『仮面ライダージオウ』 第35話 「2008:ハツコイ、ウェイクアップ!」:感想
【ストーリー】
・全体としては思ってたよりまともでした。ソウゴたちは大して変化がなくてキャラ崩壊は避けられました。それどころか脚本家としての腕の分だけいつもよりキャラクター性が良いくらいでした。展開がどうとかではなく、台詞回しのレベルで差が出てしまうのがジオウクオリティですね。
・その反面、井上成分が全てゲストキャラのアナザーキバに集中してやたらにポエミーで台詞が長いおかしなキャラになっていました。
今のところアナザーキバがどんな人物なのか全然理解できません。ソウゴ曰く若い頃は清純な女性で弁護士の感じからしても奇天烈な人物ではなかったようですが、なぜか香水や食事に詳しいバブリーな人物になっていました。ソウゴたちの話と実際の言動が全然結びつきません。「実は双子の姉で水商売と金持ちの愛人をしていた」とでも言われたほうが納得がいきます。
たぶん異常な分析能力は「冤罪が許せない→真実にこだわる=物事の洞察力が上がる」という因果関係なのだと思いますが、だからといって獄中の生活下で実行可能になるのはよくわかりません。個人的には「猫なんて飼ってないし、さっきからあいつの言ってること全部でたらめなんだけど」というオチになるほうが納得がいきます。
・全体の構成はめちゃくちゃ、というか最初から繋ぐ気がないという印象です。つまりいつもの井上です。自分の書きたい話以外には興味がないのです。
設定準拠のキャラで特に動きもないソウゴたち、井上の手癖全開で落とし所を考えていないアナザーキバ、販促ノルマのギンガ、この3つを整合性を考えずに混ぜることすらなくただつなげただけのように見えました。アナザーキバとの戦いを放り出してギンガのところに全員集合、あまつさえ復讐しに行っていたはずのアナザーキバまでのこのこやってくるとかアホ過ぎます。バトルも「あぁ、台本に勝敗以外の内容は書いてなかったのね」と思えてくるほど戦闘中にストーリー展開のない希薄な内容でした。
よりにもよって井上に販促ノルマの重い回を任せるなんて、この人選をした人は間抜けだと思います。自分がシリーズ構成のときでさえ宅配便だのを使う人に任せたらどうなるかなんて想像できるでしょうに。
■レジェンドとは?
・これで次回はウォズがギンガの力でパワーアップするみたいで更に困惑しました。そんな話でしたっけ…? 流れからするとパワーアップするならソウゴだと思います。
私には理解できませんでしたがプロデューサー様曰く
キバ編。だそうですので楽しめないほうが悪いということでしょう。「キバ編というふれこみの」だなんてさすがは「レジェンドから逃げない」ですね。面倒でも片っ端から踏み潰していく勤勉さには頭が下がります。
──というふれこみのギンガ編。
──のフリをしたソウゴの初恋編。
お楽しみいただけていると思います。
ところで「レジェンド」の読み方は「害虫駆除」とか「ゴミ掃除」で合ってるんでしょうか? 私の辞書にはない言葉なので未だによくわかりません。
・真面目に受け止めていいのか判断に困る内容もありました。
ソウゴが未来予知だけでなく過去まで見れるようになっていたのは井上の設定無視の暴走なのか新しい設定なのかどちらなのでしょう? 描写から考えると「ギンガが現れたこととソウゴが過去を見れるようになったことには因果関係がある」としても作劇上ではおかしくないと思います。
・オーラの「王といえば男だと思いこんでいた」という話も耳を疑いました。女性であるはずのオーラが女王という発想がなかったなんてことがあるんでしょうか? オーラの自尊心が恐ろしく低いとか、オーマジオウの圧制下で育ったから「王=オーマジオウ=男」という認識しかなかったとか、何か事情があるんでしょうか。
普通だったら意味があると考えて然るべきことなんですがジオウなので思い込みで動くのは危険でしょう。
【アクション】
同じスーツとは思えないくらい機敏に動けていました。やっぱり素材がどうだのって話ではなく、普段は動いていないだけみたいですね。以前はライダーに参加していたけどしばらく参加していなかった監督でこうなるということは、いつものダメさの原因はやはりスタッフの問題のようです。
■アナザーキバ
・見た目としてはキバというよりファンガイアで、ストーリー上もキバっぽさは特にありませんでした。
・ただ、ガルルたちの使い方はキバ本編より遥かに良いと思いました。
