『仮面ライダージオウ』 第43話 「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」:感想

2019年7月14日

■がっかりな種明かし
・初耳なことだらけで説明にしかなっていませんでした。普通だったら「そうか、あれはそういうことだったのか!」となるのが種明かしの面白さですがそんな感覚は1ミリもありませんでした。延々と引き伸ばした挙げ句にこれではうんざりにも程があります。

・俺たち一族は別の時間から来た
→”別”ってどこ? 改変された現代に元の現代、オーマジオウのいる未来に白ウォズのいた未来の可能性の一つ、果てはディケイドの世界まで無数にあるんですが? 同じであることがほとんど無い世界で別と言われても何の尺度にもならないと思います。

・一族の”王”
→王ってどういう意味? 一族の中だけの話ならソウゴたちに関係ないんだけど。世界の支配者って意味ならオーマジオウはどういう存在なの? 王がいたのに魔王が誕生したってどういうこと? 

・スウォルツのこれまでの行動も意味がわかりません。
話の感じからするとツクヨミが生きていたことは予想外だったようでした。ということはつまり今回やったようにツクヨミから力を吸収することは元々の計画には無かったと考えられます。だとすると当初の予定では何をどうするつもりだったのでしょう?
現状だと「王になるためにすごい力が欲しい。でも何すればいいかわかんないから適当にアナザーライダーを作ってればそのうち当たりが出るかも」くらいにあてもなく行動していたように見えてしまいます。
今回の感じだとディケイドから力を奪うことが目的だったのかなとも思えますが、しかしディケイドは13話から登場しているわけですからあんなにあっさり奪えるならさっさと奪っておけば済んだはずです。これも意味がわかりません。
いずれにしてもソウゴを生かしておく理由が見当たらない点も謎です。今のところソウゴ/ジオウを放置しておく理由が見当たりません。何がしたかったんでしょう?
無難に行くならアナザージオウ2ウォッチを活かして「ジオウとはすなわち”時の王者”!その力を吸収すれば俺の力は更に強まる。ここまでアナザージオウを育ててくれてありがとう、常磐ソウゴ」とかやっておけばいろいろ丸く収まったでしょうに。

・設定自体も相変わらず意味がわかりません。
ゲイツもツクヨミも時間が書き換わったから記憶が無くなっていたのに、加古川を倒して元に戻ったら元に戻るだけでなく、書き換わっている間の記憶も維持しているようでした。この理屈でいくとレジェンドライダーは変身できないだけで昔の記憶を維持できているのではないでしょうか?
普通だったら設定が混線するのを防ぐためにゲイツとツクヨミは状況を理解しておらず、後からソウゴやウォズが説明して何が起きたのか情報共有させる場面だったと思います。

■ドラマなんて無い
・種明かしを除くと個々数話の内容はもっと酷かったです。キャラ中心に動いていた話なのにドラマが皆無でした。
ゲイツとツクヨミは意味不明にちょろいし、ウォズの裏切りも特に爪痕を残さず、アナザーおじさんとソウゴは和解も無いまま終了で何の広がりもありませんでした。基本同じだけど別人な平行世界のキャラを出しておいてこんなに何の掘り下げもないなんて奇跡的だと思います。

・ウールとオーラも過去の経緯を踏まえると理解しがたいです。
ウールはキカイのときにオーラに裏切られて死にかけたことを忘れていたようでした。完全に歴史が書き換えられていました。
ウールがオーラを助けるにしても「裏切られた者同士」という関係でスウォルツを倒すため、あるいはそもそもの目的であろう「(オーマジオウ/スウォルツの脅威から)生き残るため」に協力するとかやりようはあったと思います。

・加古川はもうゴミとしか言いようがありません。無駄に蒸し返して何の進展もなく処理しただけです。
以前は説得に失敗していたと言うのなら今度は成功するのが普通だと思います。それが「みんなの迷惑だから倒す」で終わりでは何の救いもありません。これでソウゴが良い王様になれると信じろと言われてもマイナスにしか働きません。

■バトルものの基本がなってない
・今回のバトルも最低でした。
アナザージオウ2は時間を戻す能力も使わずにやられていました。敵の能力で負けたことがあるならその能力を何かしらの形で上回って勝つのがバトルもののセオリーだと思います。それが使いもしないで普通に負けるって… こんな手抜き勝負じゃ盛り上がりません。



