【ストーリー】

■予想の斜め下
・私がこれはつまらないだろうと思っていた展開の中から選んでいきました。
ずっと探していたはずなのにこれまで誰も触れてこなかったゲムデウスやクロノスに、最初からやらなかったことが不思議でしょうがないラブリカへのリプログラミングなど、エグゼイド定番のワープ展開だけでも開いた口が塞がらないのに長期的展開まで放り投げました。
これまで戦ってきた敵やドラマと決着をつけないうちに次の展開に入るとか無いです… ダラダラしたトロフィー集めなんて退屈な展開の免罪符になっていたのはいずれ決着がつくことのはずです。それが何も終わらないまま、また当分決着のつかない助走期間に入るとか無いです。
ラブリカなんて能力といい、幹部じゃなくて2話の前後編で出てくる一発屋の怪人みたいな扱いでした。黎人もグラファイトも生き返ったので、現状だと九条が死んだことと途中で出てきたラブリカが退場しただけで状況の変化がほとんどありません。
登場人物も永夢は相変わらず何を考えているのかわからないし、飛彩や大我は全く進まない過去の話ばかり。変化があった部分は主に黎人やニコなど突飛なキャラクターが関わった部分くらいです。これなら私の嫌いな平成1期の頃の主要人物におかしな行動をさせてネタにしたり、唐突な展開を入れてくる構成のほうが主要キャラにつながる分だけまだマシです。

・個人的にはプレイヤー視点のキャラがいない状況で製作者のエゴの話が中心になることが不思議です。
「そんなのクソゲーじゃないか!」と言えるキャラが主要人物の中にいません。誰もゲームを楽しんでいるキャラがいないからです。遊びは主催者がいても参加者がいないと成立しません。本編に映らないモブキャラしか参加者がいないのでは製作者の話をされてもドラマが成り立つはずがありません。
CRの目線だと「つまらなかろうがクリアの見込みがあろうがなかろうが被害を防ぐためにはクリアするしかない」という状況であり、クロニクル開始時点から何も変わっていないと思います。私には話のつながりが一向に見えてきません。何のシナジーがあるのでしょう?

■撮影と脚本
・致命的に噛み合わない情景が続いていたのは誰の責任なのだろうと不思議に思いました。

・一つ目は冒頭の戦いとその後の会議が全く噛み合っていないことです。
前回の内容に反するゲンム抜きでの戦い自体がおかしいのはもちろん、その後の会議ともつながっていません。「これから戦うのは上級バグスター3体」ってその3体とさっき戦ったばかりで関係者も全員現場にいたから確認する意味がないでしょう。これなら会議から始めて途中で通報が入って冒頭の戦いにつなげるほうが断然自然だったと思います。あるいは院長や審議官など状況を把握できていない人物への報告という形にするのが普通でしょう。
脚本上にはなかった戦いを無理やり入れたのかと思うようなおかしな流れでした。

・もう一つはクロノスの変身シーンへのリアクションです。
黎人たちの驚くタイミングが不自然に見えました。黎人はバグルヴァイザー2のこともクロノスのガシャットのことも知っていたはずですし、バグスターたちもバグルヴァイザー2を使うことがあり得ないことは間違いなく知っていました。
それなのに変身が終わるまで誰も何もリアクションを見せないのはおかしいと思います。黎人たちはベルトを取り出した時点で反応し、永夢たちは変身した後に反応するのが自然なはずです。
これも脚本の時点でおかしいのか、撮影スタッフが脚本の意図を理解できていなかったせいなのか何が原因なのだろうと疑問に思いました。

・それと個人的には、クロノスとゲムデウスの説明が終わった直後の永夢の発言もおかしいように聞こえました。
「望むところです!」という言葉は希望が見えない状況で使う言葉ではないと思います。戦闘狂など空気を読まないサイコパスにしか似合わないと思います。数ある前向きな台詞の中からどうしてこの言葉を選んだのか理解できません。普通だったら「お前って本当に馬鹿だな…」と永夢の言葉選びの下手さに呆れられてもおかしくないシチュエーションに見えました。それが普通に良いことを言ったような雰囲気になっていて意味がわかりませんでした。

■永夢
・院長の命とかいい出したときには耳を疑いました。
1話の頃からずっと患者や一般市民の命は脅かされ続け、一戦一戦に人の命がかかってきたはずなんですがいったい何を言っているんでしょう?

・ここまで作中での物証が積み重なると「永夢が一番大切にしているのは患者や命ではなく『患者や命を大切にしている(と思い込んでいる)自分』。そしてその考えはそのときどきでころころ変わる」というのが作品からの回答なのかもしれないと思えてきました。

■飛彩
・キャラがおかしいといえば飛彩の話も理解しがたかったです。
「誰の背中を見て医者を志したと思っている」って、今の院長は大勢の患者や予備軍よりもたった1人の死人と息子を優先していて医者としては最低だと思うんですけど…?
それに序盤の医者として飛彩のスタンスは患者個人には関わらずに治療だけ行うという主義だったはずです。個人優先の院長を手本にしたのならそんなふうにはならないと思います。
いったいどこが納得できる良い話だったのかさっぱりわかりませんでした。


【アクション】

■クロノス
・見た目はいかにも売れ線という感じでした。
ゴーストのグレイトフル魂もこんな感じでした。ああいうのはやっぱりかっこいいですね。

・クロノスも顔がエグゼイド、というかマイティに酷似していましたが、どんな意味があるのだろうと思いました。
ゲンムはプロトマイティですし、マイティブラザーズは派生作と思われるので似ていても特に不思議だと思いません。しかしクロノスは今のところマイティとの関係が見当たりません。永夢たちも何も言わないので既存のゲームのキャラクターではないのでしょう。はたして「マイティは会社の代表キャラだから」というだけなのでしょうか?


・アクションでは回し蹴りのライダーキックが一番印象に残りました。
テレビシリーズのライダーではカブト以来でしょうかね。一時的に敵に背中を向けることになるところが余裕と余裕に裏打ちされた強さを感じさせます。

・時間を止めるのはアクションとしてはつまらないです。
予算の都合で自然とそうなるでしょうが早く無くなってほしいです。



次回の監督の田村直己という名前に見覚えがないから調べてみたら、カブト~Wの頃に各2話ずつ臨時で登板していたようです。今回もそういうゲスト参加なのですかね。