ガルルたちも怪人体で戦いつつ、必要に応じて武器となってキバが使う。まさに”手下”という感じがして、本来ならキバ本編もこういうあり方であるべきだったんだろうなと思いました。
次回はギンガ編終了でウォズがパワーアップするみたいです。
私には意味がわからないので今は特に言えることがありません。何が起きるんでしょうね? 「ギンガを倒すためにタイムジャッカーとも協力する!」なんて謳ってますけど、それもうキカイのときにやって裏切られてるんですけど… ちゃんとそこを踏まえた内容になっていればいいのですがそんなことはないでしょうね。
これまでのキャラとの整合性は置いておいて、台詞回し自体は今までより良かったですね。その辺りは流石だと思います。アナザーキバも冤罪おいう分かりやすい理由があって、ソウゴよりは王になる動機は理解できるものでした。
返信削除基礎スペックの違いという感じですね。順当な結果だと思います。
削除更新お疲れ様です。
返信削除今回のソウゴたち(特に生瀬さん)は生き生きしてましたね。
普段どれだけ味気ないやりとりばかりしているかよくわかります。
アナザーキバ関連はインパクトと雰囲気に全振りの井上劇場全開でしたね。
ただいつもの通行人その1みたいなアナザー変身者より濃くて、
冤罪どうこうもドラマ的に新鮮だったことは認めます。
嗅覚・視覚が鋭い、実はファンガイアかウルフェン族とか人外という展開かなと思って見てたんですが、
アナザーキバ以外に怪人の姿があるとも考えにくいですよね。
カフェの店員さんをナンパしてただけだった次狼が来週は活躍するんでしょうか…
原作でもコント要因になり下がっていた次狼がどんなキャラだったか井上氏自身も覚えていないのかもしれません。
キバという作品を代表して来てるのだから渡や音也さんの名前は出さないまでもせめて音楽の話くらいはしてほしいです。
アクションはよく動いていましたね。
素のジオウの立ち回りは緊迫感ありましたし、相手側の武器になったり戻ったりという戦い方も面白かったです。
キバのお供3体はデザインも凝ってて画的にも華がありますね。
販促的に他のアーマー使わなくて大丈夫なのかなという気はしますが
フォームチェンジする隙がなかったと言えるだけの説得力はあったと思います。
ギンガ部分は後からくっ付けた感がすごくて、
井上氏は一文字も書いてない可能性すらあるような気がします。
今回アップルパイを頬張っていただけのウォズがギンガでパワーアップするようなのも謎です。
もらえないことの多い3号ポジのウォズに強化があること自体は嬉しいのですが。
ソウゴの初恋どうこうは単なる思い出話なんでしょうね。
恋愛を絡めたものの、キャラ崩壊もなかった代わりにソウゴの内面に迫る内容でもなかったのが残念です。
>嗅覚・視覚が鋭い、実はファンガイアかウルフェン族とか人外という展開かなと思って見てたんですが、アナザーキバ以外に怪人の姿があるとも考えにくいですよね。
削除なるほど。可能性としてはあり得ると思います。本編後の世界ならファンガイアがいてもおかしくありません。ウルフェン族はそれほど年月が経っていないので新しく生まれるのは無理でしょうが。
ただ、ジオウでそれをやるかという点には私は懐疑的です。「すごい能力を持ってると思ったら人間じゃなかった!」という展開を一度やるとそれ以降もずっと「こいつ人間じゃないのでは?」という疑念が生じてしまいます。キバ以外の話で使われることはまず無いでしょうから一発ネタにして影響が大きすぎて使いにくいと思います。
>キバという作品を代表して来てるのだから渡や音也さんの名前は出さないまでもせめて音楽の話くらいはしてほしいです。
キバって音楽の話でしたっけ? 個人的な印象としては音楽も本質的にはかっこづけの添え物でしかない印象です。
>キバのお供3体はデザインも凝ってて画的にも華がありますね。
あれってたぶんキバ本編のままですよね? 本編ではほとんど有効活用されなかったので出番があって良かったです。ファンガイアはデザインは良いと思うんですけどバトルが投げ捨てられてるから目立ちようがなかったですからね…
>井上氏は一文字も書いてない可能性すらあるような気がします。
あり得る話だと思います。「落ちた隕石からギンガが出現。攻撃してきて戦いになる。ギンガが勝って立ち去る(あとは現場で勝手にやっておいてください)」くらいしか脚本には書いてなくても驚きません。
>恋愛を絡めたものの、キャラ崩壊もなかった代わりにソウゴの内面に迫る内容でもなかったのが残念です。
メインになる話とは全く思えませんね。「アナザーキバとの接点を作るための強引な理由付け」程度にしか見えません。プロデューサー様曰く、これが本筋だそうですが理解に苦しむ内容でした。
