『仮面ライダーリバイス』 第10話「兄と弟、信じる心」:感想

2021年11月14日
■もっと早く言えよ案件
・バイスの読心能力が突然出てきて唖然としました。
それができるならカゲロウになる前の大二を調べておけばいろいろ防げたんじゃないの?と思ってしまいました。早速前科が一つ付きました。今後も妹や狩崎、父親など事あるごとに「心を読んでおけば済んだんじゃない?」と言うことになりそうで不安です。

■言ってる意味がわからない
・バイスに「本当は弟のこと信じてないだろ」と事実を指摘されて一輝がようやく真実に向き合うときが来たかと思ったら、バイスにかどわかされて「そうだよな。俺は大二のことを信じてるよな」みたいな自己弁護が始まって唖然としました。前よりも余計に悪化しました。そこは納得しちゃダメでしょう。実際、カゲロウが生まれて一般人にも被害が及んでるのだから、まぁいっかで済ませていいことではないと思います。

・バイスの悪魔としての奸計を描いたのなら悪くはないと思いました。耳触りの良い都合の良いことを言って地獄に落とすのは悪魔らしいです。主人公の格が底辺まで落ちてる点は気になりますが。

・その後の展開も個人的には全然ついていけませんでした。
子供時代のエピソードを思い出して「大二は強いんだ!だからお前を倒す!」っていろんな意味で意味がわかりませんでした。
まず第一に、子供時代がそうだったから何だって言うのでしょう? 常識的に考えて「俺は強い。なぜなら俺は子供の頃に迷子になっても泣かなかったからだ!」と言ってる大人がいたら正気を疑いますよね? 良く捉えようとしても一輝が未だに大二を子供扱いしているという意味にしかならずカゲロウ再発待ったなしの最悪の環境にしか見えません。
実際に1話で大二がビビって変身できなかったという事実がある以上、大二が強いか弱いかで言えば弱いほうに入ると思います。
個人的にはそもそも家族思いの設定なのに弟のそんな誇らしいエピソードを忘れていたことに一輝って本当に最低だなと更に印象が悪くなりました。

・一輝が大二の闇堕ちに責任を感じているところも奇妙だと思いました。
自分が変身して戦ったことが原因だったみたいに語っていましたがあんまり関係ないと思います。1話の流れは大二がビビって変身できない→一輝が家族を守るために変身、という流れでしたし、2話以降のフェニックスからの勧誘も組織としての命令であり、大二が説得に来てたのもあくまで組織の指令だったからだと思います。
たとえばこれが、1話で大二が変身しようとしてたのに一輝が「兄ちゃんに任せとけ!」と横取りして変身したとか、2話からの勧誘も大二が「っていうのが組織の命令だけど兄ちゃん断っていいよ。俺がリバイスに変身して戦うからさ」みたいな態度だったのなら一輝が変身したのが悪いと言えるでしょうが実際の状況だと勝手にコンプレックスをこじらせた大二が悪く、一輝は無神経さで救いになれないだけで責任を感じるほどの元凶ではないと思います。

・気持ちも全く理解できませんでしたが、カゲロウ対策が「とりあえず倒す!」になったことも理解できませんでした。あのまま爆死してたらどうするつもりだったんでしょう?
カゲロウを弱らせて大二が主導権を握ることを期待するとかならまだわかりますが思いっきり爆発してましたし、それに一輝が慌てる様子も見られませんでした。
「ライダーキックはフェーズ2を分離できるから悪魔であるカゲロウも分離できるよ」みたいな理屈なのかなとも考えましたが、それだとライダーとデッドマンを同一視していることになってしまうのでヤバいですよね。どのライダーも自分がデッドマンと同類になったと認識しながら戦っているようにはとても見えません。
また東映公式によるとカゲロウはまだ消えずに大二の中で生きているそうなので分離もできていません。
「なんか上手くいった」としか言えない状況にしか見えず、弟の命がかかってるのにこんな雑な作戦を実行したのか…と一輝にまたドン引きしました。

