『魔進戦隊キラメイジャー』 第26話「アローな武器にしてくれ」:感想

2020年10月4日

■キラメイジャーらしさに溢れていた
・「充瑠が正しい! 充瑠に逆らうやつは間違ってる。世界の全ては充瑠のためにある!」
1、2話以上にそんな感じに溢れていました。ラストの充瑠のマブシーナに対する「涙はもう要らないから!」は最高に無神経な感じがしました。相変わらず人の心が見受けられません。

・話の雑さは前回から引き続いて酷かったです。
カナエマストーンとモンストーンの扱いもゾンビのうざさもなぜか帰るヨドンナもご都合主義がありありでうんざりしました。これだけでもダメダメだと思います。

・個人的には理屈が全然納得がいかなかったことが致命的でした。
「限界は超えないほうが良い」
という台詞を思いついてどうしてもやりたくなったみたいですが全然できてないように見えました。スタッフがこんな価値観なら充瑠みたいなキャラがまかり通るのも納得です。
最初のオラディン王からして「弓の耐久が限界を超えると弓が壊れてしまうから力ではなく回転を加えることにした」ってこれは”限界のベクトルが違うだけ”だと思います。そもそも「2つの的を貫くには力が足らない。だから今以上の力を加える必要がある」という命題をクリアするためのアプローチが更に力を加えるか回転を加えるかの違いを生んだだけだと思います。一方向に更に伸ばすか、別のものを加えるかの差でしかありません。どちらも「今の矢の威力」という限界を超えていることに違いはないと思います。

・「耐久の限界を超えて目的を為せなくなったら意味がない」というのはそれは考えるまでもなく当たりまえの話だと思います。
「健康のためなら死ねる!(死んだら健康になっても意味がない)」というのと同じ話ですからね。「矢を強く発射するために弓を壊して結局は矢が撃てない方法をやろうと思う」と言ったらやる前からアホかと否定されるのは当然です。
「限界を超える」というフレーズは「自分の固定観念を捨てる」や「今以上の強さを目指す」という意味でしかなく、言葉尻そのものを重要視することは馬鹿げていると思います。そんなことを言い出したら「正義のヒーロー」だって「俺は正義のヒーロー…つまり俺が正義! 俺がやることは何でも許されるってことだ!」とか主人公たちが言い出してもOKになってしまうと思います。

・この時点で納得がいかなかったのですが、提示された正解が「限界を超えない程度に制限時間をつけてカナエマストーンの力を使う」でまたアホかと思いました。
え? 為朝たちは死ぬまで使うつもりしかなかったんですか? 解除するって発想がないと充瑠は決めつけてたんですか?
”仲間”をアピールしていたのにこの馬鹿扱いはいろいろダメだと思います。本当に馬鹿なのかもしれませんがそれだと最初から終わってるので論外です。馬鹿が集まって「もうどうしようもねー」なんて言ってる光景を見ても何一つ説得力がありませんからね。「超優秀なリーダーと馬鹿5人。それがキラメイジャーだ!」なんてそんなチーム見たくありません。

・更に更に最後のオチが拍子抜けにも程がありました。
「最後の1体を倒す前に制限時間が過ぎてしまった!…でも大丈夫! シルバーならスーパー化しなくても普通に勝てるから!!!」って。
アホですね(断言)。それなら最初からシルバーがいたら済んだ話じゃないですか。他のやつが弱いせいじゃないですか。初登場のスーパー化自体の価値までどっちらけになってしまって最悪です。

■笑うことは知らないが仲間は知ってるヨドンナ
・ヨドンナの感覚が全然ピンと来ませんでした。
私にはむしろヨドン軍には”仲間”という発想のほうがなさそうに見えます。部外者のガルザを除いてもクランチュラなんていつも笑ってると思うんですが。
今回ヨドンナ自身もガルザに「皮肉か?(私を嘲笑ってるのか?)」と言ってたんですがそれなのに笑うという概念がないのでしょうか?
実はクランチュラも部外者とか、「上層部に行くほど人間性が無くなる。それがなぜかというとヨドン皇帝自身が闇から生まれた無生物でヨドンナなど上のやつらはみんなそうだから」とかそんな設定でもあるのでしょうか。

