『仮面ライダーエグゼイド』 最終回まで見終わって:総合感想
『仮面ライダーエグゼイド』を最終回まで見終わった時点での全体感想です。
「中身がない」と私はよく言いますが、スタッフのほうから「この作品には中身がありません!」と主張されると、自分でそう思うよりもずっとうんざりしますね。
*全体の感想なので必要に応じてネタバレがあります。
【一言まとめ】
エグゼイドの特徴:積み重ねの意図的な放棄。
ストーリー:1クール前どころか1話前の展開すら反故にする超展開。
アクション:例年どおりいまいち。
デザイン:奇抜なデザインだがそれだけで、動きやモチーフは普通なので数話で見慣れておしまい。
【こんな人には向いていない】
・私は根本的に価値がわからなかったので、「どこが良い、どこが悪い」という話はできそうもありません。作中で起きた事実を軸にして「こういう内容を期待している人には向いていない」という話を主にしていきたいと思います。
■ゲーム要素
・エグゼイドの主要モチーフの片割れが「ゲーム」です。(もう一つは「医療」)
主人公の肩書は天才ゲーマーですし、主役のライダーであるエグゼイドの胸にはスーファミのコントローラー状のデザインが描かれていますし、各フォームの名前も 「○○ゲーマー」で統一されています。しかし実際に作中で描かれるゲーム要素は目を疑うようなデタラメな内容ばかりでした。
・端的に表れている言葉は「ゲーム病」だと思います。
敵が感染させる病気で症状が悪化すると患者は消滅し、代わりにゲームから生まれたデータ生命体である怪人が現実世界に受肉する仕組みになっています。
ここまで説明すればわかるかと思いますが、ゲームは特に関係ありません。敵が撒いたウイルスに感染すると発病するだけで、ゲームをプレイしているとなるとかゲームをプレイしないと死ぬとか、そういう病気ではありません。
私には現実のゲームに対してネガティブなイメージを植え付けようとしているように見えてなりません。ゲームをモチーフにした作品でゲームを貶めようとするなんてあり得ないです。
・デタラメな展開の筆頭は「リセット」です。
ラスボスが使う能力で簡単に言うと「時間を巻き戻す」能力です。一度倒されたのに倒されたことを無かったことにする。自分を倒すために主人公たちが創り出したアイテムを開発する前まで巻き戻してアイテムの存在を無くす。そういったことをしていました。
ここまでなら「リセットしてセーブをロードした」という話で済んだのですが実際にはとんでもない事態になりました。
「変身アイテムは元に戻るが、敵を倒して集めたアイテムはそのまま残る。人の記憶は全く消えない」というおかしなことになりました。作中の台詞によると「ゲーム内のものはリセットされる」そうなのですが区別が理解しがたいものでした。
現実世界に物理的に存在している変身アイテムはゲーム内扱いだけど、ゲームの報酬として生成されたアイテムは消えない。ゲーム内の存在であるはずの敵キャラたちの記憶も消えない。「ゲーム内」っていったい何なのでしょうか? そもそも「リセット」されるけど残るものもたくさんあるってそれはリセットなのでしょうか?
・個人的に受け入れがたかったことは、主人公が率先して「チート」を使ったことです。
中盤から「必殺技を当てると敵の能力を消す能力」を手に入れます。それを使って乗り物を使う敵の乗り物を抹消したり、攻撃無効化能力を使う敵から無効化能力を抹消したりします。バトルとしてもつまらないですし、ストーリー面でも最悪でした。
「天才ゲーマー」だの「俺がお前を攻略する」だのと言っているのにやることはチートでがっかりしました。主人公は天才ゲーマーを名乗るなら、むしろ逆にチートを使ってくる相手を正攻法で倒すくらいしてほしかったです。
・なおスタッフは最終回の時点でも
「ゲームという荒唐無稽なモチーフ」
と思っているそうです。私にはさっぱりわからない価値観です。ゲームが荒唐無稽なら特撮ヒーローも充分荒唐無稽だと私は思います。この言葉に反発を覚える人は見ないほうが良いと思います。スタッフの態度が作品によく表れている言葉で実際そんな内容です。
■未熟な研修医の成長物語
・エグゼイドのもう一つの主要モチーフが「医療」です。
主人公の永夢は駆け出しの研修医で冒頭のナレーションでも医者であることが強調されています。しかし実際には医療は内容とほとんど関係がありません。
・まず医者や医療の描写が全体を通して片手で数えるほどしかありません。
基本的な展開は「通報があって現場に行くと患者が倒れている→敵を取り逃して患者のお悩み相談をする→敵を倒して解決したことにする」です。基本的に従来の平成ライダーと同じです。医学的アプローチは特にありません。
作中では「患者の精神的ストレスが症状を悪化させる」設定なのですが、対応するのは研修医の主人公や外科医の2号ライダーで、カウンセラーや精神科医は一切登場しません。病院が基地になっているのに対応がずさんです。
・「まぁ、あくまで『医療ドラマ』だから人間ドラマが中心になるのは仕方ない」と考えようにもそちらも絶望的です。
主人公の永夢は特に成長しません。医者としても人間としても成長しません。
・医者としては描写がありません。
最初は主人公が医者を志すきっかけになった小児科医の研修から始まったのですが、何の描写もないまま1クールの終わり頃に「今日で小児科の研修も終わりだね。次はどこ?」なんて会話を振られて処理されました。子供との触れ合いとか理屈の通じない子供に対する治療の難しさとかそういう話は一切ありませんでした。その後も同様で、いつの間にか研修が始まりいつの間にか終わっていました。
作中で描かれている範囲だとライダー業務が忙しくて全然研修ができていないように見えて主人公の医者としての将来が心配になってくるのですが、稀に出て来る台詞によると順調だそうです。医療ドラマとしては描かれてないことにドラマを見いだせる人にしかオススメできません。
・人格面では最初からほぼ完成されています。
1話から病院の特別な部屋に隔離された患者を事情も知らずに連れ出す身勝手さを見せますが、それは最後まで変わりません。周りには天才外科医や元ライダーのベテラン闇医者などがいますが「あなたたちは間違ってる!」と主人公に批判され「さすが主人公」と主人公をよいしょする要員でしかなく、先輩からの影響なんて受けません。
基本的に「主人公の言動=この世界の正義」として最初から最後まで描かれていて挫折や苦悩はありません。4クール目になっても「命の大切さを教えるために敵が臨死体験するほどにボコボコにする」など頭がおかしいように見える言動をしては周りに褒められています。
・主人公がダメでも他のキャラや脇役があるのでは?と思うかもしれませんが、ありません。むしろ医療関連では主人公が一番まともに描写されているくらいです。諦めてください。
■長期クールにふさわしい積み重ねのあるストーリー
・ストーリー面ではエグゼイドの特徴である「積み重ねの放棄」が遺憾なく発揮されています。まともなストーリー展開を期待していると
「何でもあり」
「やってみたらできました」
「敵がアホだった」
の最低トリプルコンボで完全粉砕されます。
ご都合主義の代表例は主人公の使うチート能力とラスボスの使うポーズやリセットです。
「ラスボスは”ポーズ”で時間を止める。ライダーは身動きが取れないので一方的にやられる」
「その対抗策として何の前フリもなくポーズを無効化する最強フォームを開発する」
「最強フォームに手も足も出ずに負けたラスボスは突然『リセット』能力に目覚める」
「その次の話で主人公たちはリセットを無効化する『セーブ』機能を開発する」
・万事がこんな調子です。子供がおふざけでやるような
「何でも攻撃を防ぐバリア→じゃあバリアを貫通するビーム→じゃあバリアを貫通するビームを防げるバリア」を地で行く展開で頭が痛くなってきます。「以前から開発していた」とか前フリなんて一切ありません。「それができるなら最初からやれよ!」と言いたくなることばかりが起きます。酷いときには1話前の展開と矛盾しているように見えることすら平気で起きます。
