『手裏剣戦隊ニンニンジャー』 第47話(最終回)「忍ばず未来へワッショイ!」:感想
【ストーリー】
・というわけで意味がわかりませんでした。解釈はわかる人に任せます。わからなかった人の立場は私が引き受けます。
■何がしたかったの?
・まずは今回の山場です。
「俺たちが憧れていたのは爺ちゃん(ラストニンジャは重要じゃない)」→「終わりの手裏剣がなくなったらラストニンジャになれない(称号が重要)」
・前後で真逆のことを言っているように見えるのは気のせいでしょうか? 同じメンバーが言ったとは思えない内容です。
最初の台詞の流れでいくと、
「俺たちが憧れていたのは平和のために戦いその結果ラストニンジャと呼ばれるようになった偉大な爺ちゃんであって、ラストニンジャの称号じゃない。平和のためには終わりの手裏剣なんて無いほうがいいんだ。平和を愛する爺ちゃんの志こそが俺たちが受け継ぐべきものだ」
といった具合になるように思えます。なんで今さらゴネ始めたのか意味がわかりませんでした。最初の話は何が言いたかったのでしょう?
■これでいいの?
「爺ちゃんを殺さないとなれないラストニンジャ以外の道を探す」→「結局は終わりの手裏剣がないと世界は救えなかった」
・これ、九衛門が爺ちゃん殺してくれなかったら詰んでたんじゃ…?
この流れで最後は終わりの手裏剣がないとどうにもならないし、天晴たちもそれを受け入れるというのはおかしいと思いました。むしろ天晴たちは終わりの手裏剣に頼るのを良しとせず、お父さんが「力は力に過ぎない。力を己の心で律するのが忍者だ」と諭す形にでもしないと成り立たないように感じました。終わりの手裏剣を使って解決して何が良かったのか理解できませんでした。
■牙鬼幻月
「妻や子供を道具扱いするなんて許せない」
・現代の価値観で戦国時代の価値観を計っても答えは出せないと思います。
戦国時代には妻や子供を人質として使うなんてよくあることでした。幻月にも人質として養子に出されて親に殺されかけて親子関係に絶望したとか事情があるかもしれません。幻月以上に悪事を働いていた九衛門は同情されて、なぜ幻月は言い分も聞かずに一方的に抹殺されなけれないけなかったのでしょうか? これではニンニンジャーが私見で倒す相手を選んでいるように見えます。これといった正義の定義を持たず、「人々を苦しめる悪だから倒す」という程度の正義しかないニンニンジャーで私情を挟むのは問題だと思います。
・また幻月自身についても理解できないことが多々ありました。
特にわからなかったのは「なぜあんなに執拗に世界を終わらせることに拘っていたのか」ということです。最後に捨て台詞でも言い残したり、まるで破壊の化身か何かのようでした。しかし設定上は戦国武将に過ぎません。戦国武将なら世界征服や妖怪の世界を作ることが目的であって、今の人の世を終わらせることは過程に過ぎないはずです。それがなぜ第一目標として連呼するほど拘っていたのでしょうか。幻月を悪の親玉として扱うのは明らかに無理があったと思います。
・根本である牙鬼幻月があやふやだったせいで九衛門まで曖昧になってしまったと思います。
ここ最近は「宿命が~」とやたらに言っていましたが、親子という以上の宿命が見当たりません。嫌なら単に「親父のやりたいことなんて知るか!僕は僕の道を行くんだ」と九衛門が反発すればそれで済んでしまいそうに思えました。家族云々も幻月復活後の親子の様子もないため、説得力がまるでありません。後付けにしてもお粗末だと思います。
■前半がなかったことになってない?
爺ちゃんは信じてた→中盤まで「弟子育成に失敗した。もう弟子は諦めて、いざとなったら全部儂1人でやるからいいよ」って投げやりだったと思うのですが…
みんな離れ離れになってしまう→1話で集められたとき、特に仲良さそうじゃなかったように見えたのですが…
・そんな話だったっけ?、と思うところが多くて戸惑いました。
爺ちゃんが聖人化されていたり、ここ数話で押し出された設定が当たり前のように浸透しているようで気持ち悪く感じました。さすがに私が見落としているだけですよね?
■やっつけラストニンジャ
風花→アイドル
凪→ただの良い人
キンジ→外国で忍者ふうのおでん屋
・6人みんなラストニンジャって言ったわりにはこれですか。これがラストニンジャか。これがラストニンジャレースの結末か。そして親父はどこ行った?、と呆れ果てました。風花と凪は既存の設定を拾っただけで手抜き極まりありません。キンジはワールドワイドな忍者がなぜおでん屋になるのか理解できません。
一番理解できないのは、こんな内容しか用意できなかったのにエピローグをやろうと思ったことですが… 私だったら6人が離れ離れになる、と話したところで終わらせて誤魔化すことを選びます。
【アクション】
・終盤恒例の生身名乗りのやり方は面白かったです。
今まで変身を済ませてから名乗りと演舞を行っていたのを顔出しで変身しながらやったことで「スーツの補助がなくてもできるようになったんだなぁ」と6人の成長が感じられる演出になっていました。役者さんの吹き替えなしアクションや名乗りは戦隊の終盤で恒例となっていますが、今回のやり方はただのスタント無しアクションよりずっと良かったです。
え~、終わりました。終わったんですよね? 何かが始まった気がしないので実感がありません。
終わったので総評を別の記事として書くつもりです。しかしながら書くことが数えるほどしか思い浮かびません。各話感想を読んできた人にとって読む価値のあるものを作る自信はありません。期待しないでください。
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