『HUGっと!プリキュア』を1~6話まで見終えた時点での第一印象です。

■一言で言うと
・良くも悪くも「プリキュアらしいプリキュア」という印象です。
楽しく日々の生活を送り、妖精(赤ちゃん)を守るために悪いやつらと戦い、個人的な悩みや将来のことを考えていく。プリキュア定番の要素で話が作られていて、近年のプリキュアでよくあった「別の要素を足す」タイプとは真逆の保守的傾向が見受けられる作品です。

・良く言えば安定感がある、悪く言えば代わり映えしない。そういう印象です。
ここ数年は変化をつけようとしてあっちこっちにフラフラしてきた経緯があるのでこれが良いことなのか悪いことなのか何とも判断がつきません。

・最近は個人主義が行き過ぎて何のために戦ってるのかわからない、バトルが要らないように見える作品のほうが多かったので原点に立ち返ることは個人的には良いことではないかなと考えています。

■育児要素
・ハグプリのメインモチーフの一つは「育児」のようです。
育児要素に関しては思ったよりもちゃんとやっていると思いますし、まぁこんなものだろうと思うところもあります。
育児はそんなに派手なものじゃないから仕方ないと思います。リアルに特に何もない日常を描いても面白くないでしょうし、教育的な描写にもならないでしょう。 ターゲットである未就学児に「赤ちゃんを育てるには楽しいこと以外に苦労や工夫がいることも何かあるらしい」程度に伝われば充分ではないかと思います。

・もう一つの要素に見える「お仕事」に関しては6話でようやく触れた程度でまだ何とも言えません。
今のところはお仕事に関してはあまりやる気がないのかなという印象です。お仕事要素は6話でようやく登場したのに、担当の脚本家はシリーズ構成の坪田文さんではなくローテーション陣でした。内容も育児要素まで半端に混ぜられていて、シリーズ構成の担当でないせいかいまいちでした。

・「育児」と「仕事」を並べると、「育児も仕事も両方こなす、働くお母さん」を連想するところもありますが、今のところはそんな話では全然無さそうです。育児は育児、仕事は仕事で切り離されている印象です。

■ストーリーで個人的に気に入った点
・ストーリー上で重要でない場面で共感できるフレーズがあることが個人的には気に入っています。

・いろいろ知っている委員長に対して主人公が「頭が良くてすごいね」と無邪気に褒める一方で、委員長は「わからないことがあったらその都度図書館やネットで検索して調べている。自分で調べて物事を理解することが楽しい」と語る描写がありました。
「頭良さそうに見える人は頭が良いから頭が良いのではなく、疑問に思ったことや知らないことをその都度調べているから頭が良くなるんだよ」と子供に示すことは情操教育としてはとても良いことだと思いました。

・怪我でフィギュアスケーターを挫折してグレた同級生を応援しようとする主人公に対して、大人で妖精ポジションのハリーが
「もう充分がんばっているやつに『頑張れ』と言うのは酷だ」
と言ったりもしていました。

・どれもストーリー上で重要なシーンではありませんが、個人的には共感できる内容で良かったです。
できればただの標語で終わらせずに作中の登場人物を通して地に足の着いたお話にしてくれることを期待したいです。

■デザイン
・変身前が可愛いです。さすがスマプリの川村敏江さんです。
黄色の”ほまれ”や青の”さあや”が可愛いのは予告の時点で既に思っていたことですが、ピンクの主人公の”はな”も実際にストーリー上で見ていると可愛く見えてきたのは意外でした。作中でも「前髪切りすぎた」扱いの特徴的な髪型をしていますが、はなの性格を表していて似合っていると思えてきました。

・プリキュアもデザイン自体は良いと思うのですが個人的には苦手なほうです。
やっぱりまつ毛がケバケバしく感じます。そのせいでキャラデザに準拠したちゃんとした作画のときよりも、あっさりめなときや原画マンの手癖が出ているときのほうが見やすく感じてしまいます。

■アクション
・今のところは良い感じです。特殊能力は必殺技以外にはない、シンプルな格闘戦ですが見応えがあります。
ここ二年はもうダメかと覚悟しつつありましたが、今のところはそれ以前のクオリティに近づきつつあると思います。4話は劇場版並でずば抜けていましたし、他の話数も見せ場になるシーンがちゃんと用意されていて楽しめました。

・全体的にバトルが短めなところはいろいろな意味で気になるところです。
短くしたから質を上げられたのか、アニメーションスタッフのやる気とは裏腹にストーリーを考えてる人がバトルに興味がないせいなのか。今後の方向性に関わる部分だと思うので早めにこの疑問に白黒つけられるとありがたいです。

■全体の印象
・今のところは良いと思います。
アクション、可愛さ、ストーリー。およそプリキュアに求められると推測される要素は過不足無く揃っています。目新しさや派手さは控えめですが、そこは一長一短なので今は評価しがたいです。

・育児要素とお仕事要素のちぐはぐ感など不安なところもいくつかあります。こればかりはこの先を見てみないと何とも言えません。
良いと思ったことを伸ばす方向に行ってくれれば心配ないでしょうし、逆に不安に感じたことを主に取り扱っていくようなら厳しいでしょう。
しばらくは気軽に楽しみつつ様子を見ていきたいと思います。