『仮面ライダーセイバー』 第45話「十剣士、世界を賭けて。」:感想

2021年8月8日

■最終小競り合い
・クライマックスのはずなんですけどやってることが全部小競り合いなんで関心を持てませんでした。バトルは撮影には力が入っていましたけど雑魚相手だし、基本エフェクト任せでアクションしてるわけではないので微妙でした。雑魚との乱戦は立体的なカメラワークなど凝っていましたが、敵が全部同じで風景もだだっ広い平野だからせっかくの立体感が感じにくかったです。位置関係をわかりやすく把握できる建物や目立つ敵などが配置されていたらどこをどう進んで、どんな動きをしているのか瞬時に把握できて、「敵をかき分けながら突き進む」、「残る味方と進む味方」といったシチュエーションに合った映像になったと思います。もったいなかったです。

・中に入ってからは小競り合い以上に酷い展開でした。
一般通過剣士は笑ってしまいました。普通にシュールなだけでもどうかと思うのに、普段仲間だの絆だのと言ってるセイバーでやるのはダメだと思います。やるならいちいち立ち止まって加勢しようとして「ここは俺たちだけで充分だ!」という流れをやらないと収まりがつかないと思います。
尾上が一人で残るのと蓮が2回戦うのは意味がわかりませんでた。それができるならもう勝ててるか、最初から犠牲覚悟で飛羽真を先に行かせてると思うんですが。

・ソフィアがカリバーになるのもだいぶ意味不明でした。ユーリの二刀流のほうが強そうでしたし。あんな雑魚程度ならブラックホール剣で一撃じゃないですか? 
タッセルがまだ生きてるっぽいこともうんざりしました。

・蓮の決め技はデザストの必殺技の印象がないのでピンと来ませんでした。そもそもデザストが必殺技がどんなのだったか覚えていません。1回くらいしかまともに使ってないような?
デザストを優先してフェニックスの剣を無視するあたりが実にセイバーだなと思いました。聖剣が無駄に放置される姿は実に意味不明でした。せめて「大秦寺に治癒能力が効く(かもしれない)から」とか理由をつけられなかったのでしょうか。

・サーベラ兄妹も個人的には無いなぁと思いました。
「兄妹だけは守る!」って何が良いのか意味がわかりません。世界や使命を守るのがこの兄妹の全てじゃなかったんですか? 前より悪化しているように見えました。
まぁ「飛羽真に影響された結果です」と言われたら納得しますけど。それならそうなるでしょうな。

・ルナとストリウスの会話は唖然としました。
「飛羽真は新しい物語を作れるんだよ!(自称詩人のお前には無理だけどなwww)」と煽りに行っただけでした。そりゃストリウスもキレますよ。説得どころか敵のやる気を増しただけです。最悪です。しょせんガキのすることですか… これなら成長しなかったほうがシーンに合ってたと思います。

・結局、レジエルとズオスは元々はまともだったことになったんですね。まぁ二人にはドラマがないのでどっちでもいいんですけど。

■真面目に理解できなかった
・東映公式ページにあった設定説明が全然理解できませんでした。

ルナが飛羽真を英雄へと選ぶことも決まっていて、飛羽真が仮面ライダーセイバーとなることも決まっていて、英雄が滅ぶことで世界を終焉へと導くことも決まっている。それがこの世界の物語だと。

2000年前の巫女や、ルナを現す「世界を繋ぐ存在」とはあくまで人間側から見た捉え方に過ぎず、実際は「全知全能の書」から切り離された一部が、記された物語を進める主人公を誘導するために現世に遣わされた「物語の導き手」。

ルナが持ってきた飛び出す絵本「WonderStory」は、過去に起きた出来事や、近い将来飛羽真の身に起こる出来事などが描かれ、まるで飛羽真(炎の剣士)を主人公として扱っているかのように物語が展開してゆきます。
その運命に導かれるまま、飛羽真は数々の困難を乗り越え、仲間との絆を結び、次々とワンダーライドブックを獲得してきました。そんな飛羽真の主人公らしい行動、言葉、その全てが「物語の主人公」として書かれていたシナリオに過ぎなかったのです。
もちろん飛羽真本人も、仲間たちもこのことは知りません。いまの成果は彼らの努力の結果だと信じて疑う余地などありません。それは事実です。ただ、予め決まっていたというだけで。

一方、ストリウスは2000年前の主人公であったビクトールを利用して全知全能の書を読み、来たるべき終わりの時を待ち続け、遂にグリモワールを手にしたことで最後のシナリオの導き手となりました。

飛羽真が選ばれた主人公なら、ストリウスは選ばれることを望んだ悪役と言えるでしょう。

すでに結末が決まっている物語で、神山飛羽真を「私の英雄」と呼び、終わりへと向けて物語の悪役を演じきる。

彼の真意はどこにあるのか。

そしてルナが語った「飛羽真は私の知らない物語が作れる」ということ。
剣士であり小説家、神山飛羽真だからできることがあるはずです。


なんだそうなんですが、そうだったんですか?!
本編を見ていて私が解釈した内容とだいぶ違っていました。
ルナが飛羽真をセイバーにしたのは飛羽真にはオリジナリティがあるのが理由だと思いましたし、ストリウスは世界の運命が決まっていることに嫌気が差したからせめて自分オリジナルの結末で世界を終わらせようとしているんだと思いました。
ルナが飛羽真をセイバーにしたことも、ストリウスが今やってる世界破壊活動も全部予定のうちだったんですか。全然わかりませんでした。とんだ節穴ですね。


