『仮面ライダージオウ』 第37話 「2006:ネクスト・レベル・カブト」:感想

2019年5月26日

■真っ当な展開
・今回は本編に則した内容で妥当でした。
本編で死んだはずの影山は死んでいましたし、だからこそ矢車が影山に擬態したワームを守ることにも納得がいきます。「ワームが化けた偽物の弟」点は加賀美にも関係のある要素で良いと思います。

・カブトを倒したらキックホッパーが出てきたことも、キャストオフに見立てていてまずまずでした。
アナザーカブトがやられた後にキックホッパーが出てきても「キックホッパーでどうにかなるの?」という疑問を感じる点は対処できていませんでしたが。次回で「他人になろうとしても上手くはいかない=矢車はキックホッパーなのだからカブトになってもキックホッパー以上に強くはなれない」とか、話の本筋に絡めてそんなフォローがあるといいのですが。

■役割分担?
・「アナザーライダーはレジェンドが主に戦って、ジオウ側は別の問題(隕石)に対処する」という形式にしたんでしょうかね。これも真っ当なやり方だと思います。ジオウとレジェンド、両方戦わせるとどちらかが踏み台になってしまいがちですからね。フォームチェンジもそれなりに活かせていましたし、比較的良かったと思います。

■新設定
・その回が始まる頃に本編の世界とジオウの世界が混ざっていたことになるようです。レジェンド側にとっては自分の世界だと思っているので他の怪人のことやタイムジャッカーのことは知る由もない出来事なのでしょう。
これならよくある疑問、「こんなに怪人が暴れてるのにレジェンドは無視してたの? それでもヒーローなの?」という点を解消できるでしょう。
ただ、それなら最初からソウゴたちが他のライダーの世界を訪れる形式にしたほうが早いと思います。結局、ジオウという作品にとってはあまり解決になってない気がします。

■また単独行動
・ツクヨミの持て余しっぷりが凄まじいですね。
ま~た士に連れられて単独行動していました。他に話の広げ方がないのでしょうか。 単独行動してもおかしくないウォズやゲイツを差し置いて、比較的協調性のあるツクヨミが独りで動くことに違和感を感じます。

・ツクヨミたちの自主性も疑問です。
過去や未来に行くにしても士に連れて行ってもらわなくても自前のタイムマジーンがありますし、「ウォズが言っていた」なんて言うならまずはウォズに聞くだけ聞いてみるべきでしょう。未来をどうこうしようとしているし、わからないことも多いのに行動を伴わないのは不自然だと思います。これではまるでツクヨミたちにやる気がないみたいに見えてしまいます。

■ソウゴの人格が不安定
今回はえらくソウゴの人格が不安定なように見えました。
やたらに「何かやれそうな気がする」を連呼して調子がいいかと思ったら、影山の罠にかかった後は冷淡だったり、まるで「善人のふりをしていた悪人」みたいに見えました。
私のこれまでのイメージからすると、ソウゴの人間性はさておき作品の方向性としてはソウゴに悪人イメージを持たせるのはタブーだと思います。今のところ黒歴史として無かったことにするつもりなのですが真に受けるべきところなのでしょうか。


次回はカブト編の後編です。話をまとめる分には問題なさそうですが、予告に本物のカブトの姿が映っていたことは不安を感じます。倒すにしても何にしても加賀美がやるのが筋で天道の出る幕はないと思います。あのカブトは「カブトウォッチを手にしたソウゴにカブトの姿がダブって見えたイメージ映像」とかだといいのですが。

コメント

18 件のコメント :

  1. ジオウに限った話ではないのですが、クロックアップの描写が単に早く動くだけで済まされてしまったのは少し寂しかったです。クロックアップの魅力はスローモーションで動く世界の中で戦うことだと思うのですが、客演の1エピソードで挟むのには予算がかかりすぎるのでしょうかね。高速移動自体はゲイツリバイブ疾風やウォズシノビがよくやっているので、カブト組の動きが見慣れたものになってしまったことだけが残念でした。

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    1. 相変わらず高速移動扱いでしたね。ジオウに原作再現なんて存在してないので予想の範疇ですが。

