『仮面ライダーセイバー』 第18話「炎の執念、メギドを討つ。」:感想

2021年1月17日

■つまらない展開
・ユーリの価値観がわからないうちに、「そうか、今はそういう価値観なのか」と向こうが勝手に合わせてくれてしまいました。これでは飛羽真の立場がないと思うんですが。
ここで説得できない主人公に価値が出るストーリーには見えないんですが大丈夫なんでしょうか?

■わけがわからん
・メギド分離作戦の意味がわかりませんでした。大前提の「敵は冷気を放つほどに本の完成が近づいているんだよ!」というところからわかりませんでした。
そんな描写ありましたっけ…? 「凍らせるパワーが上がってる=完成に近づいている証拠」とか物的証拠としての話なら理解できますが、放射しないと完成しないなんて話は初耳のように感じました。

・飛羽真の作戦も理解できませんでした。
なんで完成の瞬間を狙うしかないと思ったんでしょう? 前回で必殺技でメギドを殴ったら本がポロリしたことがあったんですけどあれじゃダメだったんでしょうか?
本のほうを切ると人間が出てくるのもよくわかりませんでした。これまでは「メギド=本(ワンダーライドブック)」なのに「本=人間」になるんですか? 違和感があります。
個人的には「冷気を耐えられたのは必殺技を使っていたからさ!」という展開も無理があると思いました。耐えられるのはわかりますけど、あんな馬鹿でか音声が流れるギミックではこっそりやるのは無理だと思います。

・挙句の果てに「切れっていうのはそういう意味じゃないよ???」みたいなことを言い始めて呆れました。予想通りの糞展開でうんざりです。
なんでこんなにコミュケーションしたがらないんでしょう。今回も倫太郎相手に「話を聞いてくれ!(特に話そうとはしない)」なんてアホなことをしていました。

・前にも書きましたけどこのディスコミュニケーション地獄は”小説家”というモチーフと相性が最悪だと思います。
ユーリが説明しないのはまだいいんです。古代人で生粋の剣士なのだから価値観が違うのは当然ですし、現代と噛み合ってない描写はたくさんありました。
ですが飛羽真は小説家です。小説家でしかも一応分類としてファンタジー作家に入っていて少なくとも絵本好きであるならば、「ユーリはリアルなファンタジー世界の住人みたいなものだから、もしかして『切れ』っていうのは殺せって意味じゃないのでは?」と想像を働かせられないと小説家としては落第だと思います。

■誰だこいつ
・芽依が言っていることは正論だと思いましたが芽依なので説得力がゼロでした。
1話で「遊びに行きたいから早く原稿上げてよ」とか言っていたやつに読者のために働くのが編集者の仕事とか言われても説得力がありません。その理屈でいくなら「遊びに行きたいけど良い原稿が上がるなら締め切りいっぱいまでは待つ!」と言うのが良い編集者だと思います。

■謎が解けた?
・今回、「一人にしてくれ…」と別室に行った飛羽真の行先がノーザンベースで唖然としました。飛羽真の部屋の内装ってノーザンベースに似てるな~とか思ってたらノーザンベースそのものだけでした。なんで裏切り者が使えるようになってて、あまつさえ個室としてゆったりするのに使ってるんでしょう… もう飛羽真の家で待ち伏せすればいいのにとかそういう次元を超えてます。

・ただ、おかげで一つの謎が解けたかもしれません。
先代セイバーが裏切った後にどうやってアヴァロンとかの知識を得たのだろうかと疑問でした。メギドのほうにも同じ文献が残っていたのだろうかとか考えていましたが、「裏切った後もノーザンベースに普通に出入りできた」とすれば不思議はありません。今回もユーリがソードオブロゴスは腐ってると言っていましたからガバガバ警備も問題ありませんしね。

■セイバーwith最光
・特に感想はありません。二刀流自体は何度もやってるから新鮮味がありませんし、二刀流以外の特徴もありません。剣が独りでに戦うのは最光単独で何度もやってますからね。
強いて言えば剣戟のエフェクトとアクションは前より良かったかな、という程度です。

■これ大丈夫?
・東映公式ページのユーリの説明にこんな文章がありました。

ユーリという名前からもお察しいただいていた方もいるかもしれませんが、彼の出身は現在のロシア。1000年前はキエフ大公国と呼ばれていた場所です。

本人も語っている通り、ユーリもかつては一人の剣士でした。

当時は、近隣諸国との争いが絶えない戦争の時代。
キエフ大公国内でさえ、大公の座を巡って血で血を洗う後継者争いが起こるなど、今と比べればとても平和とは言えない時代でした。
そんな時代に、世界を守るために戦っていたのですから、飛羽真の悩みや苦しみ、「人を守りたい」という言葉が甘っちょろい戯言に感じたのは仕方のないことなのでしょう。

 …え? ソードオブロゴスの剣士って浮世離れしてるのが当たりまえじゃないんですか? 剣士がこんなに現世事情に影響されてるのが当たりまえだと、ホモサピエンスだのエクレアだのと言っている倫太郎の言動が組織内でも異常ということになると思うんですが。

・そもそも1000年前でいいんでしょうか?
この世界がワンダーライドブックから生まれたなら聖剣も1000年前どころじゃない太古の昔から存在していると思うのですが。1000年前までは世界を揺るがすような聖剣が放置されてたってことなんでしょうか? ツッコミどころがたくさんある気がするのですが大丈夫なのでしょうか?