・それでいて話の進展は遅いのがまた問題です。
1クール目は敵から届けてくれるフォームチェンジ用のアイテム集め。2クール目は何度倒しても死なないゾンビ。 3クール目は敵を倒しても復活する徒労クロニクル。4クール目はまたまた倒せても理由をこじつけて復活するラスボス。このように似たような展開が長々と続くのもエグゼイドの特徴です。
・これだけでも単調で退屈なのですが、その上に「主人公たちの主体性がない」という重荷までのしかかってきます。
上で事態が進展しないと述べましたが、なぜ進展しないかというと主人公たちが何もしないからなのです。明らかにただ戦っていても解決しない目の前の問題に対して何も疑問を抱かず、問題意識すら見せません。ただ「また倒せなかった」と言うだけで「どうやったら倒せるんだ?」と言い出す人がいないのです。これでいざ解決するときには「ゾンビは普通に倒しても復活する。だから復活を阻止するアイテムを作ろう!」とか、真っ先に思いつくような平凡な提案を名案であるかのように提唱しだすので余計にイライラします。
事態が進展するのはいつも突然開発された新アイテムや敵の行動のおかげで、主人公たちが事態を解決しようとして話が進むのではありません。 なので主人公たちライダーがかっこ悪く見えます。
これは敵も同様で、「そんなことできるなら最初にやっておけば勝てたよね?」と思うようなことを後から平然とやり始めます。
味方もアホ、敵もアホ。そんな登場人物たちがどこからともなく出てきた新設定を披露して勝つのがエグゼイドの基本的なストーリー展開です。そんな話を全45話も見たくないと思った人は止めたほうがいいです。
■レベル差を埋める技巧的な戦い
・ここまで来ると「せめてバトルは…」と願いたくなりますが、それも無理です。
エグゼイドの世界ではフォームごとに「レベル」が定められています。しかしこのレベルも意味があるようでありません。状況ごとに意味が書き換わるので何の目安にもならないからです。
序盤ではレベル2と3に圧倒的な差があると言っていたかと思ってたら、後半ではレベル50と99でもそれなりに戦えたりしますし、かと思えば更にレベルが高いものが出て来ると序盤と同じく毎回のように「私のレベルは○○!」と自慢します。でもラスト付近ではレベル100でも厳しい相手にレベル1で挑んたりします。見ていてレベルとはいったい何なのかわからなくなってきます。
・一時的にパワーアップできる「エナジーアイテム」という戦闘フィールドに配置されたアイテムもあるのですが、これも存在が不安定です。
1話から存在するのにほとんど使われないかと思えば、2クール目では「格上相手にはアイテムを使って戦うのは当たり前!」なんてドヤ顔で言い出し、その数話後には格上にアイテムを使わずにボコられ、その後もときどきアイテムを使ったり目の前のアイテムを無視したり、画面に映っている物を信じられない様子が続きます。
・ストーリー面ではこういった矛盾のせいで主人公の主要要素である「天才ゲーマー」が怪しくなっていることが問題です。
レベルやアイテム、フォームチェンジに天才ゲーマーといった単語を並べたら「レベル差をアイテムやテクニックで補う主人公」なんて情景を思い浮かべるかもしれませんが、そんなことは全くありません。むしろチート能力や新アイテムによるゴリ押しで勝つのが主人公です。
■正義のヒーロー
・「ヒーローものだからいくらなんでも」と思うかもしれませんが、これも無いです。
主人公だけなく2号ライダーも3号ライダーも登場人物の大半が私情を最優先します。患者を負担を押し付けて私情を優先することも珍しくありません。
・倫理観もおかしいです。
主人公は「命は大切なものだ」と断言する一方、敵のことは容赦なく殺します。そうなると主人公の考える命の定義が重要になってきますが、そこは全く描かれません。
たとえば元々ゲームのキャラだった敵の主張に対して無反応です。敵が人間と敵対する理由は「ゲームのキャラだからって人間の楽しみのために殺され続けるなんて嫌だ!俺たちだって生きている。ふざけるな!」というものです。彼らは自分たちの命が弄ばれていると主張しているのですから明らかに主人公の主張する命の大切さとぶつかっています。
そんな彼らを殺すにはそれなりの理由や正義が必要だと思います。しかし作中では「人間を殺す以上は仕方ない」といった割り切りすら描かれません。それどころか疑問提起すらありません。主人公は命の大切さを主張する一方、敵は無慈悲に殺し続けます。これは最初から最後まで変わりませんし、誰も口を挟みません。このギャップでは正義のヒーローものとして見るのは無謀だと思います。
■アクション
・例年どおり低調です。近年にしてはマシなほうでしたが、それは相対評価の話で戦隊など他作品と比べると圧倒的に見劣りします。
いろいろな武器やフォームがありましたけど、違いはほとんど活かさずに終わりました。昨年も同じこと言ってましたね、私。それくらい”いつもどおり”です。
ゲーム要素も医療要素も作品にほとんど関わらなかったためモチーフに関連した独自性も薄いです。アクション目当てで見るのはオススメできません。
■デザイン
・エグゼイドのデザインの最大の特徴は「瞳がある」ことです。
これは独特なようで普通でした。瞳があるけどそれだけです。そこに慣れるか慣れないかの問題でしかありません。数話経って慣れてしまえばプラスもマイナスも特に残りません。
・演出面では誰もが予想するとおり、マイナスでした。
「目線」という余計な様子が追加されてしまったからです。ときどき「こいつどこ見てんの?」とツッコミたくなる光景や真剣勝負の間のカメラ目線など緊張感をそがれる映像が繰り広げられました。
・「レベル1」という二頭身の造形もデザイン面での特徴でした。
しかし1クール目で出番が終わりました。本来は「敵を患者から分離する」ために使われていたのですが、2クール目からは敵が勝手に分離するようになったため使う必要がなくなりました。
結局のところ、ライダーでよくある「1クールの頃は出るけどそのうち出なくなる巨大ロボ枠」の代わりでしかありませんでした。
【個人的な感想】
■積み重ねがない
・個人的には積み重ねが無いことが一番のネックでした。
私は「話を積み重ねていって最後にどう終わらせるか」が長期作品の大きな魅力であり、存在意義だと思っています。 4クールの場合、放送時間は「無駄に長い」と言ってもいいくらいだと思っています。長さに見合うだけの積み重ねがないとマイナス要素のほうが目立ちます。
・長期作品で積み重ねを否定する端的な問題は「間が保たない」ことだと思います。
作品を勧めるときに「4話までは我慢して見て」なんて言い方をする人もいますが、実際「我慢して見る」ことはどの作品にもあることだと思います。では何を頼りに視聴者が我慢するのかというと、それは「先の展開を期待する」からだと私は思います。 積み重ねを否定した作品ではこれができません。卒業など区切りのない日常ものや1話完結のギャグ作品などで顕著な問題です。こうした作品ではいかにして飽きられないようにするかが課題となります。
・エグゼイドの場合はこの問題を埋め合わせる工夫も4クールの間ダレずに進む毎回の盛り上がりも感じられませんでした。
新設定や新展開を中心に話を進めるのに登場人物を少なくして回そうとしたことが問題だったと思います。同じ人物なのに前の展開と矛盾しているように見える展開がいくつもあってうんざりしました。こういう話をするならどんどんキャラを入れ替えて新キャラやときどきしか出ないサブキャラを中心にまわさないと全体の整合性が取れないと思います。物語の整合性は取れなくても構いませんが、視聴者の印象は整合性が取れないと困ります。キャラの言動への不信感は容易に作品への不信感に変わるものだと私は思います。
■命の定義
・スタッフが散々公言しているのでエグゼイドの主要テーマは「命」らしいです。私は全くそうは思えませんでした。
・最終回でも「消えた患者は消えたように見える病気にかかっているだけで生きている」みたいな詭弁を語っていましたが、そんなことよりバグスターの命の扱いは結局どうなったのでしょう?