・個人的には大二が変身する前のやり取りも違和感を感じました。
「俺は大二を信じてるからな」という台詞はライブに変身しようとドライバーを構えた大二に対してかけるほうが効果的だったように見えました。視聴者は「え? 変身して大丈夫なの?」という疑問を抱くシーンだと思うのでそこに重ねるほうが信頼感の強さを印象付けられたと思います。見せ場をみすみす逃しているように感じて、スタッフの実力への不信感が強まりました。

■仮面ライダーライブ
・次回予告の予想どおり、大二がツーサイドドライバーで変身した姿でした。
どうして大二が変身できると思っているのかすらよくわからず唐突な登場でした。そしてそもそもリバイスたちがデッドマンズに苦戦してる印象がまるで無いのでライブの必要性も感じられませんでした。気分的にもストーリー上でも「出た」としか言いようがない扱いのように見えました。存在感が販促のために唐突に出てきた劇場版のキャラや次回作のライダーと大差ないと思います。
大二もエビルも印象が特にないから、「こういうのが良かった」とか「この展開は違うと思う」とか何も言えないんですよね。この虚無感が何より問題だと思います。

・見た目はイクサっぽいと思いました。聖騎士みたいなイメージが共通してるんでしょうかね。
武器はエビルは剣でしたが、ライブは銃なんですね。形状的に銃剣なのかなと思ったら基本は銃だけみたいでした。セイバーで銃ライダーがいなかったので久しぶりに感じますがやっぱりアクションが地味ですね。ただでさえ通常攻撃の効いてる感じが薄いのに銃だと余計に地味に感じます。


・必殺技の決め台詞は「大事に決めようか」のままなんですね。
個人的には「それが決め台詞なの?」と思いました。言葉の意味がよくわかりません。大二が慎重な性格や心配性ならまだ「必殺技だから外さないようにしないとねってことかな」とか考えようがあるんですが、わりとオラオラ系なので「え、何を大事にするの? 突然何言ってるの?」という印象になってしまいます。

■”仮面ライダー”って何?
・この世界には仮面ライダーの番組が存在してるらしいとは耳にしていましたが、作中でも狩崎が言及しましたね。
しかし本編で説明されたり作中のテレビに映っていたりした覚えがないので結局どういう存在なのかは理解できません。今回の狩崎の発言は一般的には「テレビ番組のヒーローを現実化させようとしている」というふうに聞こえるってことでいいんでしょうか? そんな常識的に考えたら絵空事を司令官は認知しているのかとか前後のつながりも含めて何がどうなっているのか理解できていません。

■仮面ライダーリバイス・ブラキオゲノム
・元ネタはジオウですね。ジオウというと顔に張り付いた「ライダー」の文字のほうが印象が強いので時計モチーフのほうを出されてもジオウっぽさは薄く感じます。

・アクションとかは全然ジオウじゃありませんでしたね。レジェンド路線でジオウ自体の個性は薄いので当然ではありますが。なぜかパワー押しでゴリラとの違いがわかりませんでした。


次回は妹がドライバーを手にして悪堕ちしそうな雰囲気でした。
危惧していたとおり妹の話が始まりそうです。しかも大二と同じく人となりがよくわからないうちに悪堕ちするから話に全然ついていけないパターンになりそうな感じがぷんぷんします。



コメント

8 件のコメント :

  1. 感想お疲れ様です。
    やっぱり家族の心理描写やら家族のどういうところがいい点なのか全くかけずに露悪的な面ばかり書いて雑に処理する展開ばかりで頭が痛くなりますね。配信でやってるマジレンジャーの方が遥かに上手く家族・兄妹の描写が描けていると思います。管理人さんはマジレンジャーをご覧になったことはありますか?

