■個性の表れ
・今回は説明、説明、説明で含まれている内容は予想の範囲内で極薄でしたが、普段よりも密度があったように思えました。
それは共通の事項・ヘルヘイムの脅威に対してどう考え、動くのか、各登場人物の個性が表れていたからだと思います。
「人はそんなに愚かなのか？」と性善説を信じる紘汰、人の生きる価値を問題とする戒斗、深く考えているようでその場しのぎの場当たり的な対応の光実。
主役勢でもスタンスの違いが明確に打ち出せていました。

・個人的にはナックル、龍玄など各ライダーの地味な戦闘を入れたことが演出上良かったと思います。
手に入れた力をそれぞれの目的のために使うというライダーの群像劇が描けていました。鎧武の構造には、こういう方向性のほうが合っていると思います。ナックルが正義の味方をやってて紘汰の居場所がなくなっている気もしますが、そこは紘汰の終着点ではないのでしょう。

■紘汰
・今回、貴虎から説明を受けた後にようやく「ひょっとしたら、このインベスも元は人間かもしれないのか…」と想像できるようになりました。
しかし気づくのがあまりに遅い。
初瀬と戦った後のインベス戦の時点で疑問に思うべきでしょう。せめて「じゃあロックシードで呼び出すインベスもそうなのか？ 俺たちは人間同士を玩具にして戦わせてたっていうのか？！」ともう一歩自発的に踏み込んでほしかったです。今回はヘルヘイムの説明以上に、紘汰＝馬鹿という種明かしに驚かされました。

■戒斗
・今週もかませ街道まっしぐらでした。
ユグドラシル勢が笑うタイミングが酷すぎます。あれではユグドラシル勢の思想＞戒斗の思想という構図になってしまい、戒斗のアイデンティティまで価値を否定されてしまいます。もはやプロフェッサーの人体実験に利用されて、３０話あたりで死んでもおかしくない印象です。

・個人的には「戦える強いものだけが生き残ればいい」という主張に疑問を感じました。
戒斗の強さってベルトのおかげで借り物に過ぎないんですよね。独自の力といえばインベスを３体同時に操りながら戦える程度しかありません。チームバロンを結成したことを手柄とするには、その程度世界ならごまんといます。この状況でそんなこと言われても説得力がありません。
戒斗＝ライダー＝強い、という設定をキャラの背景だと勘違いして脚本を書いているように思えました。具体的な描写のない設定はただの説明に過ぎず、説得力はないと思います。

■ブラーボ
・今回気になったのが城之内が平然とブラーボのそばにいたことです。
成り行きとはいえダンスパーティーに参加したため、ブラーボの逆鱗に触れたと思っていたので驚きました。

・城之内はブラーボにとって「不良を更生させた証」だったはずです。
その城之内が元の鞘のダンスに戻ってしまったら、イメージは地に落ちます。そんなことになったら、ブラーボは自身のプライドを傷つけた城之内を殺してもおかしくないイメージがあるのですが違ったようです。比較的わかりやすいように思えたブラーボの性格までわからなくなってきました。

■ユグドラシルの落とし所？
・クラックの人口ゲート、ご神木だったのですね。気づきませんでした。
今のところ、終始ユグドラシルの言う通りで主人公側に正義がありません。「実はユグドラシルがご神木でクラックを開いたのが今の侵食が始まった原因」ということにして、ユグドラシルを悪者にしたてあげるのでしょうかね。


次回のタイトルは『ユグドラシルの秘密』
「まだ続けるの？！」って感じです。せめて、しばらく我慢すればこれで全て片付く、だと良いのですが。