『仮面ライダービルド』 第21話「ハザードは止まらない」:感想

2018年2月4日

【ストーリー】

■世界の命運はこの男に託された
・頭も心も弱くて戦兎はビルドに変身できること以外、良いところがなくなってしまいました。

・個人的には今までで言ってきた大言壮語が「ちゃんと考えたことがありませんでした」でリセットされてしまったことが辛いです。
これが「偶然力を手にした一般人」だったらまだわかるんですが、「天才物理学者で、実は稀代の科学者にして騒動の原因を作った葛城巧その人」でこれをやられても気持ちがついていきません。天才とは何なのか… 葛城巧のことで悩んだのは何だったのか… この後の展開によほどの説得力を込められないと「そんな浅い考えじゃ、どうまた後でひっくり返るんでしょ?」と負の信頼感が残ってしまうと思います。ビルドのスタッフにそれだけの話が作れるなら問題ないのですが、私は荷が重いと思います。
 本当に重要なのは、あの1話の中で戦兎がもう一度戦うために立ち上がること。「こんなに痛くても、苦しくても戦わなきゃいけない」ことに気付き、自分を奮い立たせたことなのです。 
と本編でも東映公式ページでも言っているので苦難に耐えて戦うことが重要らしいのですが、私にはそこがわからないです。
東都の一般市民にそんな思いをさせないために自分が戦うと言っていたのではなかったのでしょうか? 北都が攻め込んできたときの美空とのやり取りは何だったのかと思ってしまいます。

・龍我がその点でもふわふわしていたことも冷ややかに見ていました。
格闘技だったら「不意に命を奪ってしまう」ことは避けられないと思います。 龍我が馬鹿であることはわかっているつもりですが、自分のやってたことにまで無自覚だとそれは馬鹿で済まされない愚かさではないかと思えてきます。

■死ぬ死ぬ詐欺
・「青は死んだけど2人は無事でした」という展開と演出はアホだと思いました。
「やられたら死ぬ」と言っていたのにやられても死ななくて一気に緊張感がなくなってしまいました。これでは「今のはノーカンです!」とスタッフが言えば何度戦ってもOKになってしまいます。脚本が悪いのか、演出が馬鹿なのか知りませんがあれはダメだと思います。
同じ展開をするにしても「2人を庇って青が必殺技を受ける」や「ダメージが蓄積してやばくなってきたので青は2人を逃がすために突撃した」など、2人が致命傷を負わないで済んだ理由付けをしないと話がおかしくなると思います。


【アクション】

■多彩な使い分け?
・ビルドの特徴をスタークはそう説明していましたが、全然映像で表現できていませんでした。
今回のメインだったであろうローズとヘリコプターですら単体で使っていたときとベストマッチ状態での戦い方に大きな差が感じられませんでした。相変わらず「ベストマッチは必殺技を使える」以上の違いが伝わってきません。
むしろブラッドスタークのほうが使い分けできているように感じてしまいました。今がんばるべきはそこではありません。逆効果になっていて目も当てられない光景でした

・ハザードフォームの印象が今ひとつなのもこのせいではないかと思います。
本来なら「他のフォーム=多芸、ハザードフォーム=力押し」となるはずが、他のフォームを表現できていないからハザードフォームの個性が大して感じられない結果になってしまったのではないかと思うところがあります。


次回は特訓の様子はネット配信で省略して早速本番のグリスとの勝負を始めるみたいです。元々時系列が謎で、時間の都合で展開が断片的になるネット配信の使い方としてはスマートだと思います。これは感心しました。
勝負のほうはハザードフォームが負けるとは思えず、結果が見え見えな気がしますが何か捻りはあるのでしょうか?