・バトルもので命の問題を語るなら、患者の命やドクターの命よりも殺される側と殺す側の命の話をしないといけないと思います。バグスターの主張もそういう話だったはずです。何の主張も持たずに殺戮を続けている人に「命の大切さ」なんて説かれても真に受ける気になりません。主人公が何か言えば言うほど「こんなやつに言われてもなぁ…」と気分が冷え込む一方でした。
・「永夢の殺人」について最後まで触れられなかったことも不信感を煽りました。
1クール目で患者を救うために主人公は人間の幹部を殺すことを選びました。ゾンビ化して生き返ったため外見上は殺さずに済んだのですが、そのときの選択を主人公が振り返ることは最後までありませんでした。「人を救うために別の人を殺す」という現実的な選択をした人物が「命は大切」なんて漠然とした話をできるものなのでしょうか。私にはそこが理解しがたかったです。
・黎人のライフは論外でした。
中盤で一人の人物が敵と同じデータ生命体となって蘇ります。しかも「残りライフ(残機)がある限り死んでもその場ですぐ復活する」という独自の特性まで持っていました。それに対して主人公は「そんなものは命ではない」と否定的でした。
ここまでならまだ死生観の問題で片付けられたのですが、問題はその後の主人公の態度でした。ライフのことは否定するのにそいつが死にそうになっても見殺しにして助けなかったり、状況を改善するためにライフをすり減らしてそのおかげで勝てても感謝の言葉一つなかったり、これが命は大切と言っている人物のすることなのかと疑問に思うことばかりでした。
結局、最後までライフと命の違いやそんな便利な身体になれるならデータ生命体になるのも悪くないのではないかと思えることには何の回答もありませんでした。
・定義付けがないのではテーマも何も語りようがないと思います。
主人公の態度も定まりませんし、百歩譲って主人公の態度を良しとしても多角的な検証がありません。登場人物はみんな「主人公が正しい」というイエスマンか、ただ殺すだけで主張も何もない殺人犯かのどちらかで、主人公の主張がどう正しいのか証明できていません。 これで「命というテーマと向き合った」なんて言われてもその程度でいいなら、命というテーマに向き合った作品で溢れてしまうと思います。
■決め台詞は何だったのか
・最後まで決め台詞の意味がピンと来ないまま終わりました。
主人公には2つの決め台詞があります。「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ」と「患者/お前の運命は俺が変える」の2つです。このどちらも最後までしっくり来るシチュエーションが見つかりませんでした。
・私の場合、そもそもどちらも医者が言うことじゃないだろと疑問に思いました。
コンテニューのほうは根本的におかしいと思いました。
現実の命にはコンテニューなんてないし、だからといって一度失敗したら二度とチャンスがないわけでもありません。何度も手術を繰り返してようやく助かった人だっているはずですし、逆に手術できる見込みさえないまま亡くなった人もいると思います。
そして作中でも「コンテニューできて当たり前」なんて話はありませんでした。主人公は患者を救うために戦うわけですが、失敗したら患者が死ぬというルールはありません。この状況で「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ」なんて言っても、それは「他のやつなら無理だけど俺なら一発で成功できる」と価値のない自信を誇示しているようにしか聞こえません。私はそんな医者は嫌です。
・「患者/お前の運命は俺が変える」も前提条件がありませんでした。
たとえば敵が「これがお前(患者)の運命だ」なんて口癖でもあるならその対になる言葉として機能しますが、作中の敵は誰も運命という言葉を口にしません。それなのに主人公はいきなり運命がどうのと言い出します。これじゃ電波みたいです。もしも病院に行って「大丈夫。あなたの運命は私が変えます」なんて医者に言われたら私はできるだけその病院に行かないようにすると思います。気味が悪いですから。
・どちらの決め台詞もしっくり来ないどころか、「こいつ何言ってるんだ?」とドン引きするばかりでした。ここまでマイナスに働いている決め台詞は珍しいと思いました。
■何も残らなかった
・お話としては見事に締まらない結果に終わったのですが、そこについては特に言うことがありません。なぜかというと、「失敗するべくして失敗した」に過ぎないからです。
主人公の人格に問題があることも、キャラの掘り下げが無いことも、展開が行き当たりばったりで何も積み上げられていないことも、どれも序盤から気になっていた部分でした。これでは失敗して当然です。
全体的な印象としては、何かに挑戦して失敗したわけですらないひたすら不毛な印象です。
・キャラクターすら残らないのはすごいです。
2号ライダーも3号ライダーも1クールごとに態度が変わる心のない人形で、一貫性のあった主人公は空気でサイコパスでした。どのキャラが一番嫌いかと聞かれたら主人公と答えます。
一番目立っていた途中から仲間になる悪役ですらも、結局何を思って協力し始めたのか肝心なところが描かれずに終わってしまいました。改心したのか悪党が一時協力しただけなのか判断がつかずに終わるというのもすさまじいことだと思います。正義の味方気取りの主人公たちがそれを全く精査せずに終わったことはもっとすごいですけどね。
・私はテレビ放送で一週間おきに見たからまだマシだったと思います。これをDVDでまとめて見たりしたらもっと辛いと思います。一週間前の話がひっくり返されるどころか、自分が5分前に見た展開が無かったことにされるんですからね。
「中身がない」と私はよく言いますが、スタッフのほうから「この作品には中身がありません!」と主張されると、自分でそう思うよりもずっとうんざりしますね。
*全体の感想なので必要に応じてネタバレがあります。
【一言まとめ】
ストーリー:1クール前どころか1話前の展開すら反故にする超展開。
アクション:例年どおりいまいち。
デザイン:奇抜なデザインだがそれだけで、動きやモチーフは普通なので数話で見慣れておしまい。
【こんな人には向いていない】
■ゲーム要素
・エグゼイドの主要モチーフの片割れが「ゲーム」です。(もう一つは「医療」)
主人公の肩書は天才ゲーマーですし、主役のライダーであるエグゼイドの胸にはスーファミのコントローラー状のデザインが描かれていますし、各フォームの名前も 「○○ゲーマー」で統一されています。しかし実際に作中で描かれるゲーム要素は目を疑うようなデタラメな内容ばかりでした。
・端的に表れている言葉は「ゲーム病」だと思います。
敵が感染させる病気で症状が悪化すると患者は消滅し、代わりにゲームから生まれたデータ生命体である怪人が現実世界に受肉する仕組みになっています。
ここまで説明すればわかるかと思いますが、ゲームは特に関係ありません。敵が撒いたウイルスに感染すると発病するだけで、ゲームをプレイしているとなるとかゲームをプレイしないと死ぬとか、そういう病気ではありません。
私には現実のゲームに対してネガティブなイメージを植え付けようとしているように見えてなりません。ゲームをモチーフにした作品でゲームを貶めようとするなんてあり得ないです。
・デタラメな展開の筆頭は「リセット」です。
ラスボスが使う能力で簡単に言うと「時間を巻き戻す」能力です。一度倒されたのに倒されたことを無かったことにする。自分を倒すために主人公たちが創り出したアイテムを開発する前まで巻き戻してアイテムの存在を無くす。そういったことをしていました。
ここまでなら「リセットしてセーブをロードした」という話で済んだのですが実際にはとんでもない事態になりました。
「変身アイテムは元に戻るが、敵を倒して集めたアイテムはそのまま残る。人の記憶は全く消えない」というおかしなことになりました。作中の台詞によると「ゲーム内のものはリセットされる」そうなのですが区別が理解しがたいものでした。
現実世界に物理的に存在している変身アイテムはゲーム内扱いだけど、ゲームの報酬として生成されたアイテムは消えない。ゲーム内の存在であるはずの敵キャラたちの記憶も消えない。「ゲーム内」っていったい何なのでしょうか? そもそも「リセット」されるけど残るものもたくさんあるってそれはリセットなのでしょうか?
