『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』 第1話「 あばたろう」:感想

2022年3月6日
■最初に:筆者は井上敏樹アンチです。
・最近、言ってなかったので改めて書いておきます。私は本作品のシリーズ構成である脚本家「井上敏樹のアンチ」です。
詳細は省きますが思想レベルで合わないし嫌いです。ドンブラザーズの感想にも私情が多々混じる可能性が高いため、記事の内容にはバイアスがかかっている可能性が高いと思って読むほうが良いと思います。
以上、注意書き終わり。



■1話としては面白かった
・世界観や登場人物の人となりなどよくわからないところはいくつもありましたが、今回狂言回し役を務めていた黄色の子も状況を全然理解できずに戸惑うポジションだったため特に問題はありませんでした。
まだわからなくていいのだなと理解してしまえば、情報の出し方や展開の仕方に勢いがあるから1話としては引き込まれる部分が多かったです。ヒーローかと思ったやつが敵だったり、明確な人死にが描かれたり、思ったよりもハードな展開に驚きました。

・サングラスをつけると真の世界が見えるなんてSF映画の『ゼイリブ』みたいだなと思っていたら本当にそんな感じの世界観のようです。
*ゼイリブはGYAOで2022年の3月28日まで無料配信してるので興味がある方はどうぞ。ストーリはたぶん関係ありません。

・見ている間は人間が変身した怪人(公式曰く「ヒトツ鬼」だそうです)と卓球少年の怪人を殺した青いのは同じ種族なのかと思っていましたが別だそうです。
欲望に取り憑かれて騒がしい存在のヒトツ鬼を殺す青いやつ(「脳人」だそうです)。
欲望を肯定して笑い飛ばして昇華するドンブラザーズ。
というのが今作の対比構造なんですかね。そのうち公式サイトで「ネット社会の炎上や正義の名の下に行われるリンチが多い昨今に一石を投じる作品、それがドンブラザーズです!」なんて文章が載ってもおかしくなさそうです。

■黄色の語りはわりと辛い
・今回は主人公ポジだった黄色の子の独白が中心でしたが、これが続くと辛そうです。
単純に演技が下手で話の進め方も説明的に感じるのが辛いです。キャラクター造形がフィクション過ぎて実写で演じるにはきつく感じるのも有ると思います。あと2,3話で無くなるといいんですが。

・個人的に黄色の子のキャラが好きになれそうもないというのもあります。
露骨にデフォルメされた性格や尊大な態度のわりに個人的なことになると妙にナイーブだったり、いかにも井上キャラって感じで苦手です。

・演技の話だと、変身後の赤の台詞がマジで聞き取れないところが結構ありました。
巨大戦の「剣じゃないならプオエスだ!(プロレスだ)」など呂律が怪しくて聞き直さないと理解できない箇所がいくつかありました。
変身前だとわりと普通だったので番宣とかが酷かっただけで大丈夫なのかなと思っていたら変身したらやっぱりダメでした。聞きづらいし、喉が潰れそうな喋り方で不安になります。

■介人
・前作のゼンカイジャーの主人公だった介人がなんかいました。色が白黒になったゼンカイザーになっていました。平行世界的な感じなのか同一人物なのか何なのでしょう。

・個人的にはドンブラザーズ独自要素だけで手一杯な感じなので特に出す意義を感じませんでした。戦隊ギアのようなもを集めていたり、レッドが巨大戦で力を借りることを当然のことのように動じてなかったりしていましたが、ドンブラザーズの今後の話にも絡んでくるんでしょうか。

・戦隊ギアができるのがあれが初めてっぽいことが意外でした。
レッドもピンクも既に戦闘経験済みっぽかったのでもういくつか入手済みなんだと思っていました。ひょっとしたらあのケースに溜めてないだけなのかもしれませんけどね。


アクション

■生身アクションは復活?
・等身大戦のアクションは良かったです。特にレッドは従来のような身軽な動きと剣捌きでかっこよかったです。以前の戦隊のクオリティに戻るかもしれません。

■志はあるが身を伴わない
・CGは使い方自体は良かったと思います。
突然橋が現れて、ビルの間を渡っていくシーンは状況がダイナミックに変わって面白かったです。

・ただクオリティはやっぱり微妙でした。
崩れる橋を慌てて渡っていくシーンは実写合成のアクターさんの歩き方と崩れる足場のCGが一致しておらず、何もないところを踏み越えているように見えたりする箇所がいくつかありました。
レッドがバイクで戦場に乱入するシーンも、さっきまで入り乱れて戦っていた黄色やピンクと雑魚怪人たちが急に露骨に棒立ちになって違和感ありまくりでした。
キジはもう見るからにヤバいです。造形から細すぎて狂ってます。予想通りフルCGでずっとやるのは無理なので実物のスーツも使っていましたが、特徴的な細長い下半身を再現できないから上半身だけを映すようにしてあって違和感が強いし絵面としても単調でつまらなかったです。