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  2. 更新お疲れ様です。

    物理的に移動する形式のディケイドと差別化するために、人の記憶だけが書き換わるという感じにしたんでしょうね。
    それならそれではじめから明確にしてくれればよかったのにと思います。

    タイムマジーンは早い段階でなんかの理由をつけて封じてしまった方が良かったかもしれないですね。
    「海外かぁ、タイムマジーンで飛んでくか」「そうだなハハハ」なんてやりとりをしたかと思えばキバ編で普通に使ったりよくわかりません。
    自分が見落としてるだけでツクヨミたちの時代には行けない縛りがあるんでしたっけ。
    前にオーマジオウに会いに言った時も士の導きだったので、
    あの銀色のもやもや経由でしか行けない=別の世界の過去ということなんでしょうか。
    何にせよ物語上で士が出る意義をちゃんと作って欲しいです。話題性のためだけに何度も引っ張ってくるのは失礼だと思います。

    ソウゴたち4人仲良さげなのにあんまり話し合わないのはモヤモヤしますね。
    ゲイツくんのプチ家出とかウォズは過去で裏切ってたとかありましたがどういう方針に落ち着いてるんでしょう。

    ソウゴは「飄々としてるけど冷酷な面もある」路線にする気でむしろ自信を持って出してきてるような気がします。
    自分も安易に冷徹さを出してカッコつけるのは好ましくないです。
    演技が良くなって落ち着きや貫禄が出てきたので、人懐こいが動じない芯もあるという方向でいいと思うのですが…

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    1. >物理的に移動する形式のディケイドと差別化するために、人の記憶だけが書き換わるという感じにしたんでしょうね。

      以前はそうだったのでしょうが今は世界が都合の良い形に混ざっているみたいなので原型を留めていないと思います。今のところ従来の路線はスタッフ公認で失敗したとしか思えません。

      >あの銀色のもやもや経由でしか行けない=別の世界の過去ということなんでしょうか。

      可能性としては無くはないでしょうが、ソウゴのバス事件のときなど同じ時間軸に士も偶然来ていたことがあったので過去は一つしかないと考えるほうが自然ではないかと私は考えます。特にツクヨミの過去の場合、別世界だとツクヨミは未来人じゃなくて異世界人だったという話になってしまい、タイムトラベルものである話の軸までズレてしまうと思います。

      >ゲイツくんのプチ家出とかウォズは過去で裏切ってたとかありましたがどういう方針に落ち着いてるんでしょう。

      相変わらず全然わかりませんね。
      当のツクヨミも自分の過去やスウォルツとの話などソウゴたちに黙っていることをまだ話していないみたいですし。じゃあお互いに本心は話さず化かし合っている関係なのかというとそんなこともなさそうですし。

      >ソウゴは「飄々としてるけど冷酷な面もある」路線にする気でむしろ自信を持って出してきてるような気がします。

      今回はそんな感じでしたが毛利さんが勝手にやったことで、下山さんに戻ったら何もなかったかのようになるんじゃないかなと今は考えています。

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    2. そうですね、これ以上ややこしくせずに世界自体は一つで、はじめに描写したオーマジオウの話は覆さないで欲しいんですが、
      「時空の歪み」なんて便利そうなワードも出てきたりして「分岐した」とか「別世界と繋がった」とか言い出しそうな気もします。
      先の決まってない長期ものなんでギチギチに理詰めじゃなくて多少矛盾があっても仕方ないとは思うんですが、
      あとで融通がきくようにはっきりしたことを言わないようにするあまり全体がぼやけてますね。

      予告のカブトは天道なんでしょうか、加賀美が変身するという線はないですかね。
      響鬼編で思ったんですが、原作のライダーを出す、でも役者さんは出せない、という事情があるとは言え、
      メインライダーに変身できることのほうがすごいみたいなのはもやっとします。
      番組的には主役ですから扱いに差があるのは当然とは思いますが、
      サブライダーとして独自の姿があるのだから誇りを持って欲しいし、
      戦闘スペック等に差があったとしても優劣をつけるのは違うんじゃないかって気がするんですが、どう思われますか。
      原作でも加賀美は努力して自分なりに天道に並び立てるようになってきたかと思ったら、
      終盤でまったく天道の考えを汲もうとせず怒るアホに逆戻りさせられていたので気の毒です。