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >やっぱり家族の心理描写やら家族のどういうところがいい点なのか全くかけずに露悪的な面ばかり書いて雑に処理する展開ばかりで頭が痛くなりますね。

      家族の良さを描けていない点は問題だと思います。良さに関しては一般論で済ませてギスギス描写ばかりに時間をかけては「家族なんてろくなものじゃないし、守らなくてもいいんじゃない?」という印象にもなってしまいます。
      過去や設定を明かさない点もそうなんですが、ストーリーに必要な要素を描けていないのはリバイスの大きな問題点だと思います。

      >管理人さんはマジレンジャーをご覧になったことはありますか?

      マジレンジャーは昔、全話見ました。
      リバイスとの比較対象としては不適格だと思います。マジレンジャーはマジレンジャーで一般論レベルの仲のいい家族をやってる程度で負の側面に関してはだいぶ避けていたと思います。リバイスが描きたいのは家族の良さではないと思うので方向性が違うと思います。マジレンジャーはギスギスを描きたい作品じゃないので描く必要がなく、リバイスはマジレンみたいに仲良くしたとしてもリバイスとしての方向性を見失うと思います。

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  2. マルゲリータ2021年11月14日 19:34

    今週も感想お疲れ様です。

    >バイスの読心能力が突然出てきて唖然としました。

    ホント唐突に出てきましたね。ですが、一輝が「そんなことできるんなら、早く言えよ!!」みたいな反応がなかったのを見ると、「そういうやり取りが視聴者の見てない間にあった」ということなんですかね。
    バイスが日々アップデートする悪魔とかいう設定はないので、どうしても「早くやれ!!」という反応になってしまいますよね。

    >カゲロウ対策が「とりあえず倒す!」になったことも理解できませんでした。あのまま爆死してたらどうするつもりだったんでしょう?

    意味不明なことをして、なんでかどうにかなったようにしか見えなかったですね。ブラキオにそんな能力もないでしょうし…

    >また東映公式によるとカゲロウはまだ消えずに大二の中で生きているそうなので分離もできていません。

    今度エビルをどう扱っていくのかに注目ですね。レンゲルみたいなパターンはゴメンですが。

    >セイバーで銃ライダーがいなかったので久しぶりに感じますがやっぱりアクションが地味ですね。ただでさえ通常攻撃の効いてる感じが薄いのに銃だと余計に地味に感じます。

    スラッシュは銃を使用できましたが全然使わず、活躍もありませんでしたからね。ライブがいきなり必殺技を出したのには驚きました。防いでもいない敵を倒せないのに、何が「フィニッシュ」なのでしょうかね。

    冒頭のデモンズの戦いで、デットマンを二体しか倒してなかったように見えたのですが、どうしてなんですかね?私の見間違いか、演出の短縮なのでしょうか。

    妹も変身フラグが立ちましたね。大二の二番煎じはないでしょうが、キャラも印象も薄いライダーが増えるのは勘弁と気持ちです。

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    1. マルゲリータさん、こんにちは。

      >ですが、一輝が「そんなことできるんなら、早く言えよ!!」みたいな反応がなかったのを見ると、「そういうやり取りが視聴者の見てない間にあった」ということなんですかね。

      好意的に解釈するなら「大二の足を掴んだときに大二の心が見えたよ」と言っていたのに対して一輝が「そういうことは早く言え!」と言っていたのが能力の有無に関しても掛かっている、という線でしょうかね。

      >今度エビルをどう扱っていくのかに注目ですね。レンゲルみたいなパターンはゴメンですが。

      レンゲルみたいぶり返しは嫌なんですけどそれをやらないとカゲロウを残してる意義が見当たらなくなりそうなんですよね… かといってバイス2号としてのエビルちゃんと化しても新人俳優の一人芝居を定期的に見ることになってそれも辛いですし。