コメント

10 件のコメント :

  1. テレ朝公式HPの設定によると、ハザードフォームはスマッシュにとって有害な分解酵素を出せるそうです。青羽トドメを指す前に、腕から出していた黒いガスのようなものがそうなのでしょう。決め手となったのはそのガスだったのだと思います。

    おっしゃっていることは確かにそうだなと思いますが。

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    1. なるほど。そういう設定が有るんですね。
      私は作中で語られていない設定は眉唾ものだと思っていて真に受けない主義なのですが、仮に設定を認めても疑問点が残ると考えます。

      もしそうだとしたら、戦兎がハザードフォームを使った理由が無くなってしまうと思うからです。
      そもそもあの戦いは「北都を攻めようとする龍我を止めるため&事情を知らない龍我が三馬鹿を殺すのを防ぐため」だったはずです。しかしもしハザードフォームの特殊な力がなければ変身解除だけで済むならば、後者の理由がなくなってしまいます。龍我が勝っても変身解除で済み、既に東都から正式な作戦中止命令が出ている状況ならば、危険を犯してまでハザードフォームを使う理由はなかったと思います。
      いつもどおり、ロケットパンダなどで龍我を連れて逃げるほうがよほど安全だったのではないでしょうか?

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  2. L.E.D.ガイスト2018年2月5日 14:46

    三馬鹿の青いのが死んだ21話。


    親友の早瀬五郎/さそり男を殺した本郷猛/仮面ライダー1号、兄弟同然の親友・秋月信彦/シャドームーンに一度は殺され、その後、信彦/シャドームーンを二度も倒し死なせた南光太郎/BLACK(BLACK RX)。ついでに、劇中終盤近く、シャドー/ブラックビートの正体を知り戦意喪失&一時戦線離脱(ぶっちゃけ、失踪)したこともある甲斐拓也/ブルービートを知っている身からすると、戦兎が中途半端にしか見えない…… こんな奴に正義やヒーローを説かれていた龍我が哀れに思てくる。



    現状を作り出した張本人(石動)が正論を述べている件。

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    1. 例に挙げられたものはどれも身近な人物との関係なので赤の他人を殺した戦兎とは状況が異なると思います。同列に扱うのは適切でないと私は考えます。

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  3. >東映公式ページでも言っているので苦難に耐えて戦うことが重要らしい
    その理屈で言うと「他人の命を奪うかもしれない現実と苦難に耐えて東都を守るために戦う」のが桐生戦兎の戦争に対するスタンスでなければならない筈なんですが本編を見るに(万丈共々)特にそういった覚悟が無いまま戦争に反発してたらしいのはガッカリポイント高いですね。

    鳴り物入りで出たハザードフォームもたった数十秒で暴走入った上に不意打ちとは言えロックのディスチャージボトルであっさり拘束され一切抵抗しない出来ないまま一撃で変身解除と「脅威」として描けてるかどうか中途半端に見えました。

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    1. >特にそういった覚悟が無いまま戦争に反発してたらしいのはガッカリポイント高いですね。

      はい、戦兎はいったい北都にやられた被害者を見て何を感じたのかわからなくなりました。そこを真に受けて突き詰めると「他人が傷つくことより自分の精神的苦痛のほうが辛かった」ということになりかねず、ヒーローとしては致命的な瑕疵になりかねません。今後しっかりフォローしてほしいです。

      >「脅威」として描けてるかどうか中途半端に見えました。

      理性を失う系の暴走ってたいてい弱いんですよね。
      フォームやアイテムによる多機能が当たり前のライダーとは相性が悪いと思います。せめて「拘束するもハザードは力づくで破る。しかし一瞬の隙をついて捨て身の攻撃をしかけたグリスと相打ちになり、両者ダブルノックアウトで変身解除」くらいはしてほしかったです。

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  4. 一応赤と黄は必殺技を食らわずに死ぬギリギリで変身解除したからで(解除した後やばかったと言ってる)青はハザードフォームの説明にある防御を無効化する能力を受け必殺技を受けたから崩壊したのでは? 長文失礼しました

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    1. 同じと思われる内容のコメントに返答してあります。
      異なる趣旨のご質問でしょうか?

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  5. 規制の厳しいこのご時世でがっつり戦争を描くとは思いませんでした。
    ゴーストで自主規制しすぎた反動なのかエグゼイド以降のライダーはスタッフのやりたいことをやりつつ伝えたいメッセージを子供にも伝わるように話が作られていて脚本のレベルの高さを感じます。

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    1. そうですか。私は現時点では評価は保留です。このままなら「まぁこんなものだろう」という印象です。

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