『牙-KIBA-』 1~3話感想

2014年5月30日
プリキュアの裏番組として放送されたハートフルアニメ『牙-KIBA-』
なぜか今になってGYAOで無料配信が始まったので、感想を書いていきたいと思います。

■牙とは?
・剣と魔法と召喚獣の異世界バトルもの、だったはずが設定自体はオーソドックスなのに、出来上がったものはオリジナリティに溢れすぎた怪作でした。
主人公の得意技が、爆弾を敵の身体に埋め込んでの爆殺。
主人公が老人を引きずり回して、敵の前に放り投げる。そしてそれに視聴者も納得してしまう斜め上の展開。
任務に失敗して逃げ帰った者を容赦なく殺す指揮官が作中随一の善人。
登場人物の死亡率7割以上の殺伐とした世界観。
いつも予想を裏切られる独創性に溢れた作品です。

・最近の作品だと『モンスーノ』に近い作風です。
「普通のアニメには飽きた!」という人にオススメです。
序盤はやや退屈ですが、6話から話がどんどん進み出し、8話の裏切り以降はもう止まりません。主要キャラだと思った人も死にまくり、ここまで生き残れば死なないかな?と思ったキャラもしっかり殺す。一度生き残ったキャラでも再登場したときに殺されたり、全く先の予想がつきません。生き残った人物の状況も悲惨で、死んだほうがマシだったんじゃないかと思えてきます。

・そんな殺伐とした雰囲気の作品ですが、主人公だけは爽やかです。
正義感が強いわけでもなく、素行も悪い問題児ですが、芯があって見ていて安心します。「ハートフルボッコ爽やか殺伐アニメ」とはよく言ったものです。

■牙との馴れ初め
・放送当時に全話見ました。
当時はプリキュアに興味がなかったので見たのですが、今思えばすごい取り合わせですね。プリキュアか、牙かと選択を迫られたらそれでも牙を選んでいなかったでしょう。その点ではプリキュアに興味がなかった自分に感謝したいくらいです。おかげでこんなとんでもない作品に出会えたのですから。

・ちなみにシリーズ構成はあの井上敏樹さんです。
私にとっては唯一心から楽しめた作品かもしれません。あまりにも抵抗がないので、本当に井上さん主体で書いたのか今でも疑っています。


【各話感想】

【1話】
・全話見終わってる今だから安心して見れますが、序盤は全然作品の方向性がわかりませんでした。
特に1話の時点だとゼッドはどう見てもキチガイですね。
全話見た後でも、門を壊して回っては「どこか違う世界に行ける気がした」と語るゼッドは完全にイッちゃってるように見えます。

・それでも物語にそれなりについていけるのは、ゼッドに感情移入しやすい構成だからでしょうね。
状況に戸惑うゼッドがリアルで共感できます。対応も合理的で主人公としての安定感があります。中盤以降はすっかり常識人(視聴者目線では)になるゼッドの下地をしっかり作ってあります。

【2話】
・1話に引き続き世界観説明がメインで見どころは少なめ。
主人公のスピリット(召喚獣)のアミルガウルは最後までかっこよく見えませんでした。強化形態になったらもっとかっこ悪くなるとは思ってもいませんでしたが。本当にこの企画、どうしてGOサインが出たのでしょう。

【3話】
・牙の方向性に戸惑う視聴者の心をがっちり掴んだデュマスさんの本格デビュー。
この頃は本当にまともでした。これがあるからデュマ作さんがあるんですねぇとしみじみしちゃいます。一筋縄ではいかないどろどろした人間関係とそれを吹き飛ばすバイオレンスなど作品の方向性が明確になってきた感じです。

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