は知らないのでわかりません。来週1話を見た後の記事が回答になるかと思います。

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  2. こんにちは。1年を要する壮大な茶番劇でしたね。レギュラーメンバーが誰一人として成長してなかったのは衝撃的でした。
    高橋悠哉先生は少し特撮から離れた方がいいと思います。その方がニチアサ民にとっても幸せだと思います。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      何も起こりませんでしたね。主人公が神になったくらいですけど生まれついてのものでしたし。よくこんな退屈なお話を1年分も書けたものです。

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  3. 懲役1年お疲れ様でした
    令和ライダーに相応しい、何の物語もキャラの感情も乗ってない無駄な映像の継ぎ接ぎ作品でしたね
    起承転結も組み立てられないのにオチだけ他所からパクってきたり、高橋大先生は筆を折った方がいいと思います

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    1. いつもの令和ライダーでしたね。ストーリーとキャラは破綻していて題材もありきたりなので評価できるポイントが見当たりません。

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    2. 自己犠牲エモい🥺みたいなことがやりたいんだと思いますが、自○でも良かったように思うので最初からやらなかった理由がよくわからなかったです

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    3. 神様化は何がどうなってるのかまるでわかりませんでしたね。
      黒ツムリの憑依がなく、全て英寿の予定通りにしておけば混乱はあまり無かったと思います。
      「死なないに越したことはないので生身でスエルに勝てればそれがベスト。だけど負けたから打ち合わせどおり石像にされたりしないうちにツムリが殺して肉体を捨てて神様化する」
      だったら英寿側は何も問題ないと思います。ボケっと見てたスエルはますますアホになりますが現状でもアホなので大差ないでしょう。

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