本当にヒーローと言えるのか? 映画『スーパーヒーロー大戦』」:感想
今更ながら映画『スーパーヒーロー大戦』を見ました。
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦【DVD】
(2012/10/21)
不明
商品詳細を見る
【ストーリー】
■二人はヒーローと言えるのか?
・二人の行動、あれをやったものをヒーローと言ってしまっていいのでしょうか?
二人は悪を倒すために芝居を打ったわけですが、その過程で明確に市民に被害が出ています。
ヒーローが傷つくことなら否定しませんが、一般市民を犠牲にすることは正しいことだとは思えません。まして歴代ライダーと戦隊が全員揃った戦力があるのに、その必要があったのでしょうか?
その一点でこの映画は間違っていると思います。
■なぜディエンド?
・物語としては特に、この内容で海東にフォーカスを当てたことがわかりません。
やたらにホモくさいこととジョーまで巻き添えにしただけでも個人的には許しがたいレベルですが、事態はもっと深刻です。
・市民の犠牲を出してまで成し遂げた作戦。それがたった一人のエゴで台無しになりかけた。
そしてそれを士が笑ってごまかしかけたこと。この映画だけ見ると、ライダーも戦隊も自分たちのことしか考えていない。強者の理論がまかり通る世界にしか見えません。
・ライダーはエゴイストもいますが、戦隊は違うと思います。このあたりは脚本の米村(あえて呼び捨て)がライダーにしか携わっていないせいでしょうか。
(調べてわかりましたが、電王外伝のディエンド主役映画は米村製だったのですね。少し納得。)
■女性蔑視はいかがなものか
・もう一つ大きく気になったのが女性蔑視観です。
作中での女性キャラの扱いがステレオタイプに酷い。完全に『守ってやってる』お荷物扱いです。
非戦闘キャラの比奈はともかく、ゲキイエローはウラタロスに助けられてキャピキャピして、イエローバスターに至ってはちょっとやられただけで戦闘不能になり、フォーゼにゴーバスターオーの操縦を任せる始末。
こういうバイアスはヒーローにはそぐわないと思います。かなり不愉快。
【オールスターものとしての感想】
■オールライダー&戦隊登場!
・まずは良いところから。この映画最大の売りであるオールライダー&戦隊登場!この点だけは売り文句通りの興奮が味わえます。
敵含めて何十人も入り組んでの大乱戦はそれだけで迫力があります。あのスケール感は戦隊見慣れた人なら、より興奮できます。
■ライダー&戦隊コラボ
・もう一つこの映画ならではのコラボがライダー(カード)と戦隊(レンジャーキー)の交換。
オーズがゴーカイジャーに各コンボの鍵を渡してのオーズコンボ勢揃いからのガレオンバスターに、ディケイド&龍騎&ブレイドのカードライダーがゴセイジャーのカードを使っての天装術。全部知ってる作品だけに豪華絢爛です。個人的にはその後のトリプルライダーキックも好きです。
■小ネタ
・大筋のストーリーは酷いですが小ネタは笑えました。
マーベラスにおべっか使ってボコボコに馬鹿にされて凹むワルズ・ギルとその後を追う親父のアクドス・ギルとか。
『行けい、我が分身たちよ!』と自分に命令するブレドランとか。(当然フルボッコにされました。)
どーでも良い小ネタだけは面白かったです。
■ヒーローは大変だ
・ここからは悪かったところです。
戦隊集結までは『うぉーッ!!!』と興奮しっぱなしなのですが、動き出すとかなり冷めます。
というのも、現役でやってる一流スーアクさんなんてそんなにいるわけないのですね。必然的にアップにならない場面では若手なども混じり、クオリティがすごい低いです。
走って登場してズラッと並ぶシーンなんて、走るスピードはバラバラで画的に酷いです。早く走りすぎて慌ててスローダウンする人。自分の立ち位置合わせるのに必死で演技できてない人。腕がプラプラしてる人。こんな人で勝てるのかと不安になります。スーアクさんって偉大ですねと再確認しました。
■原作レイプ
・大半の戦隊&ライダーは出番が無く、まともに戦うシーンがあるのは、
物語主役のゴーカイレッド&ディケイド。実質主役のディエンド&ゴーカイブルー。最新作補正でちょっとだけ出たフォーゼ&ゴーバス。
それ以外でまともに出番があったのは、ゴーオンジャーとマジレンジャー、ゲキレンジャーだけです。
しかしゴーオンファンの私としては出なかったほうがマシだったと思える内容でした。
・何が酷いってアクションはそのままなんですよ。あのサーキットコースの上を駆け抜けながら5人で必殺技を撃ち、敵を倒す。そこは原作そのままなんです。だけど、だけど声が違う!
それも声が合わないどころか、売れないモブキャラ専門声優を使ってるから演技自体も酷すぎます。軽薄を飛び越してチャラ男にされてしまったゴーオンレッドには殺意が湧きます。ゲキレッドも相当に酷いのでファンの人は見ない方が良いでしょう。
【総評】
■オールライダー&戦隊としては良し!個々のライダー&戦隊としてはコレジャナイ。
・勢揃いシーンや大乱戦。ライダー&戦隊が協力して戦う姿など、ライダーと戦隊のオールスターものとしては期待通りのシーンが見れます。
・その一方でヤンデレホモ化した海東とそれにつられたジョーを筆頭に、個々のライダーや戦隊の扱いは原作レイプも良いことです。ファンであればあるほど『頼むから活躍しないでくれ!』と願ってしまう悲惨な光景しか映りません。
90分の間に一つでもこの映画でしか見られないシーンがあればそれで良し!