■巨大戦:前作よりはマシだが客観的にはいまいち
・巨大戦も前作よりかはマシでしたが腕がめり込んでるように見えるカットがあったり、クオリティはいまいちでした。CGメインでやってるキッズ向けの他作品と比べても一線級とは言い難いと思います。

・敵がキグルミになったのは改善と言えそうです。
ゼンカイジャーはCGであるゆえに敵が毎回使いまわしで退屈でした。今回も部分的には敵もCGになっていましたが、敵のキグルミがあるなら予算が尽きてもキグルミだけになるだけで済むかもしれません。味方ロボのほうをCGでやるなら結局実写と噛み合わなくて微妙になりそうですがフルCGよりかはマシじゃないかと思っています。

■ドンゼンカイオー
・ゼンカイジャーの客演回で目にしていましたが、本編でもジュランと合体するんですね。
ジュランは道具扱いするわけにもいかないけどどうするんだろう?と思っていたら介人が召喚していました。無機質なロボ扱いは問題ないんですねぇ。

・個人的には続投は微妙な印象です。
ドンブラザーズ目線で考えると世界観から別物なのに続投するのは違和感が強いです。また介人の力を借りてることも自力じゃ戦えないみたいでドンブラザーズがかっこ悪く見えます。
ゼンカイジャー目線で考えると、ジュランが道具扱いされてることがダメだと思います。特に合体中でもペラペラしゃべっていたジュランが完全無言なのは違和感が強かったです。
どっち目線でもマイナス点が目立つ印象です。玩具の売り方の都合が大きいのでしょうが映像作品としてはメリットを感じません。

■アバタロウギア
・戦隊ギアはこういう名前になったようです。アイテム自体は前作と大差ないので特に思うところはありません。

・使われ方はいろんな意味で微妙でした。
ゼンカイジャーと言えば銃連射ですよね!という印象が全然ないので反応に困りました。ガトリングガンだから正しい解釈なんですけどゼンカイジャーではそういうのが無かったので…
この手のレジェンド要素では1話で前作のものを使うのが定番であり、ゼンカイジャーの個性が薄いのはゼンカイジャーの責任なのでドンブラザーズに責任を求めることができないから何とも反応に困ります。


次回は引き続き黄色目線で話を進めつつ、赤の説明をして主人公をシフトしていきそうな感じでした。世界観や登場人物のスタンスも不明な点が多いのであと数話は説明待ちになりそうです。


コメント

6 件のコメント :

  1. こんにちは。前作の反動もあるかもしれませんが、新戦隊の1話としては面白かったです。
    とにかく1話で提示したいものを詰め込んだ感じでした。
    ただ、伏線を張りまくってるのでちゃんと回収されるのかが心配ですが…
    今作のテーマであろう縁を上手く調理できれば良い作品になると思うので期待したいです。

    変身アイテムが前作を踏襲しているのと、ゼンカイザーの続投が残念なところですかね。
    ギアを回収していたので、ガッツリ物語に絡んできそうで…

    ピンクがアップになると普通のスーツになってたので、最初からそれでいいんじゃ…と思いました。
    主役がゴーカイチェンジのようなことをしていて、こっちの方が45周年戦隊っぽいなと。

    脚本家はジェットマンを見てないので詳しくは知らないんですが、わかりやすいものをかく人ではないなと感じました。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ただ、伏線を張りまくってるのでちゃんと回収されるのかが心配ですが…