次回は仮面ライダーアクアが登場するようです。見かけるのはムービー対戦メガマックス以来です。
でもジオウだから喜べません。また「これなら出ないほうがマシだった」と思うような内容でしょうからね。脚本も信頼と実績の下山さんです。
スウォルツのアナザーディケイドも「オーマジオウが残ってるからどうせやられるんでしょ?」と「スウォルツがラスボスになっても困る…」で全然興味が持てません。


コメント

6 件のコメント :

  1. 此処まで酷いとなると、逆に何故?という気持ちにもなってきます。
    制作サイドが面白いと思って作っていないことを望みます。
    玩具売れればいーだろ、ライダー続けばそれで良いじゃん?そんな手抜きであって欲しい。
    でなければもうライダーはこのままずっとジオウみたいなのが続くのでしょう、南無。

    視聴お疲れ様でした。

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    1. そんなふうにも思いたくなってきますね。そうでなかったら救いがありません。

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  2. 更新お疲れ様です。

    ”王”だの”一族”だのなんかキバの終盤を彷彿とさせる展開ですね。よりによってダメな方の過去作をお手本にしなくてもいいと思うんですが…
    スウォルツは無駄に初期から出てるキャラなんで色々辻褄が合わないんでしょうね。新キャラにしてしまうとか、謎の存在が突然憑依してこうなったとかきっかけを明確にしてしまえば良かったんじゃないかと思います。

    おじさんをクローズアップしたわりに何もなかったですね。尺埋め用のギャグパートというだけだったんでしょうか。キャラはそのままで平行世界って夏映画でよく使われる設定ですが、普通はTV本編での関係性を感じさせたり、別の状況・立場になることでキャラの個性が見えてきたりするものですが、ゲイツもツクヨミもいつも通り空気かつソウゴに従順なだけでしたね。時間の書き換え・記憶の有無の設定もぐちゃぐちゃです。

    ウォズは今回は敵についたふりをしていたようですが、もとの未来で裏切っていたのもスウォルツの件と関連しているんでしょうか。
    今回の立ち回り自体は許容できるんですが、ツクヨミを助けに颯爽と登場した瞬間吹っ飛ばされて壁にぺちょーんと張り付いてて変な笑いが出ました。戦闘ではギンガで敵を一掃してましたがそういうイメージがついてて素直にかっこいいと思えません。

    バトルも酷いものでしたが、W・555アーマーの戦いは久しぶりに個々のアーマーのそれっぽい動きもあっていくらか楽しめました。ですが最後の乱戦は、集結した状態の画そのものは迫力がありましたが、手持ち無沙汰でうろうろしてるアナザーライダーたちとか目も当てられないレベルでしたね。アナザージオウ2との決着のつけ方もなんの工夫もなく斬ってキックしておしまいでしたし。

    今回アナザークウガ・龍騎・WはTVシリーズ初登場でしたが(CM等でご覧になってると思いますが)どう思われました?アナザークウガの造形と動きのキモさに自分はかなり衝撃を受けたんですが、クウガ本編のテーマに沿っているとも思えて嫌いではないです。Wの顔が左右に付いているデザインも横から撮った時に面白くて好きです。

    加古川がシロツメクサの中に転がってる絵面はまさにゴミでしたね。ソウゴの「時間を書き換えるなんて許さない!」も「俺はいいけどお前はダメ」みたいに聞こえてまったく説得力なかったです。ソウゴが王になる(予定の)世界なら平和になるはずとは信じられません。他キャラにも言えますが、役者さんを拘束し、珍妙な衣装を着せ、やることがこれなんて恐ろしいです。

    士の扱いも前回ちょっとカッコよかったんで期待したんですが斜め下でした…各ライダーにカメンライドしてアナザーたちを倒すかと思えばただ斬るだけ、海東の付け焼き刃の時止めにやられてスウォルツごときに力吸われてゴミ(加古川)の横に同じく転がってる姿なんて見たくなかったです!ジオウ単体の話に引きはなくディケイドの存在で持ってるようなものなのにこの仕打ちはあんまりです。今後挽回してくれることを祈ります。

    アクアは劇場版の本人が演るんですね。未来のライダーという設定はジオウに合ってますし、扱ってくれることは嬉しいですが、映画の内容を踏みにじるようなことにならないといいですね…

