映画 『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』:感想

2014年8月5日
映画『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』を見ました。
構成が映画としてしっかりしていて驚きました。
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白石隼也、福士蒼汰 他

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【一言感想】
・フォーゼ好きは必見。
・ウィザード好きも見て損はなし。
・Movie大戦パートもまともに面白い。
・総じて映画としてちゃんとしてる。


【フォーゼ編】

■フォーゼ本編の5年後を描く
・5年後が描かれているフォーゼ好き必見の内容です。
弦太朗は教師に、流星はインターポールの捜査官。他のライダー部の面々もそれぞれの分野で活躍しています。
ただその後の姿を描くだけでなく、5年間での人格的な成長を感じられたのが特に良かったです。
弦太朗がフォーゼドライバーを破棄したのは驚きました。次の世代に託すというのは確かに教師らしい行動です。
それも戦ってる最中なのに構わず捨てるのは弦太朗らしいと感じました。
おかげでメテオストームがサンドバックにされましたが。本編といい、メテオストームの扱いは相変わらずでした。
個人的には、はた迷惑なところも弦太朗らしいと思いました。

■実質イナズマン誕生編
・弦太朗がドライバーを捨てて、後に託した存在、それがイナズマンです。
本来関係のない、コラボに近い内容のわりにはよくまとまっていたと思います。

・いきなり「新人類」とか言われたときには全く話についていけませんでしたけどね。
時間の関係上、どこかを削るのは仕方ないので省略の仕方としては悪くなかったと思います。
イナズマンがなぜ戦うのか、どういう存在なのか。
そこはしっかり描けていたので短い時間の中でヒーローらしさを感じられました。

■生身病
・三郎の仲間はエスパーは背景説明として必要だったにせよ、冒頭の流星の同僚は要らなかったと思います。
出た瞬間、「また監督の病気が始まったよ…」とうんざりしました。
私はフォーゼ単独の劇場版を見たことがないのでオリジナルキャラかと思ったのですが、あの女スパイは劇場版に出てたキャラだったんですね。
それでもやっぱり要らない気がしますが、喜ぶ人もいるかもしれないので良しとしておきます。


【ウィザード編】

■魔法少女>魔法使い
・ストーリーは完全にポワトリンがメインでした。
ウィザードである必要性はほとんどありませんでしたが、脚本担当がウィザードに全く関わっていない浦沢さんなので下手にいじって「こんなのウィザードじゃない…」となるよりは良かったと思います。
それにストーリーはポワトリンに取られたものの、アクションは豊富なのでウィザードの魅力自体は引き出せていました。
ポワトリンはいつもの坂本生身アクションの延長線上なので全然目立ちません。
その点では実質ウィザードの一人舞台と言えます。
なのでわりとウィザード好きにはオススメできる内容だと思います。

■ランドさん

・冒頭の戦いはOPが流れる中、基本4フォームでキックストライクやスラッシュストライク、更にシューティングストライクまで使う大盤振る舞いで最高でした。
必殺技が一つ足らない? 大丈夫、そこは安定のランドさんが貧乏くじを引いてくれました。一人だけ謎の四股踏みボンバーで片付けられました。スタッフはどれだけランドさんをいじれば気が済むのでしょうか。

■ウィザードの良いところ
・冒頭もその他の戦いも回る!回る!!回る!!!と回転蹴り、回転切り、回転撃ちと派手な技ばかりで見ていて盛り上がります。
飄々としてるが実行力のある晴人に、見栄えの良いエクストリームマーシャルアーツ。
「ウィザードの良いところってどんなところ?」と聞かれたら、この映画のウィザード編を見せれば良いとさえ思えます。

■劇場版のご祝儀
・本編では役立たずの瞬平と凛子ちゃんが活躍するのも良いところです。
凛子ちゃんは颯爽と銃と体術を駆使して雑魚と戦い、瞬平もコヨミを庇いながらそれなりにがんばっていました。
本編で銃が通用しなかったグールとは戦わせず、他作品のダスタードと屑ヤミーに留めているのが芸コマです。
本編でもこのくらい活躍してほしかったですね。


