仮面ライダー鎧武 第24話『新たな強敵 オーバーロード』:感想

2014年4月7日

【ストーリー】

■紘汰
・紘汰「たとえ俺が間違えても、お前が気づいてくれるさ」
普通なら仲間への信頼を示す台詞も紘汰さんが言うと…
光実の言う通り、人の言うこと聞いた試しもないですし、他力本願思考が悪化したように見えました。

・今回不思議だったのは、紘汰がユグドラシルの目的を認めていたことです。
「ユグドラシルとは別のやり方で”守る”」ということは、ユグドラシルのやり方も人類を守るためだと認めていることになります。前回まで感情に任せてユグドラシルを糾弾し、妨害していたのは何だったのでしょうか。急に冷静になられて戸惑います。やりたいことをやったら落ち着くなんて、これが若さなのでしょうか。

・それと「ユウヤを救えなかったこと」が自分の過ちだと言っていたことです。ユウヤは紘汰がベルトを手にした時点でインベス化していて、かつ未だにインベス化した人間を救う方法は欠片も見つかっていません。ユウヤよりもベルトとダンス抗争の結果、犠牲になった初瀬のことを悔やむほうが自然だと思います。初瀬に関しては紘汰が調子にのってアーマードライダーとしてインベスバトルに参加しなければ防げた可能性は充分あります。

■戒斗の強さの定義
・今回の舞への台詞から考えると、
強さ=何度負けても屈せず、立ち上がれること、のようです。これってつまり、戒斗「俺強い!」という自画自賛になってしまうような。

・それに、世界への試練を望みそれに耐えられる人物を求めているということは、戒斗は結局、同類の仲間がほしいだけにも思えました。
光実の腹黒さがどんどん表面化していき、戦極たちも表立って動き出した点から考えると、物語の流れが世界→個人の思惑へと収束しているのでしょうね。紘汰だけは元から自分中心なので目立った変化がありませんが、ひょっとしてこれが鎧武の考える主人公らしさなのでしょうか。

■紘汰と戒斗
・戒斗「(戦うこと)こいつが一番わかりやすい」と言っていましたが収穫はなく、その一方で対話を重視して一方的にボコられた紘汰はオーバーロードの思考の一端に触れられました。明確な対立構造になっているのですが、言ったのがMr負け犬の戒斗なのでギャグみたいです。同じく戦いを重視するブラーボが否定され気味で、戦いを玩具と捉えているオーバーロードやダンスの存在を踏まえると「戦いでは何も解決しない」というのが鎧武のゴールなのかもしれませんね。

■シドのロックシード
・散々引っ張ってきたSの字が刻印されたシドのロックシードがついに使われました。
その効果はスイカを遠隔操作できること。劇中ではしょぼかったですが、ユグドラシルの想定する人類の数が限られる未来では重要な戦力なのでしょう。


【アクション】

■カチドキアームズ
・無双セイバーとの連結がカッコよかったです。
前回のコラボ回でも使われていましたが、今回は納刀のシーンを丁寧に描いていて痺れました。
DJ火縄銃も初登場の申し訳ない程度に擦るのと違って、思いっきり間をとっていてスクラッチの存在感があって良かったと思います。

■思わぬコラボ
・舞&光実の謎のファンシー空間や紘汰のロックシードの実験のシーンを見たときは、「またギャグ路線でいくのか?!」と驚きました。
スタッフを確認したら、巨匠と恐れられる石田監督でした。まさかこんなところで負のコラボ効果が生まれるとは思いもしませんでした。


次回は本編は脇に寄せて、城之内とブラーボの話をメインでいくようです。
虚淵さんではなく、部下の脚本なので完全に番外編になりそうです。グリドンのベルト音声が「ネバーギブアップ」なので、今回の戒斗の台詞からつながる可能性もなくはないですが、そうなったら鎧武を少し見直します。

個人的には「オーバーロードに会えば何か打開策が見つかるかもしれない」という紘汰の望みが打ち壊れた直後に番外編を入れるのが不思議です。今やっても視聴者の感心がオーバーロード関連に残ったままで、身が入らないと思うのですが。

コメント

2 件のコメント :

  1. 鎧武には毎回悪い意味で驚かされ続けています。それでもいつか良くなるのではという一縷の望みを抱いて視聴している訳ですが。
    敵ポジションであろうユグドラシルも登場するのは大企業のほんの僅か、砂粒のようなものだけですし、ホワイト企業に感じてしまうのは自分だけでしょうか?
    オーバーロードをなぜもっと早く登場させなかったのか疑問でなりませんよ。
    固定敵ってヒーローものにはやはり必要不可欠なんですね。
    ライダー戦国時代という放送前から掲げられていた確固たるはずのテーマ、そして、大人と子供の境界線で揺れ動く若者。
    戦国時代というならば、沢芽市という一大舞台において、ユグドラシルの呉島家に対する戦極の謀反や、ハングリー精神旺盛なカイトの下剋上といった題材を描くと同時にインベス関係を展開していく方が単純明快で分かりやすかったと思います。
    先の若者云々に主を置くならば、ミッチのポジションが最も扱いに相応しいものであると感じます。
    個人が持つ正義とは所詮は自己満足に過ぎないのかもしれないというテーマは、シナリオの良し悪し云々はおいても扱おうとしているのでしょうね。
    しかし、正義の裏には悪があり、悪の裏には必ず正義があるものだと私は思います。
    正義の味方とは、本来は見返りを求めずに善行をなす者のこと。それがより複雑に、また、混沌を極める社会情勢の変化によって様々な形に分かれ、果てにはダークヒーローやアンチヒーローが現れました。マーベルコミックスのパニッシャーにしろ、不満を抱える社会に住まう我々のそういった負に対するカタルシスの切望が生み出した産物なんですよね。だから、一見悪に見える彼らど、実はこまでいっても"ヒーロー"に他ならないのです。
    コウタがヒーローになる日はいつなんでしょうね。

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  2. > 敵ポジションであろうユグドラシルも登場するのは大企業のほんの僅か、砂粒のようなものだけですし、ホワイト企業に感じてしまうのは自分だけでしょうか?
    [色:0000FF]ユグドラシルは貴虎や戦極を登場させた時点で既にどうでもいい存在なのでしょうね。
    世界を救うプロジェクトのためにユグドラシルが作られたのか、ユグドラシルが世界を救おうとしているのか、それすらも曖昧なまま放置されています。
    使い終わって捨てるなら捨てるで構わないのですが、切り方が下手だと思います。
    わかりやすくしたいなら、貴虎たちの父親を重役ではなく社長にして関係をすっきりさせるべきだったと思います。
    [/色]
    > 固定敵ってヒーローものにはやはり必要不可欠なんですね。
    > コウタがヒーローになる日はいつなんでしょうね。
    [色:0000FF]これまでの流れから考えると鎧武は一般的な『ヒーロー』は目指していないように思えます。むしろあえて避けているように見えます。
    紘汰や戒斗がヒーローになるのではなく、それぞれの行末を描き、それをもって新しいヒーローとして定義付けたいのではないかと私は考えています。
    ただ仰るように幹部のような短期的なゴールはエンターテイメントとして必要です。
    節目のない物語を50話前後もやるのは無理があります。
    それに代わるものを用意できていないことは、現時点でも明らかな失敗だと言えると思っています。[/色]

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