スーパーヒーロー大戦とはいっしょにしないで! 映画『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』:感想
映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』を見ました。
ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦【DVD】
(2011/11/21)
小澤亮太、山田裕貴 他
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その前に地獄の『スーパーヒーロー大戦』を見ていただけに不安でしたが、面白かったです!
オールスターものとしてもかなり良いデキです。ストーリーは歴代のメンバーに、アクションは最新戦隊にと分かれていて、歴代戦隊が好きな人も、最新の戦隊しか見たことがない人でも楽しめる構成になっています。
【見どころその1:戦隊勢揃い】
■レジェンド大戦
・ゴーカイジャーの1話で語られた歴代戦隊勢揃いの、そしてそこからの大乱戦が見れます。
ライダーと比べて色とりどりで、人型のベースは揃っていても個々のデザインはかなり違うので一体感と個性が一度に感じられて、とっても贅沢な感じです。
■同色対決
・後半には歴代ピンクvsゴセイ&ゴーカイピンクなど、各色別のバトルも見られます。
色一色だと見づらいかと思ったのですがけっこう違うものですね。白いラインや武器の違いでちゃんと見分けがつきます。
・ただ操られた歴代戦隊相手にゴセイ&ゴーカイが無双するのは複雑な気持ちです。キーの力を悪用されただけで意思が無いので弱いのは構わないのですが、ただの斬撃一発でやられるのはちょっと。せめて威厳を保つために必殺技で倒してほしかったです。
■少数精鋭
・オールスターものというと、全員揃い踏みのシーンが印象的ですが反面人数が多過ぎてスーアクさんが足らず質が落ちる問題を抱えています。スーツは同じなのに、動きがしょぼしょぼだとショックです。でもご安心を。この映画は違います。
・結集シーン以外はあまり引き絵で取らず、各カットで映るのは敵味方合わせて10人程度に押さえています。おかげでどのカットもキャラも良いアクションで痺れます。一人だけ動きがしょぼいとかありません。
端っこに映ってる程度だとさすがに動きもそれなりの人になってしまいますが、剣を合わせてるメインキャラは実力派でド迫力です。
【見どころその2:ゴセイジャー&ゴーカイジャー】
■ゴセイジャーといえばアクション
・ゴセイジャーといえばアクションのかっこよさが印象的です。今回もアクションはキレがあって、かっこいいです。 それも今回、ゴセイジャーは始めゴーカイジャーからゴセイのレンジャーキーを奪う悪役で登場します。悪役補正までかかったゴセイジャーは2倍くらい強くて、かっこいい!
ゴセイジャーのアクションが好きな人なら、これだけで見る価値あります。
・特に終盤のスーパーゴセイレッドの立ち回りがすごいです!
ガシャポン状の丸いほうで受けて、刃のほうで返しの一太刀。流れるような動きで敵を捌きながら、歴代レッドをばっさばっさと切り倒します。本編では玩具然としたデザインでちっともかっこよく見えませんでしたが、見直しました。
■ゴーカイジャーも負けてない
・ゴーカイジャーも負けてません。無駄のないゴセイレッドの剣術に対して、キックやパンチも混じえた海賊流が豪快です。対照的なアクションの二人が力を合わせる凄さが動きを見てるだけで伝わってきます。
・ただ今回は基本的にゴセイ&ゴーカイの同色でペアを組んで戦うため、ゴーカイ本編でお馴染みの武器交換アクションはありません。あしからず。
■ゴセイジャーと言ったらあの人
・ゴセイジャーと言えば、視聴者に「もうゴセイナイト一人でいいんじゃないかな?」と思わせたゴセイナイトさんは外せません。今回も当然大活躍です。それもスケールアップした分、本編に輪をかけて酷いです。
・他のメンバーが二人で組んで戦う中、一人だけ1対10で戦います。しかも敵は全員実力に定評のある追加戦士です。そんな状況でもお構い無しに圧勝します。
前の敵を倒した直後に後ろから飛びかかられても慌てずレオンレーザーで迎撃。直後に集中砲火を浴びても、ヘッダーに変形して回避しつつ体当たり。着地際に再び人型に変形→ナイトダイナミックで10人まとめて一掃。