・個人的に受け入れがたかったことは、主人公が率先して「チート」を使ったことです。
中盤から「必殺技を当てると敵の能力を消す能力」を手に入れます。それを使って乗り物を使う敵の乗り物を抹消したり、攻撃無効化能力を使う敵から無効化能力を抹消したりします。バトルとしてもつまらないですし、ストーリー面でも最悪でした。
「天才ゲーマー」だの「俺がお前を攻略する」だのと言っているのにやることはチートでがっかりしました。主人公は天才ゲーマーを名乗るなら、むしろ逆にチートを使ってくる相手を正攻法で倒すくらいしてほしかったです。
・なおスタッフは最終回の時点でも
「ゲームという荒唐無稽なモチーフ」
と思っているそうです。私にはさっぱりわからない価値観です。ゲームが荒唐無稽なら特撮ヒーローも充分荒唐無稽だと私は思います。この言葉に反発を覚える人は見ないほうが良いと思います。スタッフの態度が作品によく表れている言葉で実際そんな内容です。
■未熟な研修医の成長物語
・エグゼイドのもう一つの主要モチーフが「医療」です。
主人公の永夢は駆け出しの研修医で冒頭のナレーションでも医者であることが強調されています。しかし実際には医療は内容とほとんど関係がありません。
・まず医者や医療の描写が全体を通して片手で数えるほどしかありません。
基本的な展開は「通報があって現場に行くと患者が倒れている→敵を取り逃して患者のお悩み相談をする→敵を倒して解決したことにする」です。基本的に従来の平成ライダーと同じです。医学的アプローチは特にありません。
作中では「患者の精神的ストレスが症状を悪化させる」設定なのですが、対応するのは研修医の主人公や外科医の2号ライダーで、カウンセラーや精神科医は一切登場しません。病院が基地になっているのに対応がずさんです。
・「まぁ、あくまで『医療ドラマ』だから人間ドラマが中心になるのは仕方ない」と考えようにもそちらも絶望的です。
主人公の永夢は特に成長しません。医者としても人間としても成長しません。
・医者としては描写がありません。
最初は主人公が医者を志すきっかけになった小児科医の研修から始まったのですが、何の描写もないまま1クールの終わり頃に「今日で小児科の研修も終わりだね。次はどこ?」なんて会話を振られて処理されました。子供との触れ合いとか理屈の通じない子供に対する治療の難しさとかそういう話は一切ありませんでした。その後も同様で、いつの間にか研修が始まりいつの間にか終わっていました。
作中で描かれている範囲だとライダー業務が忙しくて全然研修ができていないように見えて主人公の医者としての将来が心配になってくるのですが、稀に出て来る台詞によると順調だそうです。医療ドラマとしては描かれてないことにドラマを見いだせる人にしかオススメできません。
・人格面では最初からほぼ完成されています。
1話から病院の特別な部屋に隔離された患者を事情も知らずに連れ出す身勝手さを見せますが、それは最後まで変わりません。周りには天才外科医や元ライダーのベテラン闇医者などがいますが「あなたたちは間違ってる!」と主人公に批判され「さすが主人公」と主人公をよいしょする要員でしかなく、先輩からの影響なんて受けません。
基本的に「主人公の言動=この世界の正義」として最初から最後まで描かれていて挫折や苦悩はありません。4クール目になっても「命の大切さを教えるために敵が臨死体験するほどにボコボコにする」など頭がおかしいように見える言動をしては周りに褒められています。
・主人公がダメでも他のキャラや脇役があるのでは?と思うかもしれませんが、ありません。むしろ医療関連では主人公が一番まともに描写されているくらいです。諦めてください。
■長期クールにふさわしい積み重ねのあるストーリー
・ストーリー面ではエグゼイドの特徴である「積み重ねの放棄」が遺憾なく発揮されています。まともなストーリー展開を期待していると
「何でもあり」
「やってみたらできました」
「敵がアホだった」
の最低トリプルコンボで完全粉砕されます。
ご都合主義の代表例は主人公の使うチート能力とラスボスの使うポーズやリセットです。
「ラスボスは”ポーズ”で時間を止める。ライダーは身動きが取れないので一方的にやられる」
「その対抗策として何の前フリもなくポーズを無効化する最強フォームを開発する」
「最強フォームに手も足も出ずに負けたラスボスは突然『リセット』能力に目覚める」
「その次の話で主人公たちはリセットを無効化する『セーブ』機能を開発する」
・万事がこんな調子です。子供がおふざけでやるような
「何でも攻撃を防ぐバリア→じゃあバリアを貫通するビーム→じゃあバリアを貫通するビームを防げるバリア」を地で行く展開で頭が痛くなってきます。「以前から開発していた」とか前フリなんて一切ありません。「それができるなら最初からやれよ!」と言いたくなることばかりが起きます。酷いときには1話前の展開と矛盾しているように見えることすら平気で起きます。
・それでいて話の進展は遅いのがまた問題です。
1クール目は敵から届けてくれるフォームチェンジ用のアイテム集め。2クール目は何度倒しても死なないゾンビ。 3クール目は敵を倒しても復活する徒労クロニクル。4クール目はまたまた倒せても理由をこじつけて復活するラスボス。このように似たような展開が長々と続くのもエグゼイドの特徴です。
・これだけでも単調で退屈なのですが、その上に「主人公たちの主体性がない」という重荷までのしかかってきます。
上で事態が進展しないと述べましたが、なぜ進展しないかというと主人公たちが何もしないからなのです。明らかにただ戦っていても解決しない目の前の問題に対して何も疑問を抱かず、問題意識すら見せません。ただ「また倒せなかった」と言うだけで「どうやったら倒せるんだ?」と言い出す人がいないのです。これでいざ解決するときには「ゾンビは普通に倒しても復活する。だから復活を阻止するアイテムを作ろう!」とか、真っ先に思いつくような平凡な提案を名案であるかのように提唱しだすので余計にイライラします。
事態が進展するのはいつも突然開発された新アイテムや敵の行動のおかげで、主人公たちが事態を解決しようとして話が進むのではありません。 なので主人公たちライダーがかっこ悪く見えます。
これは敵も同様で、「そんなことできるなら最初にやっておけば勝てたよね?」と思うようなことを後から平然とやり始めます。
味方もアホ、敵もアホ。そんな登場人物たちがどこからともなく出てきた新設定を披露して勝つのがエグゼイドの基本的なストーリー展開です。そんな話を全45話も見たくないと思った人は止めたほうがいいです。
■レベル差を埋める技巧的な戦い
・ここまで来ると「せめてバトルは…」と願いたくなりますが、それも無理です。
エグゼイドの世界ではフォームごとに「レベル」が定められています。しかしこのレベルも意味があるようでありません。状況ごとに意味が書き換わるので何の目安にもならないからです。
序盤ではレベル2と3に圧倒的な差があると言っていたかと思ってたら、後半ではレベル50と99でもそれなりに戦えたりしますし、かと思えば更にレベルが高いものが出て来ると序盤と同じく毎回のように「私のレベルは○○!」と自慢します。でもラスト付近ではレベル100でも厳しい相手にレベル1で挑んたりします。見ていてレベルとはいったい何なのかわからなくなってきます。
・一時的にパワーアップできる「エナジーアイテム」という戦闘フィールドに配置されたアイテムもあるのですが、これも存在が不安定です。
1話から存在するのにほとんど使われないかと思えば、2クール目では「格上相手にはアイテムを使って戦うのは当たり前!」なんてドヤ顔で言い出し、その数話後には格上にアイテムを使わずにボコられ、その後もときどきアイテムを使ったり目の前のアイテムを無視したり、画面に映っている物を信じられない様子が続きます。
・ストーリー面ではこういった矛盾のせいで主人公の主要要素である「天才ゲーマー」が怪しくなっていることが問題です。
レベルやアイテム、フォームチェンジに天才ゲーマーといった単語を並べたら「レベル差をアイテムやテクニックで補う主人公」なんて情景を思い浮かべるかもしれませんが、そんなことは全くありません。むしろチート能力や新アイテムによるゴリ押しで勝つのが主人公です。
■正義のヒーロー
・「ヒーローものだからいくらなんでも」と思うかもしれませんが、これも無いです。
主人公だけなく2号ライダーも3号ライダーも登場人物の大半が私情を最優先します。患者を負担を押し付けて私情を優先することも珍しくありません。
・倫理観もおかしいです。
主人公は「命は大切なものだ」と断言する一方、敵のことは容赦なく殺します。そうなると主人公の考える命の定義が重要になってきますが、そこは全く描かれません。
たとえば元々ゲームのキャラだった敵の主張に対して無反応です。敵が人間と敵対する理由は「ゲームのキャラだからって人間の楽しみのために殺され続けるなんて嫌だ!俺たちだって生きている。ふざけるな!」というものです。彼らは自分たちの命が弄ばれていると主張しているのですから明らかに主人公の主張する命の大切さとぶつかっています。
そんな彼らを殺すにはそれなりの理由や正義が必要だと思います。しかし作中では「人間を殺す以上は仕方ない」といった割り切りすら描かれません。それどころか疑問提起すらありません。主人公は命の大切さを主張する一方、敵は無慈悲に殺し続けます。これは最初から最後まで変わりませんし、誰も口を挟みません。このギャップでは正義のヒーローものとして見るのは無謀だと思います。
■アクション
・例年どおり低調です。近年にしてはマシなほうでしたが、それは相対評価の話で戦隊など他作品と比べると圧倒的に見劣りします。
