【ストーリー】

■完成度が低い
・部分的には良かったです。
叔父さんの部品交換の話は叔父さんの職業に則した話で説得力がありました。
ファイズのキャラである巧と草加のねじれた友情も、本編と異なる世界という状況を活かしていました。

・しかし全体としては破綻しているように感じました。そこで台無しです。
叔父さんの話はピントがズレているように感じました。確かに機械ならば「中身が別物で外側だけ同じ物は交換する前と同じ存在なのか?」と言えますが、今回のゲストのカリンにはあてはまらないと思います。もしも人格が別人の状態でも生き続けさせようとしていたならあてはまったでしょうが、どう見ても人格は生前のままでした。これでカリンが別人かどうかと問われたら私は同一人物だと断言します。これでは叔父さんの話は関係があるようで特にない話でしかありません。できるとしたら「これで『生きている』と言えるのか?」という話だったと思います。

・巧と草加についても前提条件が描かれていないので話がぼやけていました。
巧が自称「流しのクリーニング屋」になっていたり、基本的には本編とは別人のようでした。草加も同じ施設の仲間というだけで自分の命を危険に晒してまで助けようとする善人のようになっていました。
この状況で原作のストーリー展開やキャラの関係性に被せる構図を作っても、原作と重ねようとする分だけむしろズレてしまうと思います。「同じだけど違う」という原作に絡めた意図がそのまま「(状況が)違うけど(意図したドラマは原作と)同じ」という違和感に直結してしまいます。どこを変えてどこは同じなのかをしっかり描かないとifのストーリーを作り上げるのは無理だと思います。「原作では仲が悪かったけど、この世界では仲が良いんじゃない?」という疑問で終わってしまう内容ではダメだと思います。

・ゲストキャラのカリンと佐久間の話に限っても、カリンが今更あんなことを言い出すのは変だと思います。
15年も経ってるんですよ? 本当に犠牲者や佐久間自信に対する罪悪感があったなら、その間ずっと思ってたけど言わなかったなんてあり得るでしょうか。仮にそうだったとしたら今度は今更言い出したカリンの性根が疑われると思います。
この話にするなら「カリンはずっと止めてくれと懇願してきたし、自殺しようと試みたこともあったけど佐久間は止まらなかった」か、「カリンはこれでいいのだと目をつむり続けてきたがソウゴたちとの関わりによって今の状態は間違ってると思い直した」といった流れのほうが適切だったと思います。

・どこを取っても全体としては破綻しているように感じるお話でした。
個人的には「う~ん、下山さん」という印象です。思いつきで作っては全体をまとめるのが下手な人という印象です。

■結局フォーゼは関係なし
・前回の時点で思ったことですが結局ファイズ編であってフォーゼは関係ありませんでした。
これなら「風都に転校してきた」と言えばW編になるし、「聖都大学附属病院のある街に転校してきて、怪我をして病院に運ばれた」と言えばエグゼイド編になったのではないかと思いました。
プロデューサー曰く「レジェンドから逃げない」がモットーの一つだそうですが「逃げる」の定義って何なのでしょうね… 原作からは逃げてもいいって話ですか?

■アナザーの謎
・またしても理解不能な描写が続きました。
まずはアナザーファイズ/フォーゼです。タイムジャッカーの目的はジオウに代わる王を作り上げることだそうですが、ろくな実績も出せていないうちに「8年以上経っても何の成果も出せずに潰えてしまう」という例が先に提示されてしまいました。ダメになるのは仕方ないにしても成功するようにサポートもしないタイムジャッカーがボンクラに見えてしょうがありません。いったい何がしたいんでしょう。ますます謎が深まりました。

・ソウゴたちの行動も時系列が摩訶不思議でした。
今回は過去のファイズと現代のフォーゼをジオウとゲイツで別々に両方倒すことにしていました。これがまず理解できませんでした。過去のファイズを倒せばその時点で歴史改変の影響でフォーゼも消えるのではないんですね。
「アナザーフォーゼは歴史に記された本物のフォーゼに成り代わった存在だから歴史改変の影響を受けない」という仮説も考えましたが、少なくとも変身している佐久間という人物は別人になると思います。「アナザーファイズになれなかった=カリンはあの時点で死んでいる」となるはずなのでフォーゼになる理由が失われているはずですから。

・これだけでも謎なのですが、更に「ジオウがフォーゼを倒した直後に戦い終わったゲイツもやってくる」という描写までありました。これで「まだファイズを倒した歴史改変の影響が発揮されていない」という可能性も薄れました。少なくともゲイツが時間移動するだけの時間は経っているわけですからね。普通に考えればゲイツが過去から時間移動する先は「歴史修正された現代」でしょう。歴史が変わっているけどまだ変わっていないという理解しがたい状況のように見えました。
相変わらずジオウの世界の在り方は理解できません。


【アクション】

・今回はゲイツが変身過程で生身アクションを披露していました。
空中回し蹴りが見事でしたね。吹き替えって感じでもなかったですし本物でしょうか。 変身する前のほうが動きがいい、鎧武と同じ困った状況になりそうだと思いました。

■ゲイツ:ファイズフォーム
・ゲイツのファイズフォームの必殺技は原作を踏襲したものでしたね。
「ゲイツの動きは原作オマージュで、ジオウはオリジナル路線」とか棲み分けすればいいのにと思いました。現状だと行き当たりばったりで特に統一感は感じません。アクションのスタイルはそのキャラの個性を反映したものだと思うのでそこに統一感がないのは問題だと思います。キャラの人格まで疑われてしまいます。


次回はウィザード編のようです。
ウィザードのストーリーというと「操真晴人の物語」という印象なので何をするのかこれまで以上に疑問です。ソウゴが「希望」、ゲイツかアナザー怪人が「絶望」の対比にするとかでしょうかね。予想よりは薄くない話だといいのですが。