【Movie大戦編】




■対決アクマイザー!
・フォーゼ編とウィザード編で暗躍していたアクマイザーといよいよ対決します。
脚本はウィザードに引き続き浦沢義雄さんです。
普通のMovie大戦だとMovie大戦パートのストーリーや展開は適当にも程があるのですが、アルティメイタムはその点しっかりしていて驚きました。
内容は定番通りで、ウィザードにフォーゼが合流して、更に歴代ライダー(W&オーズ)が加わり、正義は必ず勝つ!で終わりで取り立てて言うことはありません。
最大の違いは盛り上がり方です。
フォーゼ編とウィザード編の冒頭部分を大胆に省略し、その分をアクマイザーの暗躍に充てることでアクマイザーたちに存在感を加えてあるので、むしろここからが本番という感じがします。

・私はアクマイザーを見たことがないのですが、悪役としては強そうに見えました。
リーダーのザタンも仲間がやられてショックを受けたり、人間味が感じられました。
声優を担当したデーモン閣下もとても上手でプロ顔負けでした。
人間を滅ぼそうとする動機があれば更に良かったのですが、そこまでは時間が回せなかったようです。

■映画としてまとも
・ストーリー展開もそれなりに凝っています。
先に説明をすると、フォーゼ編がフォーゼ本編の5年後で、ウィザード編の舞台が5年前となっていて、フォーゼたちは敵の作ったタイムトンネルを通って5年前にやってきます。
弦太朗はフォーゼ編でドライバーを破棄してしまったので、5年前の自分からドライバーを借りることで変身問題を解消しています。
同時にMovie大戦編終了後に弦太朗が晴人に「この時代の俺にドライバーを返しておいてくれ」と預けることで、「なぜフォーゼが他人のはずのウィザードの危機に駆けつけるのか。なぜ必要な指輪を持っていたのか」という問題も解決しています。
この点は素晴らしいと思いました。そこまでしっかり穴埋めするとは思っていませんでした。

・それに歴代ライダー(W・アクセルとオーズ・バース)の登場の仕方。
「自分たちも戦えたら…」という子どもたちの願いと願いが叶うアンダーワールドの設定を絡めて自然な展開にしてありました。
ほとんどしゃべらないのもそれらしくて良かったです。下手に別人の声でしゃべられると萎えますしね。

・何より最後のオチが良いですね。そういえば浦沢さんだったと改めて実感されられましたw
最後に綺麗にオチがついていて、「あぁ、終わった~」と映画を見終わった満足感がありました。
これもMovie大戦には珍しいことです。たいてい「なんだこのオチは?!」とキレてますからね。

■冷静に考えてみると…
・冷静に考えてみるとおかしな描写が二つありました。
一つは弦太朗の持っていた写真です。あの時点では未来の弦太朗は写真を撮っていないはずなのに、なぜ持っていたのでしょうか。謎です。とはいえ明らかに時系列がおかしいので、つなぎになる部分が編集でカットされてしまったのでしょうか。

・もう一つはポワトリンの正体です。
最後に衝撃の種明かしがあったわけですが、台詞とアンダーワールド内の描写が矛盾しています。
台詞では「昔は女の子に間違われた」と性別は男であることを示しています。
しかしウィザード編では冴えないOL女性として描かれていました。普通に考えると矛盾しています。
考えられる可能性としては、1)性同一性障害。2)あれはザダンが洗脳するために見せた幻影で、ポワトリンの記憶ではない。といったところでしょうか。どっちも苦しいですね。


【総合感想】

■良いところ:坂本監督 悪いところ:坂本監督
・良くも悪くも坂本監督の個性が出ています。
序盤のパルクールに始まり、ウィザード編ではポワトリンのみならず瞬平と凛子まで活躍。
そしてウィザードとフォーゼ、全員揃ったと思ったら雑魚怪人相手に変身しないでの戦闘。
劇場版なのでクオリティもすごいです。アクションとして見応えがあります。
晴人がウィザードと同じように回転蹴りをしたときはびっくりしました。
あれは吹き替えなのでしょうか?