いろいろな武器やフォームがありましたけど、違いはほとんど活かさずに終わりました。昨年も同じこと言ってましたね、私。それくらい”いつもどおり”です。
ゲーム要素も医療要素も作品にほとんど関わらなかったためモチーフに関連した独自性も薄いです。アクション目当てで見るのはオススメできません。
■デザイン
・エグゼイドのデザインの最大の特徴は「瞳がある」ことです。
これは独特なようで普通でした。瞳があるけどそれだけです。そこに慣れるか慣れないかの問題でしかありません。数話経って慣れてしまえばプラスもマイナスも特に残りません。
・演出面では誰もが予想するとおり、マイナスでした。
「目線」という余計な様子が追加されてしまったからです。ときどき「こいつどこ見てんの?」とツッコミたくなる光景や真剣勝負の間のカメラ目線など緊張感をそがれる映像が繰り広げられました。
・「レベル1」という二頭身の造形もデザイン面での特徴でした。
しかし1クール目で出番が終わりました。本来は「敵を患者から分離する」ために使われていたのですが、2クール目からは敵が勝手に分離するようになったため使う必要がなくなりました。
結局のところ、ライダーでよくある「1クールの頃は出るけどそのうち出なくなる巨大ロボ枠」の代わりでしかありませんでした。
【個人的な感想】
・個人的には積み重ねが無いことが一番のネックでした。
私は「話を積み重ねていって最後にどう終わらせるか」が長期作品の大きな魅力であり、存在意義だと思っています。 4クールの場合、放送時間は「無駄に長い」と言ってもいいくらいだと思っています。長さに見合うだけの積み重ねがないとマイナス要素のほうが目立ちます。
・長期作品で積み重ねを否定する端的な問題は「間が保たない」ことだと思います。
作品を勧めるときに「4話までは我慢して見て」なんて言い方をする人もいますが、実際「我慢して見る」ことはどの作品にもあることだと思います。では何を頼りに視聴者が我慢するのかというと、それは「先の展開を期待する」からだと私は思います。 積み重ねを否定した作品ではこれができません。卒業など区切りのない日常ものや1話完結のギャグ作品などで顕著な問題です。こうした作品ではいかにして飽きられないようにするかが課題となります。
・エグゼイドの場合はこの問題を埋め合わせる工夫も4クールの間ダレずに進む毎回の盛り上がりも感じられませんでした。
新設定や新展開を中心に話を進めるのに登場人物を少なくして回そうとしたことが問題だったと思います。同じ人物なのに前の展開と矛盾しているように見える展開がいくつもあってうんざりしました。こういう話をするならどんどんキャラを入れ替えて新キャラやときどきしか出ないサブキャラを中心にまわさないと全体の整合性が取れないと思います。物語の整合性は取れなくても構いませんが、視聴者の印象は整合性が取れないと困ります。キャラの言動への不信感は容易に作品への不信感に変わるものだと私は思います。
■命の定義
・スタッフが散々公言しているのでエグゼイドの主要テーマは「命」らしいです。私は全くそうは思えませんでした。
・最終回でも「消えた患者は消えたように見える病気にかかっているだけで生きている」みたいな詭弁を語っていましたが、そんなことよりバグスターの命の扱いは結局どうなったのでしょう?
・バトルもので命の問題を語るなら、患者の命やドクターの命よりも殺される側と殺す側の命の話をしないといけないと思います。バグスターの主張もそういう話だったはずです。何の主張も持たずに殺戮を続けている人に「命の大切さ」なんて説かれても真に受ける気になりません。主人公が何か言えば言うほど「こんなやつに言われてもなぁ…」と気分が冷え込む一方でした。
・「永夢の殺人」について最後まで触れられなかったことも不信感を煽りました。
1クール目で患者を救うために主人公は人間の幹部を殺すことを選びました。ゾンビ化して生き返ったため外見上は殺さずに済んだのですが、そのときの選択を主人公が振り返ることは最後までありませんでした。「人を救うために別の人を殺す」という現実的な選択をした人物が「命は大切」なんて漠然とした話をできるものなのでしょうか。私にはそこが理解しがたかったです。
・黎人のライフは論外でした。
中盤で一人の人物が敵と同じデータ生命体となって蘇ります。しかも「残りライフ(残機)がある限り死んでもその場ですぐ復活する」という独自の特性まで持っていました。それに対して主人公は「そんなものは命ではない」と否定的でした。
ここまでならまだ死生観の問題で片付けられたのですが、問題はその後の主人公の態度でした。ライフのことは否定するのにそいつが死にそうになっても見殺しにして助けなかったり、状況を改善するためにライフをすり減らしてそのおかげで勝てても感謝の言葉一つなかったり、これが命は大切と言っている人物のすることなのかと疑問に思うことばかりでした。
結局、最後までライフと命の違いやそんな便利な身体になれるならデータ生命体になるのも悪くないのではないかと思えることには何の回答もありませんでした。
・定義付けがないのではテーマも何も語りようがないと思います。
主人公の態度も定まりませんし、百歩譲って主人公の態度を良しとしても多角的な検証がありません。登場人物はみんな「主人公が正しい」というイエスマンか、ただ殺すだけで主張も何もない殺人犯かのどちらかで、主人公の主張がどう正しいのか証明できていません。 これで「命というテーマと向き合った」なんて言われてもその程度でいいなら、命というテーマに向き合った作品で溢れてしまうと思います。
■決め台詞は何だったのか
・最後まで決め台詞の意味がピンと来ないまま終わりました。
主人公には2つの決め台詞があります。「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ」と「患者/お前の運命は俺が変える」の2つです。このどちらも最後までしっくり来るシチュエーションが見つかりませんでした。
・私の場合、そもそもどちらも医者が言うことじゃないだろと疑問に思いました。
コンテニューのほうは根本的におかしいと思いました。
現実の命にはコンテニューなんてないし、だからといって一度失敗したら二度とチャンスがないわけでもありません。何度も手術を繰り返してようやく助かった人だっているはずですし、逆に手術できる見込みさえないまま亡くなった人もいると思います。
そして作中でも「コンテニューできて当たり前」なんて話はありませんでした。主人公は患者を救うために戦うわけですが、失敗したら患者が死ぬというルールはありません。この状況で「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ」なんて言っても、それは「他のやつなら無理だけど俺なら一発で成功できる」と価値のない自信を誇示しているようにしか聞こえません。私はそんな医者は嫌です。
・「患者/お前の運命は俺が変える」も前提条件がありませんでした。
たとえば敵が「これがお前(患者)の運命だ」なんて口癖でもあるならその対になる言葉として機能しますが、作中の敵は誰も運命という言葉を口にしません。それなのに主人公はいきなり運命がどうのと言い出します。これじゃ電波みたいです。もしも病院に行って「大丈夫。あなたの運命は私が変えます」なんて医者に言われたら私はできるだけその病院に行かないようにすると思います。気味が悪いですから。
・どちらの決め台詞もしっくり来ないどころか、「こいつ何言ってるんだ?」とドン引きするばかりでした。ここまでマイナスに働いている決め台詞は珍しいと思いました。
■何も残らなかった
・お話としては見事に締まらない結果に終わったのですが、そこについては特に言うことがありません。なぜかというと、「失敗するべくして失敗した」に過ぎないからです。
主人公の人格に問題があることも、キャラの掘り下げが無いことも、展開が行き当たりばったりで何も積み上げられていないことも、どれも序盤から気になっていた部分でした。これでは失敗して当然です。
全体的な印象としては、何かに挑戦して失敗したわけですらないひたすら不毛な印象です。
・キャラクターすら残らないのはすごいです。
2号ライダーも3号ライダーも1クールごとに態度が変わる心のない人形で、一貫性のあった主人公は空気でサイコパスでした。どのキャラが一番嫌いかと聞かれたら主人公と答えます。
一番目立っていた途中から仲間になる悪役ですらも、結局何を思って協力し始めたのか肝心なところが描かれずに終わってしまいました。改心したのか悪党が一時協力しただけなのか判断がつかずに終わるというのもすさまじいことだと思います。正義の味方気取りの主人公たちがそれを全く精査せずに終わったことはもっとすごいですけどね。
・私はテレビ放送で一週間おきに見たからまだマシだったと思います。これをDVDでまとめて見たりしたらもっと辛いと思います。一週間前の話がひっくり返されるどころか、自分が5分前に見た展開が無かったことにされるんですからね。
総評お疲れ様です。最初『エグゼイド』という名前を知った時、EX(危険)AID(助ける)を合わせた造語と考え、前回のゴーストが全部において残念だったので王道のライダーに戻るのかと思いましたが、2頭身の画像を見た時その希望は無惨に砕けました。現実逃避して不思議コメディシリーズでも始まったのかな?とも思うようになっていました。
返信削除医者が主人公ということで、興味本位で見ていましたが、気になったのは彼(Mさん)は命の重さを分かっているのでしょうか?歴代ライダーで医師と呼ばれる方々、アナザーアギトの木野さん・バースの伊達さんは一人の命の重みだけではなく患者の繋がりのある方々(両親や親友、その他)込みの重さを知っているカッコいい漢です。しかしMさんの言動を見ると、助けると言う言葉が軽く見えてしまうのは私だけでしょうか?