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    3. >あとで融通がきくようにはっきりしたことを言わないようにするあまり全体がぼやけてますね。

      全体がぼけているというより、最初から作る気がないんじゃないかなと私は思っています。「何かそれっぽく見えればいいでしょ」くらいにしか考えてないと思っています。SF要素で面白いと思ったことが欠片もありません。

      >予告のカブトは天道なんでしょうか、加賀美が変身するという線はないですかね。

      ジオウならあり得ると思いますが、やったら私とは解釈違いが甚だしいです。
      加賀美は天道みたいにはなれないしならない、という話を本編でやっていたと思います。カブトにならない理由しか見当たらないと思います。
      どうしてもやるんだったら加賀美をアナザーカブトにして「天道がいない世界で第一話でカブトに変身した加賀美」とするのが妥当だと思います。

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    4. そうですよね。天道のマネではなく自分のやり方を見つけた加賀美と、それを認めた天道の関係性が自分も好きなので、
      できれば加賀美にはカブトになってほしくないです。ガタックゼクターさんがグレてしまいそうです。

      ニチアサ以外のアニメ等の記事もいくつか読ませていただいたんですが、
      自分は未視聴の作品ばかりでしたがとても興味深い内容でした。
      管理人さんは一般映画や小説等の感想記事を書く予定はありますか?
      押し付ける気はないですが、あるなら是非読んでみたいです。

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    5. 映画は既にいくつか書いていますよ。最近は書いてないですけど。
      小説は単に私が小説をめったに読まないので、現状では可能性は低いと思います。

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    6. 洋画の記事もあるんですね。すみません、見落としてました。
      これから読ませていただきます。

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    7. 映画の記事も一通り読み終えました。
      特に「プロメテウス」「リアル・スティール」「ダークシャドウ」「ロボット」「エレファントマン」の記事が面白かったです。
      プロメテウスは未視聴ですがどんなカオス映画なのか大変興味が湧きました。
      ボリウッドは宗教的な理由でラブシーンが撮れないからダンスで表現するんですよね。
      初見時はかなり面食らいますが、なかなか趣がありますよね。
      あと「輪るピングドラム」は当時自分も頭を悩ませながら追っていたので懐かしく読ませていただきました。
      元ネタとなった「銀河鉄道の夜」はご存知ですか?独特の世界観で好きな映画です。

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    8. >プロメテウスは未視聴ですがどんなカオス映画なのか大変興味が湧きました。

      金のかかったクソ映画が見たければ止めません。

      >ボリウッドは宗教的な理由でラブシーンが撮れないからダンスで表現するんですよね。

      そういう理由なのですか。知りませんでした。

      >元ネタとなった「銀河鉄道の夜」はご存知ですか?独特の世界観で好きな映画です。

      小説のほうを少し目を通したくらいですね。元ネタから読解するには相当手間がかかりそうなのでそこまでのやる気は出ませんでした。

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    9. 確かに読解となるとめんどくさそうですね…たたでさえ難解な文体ですし。
      台詞ではなく表情や構図で語る象徴的な表現はどちらかというとアニメ映画の方を参考にしてるのかなという気がします。
      映像美やますむらひろし氏のケモナー歓喜なキャラデザ、細野晴臣氏の音楽など、映画単体で自分は好きですが、
      キャラ名の由来とカラーリング、電車という共通点ぐらいでそこまで物語に関連性はなく、
      ピングドラムの方の理解に必須というわけではないですからね。

      気が向いたらでいいので、ニチアサへの不毛なツッコミに飽きたらまた映画の記事も書いてください。楽しみにしてます。

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  3. ジオウとは直接関係ありませんが、カブトのストーリーに関して、主にどういった点が低評価の原因だと管理人さんは考えますか?

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    1. どういった点も何も評価が低くならない理由がわかりません。話数の6割くらいは無くてもいい、というかシリアス面にとっては無いほうが良いくらいの内容だと思います。

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  4. てっきりソウゴは先週のセーラさんの事を引きずるもんだと思っていましたけどそうでもないんですかね。あとキバ編でソウゴが過去視をしていましたけどアレは無かったことになったのでしょうか?

