『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』 最終回「きっと、また逢える」:感想

2019年2月10日

■不満点
・最終回なんですが今回は不満点のほうが多かったです。
全体のストーリーは問題ないんですが個々の展開がいまいちでした。

・まずドグラニオの倒し方ががっかりでした。
「中に入れた快盗にコレクションを奪われて弱体化する」というのは考えていた予想の中では悪いほうなのでがっかりです。ドグラニオがアホに見えます。勝因が敵のアホ化は嫌です。金庫には転送できるけどゴーシュのコレクションではワープできないというのも納得しがたいです。

・ビクトリー版スーパーエックスの活躍が少なかったのも残念でした。
最後の攻撃に参加したほうが良かったと思います。何もしないのは不自然です。警察だけで締めたいなら、エックスはドグラニオと相打ちになってダメージを与えて「後は頼んだ!」とやるほうが良いと思います。

・快盗の脱出も強引に感じました。
催眠で開けられるなんてそんな便利ものがあるならもっと早く探したほうが良かったのではないでしょうか? 液状化するザミーゴ対策とか考える必要がなかったような。劇場版を見てれば探すほうが現実的でないと思えてくるのでしょうかね?
助けられた三人が快盗になるというのも微妙な感じでした。快盗のコンセプトが「失ったものを取り戻すため」だから三人が快盗になりたがるのは問題ないんですが他とのすり合わせが悪いように感じます。
「再び悪が現れたとき、ヒーローもまた現れる」というのはヒーローものでは定番ではあるけど快盗でこれをやると警察の立場がないと思います。ノエルたちもわざわざ素人の3人を快盗に仕立て上げるより自分たちでやりなよと情けなく見えました。
脱出方法もゴーシュの持っていたワープ機能や分析機能などコレクションを複数使った合わせ技で金庫を開けるほうがこれまではできなかった理由になって良かったんじゃないかと思いました。

・最後の警察と快盗の対決も必要性がわかりませんでした。
快盗に装備を奪われるのは困るでしょうが渡し先はルパン家のわけですから全部終わった後に装備を貸してもらえば済むと思います。大きな貸しができたわけですから快盗が使っていた分のチェンジャーと有用なコレクションも追加で貸してもらえてもおかしくないでしょう。ノエルへの信頼を描いた以上はルパン家の信頼性は疑う余地がないはずです。

■不満というか残念
・快盗の快盗を止めた後が描かれなかったことも残念です。
今後の関連作など続きがあるんで仕方ないには仕方ないのですが。世間に正体がバレた問題もありますし、快盗をやる過程でいろいろ吹っ切れたであろう魁利がどうするのかは知りたかったです。ドラマでは快盗の人間性にスポットを当ててきたのに、最後まで”快盗”のままで終わるのは物足りません。

・CMをやってるキュウレンジャーとのvsエピローグ要素はやるのかな?とも思いましたが、どうもキュウレンジャーとのやつは快盗の正体バレ前の話ということになってるみたいですね。

■ドグラニオ
・「老い」でまとめたのは良かったと思います。
組織の力、コレクションの力を自分の力だと錯覚して自分の衰えに気づかないまま全てを失う。ドグラニオに相応しい末路だと思います。
視聴者から見れば「自分で侵略すればいいのに」とツッコミたくなるところのあった「後継者争い」もそういう意味ではドグラニオの判断では一番正解だったのかもしれません。そのまま後継者を見つけて引退していれば老いから来る問題も避けられたでしょう。
もっともドグラニオが一番実力を認めていたのがザミーゴのようだったあたりからすると、もう既に組織自体が腐敗しているからまともな後継者なんて出てくるはずもなかったのかもしれませんが。一番マシそうなデストラですら「自分で考える能動性が無い」、「コレクションの力に溺れそうだった」とドグラニオの問題と似たような傾向が見受けられましたからね。



作品全体の感想は後日、別の記事でまとめます。

コメント

6 件のコメント :

  1. おおよそ不満点は同じでした。
    怪盗は覚悟を持って世間に正体を晒したのですから警察という公的な立場や世間からどのような態度を取られ、取り戻したかったものを取り戻したこれからをどのように生きていくのか見たかったなという気持ちがありました。
    ただvsとして2チーム体制を最終回まできちんと続けられたことは素晴らしいと思いました、当初のコンセプト通りに一貫した作品になったというの加点かなと思います。
    個人的な好みを言えば戦う必要のなくなった一般人に戻った3人たちが見たかったので、Vシネでもなんでもいいので映像媒体でコレクション全回収後も見たいですね。
    あと兄に再会したカイリの表情を見て、また今までの罪悪感を感じつつ怪盗に身を置く心理状態を感じさせられる表情などをかえりみて伊藤あさひさんの演技は素晴らしかったなと感じました。一番演技が光っていたと思います。
    総括記事も楽しみにしています。