アクションについて、高岩さんお疲れ様でした。次のビルドでも頑張ってください。以上
ヒロインについて、ポッピーを見た時、目が痛くなりましたキャラクターとしてではなくデザインの色合いが強すぎたのが要因です。
全体をまとめて、テーマの根幹が『命』と『ゲーム』でしたが、『ゲーム』の部分が中盤から置いてけぼりになったのはいただけないです。脚本の方々は何を伝えたかったのか分かりませんでした。エグゼイドがこの先も語り継がれるヒーローになるのか、扱いが小さくなりフェードアウトするかは知りませんが、一年間演じた出演者の方々お疲れ様でした。
>気になったのは彼(Mさん)は命の重さを分かっているのでしょうか?
削除どうなんでしょうね。
わかっていないであの言動ならアホ過ぎます。まぁ、パラドがそうだったので「パラドが『死ぬのがどういうことわかってませんでした!』なんだから、元になった永夢もそうに決まってるだろ」と言われたら納得してしまいそうですが。
わかっていて言ってるなら完全にサイコパスです。命の大切さを知っているからこそ自分の手で命を好きにできるのが楽しくてしょうがないってタイプかもしれません。医者としては最悪だと思います。
>脚本の方々は何を伝えたかったのか分かりませんでした。
私は命もゲームも医者も本当は全部どうでもよかったんじゃないかなと疑っています。積み重ねの放棄以外は何をしたかったのかがわからなかったので的外れかもしれませんが。
総評お疲れ様です。
返信削除それにしても今作、蓋を開けてみると鎧武以上の「連続ものに見せかけた一話完結集」でしたね…
特に終盤なんて、「毎回正宗が出すお題に対していかにカッコ良さげな台詞を吐けるか」というクイズか何かのようになってて呆れました(なお、問題自体を解決する必要は無いんですよねこれ。何故ならいつも黎斗たまーにグラファイトが何も言わずとも一晩でやってくれるので)
>それにしても今作、蓋を開けてみると鎧武以上の「連続ものに見せかけた一話完結集」でしたね…
削除そうですね。前後の流れが意図的に放棄されてるようですからね。
>特に終盤なんて、「毎回正宗が出すお題に対していかにカッコ良さげな台詞を吐けるか」というクイズか何かのようになってて呆れました
言葉の裏付けになる正宗の人格が怪しいのが余計に出題って感じでしたね。心にもないことを言わされてる感じがぷんぷんしました。
そういえば555なんかも「引きだけは凄いけど次回になってみるとあっさり終わる」なんて言われてた気がしますが、555も鎧武やエグゼイドみたいに不自然なぶつ切り感を感じたりしましたか?
返信削除私は特に感じませんでした。555はキャラクターがメインで、キャラクターは描ききっていたと思います。
削除明らかに水増しだと思うところはありました。
代表例はラッキークローバーのJです。3つの命はカイザの販促用のサンドバックを用意するのが面倒くさかっただけだと思いました。それ以外にも「たっくん、オルフェノクが!」と揶揄されるようにやる気のない水増し展開はいくつもあったと思います。
全文読ませていただきました。お疲れ様です。
返信削除>>私は「話を積み重ねていって最後にどう終わらせるか」が長期作品の大きな魅力であり、存在意義だと思っています。
概ね、私も同じ意見ですが、高橋氏や大森pの「毎回インパクトのある話をとにかく作っていく」という姿勢が、実際に永夢の秘密等の設定の公開や黎斗という悪役キャラが目立っていくにつれて視聴者を
巻き込み、作品の評価を上げていったところは評価すべきなのではと思います。
その視点でも評価できません。なぜかというと不誠実な対応だと思うからです。
削除匿名さんが例として永夢の秘密や黎人を挙げられていますが、そこも端的な例です。
永夢の秘密も黎人の味方化も結局当初視聴者が思ったようなことはろくに回収されていないと思います。
永夢のM人格の件であれば「パラド=Mだった」という事実が明かされましたが、「じゃあブラザーズでパラドと戦ってたときはどうなってたの?」とか「序盤の『俺』って言う永夢はパラドがしゃべってたの? 永夢は自分の意思ではなくパラドの意思で動かされていただけなのでは?」など様々な疑問が浮かびました。
黎人の味方化も黎人は何を企んでいるのか、あるいは本当に改心したのかと疑問がいろいろ浮かびました。
匿名さんの仰っている「インパクトのある展開」というのはこういった「先の展開への期待」が土台にある面白さだと私は考えます。
期待を煽るだけ煽っておいて全く期待に答えずに放置するのは不誠実な対応であり、何より面白くありません。そのような手口は評価に値しないと私は考えます。
長い総評お疲れ様です。
返信削除このエグゼイド、巷では結構好評のようでビックリです。好評意見の多くは、ライダーの見た目はいまいちだが、ストーリーやキャラクターはよい!というものみたいです。自分が感じたのと真逆なので面白いです(笑)
主様も度々指摘されてましたが、とにかく積み重ねがない(意図的に重ねてない?)のは残念で仕方ありません。しかもよりによって本作のモチーフは医療とゲーム。いずれも技術的ないしは精神的な積み重ねが必須ともいえる要素なのに、なぜ積み重ねを放棄してしまったのでしょうか。仮に「意図的に積み重ねを放棄するやり方」ならば、別のモチーフでやりましょうよ・・・こうしたストーリーの組み立て方とモチーフの選定の時点で、完全に空中分解してしまっています。私が感じるエグゼイドの大きな失敗の一つはこれです。
もう一つの大きな失敗は、医療とゲーム、いずれのモチーフに対してもスタッフの理解度が全くもって足りてないという点です。当初は医療とゲームって話作れるのか?と思いましたが、考えてみると、そこにエグゼイドが大きく取り上げていた(ハズの)命という要素をかませる事で、結構親和性の高いモチーフ同士だと思いました。例えば主人公の決め台詞ですが、中盤あたりに命の重みに苦悩する主人公が、迷いを振り切って「命は一つしかない、死んでしまえばそれで終わりなんだ。だから・・・ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」みたいな台詞を決めると、決め台詞の重みが増して燃える展開になったと思うのですが、そうした展開も無し。スタッフが盛り込んだ要素と言えば、ご都合主義の塊のようなリセットやら、カセットをフーフーすることくらい。その程度の理解ではまともな話は作れないわなぁ・・・と悲しくなりました。
反面、自分が一年観て感じた点から、巷で意外と好評な理由が分かったような気がします。それは、「取り敢えず面白そうな要素を点在させる」という点です。思えばエグゼイドは、ボケーッと流し流しで見てみると、ストーリーの要素そのものは割と面白そうな感じなのです。点の要素は割と悪くない。だから、毎週何も考えずに、適当に流し見する感じだと面白いと錯覚するのではないでしょうか。もちろん、点の要素を上手くつなぐ線、つまりそこに至るまでの過程(主様の言うところの積み重ね)がないとしらけるだけなのですが。取り敢えず面白そうな要素を、前後の流れは気にせずポンポン置いてる・・・これってただの素人脚本なのでは(笑)?なんというか、脚本の組み立て方に対するいい教材となる作品ですね。「前後の流れを無視した展開を作るとこんな風に大爆死するよ」っていう・・・
随分長いコメントになってしまいましたが、この作品に関してはモチーフが悪いとか、デザインが悪いという事はまず無いですね。とにかく話の作り方が酷過ぎるという一点だけです。もう少し、命の重みを謳った作品を見てみたいものですね。
>こうしたストーリーの組み立て方とモチーフの選定の時点で、完全に空中分解してしまっています。私が感じるエグゼイドの大きな失敗の一つはこれです。
削除相性は悪かったと思います。
テーマに関しては根本的なところで失敗していると私は思うのですが、スタッフはテーマを描くことに成功したと言い張っていることが不思議です。
>その程度の理解ではまともな話は作れないわなぁ・・・と悲しくなりました。
私の場合は理解が低いことには違和感はありませんでした。これまでの経験からそんな程度だろうと思っていますので。
問題はスタッフの自分たちの程度の低さへの自覚が見受けられなかったことだと思っています。身の程をわきまえてあくまでデザインやコンセプトのモチーフに留め、作品から言及することは避けるのが賢いやり方だと思います。
>取り敢えず面白そうな要素を、前後の流れは気にせずポンポン置いてる・・・