オールスターでも自重しないゴセイナイトさんでした。
■笑いでも頂点に立つ
・ゴセイナイトさん、笑いの面でも自重しません。
いったんやられて変身解除して、歴代戦隊のエールを受けて「行くぜ!!!」という熱い場面でも存在感が異様です。他のメンバーが変身ポーズを取る中、一人ド真ん中で棒立ちで、みんなが変身完了して決めポーズを取るのに合わせておもむろにポーズを決める。
余りにもシュール過ぎて、そんなシーンじゃないのに笑ってしまいます。
・その直後のみんなでバズーカを構えるシーンでも、それぞれの色で二人ペアを組む中一人ぼっちで余って、一番後ろで「片手は添えるだけ」状態でまたも笑いを誘ってきます。無表情にあれをやられると笑うしかありません。卑怯です。
・なお、さすがに巨大戦では速攻で撃墜されて、後に見せ場を譲ってました。
【見どころその3:歴代戦隊出演者によるストーリー展開】
■歴代メンバー登場
・ゴセイ&ゴーカイはバトルに集中にして、ストーリー面は歴代メンバー(デンジブルー、デカピンク、リュウレンジャー等)と日々の生活に疲れ、夢を忘れたサラリーマンを軸に語られます。
かつてのヒーローが疲れたサラリーマンに夢を思い出させる流れは、ほろりと来ます。リアルに年をとった歴代メンバーの顔に刻まれたしわが胸に来ます。
■”らしさ”もしっかりと
・オールスターものというと、量が多い分早回しで個々の描写は置いてきぼりになることがしばしばありますが、その点も抜かり無しです。
ゴセイジャーもゴーカイジャーも、みんな個性は本編そのままです。基本は各色同士でペアにしつつも、ゴセイブラックとゴーカイブルー、ゴセイブルーとゴーカイグリーンと性格に合わせて組み合わせを変えてあるんです。
・特に和解の仕方が象徴的でした。レッド同士はいがみ合い、別行動を取りながらも一般人を庇うマーベラスを見て、本質を理解し和解する。イエロー二人&ゴセイブラック、ゴーカイブルーの肉体派組はぶつかり合いながら戦いの中で意気投合。ピンク二人&ゴセイブルー、ゴーカイグリーンは平和的に話し合って協力関係を築く。ハイドが敬語を使っていたり、細かいところもしっかりしてます。
とても自然な流れでした。さすがはベテランの荒川さんです。
・ラストも一度倒した黒十字王がいきなり要塞化したり、トドメの必殺技がカシオペアだったりと原作を踏まえた流れで丁寧でした。
中ボス役の復活ブラジラさん、ヨゴシマクリタイン、ダゴンもオリジナルを保っててニヤリとさせられました。ダゴンさんだけはアホ化されてて可哀想でしたけど、ブラジラさんはとことん小物で安心しました。卑怯な遠隔攻撃ばっかりやって、直接対決では一発もかすりもせず負けるとかさすがです。
【総評】
■ゴセイ、ゴーカイの1エピソードとして見ても面白い!
・予算たっぷりで、ゴーカイチェンジしまくり、ゴセイジャー空飛びまくりで贅沢なアクション。それぞれの個性を保ったままぶつかり認め合うストーリー。ゴセイジャー、ゴーカイジャー、それぞれの1エピソードとして見ても楽しめます。
・頭の硬いゴセイジャー、無茶苦茶なゴーカイジャーと単純な面で対立させず、あくまでキーを巡る争いにして両者に言い分を持たせたとこが素晴らしいです。力を合わせるときの流れがすごくスムーズでした。
・ただ最後のキーをゴーカイジャーに返すシーンはどうにもならなかったのは残念でした。
キーでも本来の力が発揮できるなら地球を守るためには各戦隊にキーを返したほうが良いのは明らかです。そこだけは不自然で残念でした。
■若手にエール
・この映画はオールスターものですが、主役はタイトル通りあくまでゴーカイジャーとゴセイジャーです。
オールスターの役割は賑やかし&二組にエールを送って花を添えることです。こうきっぱりと分けるのは好みが湧かれると思います。個人的にはオールスターを全部やるのは不可能だと思うので、賛成です。
若手にエールを送る構成だとリアルな月日の流れが感じられて、昔の役者さんが出るのもひとしおです。
ゴセイジャー好きもゴーカイジャー好きもオールスター好きも誰が見ても楽しめる素敵な作品でした。
戦隊好きな人にはオススメです
(2011/11/21)
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オールスターものとしてもかなり良いデキです。ストーリーは歴代のメンバーに、アクションは最新戦隊にと分かれていて、歴代戦隊が好きな人も、最新の戦隊しか見たことがない人でも楽しめる構成になっています。
