もう一人の海賊の死:ゴーカイジャー第48話「宿命の対決」

2012年2月6日
ついにバスコとの決着がついた。
熱い戦いだった。体術も落ちた武器も使えるものは何でも使う海賊らしい応酬が凄かった。ここ一番の戦いでレンジャーキーじゃなく、海賊らしさ全開で戦うのが本当に素晴らしいと思う。

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バスコも剣と銃を持った海賊スタイルだったのが印象的だった。
ファイナルウェーブのぶつかり合いはマーベラスとヴァスコを象徴しているように見えた。自分の夢を持って、赤の海賊団に入り、やがて袂を分かった二人。だけどその根底に同じものを持った同士でもある。だからこそ共通の目的である宇宙最大のお宝は譲れない。同じ過程を辿りながらも違う道を進んだ二人を表す戦いだった。
結果的にバスコは敗北した。その原因になったのは切り捨てたはずのサリーだった。そもそもサリーが庇わなければ爆弾でマーベラスは死んでいただろう。だがそれだけだったら今回の結末は二人の相討ちで終わっていた。元々は敵で短い付き合いのサリーでさえ助けようとし、死してなお胸に刻んだマーベラスだからこそ勝てたんだ。

ゴーカイジャーの類まれな凄さは、ここまでやってもなおバスコが間違っていたと言えないことだと思う。
最終的に決別したとはいえマーベラスがアカレッドに傾倒していたのは間違いない。あのままバスコが裏切らなかったらバスコの言っていたようにアカレッドに良いように利用されていた可能性は充分あった。

バスコのモットー「何かを得るには何かを捨てなければいけない。」これも否定されたわけではない。一見すると捨てたサリーが敗因となって負けたのだから間違っていたようにも見えるが、そうとも言い切れない。爆発の瞬間、サリーがマーベラスを助けたあのときに、捨てられていたのはバスコのほうだったからだ。何も捨ててなければ何も得られないのは当然のこと。個人的にはバスコの最後の台詞「なるほど…」はそういう意味に聞こえた。

私がバスコの一番好きなところはシビアなリアリズム。
バスコは最後まで自分の意思を貫き、負けてなお間違っていたとは思わなかった。唯一後悔を口にしたのは「もっと早く殺しておけば良かった。」ただそれだけ。ゴーカイジャーにレンジャーキーが渡ったのも理由があった。お宝のために必要なレジェンド戦隊のキーを使うわけにはいかなかったからだ。バスコは自分にとってベストな選択を続け、そして破れた。仲間を信じたゴーカイジャーのほうが優れていたかもしれないが、決してバスコが間違っていたわけじゃないんだ。

かつての仲間を倒し、昔の自分とも決別した”キャプテン”マーベラス。
宝を得た今、彼は何を望むのか。まだまだゴーカイジャーの物語は終わらない。

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