これ自体はあるジャンルでは珍しくないやり方だと私は思います。そのジャンルというのは「ギャグ」です。
ギャグ系の作品では脈絡のない唐突な展開やこれまでの描写と食い違う内容なんて珍しくありません。むしろ視聴者にツッコんでもらうためにわざとやったりします。
問題点も同じです。「飽きる」のです。「どうせまた唐突にふざけたことが始まるんでしょ?」と思い始めると見るのが億劫になってきます。長く見続ける価値が薄いことがギャグ作品の宿命ですが、エグゼイドも同じ道を辿って、同じ袋小路に陥ったと私は思います。
大爆死というより卑怯な作りだと思いました。
削除今はツイッターや2chの実況スレ等がある為に、地道にコツコツ重ねるより瞬間風速を狙ってインパクトある台詞回しや演技をした方が手軽に盛り上げやすいんだなってのが解った気がします
話めちゃくちゃだけどコマと台詞のインパクトが凄い『BLEACH』とかに似た作りなのかもしれません(正宗登場後は完全にカルピス特撮でしたし)
総評お疲れ様です。
返信削除『エグゼイド』は開始以前から失敗するのが目に見えていましたので、何一つ期待せずに観始めました。が、初手で失敗してるとは思いませんでした。
「天才ゲーマーМ」、「リプログラミング」、「リセット」、「セーブ」などの活かそうと思えば活かせただろう設定を活かすこともなく“出した後はゴミ箱行き”という有り様。何がしたいのか何をしたかったのか全く解りません。
ぶっちゃけ、私は『エグゼイド』を全否定するために全45話を見続けてきました。
『エグゼイド』スタッフに「視聴者を馬鹿にするのも大概にしろ!!」と声を大にして言いたい。
>『エグゼイド』は開始以前から失敗するのが目に見えていましたので、何一つ期待せずに観始めました。が、初手で失敗してるとは思いませんでした。
削除1話で引っかかったところが最後まで解消されずにずっと残り続けていた印象はありますね。
スタッフが提示してきたのは「スタート地点」や「問題提起」ではなく、最初から「答え」しか出していなかったので当然ではあるのでしょうが。永夢の人格は最初から完璧なので、スタッフからすれば疑問に思うほうがおかしいのでしょう。
ゲーム要素を使って頭脳戦してほしかった感じでしたが、ありませんでしたね…
削除ただひたすら黎斗が一人陰で頑張ってるだけで終わってしまいました
頭脳戦どころか真逆の「脳筋天才主義」とでも言うべき存在でしたね。何が起きても天才がいれば攻略できました。
削除エグゼイドのストーリーに対する批判は溢れているのですが、自分は後半のゲーム要素の軽視が気になりました。特に納得いかないのがレベル0とパーフェクトノックアウトです。
返信削除まずレベル0なんて概念があるゲームは聞いたことがありませんし、スペックが50を超えているのもおかしいです。
パラドクスはレベル50のときはそれぞれのゲーム要素を取り入れていて好きなライダーでしたが、レベル99ではパズルゲーと格ゲーが混ざるという意味不明さ、混ざった結果がただの脳筋戦士、たった数話でかませになるなどの理由で全く好きになれませんでした。
最後に、エグゼイドもVシネマが三本も出るそうですが見る予定はありますか?私はゴーストのVシネマ同様本編の評価を覆すような出来を期待して買います。
>まずレベル0なんて概念があるゲームは聞いたことがありませんし、スペックが50を超えているのもおかしいです。
削除そこら辺は積み重ねを放棄しているので考えるだけ無駄って感じですね。
>たった数話でかませになるなどの理由で全く好きになれませんでした。
パーフェクトノックアウトは全然良いところがありませんでしたね。
直後にレベル0や黎人復活で話は持って行かれてしまいましたし、悪役としてもクロノス登場で立場がなくなりましたし、やられ役もラブリカが担当して見せ場がありませんでした。
>最後に、エグゼイドもVシネマが三本も出るそうですが見る予定はありますか?
今のところありません。期待するものが何もありませんので。
パーフェクトノックアウトゲーマーは単純なデザイン自体は好きな感じでしたが、こいつだけ全くゲーム的な要素が無いのが凄く引っかかりました
削除ジグソーパズルのピースと炎でパズルゲームと格闘ゲームのダブルモチーフだと理解しろだなんて、奴の言葉を借りるなら「無理ゲーにも程があるだろ」と言いたいです。
普通のデザインでしたよね。
削除そもそも格闘家を思わせる炎ふうの前髪はマイティアクションXの前髪と被ってますし、おまけに口元はレーザーに似てしまって、かえって前より没個性化してしまったように見えました。
色と瞳の効果で「味方のはずのゾンビゲンムよりパラドクスの方が善キャラっぽいようなw」とは思いましたが、ただそれだけで終わっちゃったかなと思いましたね
削除機能も「パズルゲーマーとノックアウトファイター、両方の能力を使える」だけなので新鮮味も何もありませんでしたね…
削除かなり残念な存在でした。エグゼイドではラブリカとかレベル0系とか扱いが残念なのはいろいろいるので珍しくありませんけど。
レーザーも復活したらアクションゲーマーのお下がりで頭だけデカくて気持ち悪いクソダサデザインになっちゃいましたね…
削除そんな事しなきゃならない程バイクって使いにくいんでしょうかねえ
バイクの問題ではないと私は思います。レーザーの使われ方自体がおかしいと思いますので。
削除バイクから人型に変形できるはずのものが、終盤では「レーザーレベル0がレーザーに乗る」というおかしなことになってましたからね。それではもう変形する意味がないと思います。
思えばレベル0のレベルドレイン能力や完全体バグスターには死亡した感染者の記憶がある設定なんかもまったく有効活用されませんでしたね。
返信削除特に後者はクロト、ポッピー、正宗、ヒイロのキャラの掘り下げやドラマを作るのに美味しい設定だったのに…。
すぐに消えた設定でしたね。
削除ポッピーなんて「正宗の妻」として言えることがいくらでもあったでしょうに。グラファイトの持つ小姫の記憶も「俺は飛彩の恋人の記憶を持っている」って言っただけで終わってしまいました。説明台詞なのに何のための説明だったのかわかりません。
エグゼイドは作品としてかなり高い評価を受けているのですが、ここでは真逆で驚きです。
返信削除よほどうがった見方をしなければこのような意見にはならないような気がしてしまうのですが、批判の前にご自身の考えが世間とはズレているという自覚はお持ちでしょうか?
まず世間のことは知らないのでわかりません。
削除自分の意見を言う前に世間がどう言っているかを気にしたことはないですね。そんな人は感想を書くのに向いていないと思います。
それから匿名さん自身が書いていることで語るに落ちていると思います
>作品としてかなり高い評価を受けているのですが、ここでは真逆で驚きです。
否定的な評価があるから「かなり高い評価」なのであって、全員が肯定的だったら「完璧」としか言えないと思います。私含めて人それぞれが自分の意見を言うから相対的な評価が成り立つのですよ。
エグゼイドが世間的に好評だったとしても確実に嫌いな人はいるわけだし嫌いな人にわざわざ肯定的な意見を押し付けるのはマナー違反
削除好きな人は好きな人同士で固まって話せばいい
>よほどうがった見方をしなければこのような意見にはならない
削除「その短絡的な発想が、既に貴方の貧困な感性を物語っているのよ!」
マジレスすると、周りから叩かれまくってる作品でも良いところもありますし
逆に持ち上げられてる作品でも見る人によっては粗が目立って見えてしまうのは当たり前の話だと思いますが…
初めてコメントさせていただきます。
返信削除私は正直、ストーリーに関しては多少矛盾があっても気にしないですし、深く考える方ではありません。
しかし、いつも管理人さんの書く感想を読んで「こういうことだったのか」とか、「こういう見方もあったのか」と楽しく読ませていただいております。
それでエグゼイドとはあんまり関係がないのですが、管理人さんの目から見て良かったなと思われるライダー作品と戦隊作品があれば教えていただきたいです。
みずかさん、はじめまして。
削除>管理人さんの目から見て良かったなと思われるライダー作品と戦隊作品があれば教えていただきたいです。
平成ライダーだとW、オーズ。それにディケイド、カブトです。
戦隊はゴーカイジャー、ゴーオンジャー、アバレンジャーです。
アバレンジャーはアバレキラー出てから滑ってたみたいな評価も多かったように感じますが、管理人さんによるアバレンジャーの感想をよろしければ聞かせていただいたてもいいですか?