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    1. >”王”だの”一族”だのなんかキバの終盤を彷彿とさせる展開ですね。よりによってダメな方の過去作をお手本にしなくてもいいと思うんですが…

      私はキバの問題点は王や一族といった設定にあると思っていないので特に言えることがありません。

      >新キャラにしてしまうとか、謎の存在が突然憑依してこうなったとかきっかけを明確にしてしまえば良かったんじゃないかと思います。

      これだけ積み重ねがない展開をやるならそのほうがマシだったと思います。

      >ウォズは今回は敵についたふりをしていたようですが、もとの未来で裏切っていたのもスウォルツの件と関連しているんでしょうか。

      オーマジオウ周りの話がわからないので何とも言えません。オーマジオウ善玉論ならば説明は簡単につきそうですが。

      >ですが最後の乱戦は、集結した状態の画そのものは迫力がありましたが、手持ち無沙汰でうろうろしてるアナザーライダーたちとか目も当てられないレベルでしたね。

      多人数になるとどうしてもスーツアクターさんの質が下がるんですよね。空振りしているように見えるところがあったり、本来なら「敵の攻撃を剣で受ける」はずがタイミングが合わずに「剣の置いてあるところに敵の攻撃が来る」ように見えてしまったり散々でした。こういうことがよく有るので数を並べるオールスターものや混戦は止めたほうがいいと思います。

      >今回アナザークウガ・龍騎・WはTVシリーズ初登場でしたが(CM等でご覧になってると思いますが)どう思われました?

      劇場版を見ていないので実際に見るのは今回が初めてでした。
      アナザークウガはまぁ予想どおりでした。まともに戦わせるには無理があるのでときどき謎ビームでお茶を濁すアトラクションと化していました。見ていて「アナザークウガというか”アナザー仮面ライダーJ(春映画仕様)”だな」と思いました。
      Wは匿名さんも思われたように横からの外見が面白かったです。動きも作中での存在意義も無かったので外見以外は特に思うことはありませんでした。

      >扱ってくれることは嬉しいですが、映画の内容を踏みにじるようなことにならないといいですね…

      私はジオウスタッフがやるという時点で諦めています。

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  3. 3話使って話を蒸し返すだけ蒸し返し、やった事はディケイド組と最強フォームの敗北シーンをやっただけ...。何がしたかったんでしょう。3週ほど他のレジェンドを呼べないから誤魔化したかったんでしょうか。

    何気なーくゲイツリバイブとギンガウォズがアナザーライダー倒してましたが良かったんでしょうか。中盤のダブル・ファイズアーマーが完全に茶番です。
    気づけばもう43話、あと5,6話程度で終わるんですがアクア出してる尺なんてあるんでしょうか。スウォルツ(アナザーディケイド)、タイムジャッカー、オーマジオウ、ゲイツと決着つけなくてはならない筈なんですが。

    アクアはアナザーライダーを作りやすい(ポセイドン)し設定としては美味しい立場なので、外伝作品でじっくりやってほしかった所です。

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    1. >何がしたかったんでしょう。3週ほど他のレジェンドを呼べないから誤魔化したかったんでしょうか。

      ただの穴埋め、でなければスタッフは面白いと思ってこれを作ったのでしょうね。どちらも救いようがないので他にまともな正解があると良いのですが。

      >何気なーくゲイツリバイブとギンガウォズがアナザーライダー倒してましたが良かったんでしょうか。

      あれは加古川製の実質的には”別物”のアナザーライダー、略してアナザーアナザーライダーなのでたぶん問題ないのでしょう。別の歴史を辿ったはずのゲイツがリバイブを持っていることに比べれば些末な問題だと思います。まともに考えると「あのゲイツはジオウ=加古川を殺そうとしたが普通に負けた」となってしまいます。

      >スウォルツ(アナザーディケイド)、タイムジャッカー、オーマジオウ、ゲイツと決着つけなくてはならない筈なんですが。

      スタッフがそう考えているとは限りません。決着なんてそれぞれ10秒あれば充分と思っているかもしれませんよ。タイムジャッカーなんてスウォルツ1人で実質もう解散済みですし。

      >アクアはアナザーライダーを作りやすい(ポセイドン)し設定としては美味しい立場なので、外伝作品でじっくりやってほしかった所です。

      最近の東映は外伝出すの好きですから後で出るかもしれませんよ。ただし、スタッフはジオウ関係者になる可能性が高いですが。

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