・オーズの映司が生身アクションで登場するのは演出上良い登場の仕方でした。
設定的にはアンクがいない状態で変身できるのかも怪しいです。
変身できなくてもピンチに駆けつけるのはヒロイックでライダーらしいです。
その前に晴人たちの生身アクションが入っているので違和感はありません。
生身アクションが演出として機能していて、上手いと感じました。

・ただスローモーションはやめてほしいです。
見せ場になる戦闘だと20秒に一回はスローが入ります。
おかげでスローの使われていないフォーゼvsサナギマンやフォーゼたちvs雑魚怪人など本来間を保たせるためのつなぎである部分のほうがかっこよく見えてしまいます。
もっと言うと生身アクションのほうが強そうに見えてしまいました。
これでは本末転倒です。見せ場がかっこ悪く、ライダーよりも生身のほうが強そうに見えるなんておかしいです。

・スタッフ的に本作の最大の見どころ、巨大車両vsバイクに乗ったライダーたちは非常に微妙です。
巨大な車両に立ち向かうライダーの勇姿やバイクにつけた車載カメラからの映像は迫力満点で面白かったです。
その一方、スタッフがやりたいことをやっているせいか、不自然な構図や戦う上で意味のわからないバイクスタントなど展開にそぐわないものも目立ちました。
子供が喜ぶとも思えないので、こういうのは要らないと思います。

■映画として楽しめる
・尻上がりな展開が映画らしくて良いです。
最初が犠牲になっていて全体的に唐突だけど、後半になるにつれて話がつながっていき、最後に盛り上がって終わる。
ぶつ切れが基本のMovie大戦シリーズとは真逆の構成です。
敵に存在感があって、最後に行くほど盛り上がり、オチがついて綺麗に終わる、映画としては当たり前のことですが、重要なことです。
90分間まともに楽しめたMovie大戦シリーズは初めてかもしれません。
この点は今後のMovie大戦で見習ってほしいと思いました。

コメント

4 件のコメント :

  1. Movie大戦 MEGA MAXも仮面ライダー平成2期を語る上で外せない出来なので是非観て頂きたいです..

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    1. メガマックスも見ています。しかし感想を書く気が起きませんでした。
      作品への評価が低く、かつそうなった原因と結果の因果関係がはっきりしていると思ったからです。要素を詰め込むだけで一つの物語として構成できていないと思います。アンクの復活やアクアなどノルマを入れただけでそれぞれをつなげる工夫が感じられませんでした。

      唯一、仮面ライダーアクアだけは良かったです。
      謳い文句どおりの「平成に蘇った石ノ森ライダー」というビジュアルでそこは満足でした。

      私には「平成2期を語る上で外せない出来」と言われてもピンと来ないのですが、参考にしたいので匿名さんのお考えを聞かせていただけませんか?

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    2. 一言コメントにも返信して頂けると思ってなかったので、少し驚きました..
      その他にMEGA MAXのレビューが抜けていたので、てっきり未視聴なのかと早合点してしまいました
      アルティメットタイムの特にフォーゼパートが好きだったのですが、全体的にはMEGA MAXが寄り自分好みだったこともあり、未視聴なら是非と思って書いたことです、失礼しました..

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    3. >その他にMEGA MAXのレビューが抜けていたので、てっきり未視聴なのかと早合点してしまいました

      確かにメガマックスについては書いていませんので「無いから見てない」と判断されるのは間違いではないと思います。

      フォーゼパートの私の印象は「普通の1エピソード」という感じです。
      なでしこというゲストキャラを出した通常のテレビシリーズなら2話の前後編を30分で片付けたという印象です。悪いところも特にありませんが、良いところも特に感じませんでした。30分で片付けるにはなでしこの設定が複雑過ぎると思いますし、基本的に女性に興味を示したことのない弦太朗のなでしこに対する態度には違和感を感じました。失敗したわけではありませんが、上手くやったと言える内容でもないと私は思いました。


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