ソウゴの回想でも思わせぶりに顔を隠していたので年を取らない描写かなと思ったんですが、
削除それだと女子高生の姿なのに年増となっておかしなことになりますね。
キバの音楽というテーマは中途半端なところもあり、扱いが完璧とは言いませんが、
キバの理屈よりも感情のままに生きる人たち、という世界観とも合っていて、
過去編・現代編ともにそれなりに活かされたと自分は思います。
人前で弾けなかった渡がめぐみんの前でバイオリンを弾いたり、バンドをやったり
外界と関わって行くという成長物語の指標として、
過去編では音也と真夜が惹き合ったのも音楽が理由でした。
夏映画はパラレルですが、音也がゲストの母親の演奏を再現することで親子の心を繋ぐ、
というシーンがあったりして「天才」も口だけじゃない説得力がありました。
(あの親子の話自体が映画の本筋とあんまり関係ないのが微妙ですが…)
555の海堂さんやカブトのウカワームのエピソードなど、
芸術と絡めてドラマチックに演出する井上氏の持ち味にファンが多いのも理解できます。
挿入歌も各キャラが歌っていて使われ方もわりと効果的でしたし。
少なくともエグゼイドの医療・ゲームやビルドの物理よりまともに扱われたと思います。
スーツについては知識がないので自分には判断できませんが、
ブレイドの顔も黄ばんだままなのに作り直すとも考えにくいのでそのままでしょうね。
バッシャーなんて本編ではほとんど登場もしてなかったので良かったです。
普段と違う演技をすることは演者さんたちにとっても刺激になると思うので、
たまには異色な回も必要かなとも思います。
そういう意味ではぶっ壊れたソウゴが見れるかなーと期待していたんですが、
今の所「ギンガってなんなんだ…」という困惑しか残っていません。来週何かあるといいですね。
>それだと女子高生の姿なのに年増となっておかしなことになりますね。
削除外見が変わっていないとするには10年以上だと長過ぎると思いますね。ソウゴが顔を覚えているなら「10年前と全然変わってない?!」といった反応を示すと思います。
「怪しまれないよう年齢に合った外見に変化させているんだよ!」とかは言えますがそこまでいくと設定をこねくり回し過ぎてますます話についていけなくなるでしょうし。
>人前で弾けなかった渡がめぐみんの前でバイオリンを弾いたり、バンドをやったり外界と関わって行くという成長物語の指標として、過去編では音也と真夜が惹き合ったのも音楽が理由でした。
私はその辺含めて小道具でしかないという印象です。「音楽がなければキバの物語は成り立たないか?」というと疑問があります。たとえば格闘技にして、「音也は強くてその力で女性を守ったりして交流を深めていたが、渡は独りで修行するだけで力は身につけても他人と関わろうとしなかった(しかし段々変わっていった)」なんて話でも大筋は変えずに済むんじゃないかと思うのです。
>少なくともエグゼイドの医療・ゲームやビルドの物理よりまともに扱われたと思います。
私はそれらは形骸化していて最初から”死に設定”と言っていいものだと思っているので、基準がそこであるならばキバは音楽を活かしていると言えるでしょうね。
>普段と違う演技をすることは演者さんたちにとっても刺激になると思うので、たまには異色な回も必要かなとも思います。
そうでしょうね。戦隊のインタビューを見てもキャラ崩壊だと思った回のほうが役者さんには好評だったりしますし。視聴者としては全体をぶち壊すようなのは見たくありませんが。
なるほど確かに他のスポーツとか別ジャンルでも成立するかもしれません。
削除そういう多面的な考え方は自分にはないので勉強になります。
音楽を選択した意義があるとすればバブルの刹那的な流行に対して、
時が経っても変わらないクラシック音楽の歴史や普遍性といった対比でしょうか。
それでも他の分野で代用できそうですね。
仰るように、オシャレアイテム程度にしか扱われていないふしもありました。
ただ、そういうオシャレさとかエンタメ的魅力を追求するのは
音楽を含む芸術というものの描き方としてはアリなのかなとも思います。
確かに「キバのテーマは音楽」と胸を張って言えるかというと自信はないですが
ジオウの今回の客演だと「コーヒー飲んでナンパする話かな」くらいしかわからないので
(半分くらい合ってますが)作品紹介としてどうなのかな?と思ったのもあります。
モチーフや主人公の職業が活かされた作品ってライダーだと何でしょうね。
