『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』 最終回「えんができたな」:感想
■全部投げた
・知ってた。
ラスボスのソノナとソノヤはポッと出でスーツは色替えすらない使いまわし。
ついでに扱いが面倒なソノシたちはあっさり殺して、殺されたことにも全員無反応で後腐れなくめでたしめでたし。
ムラサメは突然自我に目覚めてマザーもそれを認めておしまい。
いつもの井上の丸投げでした。これが井上クオリティです。
■タロウ
・記憶が消える話がポッと出な上にまるで理解できませんでした。
突然「ドンブラザーズのリーダーは過酷だから一通り終わったら記憶を消してあげるんだよ!」とか言い出されて困惑しました。これまではドン王家云々とこれまで言ってきたのに突然ドンブラザーズのほうが上になるんですか。そこすら設定改変して投げるのは予想の真下でした。
・全然良いことに見えないことも不可解でした。
ドンブラザーズを離れたタロウって1話時点の周りに気持ち悪がられる「妖怪・縁ができたな」なのにどこが良いんでしょう? タロウ自身も友達やお供ができたことに喜んでいたと思うのですが。陣のことすら忘れて孤独に戻ることが救いだと言われる意味がわかりませんでした。それが救いならサンタの話は何だったんですか。
ドンブラザーズのメンバーまで肯定していて正気を疑いました。え、そこは「忘れてもまた友達になればいいじゃないか」って流れじゃないんですか??? 忘却が救いであるという大前提が飲み込めないせいで後の流れにも全くついていけませんでした。
■ナツミ
・ナツミは結局犬塚を捨てて雉野とくっつきました。
前回も書きましたけどこの性悪女をどう見ればいいのか全然わかりません。一人の人間の行動としては特に不思議はないんですが、こんな素行の悪い人の観察を強要されても嫌な気持ちになるだけです。
・雉野が幸せになれるとも思えません。
ナツミはそう遠くないうちに雉野も捨てるでしょう。そもそも夢の中と違ってナツミは美容師になれませんからね。夢の続き自体がありません。
雉野がドンブラザーズを続けることにも理解を示すとは思いません。そこも相容れないでしょう。そして雉野もそんなナツミにストレスを溜めていくでしょう。良い結果が出る余地を感じません。
■犬塚
・結局ソノニと逃亡生活を送ることになったようです。
ソノニは満足でしょうけど犬塚にとって幸せだと思えません。ナツミに惚れ込んだ流れから考えると犬塚のタイプは自分とは違うタイプや尊敬できる相手なのだと思います。勝手に惚れて崇拝してくるソノニはむしろ苦手なタイプだと思います。
・逃亡生活自体が理不尽ですし、犬塚に関してはいろんな面で何だったんだよ…という徒労感を感じています。
個人的には掘り下げが全然無いところが不満が大きいです。たとえばナツミに捨てられる展開でも「これで良かった。俺はナツミを救いたかった。それは果たせた。結末はどうあれこれで良かったんだ」と無償の愛として描くこともできたでしょう。
実際にはナツミに説明しないわ、誤解の元のソノニも追い払わないわと犬塚の落ち度も目立っていてグダグダでした。このグダグダが生きる等身大の人間模様を描いたドラマならそれもまた有りだと思いますが、都合良く設定を放り投げているドンブラザーズでやるのは不可能です。
■マザー
・存在自体が謎で黒幕みたいな怪しさなのに何もなく終わりました。初期設定すら捨てられたんでしょうから考えようがありません。
当初はイデオンのマザーシステムでドン王家の抹殺もマザーに背いたから裏切り者に仕立て上げられたのかとか、ドン王家のマザーでイデオンも人間界も全て支配しようとする共通の敵としてラスボスになるのかとか、考えていましたが答えどころか役割すら存在しないので考えるだけ無駄でした。
最初からずっとどうせ投げるし意味ないだろうなと予想はしていたので特に怒りも湧いてきません。テストの答え合わせが終わって予想の範疇の結果だったって感じです。
作品側に終わりらしい終わりもないので終わった感じすらありません。文字通りただ「最終回」になっただけです。放送の都合なんて興味ないです。
全体の感想は後日書きます。