■スーパー化
・正式な名前は「ゴーキラメイ○○(レッドなど)」だそうです。長くて語呂が悪いと思いました。

・アクションは今のところ想像以下のクオリティで面白みがありませんでした。
加速だのなんだのしても結局はただ、弓を撃つだけでした。今まで使ってきた剣や銃よりアクションが少なく、バリエーションも感じられません。「普通にやったらこうなっちゃうと思うんだけどどうするつもりなんだろう?」と心配していましたが心配していたとおりのものが提示されてしまいました。


次回はなぜかゲキレンジャーのキャラが客演するみたいです。
ゲキレンジャーは動物系モチーフで拳法スタイルでキラメイジャーと共通しているところが全然ないのですがなぜゲキレンなのでしょう? 強いて言えば「組織の表向きの顔が一般向けの商品を製造する会社」という点ですが次回予告の感じだと瀬名のユニフォーム以上のつながりは感じられませんでした。
個人的な直観としては「そんなにスタッフは瀬名のユニフォーム姿を撮りたいのか(呆れ)」という印象です。また坂本監督のせいか?と思ってしまいました(冤罪)。
東映公式ページの文面からは「思いつき」以上の意味は感じられませんでした。そのまま出すってことは「この世界にはゲキレンジャーがいる。だけど地球の危機に何もしていない」って話を意味するんですが何も考えていないんでしょうね… 

コメント

6 件のコメント :

  1. こんにちは。

    シナリオ上は盛り上がりポイントだと推測出来るのですが、視聴してて全く盛り上がりを感じられませんでした。

    ワンマン持ち上げ要員のジュウルがいつもの様にオラディン王の模倣もしくは後追いをして、お仲間4人はいつもの様に何の努力もせずジュウルのひらめき待ちかつすぐ弱音吐いて…とこれまでの負の積み重ねがしっかり活かされていました。

    パワーアップ後はアクションのしょぼさもさる事ながら、販促すべきキラフルゴーアロー(ゴーキラメイジャー)の負の部分だけ強調してる事に驚きです。
    というかパワーアップをした意義が感じられませんでした。
    パワーアップしたらしいバクダン邪面は、ゴーキラメイジャーどころか病み上がりのシルバーにすら倒されるレベルで、散々苦しめられたハイパーベチャットはキラフルゴーアローの試し撃ちの相手にもなっていませんでした。

    最大の謎はここまでひたすらソロプレーしている為朝が、急に仲間の絆連呼し出した事かもしれません。

    メインライターとメイン監督がやってこれなんですからサブ陣の担当回が様子のおかしい事になっているのは妥当かもしれませんね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >これまでの負の積み重ねがしっかり活かされていました。

      いつもどおりのキラメイジャーって感じでしたね。私は苦手ですが。

      >というかパワーアップをした意義が感じられませんでした。

      ゾンビをあっさり倒せるようになるのかと思ったらわりと手こずってましたね。ヨドンナには邪魔されるし、ケチがついてる部分が多いと思いました。

      >最大の謎はここまでひたすらソロプレーしている為朝が、急に仲間の絆連呼し出した事かもしれません。

      いつの間にあんなに充瑠を認めていたんでしょうね。あんなことを思っているのにその直前では女の尻を追いかけることを優先していたことも不思議です。説得力がありません。

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  2. ヒューガライゾー2020年10月4日 17:51

    前話から続く強化べチャットとモンストーン相手の苦戦は
    敵がキャパシティオーバーを起こし自滅という流れで開始数分で片づけられました
    前回あれだけ不利を表現したのに肩透かしもいい雑な締め方です

    >キラメイチーム強化形態
    強化形態は時間制限付きと来ましたか
    『味方側のパワーアップは味方側自身にも都合がいいばかりではない』
    と見てる方に伝えたいのですかね
    今回のような制約や激しい修業が無いパワーアップなんて存在しないんだと
    ヒーローとその力の関係の厳しさを教えたつもりでしょうか