    今週のジオウはカブトの雰囲気を上手いこと出してジオウの話も進めていたので情報量が多く中々出来が良い回だと思いました。

    来週はカブトが出るらしいですがガワだけでもいいので出来ることなら天道が変身者がいいと思っています。ソウゴ達がピンチに陥った時に颯爽と現れて何も喋らずに敵を倒すとかなら天道らしい気がしますし。








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    1. >てっきりソウゴは先週のセーラさんの事を引きずるもんだと思っていましたけどそうでもないんですかね。あとキバ編でソウゴが過去視をしていましたけどアレは無かったことになったのでしょうか?

      どちらも脚本家が異なるので反映されている可能性は低いと思います。またしても無かったことになる可能性のほうが高いでしょう。

      >ソウゴ達がピンチに陥った時に颯爽と現れて何も喋らずに敵を倒すとかなら天道らしい気がしますし。

      出すんだったらそんなところでしょうね。「テレビでまでワームのことやってるのに天道は今まで何してたんだよ」というツッコミどころは生じてしまいますが。

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  5. タイムマジーンを使わなかったのはシノビ編で未来に行けなかったのと同じように、オーマジオウ未来とトリニティ未来が存在する=未来が不確定だからじゃないでしょうか。
    ディケイドの時間移動がそれぞれのパラレルワールドを別世界とみなしている=どの時間軸にも移動できる、だとすると納得できます。
    そもそもツクヨミは自分のことを調べようにも手掛かりが全く無いので、どの時間に飛べばいいのかも分かっていません。最近記憶の一部が戻りかけているなら、少々自分のことを優先しても違和感はありません。
    ソウゴがオーマジオウになる可能性がある以上、完全な悪とはいかないまでも、魔王に繋がる冷酷さや計算高さはあって当然じゃないでしょうか。「〜気がする」連発の方がソウゴのイメージにあっていないと思います。

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    1. >タイムマジーンを使わなかったのはシノビ編で未来に行けなかったのと同じように、オーマジオウ未来とトリニティ未来が存在する=未来が不確定だからじゃないでしょうか。

      私はそれは無いと考えます。
      根拠は白ウォズがクイズの世界に行って連れ出していたことです。白ウォズも移動にはタイムマジーンと思しきものを使っていたはずです。このことから少なくとも自分の世界につながる過去には行き来できるものと推測できます。
      ツクヨミの過去がツクヨミとどの程度関係性があるかについては考えるまでもないでしょう。以上のことからツクヨミがあの過去へタイムマジーンで行くことは論理的には可能であると私は考えます。

      >そもそもツクヨミは自分のことを調べようにも手掛かりが全く無いので、どの時間に飛べばいいのかも分かっていません。

      記憶を頼りに試行錯誤を繰り返せば問題ないと思います。少なくとも年代に関しては「ツクヨミの記憶がない年代」に限られますから15年も無いでしょう。またオーマジオウ時代なら人類の生存圏は限られていると思われます。まともに人が住んでいる地域に絞れば世界中をあてもなく探すようなことはしなくて済むでしょう。
      また、これはタイムトラベルものであり、任意の時間に戻れば本人の体感時間を除いて無かったことにできます。その気になれば「ツクヨミは1年探し回ってきたがソウゴたちからみれば30分前に旅立ったばかり」ということも可能だと思います。
      ツクヨミにとって重要でないことなら他の目的を優先させてもおかしくありませんが、ツクヨミがあれほど気にして他のことが手に付かない状態なのに探しに行かないのは奇妙だと思います。

      >ソウゴがオーマジオウになる可能性がある以上、完全な悪とはいかないまでも、魔王に繋がる冷酷さや計算高さはあって当然じゃないでしょうか。

      私の論旨は「ソウゴはそういう人物として描かれてないよね?」という作中の描写を根拠にしているのを承知の上でのご意見でしょうか? 私は全く同意できません。
      「こいつは魔王だ!」と思っていたはずのゲイツやツクヨミですら「こいつが魔王になるわけがない」と確信するほどソウゴの人柄は善良であるはずです。
      (これは作中の認識について述べたもので、私のソウゴに対する個人的な印象とは関係ありません)

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