次回は基本的には「人間が変化したメギドと戦う編その2」という感じっぽいですね。
メインストーリーは大秦寺さんが飛羽真と戦うところのようです。説得されるか倫太郎みたいに狂信的にこじらせるかの二択しか選択肢が見えないので盛り上がれるところがあるようには見えません。説得された後で雑に大秦寺さんが殺されたりするとそれもありきたりで萎えるので止めてほしいです。

コメント

2 件のコメント :

  1. 更新お疲れ様です。

    編集長を救う解決策が酷かったですね。攻撃を放つほど完成に近づき、完成する瞬間に切れば無傷で分離できるという説明に全く納得感がありません。保証もない賭けで手遅れにならなかったのは主人公補正としか言いようがなく、管理人さんが予想した通り「光の剣で切れば一発だったのに」というオチまでついて、話し合わずに危険に晒した飛羽真の印象はますます悪くなるばかりです。
    前回「人が本で苦しむなんて」とか言っててメギドの悪事って本あまり関係ないのでは?と思ったのですが、セリフで小説家らしさを無理矢理出そうとするわりに、想像力とか語彙力で本質的に表現できていないんですよね。コミュ力に問題あるタイプには見えないんですが。

    倫太郎もヤバかったです。「セイバーが戦った?(あのクズがそんなことするはずない)」から始まって「人がメギドになるなんてあり得ない!飛羽真くんがメギドの味方に!」と殺しに来てました。説明しない飛羽真も大概ですが、倫太郎の知能レベルがヒーローとか以前の問題な気がします。大好きな組織は最低限の教育すらしてくれなかったのでしょうか。並んで氷漬けにされている様は地獄でした。

    ノーザンベース出入り自由は自分も笑いました。このガバセキュリティなら昔から悪者も暗躍し放題で張り合いがないでしょうね。

    ユーリには公式でそんな設定があるんですね。色々妄想するのは勝手ですが、物語の整合性とか考える気はあるんでしょうか。今回「光と闇の剣が交わる時…」とまた説明が始まってこの前は「赤と黒の龍が交わる時…」とか言ってたなとうんざりしてきます。スケールは壮大でも細かい部分が伝わってきません。

    最光は投げたら勝手に戦ってくれて必殺技の時手元に帰ってくる便利アイテムに成り下がりましたね。ドラゴニックナイトと色味が合ってなくてしっくりきません。

    大秦寺さんとのドラマに期待もできません。スラッシュは不人気そうですし持て余してるなら数減らすのもいいかと自分は思います。賢人が復活してこないのは数少ない評価できる点です。温存してるだけかもしれませんが…。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >コミュ力に問題あるタイプには見えないんですが。

      最序盤の相手に怒らず褒めようとするところやお店が子供のたまり場になっているところなんかはコミュケーションに長けているかのような描写に見えたんですけどね… 最序盤の設定はだいたいどこかに行ってしまったのでコミュケーション能力も消滅したのかもしれませんが。

      >大好きな組織は最低限の教育すらしてくれなかったのでしょうか。

      そりゃまぁ腐ってる組織ですので。敵に回っている現状よりも味方に戻った後のほうが大変だと思います。芽依のようにアホな味方は敵以上に視聴者からのヘイトが溜まりがちです。

      >今回「光と闇の剣が交わる時…」とまた説明が始まってこの前は「赤と黒の龍が交わる時…」とか言ってたなとうんざりしてきます。

      今回のを聞いていたときに「あれ、特別なのはセイバーとカリバーの剣じゃなかったっけ? 何本も特別なのがあるの?」と不思議に思いました。ユーリが剣と同化したという話があっさり流されたり、ちゃんとまとめる気があるのかなと不安を感じます。不安というか諦めや絶望感に近いですが。

      >ドラゴニックナイトと色味が合ってなくてしっくりきません。

      西洋騎士の甲冑っぽいドラゴニックナイトに対して、最光は顔がついてたり隙間が多かったりいかにも玩具っぽい外見なので合いませんね。

      >スラッシュは不人気そうですし持て余してるなら数減らすのもいいかと自分は思います。

      私は死んでもそれほど効果はないんじゃないかと思っています。既に出番がなく空気ですからね。”誰か”が戦わないといけないところにときどき出てくる程度なので死んでも他の誰かが出るだけで大勢には影響しないような気がします。むしろ比較的話が通じる相手なだけ蓮や尾上よりはマシな気がします。

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