輪るピングドラム 第18話『だから私のためにいてほしい』:感想
多蕗先生ダメな人だった…
でもわかるな。二度も絶望に耐えられるほど強くないよ。
一度耐えた人はそれ以上に辛いことなんてそうそうないから物理的に生き続けることはできるけど、空っぽの心で生きていくことはできない。
それも天才の弟に危害を加えることを考えず自分の範囲でベストを尽くそうとし、ゆりだって苹果関連で自分利用したと責任転嫁することもない多蕗先生だ。
自分がダメだと理解していてもそれを変えたいとは思わない。
だってそのダメになっている部分が唯一残った支えでもあるから。
それすら捨てたら何もなくなってしまう。
身につまされる。
一方でアニメとしてのピンドラの手腕に驚かされる。
出番も台詞も極普通の脇役レベルだった多蕗でこれだけのドラマを違和感なく繰り広げるなんて。
伏線→表面化のプロセスが実に巧妙。
多蕗の指の傷跡や子どもブロイラー、OPの冠葉の舞い散るペンギンマークの意味。
数話前からずっと明示されていたけど意味がわからなかったものたちがつながっていく面白さ。
多蕗の過去や思想が明らかになったのは今回が初めてだったのに、その要素が伏線として前々から散りばめられていたから話が唐突で置いてきぼりにされてる感じが全くしない。
小説では説明描写が必要でサプライズ性に乏しく、マンガでは見落とされて読者に意識させづらい。
テレビ作品ならではの時間感覚を活かした技法だと思う。
同じ映像作品でも映画だと時間が限られているからこの手法は使えないだろうな。
90~120分枠では、どうしても予定調和な感じがしてしまう。
今回は多蕗メイン回だったけど、他の登場人物の描写も見逃せない。
大切な日記を落としてでもひっぱたくゆりからは多蕗への思いが伝わった。
真砂子さんにとって冠葉をマリオと同じくらい大切に思っていることも再確認できた。
中でも高倉家周りがかなり大きく動いたように見えた。
冠葉と陽毬は、陽毬の最期の告白したから今まで通りにはできないだろう。
冠葉としては陽毬のためならなんだってするという気持ちは変わらないだろうけど、その妹から『自分のために生きて。』と言われてしまったからには自分を捨てて無茶をすることはできなくなった。
といって妹のため以外に他にやりたいことがあるようには見えない。
ある意味、精神が不安定な今なら真砂子の言葉も届くかな?
晶馬は今回も何もできてないけど、傍観者という立ち位置がより鮮明になった印象。
屋上に着いたときのペンギンたちの立ち位置がそれを物語っているように見えた。
実際に兄貴が痛みを追っても家族を守っていることを目の当たりにした以上、今まで通りののん気で卑屈な態度ではいられないだろう。
今回の陽毬、それに桃果の自分の身を顧みない献身的な姿勢は美しかった。
しかし同時に超人的で怖さを感じた。
小説版ではいろいろ性格描写があるらしいけど、アニメ見てる限りでは健気な妹にしか見えない。
唯一、一人の人間としての性格を見せるのが悪役の眞悧先生と話してるときくらいってのは視聴者としては複雑だ。
苹果ちゃんの前でも見せてるんだけど、苹果ちゃんにとって陽毬は晶馬の妹さんって感じだからな~
そんな印象の苹果ちゃんの態度も、それを察してる感じの陽毬にも女を感じる。
でもわかるな。二度も絶望に耐えられるほど強くないよ。
一度耐えた人はそれ以上に辛いことなんてそうそうないから物理的に生き続けることはできるけど、空っぽの心で生きていくことはできない。
それも天才の弟に危害を加えることを考えず自分の範囲でベストを尽くそうとし、ゆりだって苹果関連で自分利用したと責任転嫁することもない多蕗先生だ。
自分がダメだと理解していてもそれを変えたいとは思わない。
だってそのダメになっている部分が唯一残った支えでもあるから。
それすら捨てたら何もなくなってしまう。
身につまされる。
一方でアニメとしてのピンドラの手腕に驚かされる。
出番も台詞も極普通の脇役レベルだった多蕗でこれだけのドラマを違和感なく繰り広げるなんて。
伏線→表面化のプロセスが実に巧妙。
多蕗の指の傷跡や子どもブロイラー、OPの冠葉の舞い散るペンギンマークの意味。
数話前からずっと明示されていたけど意味がわからなかったものたちがつながっていく面白さ。
多蕗の過去や思想が明らかになったのは今回が初めてだったのに、その要素が伏線として前々から散りばめられていたから話が唐突で置いてきぼりにされてる感じが全くしない。
小説では説明描写が必要でサプライズ性に乏しく、マンガでは見落とされて読者に意識させづらい。
テレビ作品ならではの時間感覚を活かした技法だと思う。
同じ映像作品でも映画だと時間が限られているからこの手法は使えないだろうな。
90~120分枠では、どうしても予定調和な感じがしてしまう。
今回は多蕗メイン回だったけど、他の登場人物の描写も見逃せない。
大切な日記を落としてでもひっぱたくゆりからは多蕗への思いが伝わった。
真砂子さんにとって冠葉をマリオと同じくらい大切に思っていることも再確認できた。
中でも高倉家周りがかなり大きく動いたように見えた。
冠葉と陽毬は、陽毬の最期の告白したから今まで通りにはできないだろう。
冠葉としては陽毬のためならなんだってするという気持ちは変わらないだろうけど、その妹から『自分のために生きて。』と言われてしまったからには自分を捨てて無茶をすることはできなくなった。
といって妹のため以外に他にやりたいことがあるようには見えない。
ある意味、精神が不安定な今なら真砂子の言葉も届くかな?
晶馬は今回も何もできてないけど、傍観者という立ち位置がより鮮明になった印象。
屋上に着いたときのペンギンたちの立ち位置がそれを物語っているように見えた。
実際に兄貴が痛みを追っても家族を守っていることを目の当たりにした以上、今まで通りののん気で卑屈な態度ではいられないだろう。
今回の陽毬、それに桃果の自分の身を顧みない献身的な姿勢は美しかった。
しかし同時に超人的で怖さを感じた。
小説版ではいろいろ性格描写があるらしいけど、アニメ見てる限りでは健気な妹にしか見えない。
唯一、一人の人間としての性格を見せるのが悪役の眞悧先生と話してるときくらいってのは視聴者としては複雑だ。
苹果ちゃんの前でも見せてるんだけど、苹果ちゃんにとって陽毬は晶馬の妹さんって感じだからな~
そんな印象の苹果ちゃんの態度も、それを察してる感じの陽毬にも女を感じる。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。