そう思える人以外は、ファンであるほど失うものが多い映画です。見るなら覚悟を持って見てください。
(2012/10/21)
不明
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■二人はヒーローと言えるのか?
・二人の行動、あれをやったものをヒーローと言ってしまっていいのでしょうか?
二人は悪を倒すために芝居を打ったわけですが、その過程で明確に市民に被害が出ています。
ヒーローが傷つくことなら否定しませんが、一般市民を犠牲にすることは正しいことだとは思えません。まして歴代ライダーと戦隊が全員揃った戦力があるのに、その必要があったのでしょうか?
その一点でこの映画は間違っていると思います。
■なぜディエンド?
・物語としては特に、この内容で海東にフォーカスを当てたことがわかりません。
やたらにホモくさいこととジョーまで巻き添えにしただけでも個人的には許しがたいレベルですが、事態はもっと深刻です。
・市民の犠牲を出してまで成し遂げた作戦。それがたった一人のエゴで台無しになりかけた。
そしてそれを士が笑ってごまかしかけたこと。この映画だけ見ると、ライダーも戦隊も自分たちのことしか考えていない。強者の理論がまかり通る世界にしか見えません。
・ライダーはエゴイストもいますが、戦隊は違うと思います。このあたりは脚本の米村(あえて呼び捨て)がライダーにしか携わっていないせいでしょうか。
(調べてわかりましたが、電王外伝のディエンド主役映画は米村製だったのですね。少し納得。)
■女性蔑視はいかがなものか
・もう一つ大きく気になったのが女性蔑視観です。
作中での女性キャラの扱いがステレオタイプに酷い。完全に『守ってやってる』お荷物扱いです。
非戦闘キャラの比奈はともかく、ゲキイエローはウラタロスに助けられてキャピキャピして、イエローバスターに至ってはちょっとやられただけで戦闘不能になり、フォーゼにゴーバスターオーの操縦を任せる始末。
こういうバイアスはヒーローにはそぐわないと思います。かなり不愉快。
【オールスターものとしての感想】
■オールライダー&戦隊登場!
・まずは良いところから。この映画最大の売りであるオールライダー&戦隊登場!この点だけは売り文句通りの興奮が味わえます。
敵含めて何十人も入り組んでの大乱戦はそれだけで迫力があります。あのスケール感は戦隊見慣れた人なら、より興奮できます。
■ライダー&戦隊コラボ
・もう一つこの映画ならではのコラボがライダー(カード)と戦隊(レンジャーキー)の交換。
オーズがゴーカイジャーに各コンボの鍵を渡してのオーズコンボ勢揃いからのガレオンバスターに、ディケイド&龍騎&ブレイドのカードライダーがゴセイジャーのカードを使っての天装術。全部知ってる作品だけに豪華絢爛です。個人的にはその後のトリプルライダーキックも好きです。
■小ネタ
・大筋のストーリーは酷いですが小ネタは笑えました。
マーベラスにおべっか使ってボコボコに馬鹿にされて凹むワルズ・ギルとその後を追う親父のアクドス・ギルとか。
『行けい、我が分身たちよ!』と自分に命令するブレドランとか。(当然フルボッコにされました。)
どーでも良い小ネタだけは面白かったです。
■ヒーローは大変だ
・ここからは悪かったところです。
戦隊集結までは『うぉーッ!!!』と興奮しっぱなしなのですが、動き出すとかなり冷めます。
というのも、現役でやってる一流スーアクさんなんてそんなにいるわけないのですね。必然的にアップにならない場面では若手なども混じり、クオリティがすごい低いです。
走って登場してズラッと並ぶシーンなんて、走るスピードはバラバラで画的に酷いです。早く走りすぎて慌ててスローダウンする人。自分の立ち位置合わせるのに必死で演技できてない人。腕がプラプラしてる人。こんな人で勝てるのかと不安になります。スーアクさんって偉大ですねと再確認しました。
■原作レイプ
・大半の戦隊&ライダーは出番が無く、まともに戦うシーンがあるのは、
物語主役のゴーカイレッド&ディケイド。実質主役のディエンド&ゴーカイブルー。最新作補正でちょっとだけ出たフォーゼ&ゴーバス。
それ以外でまともに出番があったのは、ゴーオンジャーとマジレンジャー、ゲキレンジャーだけです。
しかしゴーオンファンの私としては出なかったほうがマシだったと思える内容でした。
・何が酷いってアクションはそのままなんですよ。あのサーキットコースの上を駆け抜けながら5人で必殺技を撃ち、敵を倒す。そこは原作そのままなんです。だけど、だけど声が違う!
それも声が合わないどころか、売れないモブキャラ専門声優を使ってるから演技自体も酷すぎます。軽薄を飛び越してチャラ男にされてしまったゴーオンレッドには殺意が湧きます。ゲキレッドも相当に酷いのでファンの人は見ない方が良いでしょう。
【総評】
■オールライダー&戦隊としては良し!個々のライダー&戦隊としてはコレジャナイ。
・勢揃いシーンや大乱戦。ライダー&戦隊が協力して戦う姿など、ライダーと戦隊のオールスターものとしては期待通りのシーンが見れます。
・その一方でヤンデレホモ化した海東とそれにつられたジョーを筆頭に、個々のライダーや戦隊の扱いは原作レイプも良いことです。ファンであればあるほど『頼むから活躍しないでくれ!』と願ってしまう悲惨な光景しか映りません。
90分の間に一つでもこの映画でしか見られないシーンがあればそれで良し!
そう思える人以外は、ファンであるほど失うものが多い映画です。見るなら覚悟を持って見てください。
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