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    1. >ただvsとして2チーム体制を最終回まできちんと続けられたことは素晴らしいと思いました、当初のコンセプト通りに一貫した作品になったというの加点かなと思います。

      作品の中核に関してはしっかりできていたと思います。
      快盗と警察で扱いに差が大きいなどマイナス要素まではカバーできなかったこと全体のストーリーの進展の遅さなどそれ以外の構成面にいくつか難点があるだけです。

      >一番演技が光っていたと思います。

      一番喜怒哀楽が激しい役どころだったと思います。
      ニチアサ基準で言えば素晴らしかったと思います。役者さんに関しては特に不満はありません。

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  2. 正直ドグラニオ戦は悪くなかったと思います。というのもゴースト~ジオウや前作のキュウレンと比べればよっぽどマシな戦闘に感じたのが要因です。最初のコンセプトは即捨てる、設定がややこしいくせに勝因は販促キャラのごり押し、販促キャラ以外は空気だったり役立たずだったり迷惑だったりなアホ行動、いつまでも倒せないボスクラスのキャラ、後の新設定のせいで敵味方問わず最初からやれという名の矛盾。こんなのに比べれば間違いなくマシだと思います。ザミーゴ戦もそうですが、敵が弱体化した理由そのものの納得は出来るものでしたしね。もちろん相対的な意味であって、手放しに褒められるものではありませんでしたが。

    それと、ドグラニオは殺されるよりも残酷なオチでしたが、後のVシネとかで扱いやすくするための伏線が一番の理由ですかね?

    戦闘が終わってからはイマイチな展開なのは同意です。魁利達が怪盗の道を歩むことになったことに大体のキャラが罪悪感を感じてたはずなのに、ノエル達はどういう思いで新怪盗団を結成させたんですかね。

    ただ、魁利と兄貴のシーンは前後の流れを無視すれば良かったと思います。前までなら素直になれなかったり逆ギレしそうなイメージでしたが、魁利としてもそれを演じた役者さんとしても大きな成長が伺えるシーンだったと思います。

    長文失礼しました。作品全体の感想も楽しみにしてます。

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    1. >正直ドグラニオ戦は悪くなかったと思います。

      私は下のほうと比べる気はありません。

      >ドグラニオは殺されるよりも残酷なオチでしたが、後のVシネとかで扱いやすくするための伏線が一番の理由ですかね?

      どうでしょうね?
      そういう目的も思い浮かびますが、個人的にはドグラニオが直接またボスとして出てくるとは思いません。部下などの場合は死んでいても「ボスの仇!」と言えば済みますから後続作のために生かしておく必要性は薄いのではないかと考えます。「ドグラニオを助け出すため」というのも悪役っぽくないし、ギャングラーっぽくもないと思います。そう考えると違うのではないかと私は考えます。
      主な目的はあれがドグラニオにとって最も辛い仕打ちだからではないかと私は考えます。

      >ノエル達はどういう思いで新怪盗団を結成させたんですかね。

      何を考えていたんでしょうね。快盗はノエルたちがやっても特に問題ないことだと思うのですが。

      >ただ、魁利と兄貴のシーンは前後の流れを無視すれば良かったと思います。

      個人的には微妙です。シーン自体はいいんです。こういうシーンはあって然るべきだろうとずっと思っていましたので。
      問題は「別に兄貴が快盗にならなくても再会しただけでこの光景は見られたのではないか?」と思う点です。私はあのシーンに「兄貴が俺を助けるために快盗に?!」といったニュアンスを特に感じませんでした。あの場面での魁利は「ようやく再会できた」とか「会えて嬉しいけどどんな顔をして会えばいいものか(困惑)」といった感情のほうが主で兄が快盗になって助けに来たというシチュエーションは重要でないように見えました。
      ラストの快盗続行もそうなんですが、「快盗を止めた後の魁利とかは描かないでわざわざこれに時間を使うの?」と違和感を感じる場面でした。