    確かに自分もなろう系のような周囲に影響されただけのご都合型才能系パワーの存在に
    眉をしかめる性格ですがだからといって今回のようなパワーアップも疑問に思います
    何というか単純かつ陳腐の類で昭和の体育会系理論を歪曲したような表現かと

    あと制約で今後の話の膳立てを揃える魂胆も入ってるんでしょうね
    活かせるほどのスペックが今の制作陣にあるのかと言えば半信半疑ですが

    >ガルザとヨドンナ
    マンネリが重なり低調気味になってきてるヨドン軍のドラマを振るわせる為に
    一時同盟させたつもりなんでしょうか
    劇的に改善して振るってくれれば嬉しいことこの上ないんですが…
    やはり今後への不安を隠せてません

    >タメトモとヨドンナ
    こちらもいろいろ不安です
    敵味方の融和という定番かつ切り札的な企画に出て大火傷しないといいんですが
    盛大に肩透かしされる可能性もあるので悪い意味で気になります

    >次回はゲストにゲキレンジャー
    地上波かつ通常回なのに過去の戦隊出すの、って思いました
    ここにきて急なプチゴーカイ話です
    ゲキレンファンには刺さる言い方で申し訳ないですが
    今作は不振だったと認めてしまったようでなんか頭重くなる展開です

    ゴーカイ型話は一話限りで終わってくれればまだいいんですが
    もし大路線変更で今後はゴーカイ路線で行こう
    なんてやらかしたら自分にとっては今作に失望するどころではないと思います

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    1. >前回あれだけ不利を表現したのに肩透かしもいい雑な締め方です

      酷い舐めプでしたね。勝手に帰ったり、勝手に弱体化して終わりじゃ納得がいきません。ベチャットなんて代わりはいくらでもいるでしょうに。
      投げた上に今後の問題の解消もできていないところが更にダメだと思います。結局ベチャット対策ができているわけではないから「スーパーベチャットをけしかける→キラメイジャーがスーパー化したら逃げる→3分後にまた別のスーパーベチャットや怪人に襲わせる」とやられたら詰むでしょう。

      >あと制約で今後の話の膳立てを揃える魂胆も入ってるんでしょうね

      できるなら良いですけど特に信頼はありません。ご自慢の弓のアクションも冴えませんでしたし。

      >マンネリが重なり低調気味になってきてるヨドン軍のドラマを振るわせる為に一時同盟させたつもりなんでしょうか

      そういう目的なのかもしれませんが、それなら邪道だと思います。
      ガルザやクランチュラ自体をどうにかするほうが健全だと思います。それができないならすっぱり始末するべきだと思います。

      >地上波かつ通常回なのに過去の戦隊出すの、って思いました

      特に理由もなく出していいものではないと思います。「シリーズなんてどうでもいいです。売れるためなら何でもします」と言い切ってるならともかく、「歴史ある戦隊シリーズが~」だのしょっちゅう自慢してる人のやることではないと思います。

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  3. なんでゲキレンのキャストが出るかって、そりゃプロデューサーが同じだしファンを喜ばせるためなんじゃ……?

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    1. それが正当な理由になるんですか?
      「プロデューサーが同じだから」というのが理由なら逆にプロデューサーが同じでなければ客演するのは不適切になってしまいますし、同じだったらどれを出そうが構わないことにもなると思います。

      「ファンを喜ばせるため」というなら、それでなぜゲキレンなのでしょうか? 特にゲキレンにこだわる理由は見当たらないと思います。
      またキラメイジャーのファンはどうなるのでしょう? キラメイジャーのファンが見たいのはキラメイジャーでゲキレンジャーに1話使われるのは嫌がる人もいると思います。

      そもそもキラメイジャーに出す理由はなんでしょうか? そしてキラメイジャーをやる理由はなんでしょうか?
      過去作を出せば喜ぶなら最初からオールスター要素をやるのが筋だと思います。ウルトラマンは実際そうしてます。新作でも3分の1くらいは歴代キャラにアイテムや話を割いています。完全新作でやってきたキラメイジャーに27話にもなって今更出す理由はなんですか?

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