      >防いでもいない敵を倒せないのに、何が「フィニッシュ」なのでしょうかね。

      なんとも間抜けでしたね。必殺技は音声の後に遅れて撃つタイプかと思ったらそんなこともありませんでした。同じ回で2種類の必殺技を使わないといけないなんて販促期間がよほど短いのでしょうか。

      >冒頭のデモンズの戦いで、デットマンを二体しか倒してなかったように見えたのですが、どうしてなんですかね?私の見間違いか、演出の短縮なのでしょうか。

      1体消えている気がしますよね。前回に倒した覚えもありませんし。編集でカットしたけど誰も問題に気づかなかったパターンでしょうか。

      >大二の二番煎じはないでしょうが、キャラも印象も薄いライダーが増えるのは勘弁と気持ちです。

      このままだと二番煎じになると私は思っています。仮に完全に敵になるとしても空気幹部3人が4人になるだけでこれも意味を感じませんし。

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  3. この展開、「大二の人物像掘り下げなどをもっとちゃんとやっていれば印象変わったのかな」に尽きると思います。
    ただでさえ10話もやっていない中で「兄へのコンプレックスが悪魔を生んだんだ!」「でも俺は大二が強い事を知っている」なんて言われてもなあ…という感じです。だって視聴者目線だと何も分からないんだもの。
    そもそも初のバディ体制なんだし、1クールくらいはリバイスの二人だけで引っ張っても良かったのでは?
    近年のライダー全般に言える事ですが、いくら販促が絡んでいるからといってポンポンライダー増やして、それで個々の印象が薄くなっては本末転倒です。

    次はサクラが闇堕ち。
    これで五十嵐家全員変身、史上初の家族ライダーだ!なんて事になったらどうしよう。

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    1. 匿名民さん、こんにちは。

      >この展開、「大二の人物像掘り下げなどをもっとちゃんとやっていれば印象変わったのかな」に尽きると思います。

      私もそう思います。
      あるいは一輝の魅力を描いたり、好意的に感情移入させるだけでも今よりはずっとマシだったと思います。それができていれば最低でも「兄を疎む弟」という根っこの部分はだいぶ受け入れられたでしょう。

      >そもそも初のバディ体制なんだし、1クールくらいはリバイスの二人だけで引っ張っても良かったのでは?

      バイスの存在感の無さは不思議ですよね。今回も冒頭で一人で出したり、目立たせる気がないわけではないようなのですが。あくまでマスコットであって、シリアスなストーリーには出す気がないという話なんでしょうかね。プロデューサーとシリーズ構成の軋轢など制作上の歪みによる産物ではないと良いのですが。

      >近年のライダー全般に言える事ですが、いくら販促が絡んでいるからといってポンポンライダー増やして、それで個々の印象が薄くなっては本末転倒です。

      前からそうですけど人数を増やすのは映像作品としてはデメリットが大きすぎると思います。「要らなくなったら殺せばいい」という処理もできないのでまさにお荷物になってしまいます。どうしてベルトにこだわるなら「一人の人物がベルトを何本も使い分ける」くらいが限界だと思います。

      >これで五十嵐家全員変身、史上初の家族ライダーだ!なんて事になったらどうしよう。

      今の流れだとやっても不思議はない印象ですね。ニンニンジャーの親子三代変身とかなんとか初の女性ライダーとかネットニュースのタイトルになりそうなフレーズをやるのが東映スタッフは大好きみたいですから。

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  4. 10話の後半で大二とさくらと一緒に写真に写っていた一輝がまた消えたシーンがありましたが今後そのあたりについても掘り下げられるんでしょうかね?その写真から一輝が消えてしまうシーンがあったのは4話もでしたよね?その時とは違うのか4話と10話で理由が同じなんでしょうか?

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    1. 後で回収しないとやる意味がないと思うのでいつか説明されると思います。
      理由が同じか違うのかは判断しようがないと思います。悪魔がいる世界なので超常現象が起きても不思議はないでしょう。ヒントになるものは見当たらないと思うので説明されない限りはわからないと思います。

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