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    2. こんにちは。
      最終回は私は皆さんのように否定的には見ませんでした。結構肯定派です。
      ドグラニオの倒し方は、ちょっと迫力にかけるというような印象はありましたが、方法自体は理屈に合った内容で、納得できました。ドグラニオは哀れでしたね。絶対的な権力者も所詮こんなもんだっていう展開はストーリーとしてとてもいいと思います。
      大切な人3人が快盗になった点も私は悪くないと思います。
      世間に顔がさらせれていて、かいりたち3人が快盗であったことは分かっているでしょうし、3人が消えたことについては何らかのかたちでノエルやこぐれさんから知らされているでしょう。そうすると、自分たちを救うために危険をかえりみずに戦い続け、結果異世界に閉じ込められてしまったことが分かります。その時の絶望は計り知れないでしょう。自分のせいで自分の大切な人がって思うわけです。とりわけかいりのお兄さんは弟として自分が絶対に守らなくてはいけないとずっと大切にしていた存在がかいりなのです。今度は自分たちがなんとしても助けなくてはならない。そう思ったはずです。ノエルになんか任せずに。その意思を汲んでノエルたちは彼らを快盗にしたんだと思います。それはとても納得の行くことだと私は感じます。
      そしてかいりたちが助けられたときについても私はいいシーンだったと思います。かいりたち3人は大切な人を何がなんでも救いたいと思っていました。でもそれは自分たちだけではなく、助けるべき大切な人たちもまた同じだったのです。お互いをお互いがどんなに大切に思っていたのかを実感できた瞬間があの再会の場面だったのです。その心情がよく表されたシーンだったと思います。
      そしてそもそも快盗についてですが、あれがどこまで悪いことなのかは疑問が残るところです。ギャングラーからコレクションを盗むことがそんなに悪いことなら、警察が躊躇なくギャングラーを殺すことはどうなのか?となってしまいます。まあ、それは今さら言ってもしょうがないし、突っ込むところではないのは重々わかっています。でも結局のところ、快盗ってそんなに悪いことをしているわけではないんですよね。ただ、その点を加味すると、お兄さんたちが快盗になったことにそこまでこだわる必要はないと思うのです。
      かいりがずっと葛藤していた点については、途中、多分ルパンマグナムをてに入れたときかな?で「やっぱ快盗向いてるわ」というような台詞が合ったと思います。あのときにかいりは吹っ切れたのではないでしょうか?あれは最後に快盗を続けることへの伏線にもなっているのではないでしょうか?
      終わり方も私は好きでした。全体にシリアスなストーリーだったので、最後に勢いのある終わり方にするのは効果的だったと。最終回では特にメリハリがついて良かったです。原点回帰で二つの戦隊のぶつかり合うシーンで終わるのはかなりありだと思います。最後にまた戦いが待っているというドキドキ感を与えるのはいい演出だと思います。原点回帰でとっつぁん圭一郎が見れたのも良かったですし。
      と私は最終回及び終盤の展開はとても面白かったと思っています。大成功の戦隊だと思いました。見る人によって感じ方は色々だなと最終回の記事を見て思いました。
      まとめ記事も楽しみにしています。

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    3. 匿名さん、こんにちは。上の匿名さんとは別の方でよろしいでしょうか?


      >ノエルになんか任せずに。その意思を汲んでノエルたちは彼らを快盗にしたんだと思います。

      それだとノエルたちが無責任なことに変わりありませんよね? 私が問題視しているのは魁利の兄たちの行動ではなく、ノエルやコグレさんのほうです。
      快盗は犯罪行為です。ノエルたちでもどうにかできることに巻き込むのは問題だと思います。匿名さんはまるで魁利の兄たちから接触したかのような言い回しですが、ノエルたちから接触しない限りはノエルたちにはたどり着けないはずです。既に助ける手段も思いついていながらわざわざ魁利の兄たちに接触することに私は正当性を感じません。ノエルたちは魁利たちに多大な恩があるはずです。魁利たちは自分たちの目標を自力で叶えたのでノエルたちには返しきれないほどと言っていいでしょう。リスクを犯すならノエルたちが率先してやるのが筋だと思います。

      >結局のところ、快盗ってそんなに悪いことをしているわけではないんですよね。ただ、その点を加味すると、お兄さんたちが快盗になったことにそこまでこだわる必要はないと思うのです。

      もしも問題ないことだったら魁利たちが正体を隠すわけがありません。事実そうなったように、正体を明かしたら犯罪者としてお尋ね者になるから隠し通したいと思っていたはずです。そうでないとノエル救出の前後の話が丸々意味不明になります。

      >あれは最後に快盗を続けることへの伏線にもなっているのではないでしょうか?

      それは関係ないと思います。
      まず魁利以外の二人が快盗を続ける肯定的な理由が見当たりません。透真には料理人と結婚という夢が、初美花にはデザイナーになることと友達との元通りの生活という夢があったはずです。元の生活に戻ることが望みであって、理由もなく快盗を続ける理由はないと思います。最終回の最後はノエルたちの夢を叶えてあげるためのボランティアが主な理由であって、快盗をずっと続けることにしたわけではないと思います。

      魁利に関しては解釈の問題になります。
      少なくとも作中の一般的見地においては、魁利のあの発言を肯定的なこととして捉えられていないと私は考えます。あの場面では同じ快盗である透真やノエルたちですら心配していたように見えました。警察が快盗をどう考えているかは説明するまでもないでしょう。作中で懐疑的に描かれている方向性に魁利が向かうことが良いことだとは私は思えません。

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