『トロピカル~ジュ!プリキュア』:3クール目まで見終わった時点での感想

2021年11月27日
『トロピカル~ジュ!プリキュア』を37話まで見た時点での感想です。

■進展はない
・2クール目に続いてメインストーリーの進展はありませんでした。
魔女と先代プリキュアの間に個人的な関係があったり、魔女はバトラーに利用されてるだけっぽいことなどが提示されましたが具体的に何があったのかは何もわからないままです。37話で過去の記憶を見れる装置が登場したときにはもう少しわかるかと思ったのですが何もわからないままでした。あと12話もないと思うんですがこの後に説明してる暇があるんでしょうか? このままだと延々と説明する回が入るか、説明→実行→解決!みたいに流れ作業になるかでスムーズに進む展開が見えません。

・ローラとマナツが過去に面識があったことが判明しましたが唐突に感じられて気持ちがついていきませんでした。これまでにそんな伏線ありましたっけ? 島の浜辺に行ったときなど話題に出す機会はあったと思うんですが記憶にありません、

・マナツの初対面の相手に名前を聞く習慣がそのときに少女(ローラ)に名前を聞かなかったことを後悔し、父親に「今一番やりたいことをしなさい」と言われたからだということが説明されましたが個人的にはつながりから理解できませんでした。
マナツがしたかったことは浜辺で会った女の子とまた遊ぶことか、あるいは後悔しないで済むようにすることだと思います。名前を聞くのはそのための手段であって、名前を聞くことがマナツの一番やりたいことではないはずです。マナツが真にこだわるとしたら「今一番やりたいことをやること」ではなく、「友達と遊ぶ機会をみすみす逃すこと」や「公開しそうなことをしないようにする」ことで今のマナツみたいな能天気な性格にはならないと思います。明るく振る舞っていてもときどき何かを恐れているようなもっと影のある性格になると思います。満を持しての種明かしみたいなのに物事のつながりが全然ピンと来ませんでした。

■個人回も特に無し
・マナツとサンゴ、ローラは空気でした。
マナツはハロウィン回で悪い面が描かれました。しかし話が支離滅裂な上に特に成長も反省もないまま現状を肯定されて立ち直って終わってしまい、がっかりしました。

・ローラは没個性化したまま時間が過ぎたせいで地上で暮らしたいのか女王になりたいのか優先順位がはっきりしません。そのせいでメインストーリーでも深刻さが伝わってきませんでした。今のローラにとって女王になることがそんなに大切なことなのかがわからないので共感すらできません。

・サンゴはファッションショーに参加しましたがファッションショーがサンゴにとってどういう存在だったのかが伝わってこなかったので意味不明なまま終わってしまいました。しかもその後に将来の夢を話すときには以前と同じく店を継いで化粧品屋をやると言っていて本当に何の意味があったのか理解できませんでした。家業の意義を再確認するわけでもなく、何か発見をするわけでもないってどういう話がしたかったのでしょう。

・ミノリは文芸部の過去の出来事が「もう終わったこと」で片付けられて唖然としました。初登場のときからずっと引っ張ってきたのにもう終わったから特に何もないって何ですかそれは…
リアルではそういうことはあると思いますし、本人が納得してるなら悪くはないと思います。本人にモチベーションがないなら小説にこだわる必要性もありませんからね。
ただ、「それでいいのか?」という疑問は浮かんできます。トロピカる部に説得力がないからです。ミノリの趣旨は「今が充実してるからそれでいい」というものでしたがそんなに充実しているように見えません。ミノリは将来の夢を「本に関わる仕事が良い」と言っていましたがトロピカる部で本にまつわることをやっているとは思いません。これで文芸部にはもう興味がないし、今の部活に満足してると言われても納得がいきません。本当は何も心の整理がついてないのに無理やり終わらせたことにして片付けようとしていないかと不安になります。

・アスカは最も理解し難い内容でした。
アスカの部活絡みの過去は「テニス部の部長でもあった現生徒会長とコンビを組んで楽しくやっていたが、他校の生徒が他の部員のラケットを壊そうとしていることを目撃して掴みかかったら逆に暴行されたと脅され、試合を辞退した」というものでした。
もう事の成り行きから理解できません。ニッパーみたいなのを持ってて他校のロッカールームにいたところを取り押さえられた時点で現行犯逮捕だと思うんですけどどこをどうすれば逆に脅せるのでしょう??
もっと理解できないのは生徒会長の悪行です。八百長を呑んだ人間がこれまでどの面さげてあんな偉そうなことを言ってきたのでしょう? これも理解できません。
一番理解できないのはその一つ前の回の生徒会長を決める選挙でした。そんな生徒会長の路線を踏襲すると公言する金魚のふんみたいな候補者に勝てそうもなかったローラってなんなんでしょう? アスカと生徒会長の対立により生徒会はトロピカる部の逆を行く存在であるように見えました。そんな生徒会に民意で負けるのは大問題だと思います。ただでさえミノリやアスカの在り方に疑問を抱いている状況なので作中でも客観的に魅力のない思想として扱われるとますます存在意義がわからなくなりました。

・どの個人回も「トロピカる」といったキーワードからイメージする内容とかけ離れているように感じます。
私のイメージに沿った内容に変えると、マナツは「本当にそれがやりたいことなの?! 違うよね。本当にやりたいことは何? ”今一番やりたいこと”をやるのがトロピカる部だよ」と疑問を呈すると思うんですよね。
ミノリもアスカも「これでいいんだ…(今更文学やテニスを1からがんばる気もないし…)」という印象を受けますし、マナツの「将来したいことは将来の私がその時一番したいことだ!」という発言も「(だって将来のことなんてわからないし…)」という妥協したような姿勢が透けて見える印象です。これが私がそう思うからそう見えるという疑心暗鬼的なバイアスだといいんですが、反証になれそうなものが作中に見当たらないことが心配です。


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