こんにちは。全くラスボス感のない78で笑ってしまいました。最後にやった名乗りもタロウワンマンで台無し、せめてスーツはお下がりではなく新造できなかったと。 雉野は上司に認められてやっと成長したかと思えば台無しに、犬塚も獣人からナツミを救えた、それだけでよかったんだみたいなエンドかと思いましたが脚本家はずっと追われる指名手配という人物像が楽しくて仕方ないんだろうなと。 最後にEDを流さないのも微妙だなと思いました。
返信削除匿名さん、こんにちは。
削除>せめてスーツはお下がりではなく新造できなかったと。
せめて有り合わせのスーツを組み合わせるくらいはしてほしかったです。色変えすら無しって…
>雉野は上司に認められてやっと成長したかと思えば台無しに
「お友達からよろしくお願いします」くらい言えたら成長を感じられたんですけどね… あの雉野では明るい未来が感じられません。
>脚本家はずっと追われる指名手配という人物像が楽しくて仕方ないんだろうなと。
好きであるならまだマシだと思ってます。めんどくさいからシチュエーションを変えたくないだけと最悪です。
ラスボス使い回しはマジで萎えましたね
返信削除本当に何一つ解決せず丸投げで唖然としました、まさかマスターの正体まで投げっぱなしとは…予想をはるかに上回る最悪の最終回でした。
後どうでもいい事ですが犬&ソノニはエンドロールの3ヶ月後に記者発表会という公の場に居たという事は何らかの理由で指名手配が解けたという事ですかね
あれだけ公務執行妨害しておいて手配解除というのは考えにくいのですが、はて…
>あれだけ公務執行妨害しておいて手配解除というのは考えにくいのですが、はて…
削除常識的に考えると解除はされてないと思います。誰もまさかあの指名手配犯だとは気づかなかったのでしょう。
論理的整合性を求めるならキビポイントの使用でしょうか。ポイントを使うなら指名手配を解除するのに使えばいいと思いますが、解除と一時的な偽装では消費ポイントに違いがあるのかもしれません。
まぁ井上なので数分前の展開を忘れ、また記者会見の後にまた指名手配の設定にしたとしてもおかしくないので究極的には整合性を求めるだけ無駄だと思いますけどね。
こんにちは。
返信削除ドンブラは《井上信者の為の番組》
それくらい今作は感想がすっぱり別れたと思う。
褒める・持ち上げるにしても不自然なくらいの
『今世紀で最高』『2期やって欲しい』『全キャラのスピンオフ希望!』
特に多いのは『ジェットマンの井上御大!』
『さすが井上大先生!』といった、脚本家の称賛記事。
しかし肝心の脚本を褒めるのは正直どうかな。
意味ありげに伏線散らしてたまに雑に触れながら、あとは場外で考察だの補足だのして辻褄を合わせる…これ、一番やっちゃいけないやつだろ。
いつかの朝ドラでそれやって世間総スカン、“朝ドラ反省会”なるワードまで生み出したほどだけど、今作もそれ。
これを『素晴らしい脚本!』と言えるのは、それは単にカオスな雰囲気、奇をてらった脚本の上っ面しか見てなくて、謎ぽい伏線を自分の中でもっともらしく解釈してるだけだと思う。「解釈が理解できない」んじゃなくて、端から「理解してもらおうとしてない」。
ストーリーの流れの中で回収できないなら初めからやるなよ。ドラマとしてみてもあまりに姑息でズルいわ。
匿名さん、こんにちは。
削除>しかし肝心の脚本を褒めるのは正直どうかな。
ストーリー全体は称賛できる内容ではないと思います。
放り投げたことや後付けなど実例はたくさんあります。むしろちゃんとやったことを数えたほうが早いと思います。
キャラクターや一部シーンなど部分的に良いところはあっても全体としては酷いと思います。
>ストーリーの流れの中で回収できないなら初めからやるなよ。ドラマとしてみてもあまりに姑息でズルいわ。
個人的には回収できないとかではなく、意味を成さない要素が多すぎたと思います。
獣人や脳人、ムラサメはもちろん、ジロウの人格関連など最初からやる気が感じられず最後まで大したイベントもないうちに雑に終わった要素が多いと思います。
賑やかしにすらなれない水増し以下のものを加えるのはシンプルにつまらないです。
いつも楽しくブログを見させてもらってます。
返信削除言いたいことすべてを代弁してくれているようで胸がスカッとしました!
