■引き伸ばし
・前回の次回予告とは裏腹に全然内容がなかったです。
永夢vsパラドは前回の延長線上で新しい要素がなく勝敗も同じでした。メインストーリーである永夢やパラドが動かないなら飛彩たち脇役が動く絶好の機会のはずですが、そちらはテンプレ描写で掘り下げが全くないまま終わりでした。
そうなると消去法で考えて今回の見せ場はポッピーや黎斗のほうのはずなんですが、やったのはダイジェスト展開と黎斗が喚くだけでした。
ラスト5分のあれだけで30分見た甲斐があったと思ってもらえるとスタッフは思っているんですね。スタッフの価値観との相違が著しいと再確認させられました。

■永夢
・ゲーマー適性は全部パラドのおかげだと強調していました。とすると、「天才ゲーマー」の肩書が外れた永夢に何が残るのかが焦点になると思います。
ここで疑問に上がるのが社長に送ったゲームのアイディアです。あの時点ではバグスターウイルスに感染してないから素の永夢の実力のはずです。天才ゲーマーではないけど天才クリエイターだったとでも言うのでしょうか。

・でもこれは通らないはずです。
クリエイターの保さんを無視してプレイヤーである大我がゾンビ対策ガシャットの発案をしていましたし、2クール目での黎斗との敵対もクリエイターvsプレイヤーといった構図ではなかったと思います。永夢を天才クリエイターとするには今までの積み重ねと衝突してしまうと思います。

・となると、永夢は医者としての目線か個人としての目線から天才ゲーマーのパラドに対抗しなくてはならないはずです。 しかし医者としても一人の人間としても明確な個性を打ち出せてきたとは思えません。

・医者としての永夢は行き詰まっていると思います。
元々「天才ゲーマーで医者」としてオペを行ってきましたが、それはパラドの持ち味だったのでもう使えません。研修は適当に流されたので医者としての経験は普通以下で、実績豊富なはずの飛彩や大我に劣るはずです。

・残るは人格面ですが、これも怪しいと思います。
「患者のストレスを重視すること」が永夢の個性だったはずです。ですが最近のクロニクル患者に対しては患者と特に向き合おうとせず、「とりあえずバグスターを倒して治せばいい」と以前の飛彩と同じ態度になってしまっています。人格を後に活かす気ならクロニクルのときでも「自分のプレイでゲーム病を治せるなら自分でやりたいですよね。その気持ちわかります」など患者に寄り添う姿勢を見せていたはずです。この点では飛彩のほうが患者重視にシフトしていて永夢の出る幕がなくなっています。

・この状況で天才ゲーマーの肩書を外された永夢に何が残るのか不思議です。この先どう話を進めるのでしょう?
「全てを失ったことで逆に医者になりたいという元々あった思いが強まる」という話もできないでしょう。今の状況に必要なのは人を救える医者であって、有るのはやる気だけの医者志望ではないからです。人格の描写や成長が描かれず、天才ゲーマーの肩書だけで乗り切ってきた永夢で何をどうしたら物語として成立するのでしょう?

■価値観が合わない
・善悪の基準や命の扱いも個人的には不思議でした。
ポッピーの目の色が変わった話は恐らく医学におけるウイルスの悪性、善性にかけているのだと思いますが、価値観としては全く理解できませんでした。
目の色の話は「この前までのポッピーは悩んでいようが悪性だから悪のままで、今のポッピーは善性だから善です」って意味になってしまうように聞こえました。善悪とはそんな1か0かで語れる話ではないと思います。そんな割り切り方では闇医者の大我は闇医者というだけで悪党になるでしょう。エグゼイドではそうはなっていないはずです。

・作劇としてはそれを語るのがポッピー本人というのが理解に苦しみます。
自分で自分のことを語っても客観性はないから語る内容に客観性を持たせたいなら他人の飛彩にでも説明させるのが普通です。
語り口が適当なように見えて、ちゃんと考えてないんじゃないかと心配になってきます。悪の抹殺を目標に掲げるヒーローもので善悪の基準は適当だと公言することはあり得ないと思うのですが、どういうことなのでしょう。

・復活した黎斗の扱いも不思議でした。生前と同じ人間として扱われていましたが、私にはそうは思えませんでした。「元人間がバグスターになった存在」という印象で、永夢たちが黎斗を人間扱いすることが不思議でした。
バグスターと同じように死んでも生き返れるデータ生命体って、それはもう人間の定義には当てはまらないと私は思います。永夢がそんな黎斗が語る命とゲームをやりたいわけでもない一般人の命を同列に語ることが理解しがたいです。私だったら「お前の身勝手な考えを他人に押し付けるな!」とはねつけます。

・もしもそんな存在が作中では人間として扱われるのなら、逆にバグスターも人間扱いされてしかるべきだと思います。これは「悪性のバグスターだから問答無用で殺すのが当たり前」と公言してきた経緯と反するように見えます。作中での価値観がどうなっているのかさっぱりわかりませんでした。

■リプログラミングの効果
・以前リプログラミングをくらわせたモータスのバイクに乗る能力が今回もなくなったままでした。どうやらリプログラミングの効果は永続で間違いないようです。
しかし今度はバイクに乗るのと遜色ないほどの早さで走れるようになっていました。これが不思議です。
能力を初期化しても後で埋め合わせられるなら、リプログラミングの効果は大したことないように思えてきます。簡単に消せるならともかく、必殺技級の攻撃を当てないとリプログラミングできないのでは有効性が低いでしょう。

・もう一つ疑問に思ったことがあります。
リプログラミングが万能でないとすると、マキシマムゲーマーがレベル99になった理由は何だったのでしょう?
素材は保さんのゾンビ対策ゲームと九条の残したリプログラミングのデータ、それとドライバーやガシャット関連の基礎技術なので大幅なレベルアップは見込めそうもありません。そんな簡単にレベルを上げられるなら飛彩や大我用に高レベルのがシャットを用意しているはずです。
リプログラミングで自分のレベルを書き換えるくらいのことができるのかと思っていましたが、そうでもないようです。あれもパラドのおかげだったのでしょうか?


次回は新人監督の上堀内佳寿也さんがライダー本編に初めて登板するようです。
経歴を見ると、ゴーストのBR特典の短編『アラン英雄伝』やVシネの『スペクター』の監督を務めた人だそうです。私はまだどれも見たことがないので上堀内佳寿也さんは次回が初めてです。ライダーの撮影や映像に関しては下り坂の一方なので新しい風を巻き起こしてくれることを期待します。