【見どころその1:戦隊勢揃い】
■レジェンド大戦
・ゴーカイジャーの1話で語られた歴代戦隊勢揃いの、そしてそこからの大乱戦が見れます。
ライダーと比べて色とりどりで、人型のベースは揃っていても個々のデザインはかなり違うので一体感と個性が一度に感じられて、とっても贅沢な感じです。
■同色対決
・後半には歴代ピンクvsゴセイ&ゴーカイピンクなど、各色別のバトルも見られます。
色一色だと見づらいかと思ったのですがけっこう違うものですね。白いラインや武器の違いでちゃんと見分けがつきます。
・ただ操られた歴代戦隊相手にゴセイ&ゴーカイが無双するのは複雑な気持ちです。キーの力を悪用されただけで意思が無いので弱いのは構わないのですが、ただの斬撃一発でやられるのはちょっと。せめて威厳を保つために必殺技で倒してほしかったです。
■少数精鋭
・オールスターものというと、全員揃い踏みのシーンが印象的ですが反面人数が多過ぎてスーアクさんが足らず質が落ちる問題を抱えています。スーツは同じなのに、動きがしょぼしょぼだとショックです。でもご安心を。この映画は違います。
・結集シーン以外はあまり引き絵で取らず、各カットで映るのは敵味方合わせて10人程度に押さえています。おかげでどのカットもキャラも良いアクションで痺れます。一人だけ動きがしょぼいとかありません。
端っこに映ってる程度だとさすがに動きもそれなりの人になってしまいますが、剣を合わせてるメインキャラは実力派でド迫力です。
【見どころその2:ゴセイジャー&ゴーカイジャー】
■ゴセイジャーといえばアクション
・ゴセイジャーといえばアクションのかっこよさが印象的です。今回もアクションはキレがあって、かっこいいです。 それも今回、ゴセイジャーは始めゴーカイジャーからゴセイのレンジャーキーを奪う悪役で登場します。悪役補正までかかったゴセイジャーは2倍くらい強くて、かっこいい!
ゴセイジャーのアクションが好きな人なら、これだけで見る価値あります。
・特に終盤のスーパーゴセイレッドの立ち回りがすごいです!
ガシャポン状の丸いほうで受けて、刃のほうで返しの一太刀。流れるような動きで敵を捌きながら、歴代レッドをばっさばっさと切り倒します。本編では玩具然としたデザインでちっともかっこよく見えませんでしたが、見直しました。
■ゴーカイジャーも負けてない
・ゴーカイジャーも負けてません。無駄のないゴセイレッドの剣術に対して、キックやパンチも混じえた海賊流が豪快です。対照的なアクションの二人が力を合わせる凄さが動きを見てるだけで伝わってきます。
・ただ今回は基本的にゴセイ&ゴーカイの同色でペアを組んで戦うため、ゴーカイ本編でお馴染みの武器交換アクションはありません。あしからず。
■ゴセイジャーと言ったらあの人
・ゴセイジャーと言えば、視聴者に「もうゴセイナイト一人でいいんじゃないかな?」と思わせたゴセイナイトさんは外せません。今回も当然大活躍です。それもスケールアップした分、本編に輪をかけて酷いです。
・他のメンバーが二人で組んで戦う中、一人だけ1対10で戦います。しかも敵は全員実力に定評のある追加戦士です。そんな状況でもお構い無しに圧勝します。
前の敵を倒した直後に後ろから飛びかかられても慌てずレオンレーザーで迎撃。直後に集中砲火を浴びても、ヘッダーに変形して回避しつつ体当たり。着地際に再び人型に変形→ナイトダイナミックで10人まとめて一掃。
オールスターでも自重しないゴセイナイトさんでした。
■笑いでも頂点に立つ
・ゴセイナイトさん、笑いの面でも自重しません。
いったんやられて変身解除して、歴代戦隊のエールを受けて「行くぜ!!!」という熱い場面でも存在感が異様です。他のメンバーが変身ポーズを取る中、一人ド真ん中で棒立ちで、みんなが変身完了して決めポーズを取るのに合わせておもむろにポーズを決める。
余りにもシュール過ぎて、そんなシーンじゃないのに笑ってしまいます。
・その直後のみんなでバズーカを構えるシーンでも、それぞれの色で二人ペアを組む中一人ぼっちで余って、一番後ろで「片手は添えるだけ」状態でまたも笑いを誘ってきます。無表情にあれをやられると笑うしかありません。卑怯です。
・なお、さすがに巨大戦では速攻で撃墜されて、後に見せ場を譲ってました。
【見どころその3:歴代戦隊出演者によるストーリー展開】
■歴代メンバー登場