削除あと、出来れば当時は結構酷評されていた(いつの間にか再評価され気味ではある)オーズもひとつ…
アバレンジャーは総合感想で記事にしているのでまずそちらをご覧になってください。
削除オーズは良い作品だと思っています。
特に指定無くライダーを見たことのない人に「ライダーを見てみようと思うんだけど、どれが面白い?」と聞かれたらオーズをオススメします。「欲望」というテーマがユニークでいて馴染みやすい内容だと思いますし、アクションやデザインも良いと思うからです。
小林靖子さんのアクション軽視や引っ張ったわりにカザリ以外のグリードとの決着が酷いなど一部に問題はありますが、全体としては完成度が高いと思っています。
オーズについて
削除タトバコンボの存在理由が解らないとよく言われていましたが、そこに引っかかった事はありますか?
全く思ったことがないので質問の趣旨がわかりません。
削除「存在理由」とはどういう意味でしょうか?
初期フォームや最強フォームなど物語上の立ち位置や玩具関係のことを除いて、純粋に存在理由を感じるフォームというのがオーズに限らず思い浮かびません。逆に「存在理由を感じるフォーム」とはどんなものか例を挙げていただけないでしょうか?
他のコンボは全て同色によるものですが、タトバだけ何故ちぐはぐな組み合わせなのに特別な扱いをされているのか解らないとよく言われておりまして、自分もそう思っていましたので何か気にした事ありますか?という趣旨で質問しました
削除私はタトバコンボは本編内では「コンボ扱いされていない」と認識しています。
削除スーパータトバは「なんでコンボじゃなくてタトバがベースなの?」と疑問に思いました。
いずれもバトルや販促に興味のない小林さんの作品では毎度のことなので割り切っています。
バトルや販促に興味がないと決めつけるのはやめた方がよいのでは。
削除どの作品も見事に自分と正反対の作品評価で笑います。
あなたが挙げた作品、どれもまったく面白くないですよ。
私の価値観で言うと、
削除「バトルや販促に興味が”ある”と決めつけるのはやめた方がよいのでは。」
と言えますね。あなたと私の価値観ではないでしょうか? 「小林さんはバトルや販促に熱心に決まってる!」と主張したいならそう思う根拠を提示してください。
他のライダーと比較が可能か分かりませんが、個人的な順位を付けるとしたらどの程度のものでしょうか
返信削除順位は具体的に決めないので言えませんが、下のほうであることは確かですね。
削除総評お疲れ様です。
返信削除もうご存知でしたらすみませんが
どこで言ってたかは忘れてしまいましたが脚本家さん曰く
「ストーリーは所詮プロレスでしかない。視聴者が期待してる場面さえ書いてれば整合性などどうでもいい」とはっきりインタビューで答えていたので
この人を採用した時点でこの惨状は決まっていたみたいで残念です。
実際担当していた某作品が腐受けしたのを見て、2期から腐向けに方向転換した人ですから…
一番心配なのは公式が(子供向け作品&視聴率最低なのに)ツイッターの反応だけみて成功したんだと勘違いしていないかどうかですね。
>一番心配なのは公式が(子供向け作品&視聴率最低なのに)ツイッターの反応だけみて成功したんだと勘違いしていないかどうかですね。
削除何をもって成功と考えるのかは素人目にはわかりませんね。
売上で考えればまずまずくらいのようですし、テレビ番組として考えれば視聴率が低いことは問題になるでしょう。
電王の時みたいにネットで話題にしてもらえた&普段見てなかった層の人達も見てくれたから成功って判断になる可能性の事ではないでしょうか
削除売れたから早めに本編切り上げてVシネ等に力を入れたみたいな事も後夜祭で言われたみたいですし
Vシネが出たから成功というのは私は疑問です。
削除それだと「Vシネが出たからゴーストは人気があった」と言えてしまうと思います。ドライブも2本出ていますし、単なる販売戦略であってVシネの製作は最初から折り込み済みのことだと私は思っています。リップサービス程度にしか聞こえません。
Vシネの先行映画放送や度重なる黎斗グッズの発売などを見るに、一定方向への自信があってやっているのかなと思っていましたがどうでしょうか?
削除黎人グッズに関しては話題性を反映して急遽決まったことだと思います。ドクターマイティもそうだと思います。カラバリ&音声収録だけですから生産は難しくないと思います。
削除Vシネに関してはかかる労力がだいぶ違うと思います。
役者さんのスケジュールや撮影スタッフの分担、Vシネで初登場するスーツや怪人など前もって準備しなければいけないことがいくつもあるはずです。∨シネは最初から予定されていて、人気があれば一本増やす、なければ減らす程度で基本は予定どおり行われるものだと私は考えています。
インタビューの証言など証拠になるものは特にないので真に受けなくても構いません。
総評、そして一年間の視聴お疲れさまでした。
返信削除エグゼイド、ゲームがテーマのひとつでしたが、本作をゲームで例えれば名作と語り継がれるような骨太なRPGやアドベンチャーゲームではなく、タップや課金でお手軽にプレイ出来るスマホアプリゲームのような作品だったと思います。内容面でいえば掘り下げの浅いモチーフにインパクトだけウリにしているデザイン、何の積み重ねも苦境も無くイベントをこなし唐突にドラマを起こそうとする構成というのは有象無象のアプリゲームに共通している点だと思います。制作側の声が大きい(=宣伝やネタに対する悪乗りが目に見えて過剰である)のも昨今のスマホアプリの宣伝法を想起させますし、ゲーム作品としての完成度やグラフィックの見栄えよりもいかに手軽に、購買層を惹きつけられるかを重視しているのもそうです。ズバリ言ってしまえば「ゲーム(作品)としての完成度やゲーム性(物語)は二の次、ファンは見栄えやネタだけに食いつくからそれを重視すればよい」という、昔のゲーム(作品)と比べると非常に打算的かつ浅い部分に注力した作品だと思います。
近年、主に若年層には従来の家庭用ゲームよりもアプリゲームが支持を集めているようですが、エグゼイドが一定の層から人気と持ち上げられるのも同じ理由なんじゃないかと思います。他の方がコメントされているように時代の流れもあるのかもしれません。
ただ、今までの仮面ライダーはクオリティの差はあれど、じっくり腰を据えて作られた「家庭用ゲーム」の体裁を保っていたように思うので、エグゼイドを持ち上げる理由にはなりませんがね。アプリゲームをあまり遊ばず過去の家庭用ゲームを好む私にはあまり合わない作品でした。
私はスマホゲームなどをほとんどやったことがないのでよくわかりません。
削除>ただ、今までの仮面ライダーはクオリティの差はあれど、じっくり腰を据えて作られた「家庭用ゲーム」の体裁を保っていたように思うので、エグゼイドを持ち上げる理由にはなりませんがね。
ストーリーの根本的思想以外は特に例年より更に酷いとは思わなかったので、ここは意見が合わないようです。
ここまで無い無い尽くしだと笑えてきちゃうのですが、逆にエグゼイドにハッキリとあった特徴ってどんなのがあると思いますか?
返信削除owlさんの考える数少ない長所でもいいですし、皮肉な答えでも構いません
「積み重ねの放棄」がストーリー上の最大の特徴だと私は思っています。
削除これは本文にも書いたはずですが、具体的に何を質問されたいのでしょうか?
やはり特徴はそこになってしまいますか…
削除繋がりを捨ててでも二転三転する展開についていけないと楽しさがわからないんでしょうね…この作品
私はエグゼイドの面白さがよくわからないので何とも言えませんが、そこでつまづくと楽しめない可能性は高いのではないかと思っています。
削除