次回は賢神との小競り合いの続きと飛羽真がストリウスに負けるみたいです。つまり特に話は進みそうもありません。


コメント

6 件のコメント :

  1. 今週も感想お疲れさまでした。
    >真面目に理解できなかった。
    セイバーだけでなく、平成2期後期から微妙な仮面ライダーってすべてこれに尽きる気がします。
    制作サイドの中の理解を映像にする気がないせいなのかPレターで語れば語るほど
    そうだったの!!?ってなると言いますか。
    能力低いんだから無理に難しい話にするの一回止めた方がいい気がしますねー。

    >最終小競り合い
    owl様のおっしゃられるような感想を私も抱きました。
    結局のところCG演出を含めた戦闘に監督が付いてこれてないのが東映の限界な気もします。
    起伏や印象となる立体物が必要と感がるとこれもPの力も必要なのかな?
    また、これも平成2期後期からの弱点でゼロワンでも酷かったのですが
    場面転換を使うことで目まぐるしくしたいのか盛り上げたいのかわからないのですが
    視点があちらこちらに移るので、良い展開になりそうでも悪くなってしまうというのもあると思いました。

    早く終わって欲しいですが来期も果たしてどうなるやら……
    物語に没入できるライダーが見たいですね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >能力低いんだから無理に難しい話にするの一回止めた方がいい気がしますねー。

      やるならちゃんとやる。できないと思うならできる範囲のことをやる。それが基本だと思いますね。やりたい話とやれる話の区別をつけるのもプロデューサーの仕事だと思います。

      >起伏や印象となる立体物が必要と感がるとこれもPの力も必要なのかな?

      「予算の確保」という点ではプロデューサーと言えなくもないと思います。元々建物がある場所の撮影は許可が取りづらいですし、ワイヤーなども使いにくくなるので撮影自体の手間や難度も上がるでしょう。

      >場面転換を使うことで目まぐるしくしたいのか盛り上げたいのかわからないのですが
      視点があちらこちらに移るので、良い展開になりそうでも悪くなってしまうというのもあると思いました。

      私も苦手なほうですね。左右に振ったりやぐるっと一周するくらいの左右の動きならともかく、上下の反転など上下方向の動きが加わると凝視すると気持ち悪くなるし、注視しないで見ると何が起きてるのか理解できません。

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    2. 返信ありがとうございます。
      >やるならちゃんとやる。できないと思うならできる範囲のことをやる。それが基本だと思いますね。やりたい話とやれる話の区別をつけるのもプロデューサーの仕事だと思います。

      これに尽きますよね。ここら辺のバランス感覚がほとんどのPでない印象です。

      よろしければ再度返信を頂きたいのですが、私が書き込ませていただきました
      場面転換は戦闘だけでなく、物語展開の方もなんです。今回で言うと
      戦闘→別の場所での会話→戦闘→別の場所での会話となり、最低限戦闘→次の戦闘くらいに
      すればいいのになーといいますか、こういうところが本当にへたくそだと思うのです。
      複数登場人物の複数視点をやろうとしてダメになる(これも出来ないならやるなでしょうか)
      ゼロワンなんかもこういう構築だったと思うのですが、owl様はどう思われているでしょうか?

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    3. >場面転換は戦闘だけでなく、物語展開の方もなんです。

      すみません。私が誤読して別のことを答えていました。

      場面転換に関しては下手くそだと思います。
      この辺は場面転換が下手というよりは、「多人数を扱うのがド下手」、「複数の話を並走させるのがド下手」といった点から派生した問題だと
      私は考えています。ストーリー自体がめちゃくちゃなら場面転換もめちゃくちゃになるのは道理でしょう。

      次点で「販促を入れるのが下手」も影響していると思います。
      販促やバトルをストーリーに組み込まずに話を作るから販促の前後で流れがぶつ切れになり、それに伴って場面転換をしないといけない事例も少なくないと思います。

      改善するとすればストーリー構成そのものからやるべきで、枝葉にこだわる必要はないと考えています。

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  2. 四賢神との決着をここまで引き延ばしていいものかと僕は思いましたが、owlさんはどう思われましたか?どうせ倒されたら復活することもないと思うのですが...。そもそもなぜストリウスが復活させたのか今でもわかりません。ですから何とも言えないです。僕の記憶が確かならマスターロゴスに頭の固い老いぼれって言われていたのは間違いないと思うんですけどね。ストリウスはマスターロゴスに馬鹿にされてた神に期待してたってことでしょうか?長くなってすいませんでした。

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    1. >四賢神との決着をここまで引き延ばしていいものかと僕は思いましたが、owlさんはどう思われましたか?

      引き伸ばすも何もまだ登場してから2話なので全員倒されるほうが早過ぎると思います。私はそもそも「敵を増やす必要があるの?」と登場したこと自体を疑問に思っていますし、

      >なぜストリウスが復活させたのか今でもわかりません。

      理由は理解しようがないと思います。全知全能の書の力でメギドか何かを生み出すのではダメなのかもわかりませんし、逆に賢神を素材にすることがベストではないという根拠も見当たらないと思います。
      老いぼれ云々は「若返らせて全盛期以上の力を与えた」と言っていましたから判断材料にはならないと思います。1の力しかなかった人に1万パワーを追加してもこの表現は成立しますからね。

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