・ゴセイ&ゴーカイはバトルに集中にして、ストーリー面は歴代メンバー(デンジブルー、デカピンク、リュウレンジャー等)と日々の生活に疲れ、夢を忘れたサラリーマンを軸に語られます。
かつてのヒーローが疲れたサラリーマンに夢を思い出させる流れは、ほろりと来ます。リアルに年をとった歴代メンバーの顔に刻まれたしわが胸に来ます。
■”らしさ”もしっかりと
・オールスターものというと、量が多い分早回しで個々の描写は置いてきぼりになることがしばしばありますが、その点も抜かり無しです。
ゴセイジャーもゴーカイジャーも、みんな個性は本編そのままです。基本は各色同士でペアにしつつも、ゴセイブラックとゴーカイブルー、ゴセイブルーとゴーカイグリーンと性格に合わせて組み合わせを変えてあるんです。
・特に和解の仕方が象徴的でした。レッド同士はいがみ合い、別行動を取りながらも一般人を庇うマーベラスを見て、本質を理解し和解する。イエロー二人&ゴセイブラック、ゴーカイブルーの肉体派組はぶつかり合いながら戦いの中で意気投合。ピンク二人&ゴセイブルー、ゴーカイグリーンは平和的に話し合って協力関係を築く。ハイドが敬語を使っていたり、細かいところもしっかりしてます。
とても自然な流れでした。さすがはベテランの荒川さんです。
・ラストも一度倒した黒十字王がいきなり要塞化したり、トドメの必殺技がカシオペアだったりと原作を踏まえた流れで丁寧でした。
中ボス役の復活ブラジラさん、ヨゴシマクリタイン、ダゴンもオリジナルを保っててニヤリとさせられました。ダゴンさんだけはアホ化されてて可哀想でしたけど、ブラジラさんはとことん小物で安心しました。卑怯な遠隔攻撃ばっかりやって、直接対決では一発もかすりもせず負けるとかさすがです。
【総評】
■ゴセイ、ゴーカイの1エピソードとして見ても面白い!
・予算たっぷりで、ゴーカイチェンジしまくり、ゴセイジャー空飛びまくりで贅沢なアクション。それぞれの個性を保ったままぶつかり認め合うストーリー。ゴセイジャー、ゴーカイジャー、それぞれの1エピソードとして見ても楽しめます。
・頭の硬いゴセイジャー、無茶苦茶なゴーカイジャーと単純な面で対立させず、あくまでキーを巡る争いにして両者に言い分を持たせたとこが素晴らしいです。力を合わせるときの流れがすごくスムーズでした。
・ただ最後のキーをゴーカイジャーに返すシーンはどうにもならなかったのは残念でした。
キーでも本来の力が発揮できるなら地球を守るためには各戦隊にキーを返したほうが良いのは明らかです。そこだけは不自然で残念でした。
■若手にエール
・この映画はオールスターものですが、主役はタイトル通りあくまでゴーカイジャーとゴセイジャーです。
オールスターの役割は賑やかし&二組にエールを送って花を添えることです。こうきっぱりと分けるのは好みが湧かれると思います。個人的にはオールスターを全部やるのは不可能だと思うので、賛成です。
若手にエールを送る構成だとリアルな月日の流れが感じられて、昔の役者さんが出るのもひとしおです。
ゴセイジャー好きもゴーカイジャー好きもオールスター好きも誰が見ても楽しめる素敵な作品でした。
戦隊好きな人にはオススメです
こちらの感想を読んでブルーレイを手に入れて観てみました。
返信削除子供たちと自分の為にと思って観ていたのですが、戦隊が好きだった家族が思わず涙ぐんでいたり、一体感のある鑑賞会になりました。
ゴセイジャーは初めて見たのですが、人物描写が分かりやすかったので、すんなり話に入ることができました。お気に入りのシーンは冒頭の大戦で追加戦士達が次々と出てくるところです。
良い正月になりました。ありがとうございます。
たくさんの作品の感想があり、まだ戦隊しか読めてませんが、参考にさせてもらいます。
あと、もし視聴済みであれば恐縮ですが、年末にTVでやっていたディズニーのベイマックスが、戦隊ものをかなり意識した設計になっていて「おお?」と思って調べたら、ディズニーのなかにマーベルの部門があって、東映の戦隊とも関係があったのですね。
戦隊のキャラ設計や脚本が持つ熱さが、世界にもっと広がって、良い作品が増えるといいですね。
作品選びのお役に立てて良かったです。
削除子供も親御さんもいっしょに楽しめることは素晴らしいですね。
>年末にTVでやっていたディズニーのベイマックス
ベイマックスは、私も録画はしましたがまだ見ていません。
戦隊とは別の他の作品で上手くやってくれて、それが刺激になって戦隊にフィードバックされたらステキだと思います。