      私は今回の内容は本筋には関係しないだろうと思っています。シリーズ構成の井上もプロデューサーの白倉さんも世界観や整合性に全然興味を持たない人だと思っているので。

      >ギアを回収していたので、ガッツリ物語に絡んできそうで…

      ドンブラザーズが介人の手下みたいな扱いになるのは嫌ですね。特にレッドが豪快な人物っぽく描かれているようなので違和感があります。

      >ピンクがアップになると普通のスーツになってたので、最初からそれでいいんじゃ…と思いました。

      1話からもう音を上げるならスーツのほうがマシだと思います。CGもしょぼいですし。

      >脚本家はジェットマンを見てないので詳しくは知らないんですが、わかりやすいものをかく人ではないなと感じました。

      私の偏った見解としては、基本癖の強いキャラにしか興味がない人です。またヒーロー嫌いなので正義と悪の区別すら特に描かれないと思います。

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  2. 感想お疲れ様です。
    私もowl様と同様に井上敏樹アンチなのですが、意外と1話は見れましたね。
    正直驚きです。詰め込みまくりの内容のお陰で余計な井上要素がなかったおかげでしょうか。
    とはいえowl様が感想で書かれている『思ったよりもハードな展開』は井上敏樹が最も苦手とするジャンルですよね
    (リアルな作風とかハードな作風ではなくてそういうのをにおわすことしかできない)

    >ネット社会の炎上や正義の名の下に行われるリンチが多い昨今に一石を投じる作品、
     それがドンブラザーズです!

    白倉Pがマジで東映公式に書きそうで吹きましたw
    少なくともなんかくだらない思想を語ってくれそうです。そんなんいいから物語面白くして、ね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >とはいえowl様が感想で書かれている『思ったよりもハードな展開』は井上敏樹が最も苦手とするジャンルですよね

      突き詰めていくとは私も思っていません。仮に井上がそのつもりだとしても戦隊の枠でこれ以上エスカレートさせていくことは許されないと思いますので。
      「この作品舐めて見てんじゃねぇぞ!」と気を引き締めさせるつもりでやったなら悪くない手だと思いますし、早速逆行するような流れになったら逆効果になってダメだと思います。

      >少なくともなんかくだらない思想を語ってくれそうです。

      1話の文章から早速アメコミヒーローがどうのとか余計な持論を繰り広げてますからね…

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  3. マルゲリータ2022年3月6日 20:55

    お疲れ様です。いよいよ始まりましたね。

    私はファイズもジェットマンも好きなので、井上さんが書くんだったら大丈夫かなぁ~と思ったのですが、早速ダウンしてしまいそうです。
    久々の戦隊で張り切ったのか、色んな要素がぶち込まれまくっていてとても混乱しました。
    第一話は単純明快な方が自分は好きなのかな、と改めて思いました。

    >ただクオリティはやっぱり微妙でした。

    橋の場面のCGおかしかったですよね。これから、フルCGのブラックも出てくるのに大丈夫なんですかね。

    巨大戦は、回路や基盤が見えたので「グリットマン」の戦闘を思い出しました。ああいう異次元空間での戦闘って魅力ありますよね。

    >ゼンカイジャーと言えば銃連射ですよね!という印象が全然ないので反応に困りました。

    改めてゼンカイジャーって薄い作品だったんだなと思いました。本編にもガッツリ絡んできそうな感じですが、不安です。
    そして、「戦隊の個性を出すには、やっぱりこれじゃなきゃ」とゴーカイチェンジに戻ってしまったのも残念です。

    ゴーグルのデザインがよく使われるのは、ゴーバスターズとなんか絡みがでる伏線だったりして。

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    1. マルゲリータさん、こんにちは。

      >久々の戦隊で張り切ったのか、色んな要素がぶち込まれまくっていてとても混乱しました。

      私はまとまっているほうだと感じました。だいたいのことが「これは今はわからなくていいこと」に分類されていて、当事者を務めた黄色の子のリアクションとも一致しているので素直に受け止めていけば問題ないように感じました。
      登場人物のエキセントリックさは井上なので最初から予想の範疇です。思ったよりキチガイじゃなかったのでむしろ印象が相対的に良かったくらいです。

      >橋の場面のCGおかしかったですよね。これから、フルCGのブラックも出てくるのに大丈夫なんですかね。

      ダメだと思います。どのみち予算も続くはずがないとも思っています。いつもどおり全てを投げ捨ててピンクもブラックも普通サイズの人型にする以外の選択肢があるのかは気になります。

      >そして、「戦隊の個性を出すには、やっぱりこれじゃなきゃ」とゴーカイチェンジに戻ってしまったのも残念です。

      チャレンジ精神という点では物足りないですね。私はレジェンドそのものの姿を借りる以上に良い使い方が思い浮かばないので許容範囲です。

      >ゴーグルのデザインがよく使われるのは、ゴーバスターズとなんか絡みがでる伏線だったりして。

      スーツや武器のモチーフはゴーグルというよりサングラスのイメージではないかと私は思っています。ゼイリブネタもたぶん最初からやるつもりだったのではなくデザインから思いついたのではないかと考えています。

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