Wの探偵要素はそういう意味でもとても自然にゲストエピソードを回していましたね。
謎解きのワクワク感が懐かしいです。
>ジオウの今回の客演だと「コーヒー飲んでナンパする話かな」くらいしかわからないので
削除(半分くらい合ってますが)作品紹介としてどうなのかな?と思ったのもあります。
私は基本的にジオウのレジェンドはモブ同然でストーリー面では出る意味はないと思っているのでそもそも作品紹介なんてする気があると思っていません。今回もいつもどおりどうしようもないと思っています。
>モチーフや主人公の職業が活かされた作品ってライダーだと何でしょうね。
W、クウガを私は連想します。私はドライブと合わせてこれらは「職業もの」だと認識しています。探偵ものや刑事ものなど既存の特撮外の実写ドラマのフォーマットを流用したものだと考えているので発明と呼べるものではないと考えています。
モチーフの活かし方という点で言えば、ディケイドが良いと思っています。
過去作の紹介を「場面の一つを切り取る”写真”」に見立てているのだと思うので。作品としてのディケイドの主な目的は過去作に興味を持ってもらうことだと思うので、主人公を写真家とするのは理にかなっていると思います。
ジオウとは関係ない質問なんですけど、井上アンチな管理人さん的に井上氏がメインな特撮作品で、他のと比べればまだマシだと思える作品と特に酷かったと思える作品ってありますか?出来れば理由も併せてお願いします。
返信削除良いほうはファイズですかね。
削除悪いほうはキバかアギトです。キバは音也を優遇し過ぎて販促上の主役である渡が空気と化し二世代の物語も破綻していました。アギトはあかつき号事件を散々引っ張ったのに放り投げたことが許せません。
良くも悪くも井上脚本って感じの話でしたね。所々の繋ぎが雑な所とかアナザーキバの台詞回しとか。
返信削除個人的には今までの話の中で一番つまらないなと思いました。ゲイツは少しキャラ崩壊してる気がしますし、いきなり出てきたギンガがアナザーキバをボコったり色々とメチャクチャに感じました。ただオーラの悪女としての描写は今までよりもしっかりとされていたので流石井上さんだなとは思います。
来週見なきゃ判断出来ませんがギンガもアナザーキバも雑に処理されそうな感じなのが不安ですね。
少し気になったのが次郎が見た隕石はギンガではなくカブトの渋谷隕石なのではないかなと思っています。
主さんは井上脚本があまり好きではないとの事ですがそれは販促が雑な所とか不快なキャラが出てくる事などでしょうか?
>ただオーラの悪女としての描写は今までよりもしっかりとされていたので流石井上さんだなとは思います。
削除いつもよりは悪党らしかったと思うのですが個人的にそれが作品に合っているのか、やや疑問に思っています。
現状だとオーラはスウォルツの手下でしかないと思います。今のペースだと今回の描写が「あのときのは何だったんだ?」とノイズになってしまうのではないかと不安を感じる部分があります。キカイのときに芝居とはいえ反逆劇を繰り広げていたのでそれも合わせて何か今後の展開があるといいのですが。
>来週見なきゃ判断出来ませんがギンガもアナザーキバも雑に処理されそうな感じなのが不安ですね。
私はそうなるだろうなと思っています。
>少し気になったのが次郎が見た隕石はギンガではなくカブトの渋谷隕石なのではないかなと思っています。
そうかもしれませんが、それだとどうなるのでしょうか?
ジオウの世界は各ライダーの話が時系列順に起きた世界のようですから、単純に考えるとカブトの隕石落下はキバ本編より前の出来事になると思います。
「今出てるレジェンドはキバだけどカブトの話をします。そしてこれはキバ本編より過去の出来事です」というのはあまりにややこしく、かつ特にそうする必然性も感じられないように私には思えます。
これが渋谷隕石だとしたらどういうことになると匿名さんは思われたのでしょうか?
>主さんは井上脚本があまり好きではないとの事ですがそれは販促が雑な所とか不快なキャラが出てくる事などでしょうか?
販促も含めて、仕事としてやるべきことを果たしていないと思うからです。
「玩具の販促用のヒーローものを作ってください」
「はい、わかりました。私はヒーローも販促も嫌いなので全く関係ない話を作りました。ヒーローと販促は隅っこのゴミ箱に捨ててあります」
というのはあまりにも不誠実だと思います。ひょっとしたら頼んだ側に問題があるのかもしれませんが、それにしても目に余ると思います。