ありがとうございます。
匿名さん、お褒めの言葉ありがとうございます。
削除そう思ってもらえれば書いた甲斐があります。
各作品、毎度感想を読ませて頂いています。キャラクターや作品全体の意味不明な雰囲気など、確かに世間に対して目立つ要素は多々あり実際に私も楽しく視聴させて頂きました。一方で、これをドラマとして評価出来るかと言われると全く評価出来るとは考えられません。投げっぱなしの伏線、雑な後付け。ロボタロウなど最後に見たのはいつでしたでしょうか。販促としても上手くいっていたとはとても考えられません。見ていて面白いと思っているからこそ、物語としての問題点を言いづらい空気感を窮屈に感じていました。(ネットは大絶賛の嵐……)ここの感想を読むと非常にスッキリします。本当にありがとうございます。
返信削除匿名さん、こんにちは。
削除作品に対する全肯定も全否定もめったに起きることではないと思います。
どこが面白くてどこがつまらないと思ったか、自覚して見るほうが健全だと私は思います。
最後まで細かい感想、お疲れ様です。
返信削除(まだ)順を追って憎めないネタキャラ化していった初期脳人三人組はまだしも、割と終盤までドンブラザーズのメンバーを追い回して命すら奪おうとしたドンムラサメが突然味方化は酷すぎませんかね…?
ツイッターじゃムラサメ微妙に影薄いせいかあまり言われてないようですが
この件に限らず、こんなにノリと勢いだけで片付けられるんなら数少ない犠牲者である狭山刑事やかつて彼を乗せていたバスガイド、あと敵対的行動をしてこなかった穏便なアノーニとかがただただ不憫…
匿名さん、こんにちは。
削除>割と終盤までドンブラザーズのメンバーを追い回して命すら奪おうとしたドンムラサメが突然味方化は酷すぎませんかね…?
犬塚に味方したままならともかく、なぜかわざわざソノヤに使わせた後だから違和感が強かったです。
東映公式に「反逆」したことが重要だったと書いてあったのでどうしてもソノヤに使われてそこから逆らう展開をやりたかったんですかね。前後の展開自体がおかし過ぎて、私には何にも伝わってきませんでしたが。
>この件に限らず、こんなにノリと勢いだけで片付けられるんなら数少ない犠牲者である狭山刑事やかつて彼を乗せていたバスガイド、あと敵対的行動をしてこなかった穏便なアノーニとかがただただ不憫…
スタッフの倫理観には私もまるでついていけませんでした。ヒーローだのと作中でも言っておいて「知らない人がいくら死んでも気にしません」と言う考え方は相容れません。
返答ありがとうございます
返信削除あの他に犠牲者かどうかはグレーですが
いつの間にか母親だけになってたはるかの元彼の花村君、シゴロクに異世界送りにされて9人のドンブラザーズに無視された一般市民達もその後の安否は不明だそうです
あと、ネットによるとねぶたドンオニタイジンの提供に元老院やマザーの名もあったそうなので、あれを真に受けるなら唯一真面目に不穏分子を倒そうとしてたソノナソノヤだけがいつの間にか孤立してたって事に
ソノナソノヤもそこまで良いキャラとも思いませんでしたが、それでもこの扱いはちょっと…
追記
返信削除以前も雉野の殺人幇助(実際には殺人ではなかったが)に殆ど無反応なドンブラザーズの仲間達とか
今回も以前はあれでも仲間だと言って倒さなかったソノシが新しい敵に殺されても無反応なイニザとか
ギャグ描写だけでなく根っこの部分まで倫理観が狂ってるのはヒーローものとしてどうかと思いますねほんと…
自分の作品でやる分には倫理観が狂ってようが好き好きで構わないんですけど、これで「ヒーローものです」と戦隊シリーズで名乗るのは受け入れがたいですし、他のスタッフの良識も疑う光景です。
削除>あと、ネットによるとねぶたドンオニタイジンの提供に元老院やマザーの名もあったそうなので、あれを真に受けるなら唯一真面目に不穏分子を倒そうとしてたソノナソノヤだけがいつの間にか孤立してたって事に
井上が関与しているか否かで言えば、たぶんそれは関係ないと思います。わざわざト書きで指示するとは私は思いません。映像関連のスタッフの独断じゃないかと思います。もしもストーリーと合っていないならば問題なことに変わりはありませんが。