『動物戦隊ジュウオウジャー』第13話「山頂の目撃者」:感想

2016年5月8日

【ストーリー】

■路線転換?
・全体的にコミカルを意識した軽めの描写が増えてきました。最初は監督の影響なのかとも思ったのですが、話全体もそんな感じだったのでどうやらそういう路線になったようです。
アザルドが仕掛けた罠なのに殺傷能力のない泥水があったり、作戦も大地のエネルギーを吸って近隣の植物を枯らすなんて即効性も大規模効果もないものだったり、これまでの印象との食い違いで違和感を感じるところがいくつかありました。この程度の変更は戦隊では珍しくありませんが、1クール目のジュウオウジャーのストーリーが一貫した方向に向いていただけにギャップに戸惑います。

・レオと大和のやり取りは良かったです。
本人が意識的にやろうとしたことでは評価されず、無意識にやってきたことが評価されるというのは実際によくあることだと思います。同時に口に出して評価されにくい部分でもあるので、そこを自然に褒められる大和の印象が上がりました。その後に二人で協力して敵を攻略するシーンも「仲間、群れ、戦隊」といったキーワードが自然に頭に浮かんできて良かったです。

・ゲストがアイドルなことに関して不安でしたが、上手くやっていたと思います。
目立ちすぎず埋没もせず、どこにも角が立たないようにできていました。上手くノルマを乗りこなしてくれると安心できます。

・今回の見せ場と思われるレオと大和のシーンから判断すると、香村さん自身の目指す方向は変わっていないように見えました。周りの意向と香村さんの方針が上手く調和するポイントを見つけてくれると良いのですが、今のところは香村さんのペースを乱されているように感じます。


【アクション】

・銃の特徴的な弾の軌跡を活かしたアクションが面白かったです。普通の銃弾よりも目につく弾ならではの映像でした。

■キューブクマー
・「ベアー」じゃなくてクマなんですね。
英語読みなのはボディに使われるメイン級だけで、換装武器のキューブアニマルは日本語読みという縛りがあるのでしょうか。

・入手過程が面白かったです。
いつもの突然飛び出してきたり、拾っておいたキューブが活性化するよりも省時間&自然な流れで良かったと思います。
「どうしてキューブベアーは変形したまま長い間あんなところにいたのだろう?」という疑問はありますけどね。たいていエネルギー切れとか設定付けられるものですが、ジュウオウジャーは不思議と設定を示してきません。さっさと説明しておいたほうが楽だと思うのですが、何か理由があるんでしょうかね。そもそもジューランドの存在であるはずのキューブアニマルが地球上に多数存在していることも謎ですし、鳥男がジューランドを嫌う理由とも関連していそうに思えます。


次回はタイトルがジュウオウジャーのノリと違うなと思っていたら荒川さんでした。
これまで登板した回が微妙だったので少し不安です。


コメント

6 件のコメント :

  1. 最近では”夏のギャグ回”なんて用語も使われなくなりましたが、ジュウオウジャーも山場を越えて中だるみして視聴者が飽きないように、ギャグを多目にしてるかもしれませんね。今までの不安にけじめをつけて前向きになったので、タイミングとしては自然です。
    それと山一つの植物が丸ごと枯れると、苦しむ生き物はそれなりにいる気がします。1話から動物を含めた全生物を標的にしてるデスガリアンだから、自然破壊もありなのでしょう。

    「レオが全部罠にかかってくれたから」は、一見レオの失敗に踏み込んだチクリとするセリフですが、それを通して失敗にも意味があったからむしろ助けられたという風に持っていく流れは、納得できました。

    ゲストのアイドルをレオと大和で取り合う展開になってたら悪影響でしたが、レオが大和に託したことで今回は程よくヒロインしてましたね。

    キングソード落とされたから斧岩を使う→キューブクマーになる
    これは二重の意味で驚かされました。キューブアニマルの謎については、その所在地をたどっていそうな鳥男を追って解いていく感じでしょうか。

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    1. >今までの不安にけじめをつけて前向きになったので、タイミングとしては自然です。

      タイミング自体は悪くないと思います。
      個人的には新展開幕開けの12話の冒頭で、4人に心境の変化があったという前振りを入れておいてほしかったです。現状だと「まぁ気持ちに変化があったのだろう」と後追いで納得する形になっているのであまりよろしくありません。

      >それと山一つの植物が丸ごと枯れると、苦しむ生き物はそれなりにいる気がします。

      個人的には今までと比べて規模が小さいように感じました。
      今までの傾向だとデスガリアンの作戦は大きく分けて2種類に分けられると考えています。
      1)即効性のあるもの(殺人、人同士を戦わせる)
      2)大規模なもの(殺人植物育成)

      どちらもジニスにとってどう楽しいかは明らかです。その点、今回の作戦は実行までに時間がかかる内容で、それでいて規模は山一つと近隣のみと大規模でもありません。惑星単位で遊び場にしているデスガリアンとしては物足りないように思えます。そこに少し違和感を感じました。「ジニス様はそういうのも好き」と言われればそれまでの話ですが。

      >「レオが全部罠にかかってくれたから」は、一見レオの失敗に踏み込んだチクリとするセリフですが、それを通して失敗にも意味があったからむしろ助けられたという風に持っていく流れは、納得できました。

      全て事実から持ってきている点が上手いですよね。
      本人が失敗したという意識があるから、事実に基づいた褒め言葉もすんなり入っていきます。

      >キングソード落とされたから斧岩を使う→キューブクマーになる
      これは二重の意味で驚かされました。

      剣を落とした後にキューブクマーが自分から飛び出してくる展開じゃなくて良かったです。
      鳥男の目的は何でしょうね? 大和たちを導いているのか、キューブアニマルを活性化させるのが目的なのか、それともキューブアニマルのいた場所にアニマル以外の何かがあったのか。

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  2. こんにちは
    ジュウオウジャーは、元々コミカルなものを目指していたのを香村さんの考えもあって、
    今の路線らしいので(敵の組織名ももっとコミカル系だったのを香村さんが反対して、
    ご本人がデスガリアンと命名したり)
    香村さんと周りで若干方向性のズレが出てきたのかもしれませんね。

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    1. こんにちは。

      >ジュウオウジャーは、元々コミカルなものを目指していたのを香村さんの考えもあって、
      今の路線らしいので(敵の組織名ももっとコミカル系だったのを香村さんが反対して、
      ご本人がデスガリアンと命名したり)


      なるほど。そういった事情であればわからなくはない話ですね。
      ゴタゴタはあまり嬉しくありませんが。

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  3. 某所で雑誌バレらしきものをみかけたのですが、それを見ると、当初はエネルギーを集めて山を噴火させる予定だったのを急遽変更したみたいですね。大地震誘発か火砕流か、どちらにしても甚大な人的被害を狙ったものを、熊本の地震に配慮して差し替えたと思われます。
    また、確かに泥水罠はぬるいですが、「かかった馬鹿を見に」あれだけの人数を繰り出して獲物に何をするつもりだったのか考えると、かかったのがただの人間だったらちょっと怖いかもと思いました。
    今回はメインの香村さんでしたが、時期的にも一山超え、メインライターが映画で抜けることが多く、宇都宮P作品は特にそれまでの作風よりかなりギャグ多めを持ってくることが多いようですので、また追加戦士の頃に香村さんと作風が戻ればいいなあと思います。

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    1. >当初はエネルギーを集めて山を噴火させる予定だったのを急遽変更したみたいですね。

      それが本当なら計画への違和感は薄れますね。
      山一つ噴火させるだけだと微妙なので世界中一斉噴火くらいにすれば壮大になるでしょう。

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