『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第10話「イケイケドンドン!昭和が来た!」:感想
■普通にいまいち
・昭和ネタは羅列しただけで特に面白くありませんでした。子どもにとっては目新しいのでしょうか。それにしたってネタの扱いが中途半端だったので全体的には楽しみづらい構成だったんじゃないかと思います。
・どっちかと言うとTTFCのズバットアプリの宣伝の方がメインだったのかなと思うくらいに昭和ネタが中途半端でした。
脚本はまだまだ先までできている…はずなので慌てて部分的に書き換えたから全体の構成がいびつになっていたのかもしれません。
■井上亜樹子さんの悪癖
・ただ、昭和ネタのオチに限ってもクオリティが低かったのでやっぱり脚本の質の問題が大きいと思います。
話をまとめるために話がすり替わってるところが致命的でした。「令和の方が便利で昭和も楽しめる。昭和も令和も楽しめてる俺の方が上!」ってそれは昭和か令和かの話ではありません。ただの老害か否かです。
昭和の”No1”かどうか以前に、昭和よりも便利かどうかや老害にこだわっている禽次郎も怪人もどちらにも参加資格がないからバトルが成立しないと思います。
「令和ではこんな簡単にいろんなノリ弁が食べられるんだ!」に至ってはそれはただの利便性の話でますますもって昭和も令和も関係ありません。
便利なのが良い云々で言い出すと、作中の描写だけでも「いろんなノリ弁が食べられる令和」vs「邪魔なビルが無くてキレイな夕日を楽しめる昭和」が対立します。
完璧に矛盾しているのでこれ以上言うことがありません。ちゃんとまとめてから脚本を書いてください。
「時代を良くするために動き続けた前向きさこそが昭和精神!」みたいに言っていましたが、これも話がすり替わっていると思いました。
禽次郎は「自分が楽しめなかった若い頃」という過去にこだわっているから若返ってパリピになることに執着しているはずです。自分の利益や私欲にこだわり、更に本質的には老人のままパリピになっても構わないはずなのに若い頃にこだわる姿は二重に内向きだと思います。全く昭和精神の定義に合っていません。
そもそもゴジュウジャー含めてNo1バトルに参加しているキャラはみんな自己中心的なのでこの定義を大前提にすると、誰も昭和No1になる資格は無いと思います。
・個人的には総じて「こういうのプリキュアで井上亜樹子さんが担当した回で見たな…」と思いました。
きれいな話にまとめようとするけれども、きれいじゃなくて話がぼやけただけで終わってるしまとまってすらいない。そういう回がよくありました。
ゴジュウジャーが始まる前の井上亜樹子さんのイメージそのままの内容がゴジュウジャーでも出てきたのでますます絶望感が強まりました。やっぱり脚本家としての実力が足りていないと思います。
■ラグジュアリー探偵要素はどこなのか…
・ラグジュアリー探偵はバイトなんてしないし、港区女子はバイトするにしても弁当屋では働きたがらないと思うんですけど私の認識が間違ってるんでしょうか?
最初からずっと「どこがラグジュアリー探偵でどこが港区女子なのかさっぱり伝わってこない」と言ってきましたが、ますますもってわからなくなりました。
もう死に設定なのかと思いたいんですけど、作中では今回もラグジュアリー探偵がどうのと強調してたので諦める気は無いみたいなんですよね…
・バイトする理由が「家族を養うため」だったことが個人的には大きな違和感を感じました。
先走って警察をクビになったり「誘拐された妹が何より大事」という印象だったので親か旦那か子供か知りませんが、他の家族を大切にしていることに驚きました。
残された家族云々で言うなら警察は続けた方が生活は安定したと思うんですけど、そこはそんな冷静に上手く立ち回れなかったって話でしかないんですかね?
「角乃はそういうキャラなんです」って話ならまぁそれでもいいんですが、作劇的には矛盾した内容で混乱を招く設定は避けた方が無難だと思います。少なくとも井上亜樹子さんにそんな繊細な機微を使い分けられる技量は無いと思います。
■吠の人格
・ジュウレンジャー回に引き続き、また「ここは(みんなでポーズを)決めるところだろ?!」とチーム感にこだわっていました。
吠の人格ってどうなってるんでしょう? 前回と前々回で「俺にはやりたいことがない…」を理由に兄に従ってメンバーを攻撃したばかりのはずなんですけど…
そんなにチームが大切ならそれだけで兄に従わない理由には充分だったんじゃないんですか?
・ま~たころころ言動が変わっていて混乱させられます。
そんなに仲間意識が強いなら、今回に限っても竜儀に「お前も厄介な家族がいるんだな」と共感されていたときに「お前もそうなのか?! 俺たち仲間だな!(肩を組もうとして竜儀にウザがられる)」ぐらいにグイグイ行きそうな気がします。
■ブラック大獣神
・冒頭で出した割にはその後すぐに空気になって出番がなかったので
「これはしばらく雑魚ロボの代わりにブラック大獣神が出続けるパターンかな? 雑魚ロボより大獣神の方が強敵感があるし、ユニバースロボの販促にもなるからいいか」
なんて思っていたら、最後に雑に出てきて雑に倒されて1回で終わりました。
考え得る最悪の選択肢って感じで正気を疑いました。これの何が良いんでしょう…?
・テガソードロボが5体分身した意味も特にありませんでした。ニンニンジャーリングの力で種も仕掛けもありました。テガソードって神様なのにリング程度で分身できちゃうんだとテガソードの神聖までも下がりました。
・ブラック大獣神が強いなら「テガソードが力を貸してくれた」で済んだのですが、さっきやられたばかりのはずの百夜まで元気に復活していたので苦戦した感じすらなくて、本当に5体出す必要性を感じませんでした。
何これ?の連続で最初から最後まで戸惑いっぱなしでした。
次回はガオレッドの指輪の戦士が登場するようです。
…あとは何をするんでしょう? 百夜がメインっぽい感じでしたが、ガオレッドとのつながりが特に思い当たりません。本物のガオレッドじゃないからそもそも指輪の戦士がどんな人物かすら想像しようもありませんし。
脚本は樋口達人さんだそうです。井上亜樹子さんの単独登板は10話で終わりました。
それは構わないんですが、樋口達人さんもブンブンジャーではパッとしない印象なので特に良くなる気もしません。それでも「井上亜樹子さんよりは賑やかしは得意そうだからいつもよりマシになるかもしれない」と思えてしまうところが辛いです。
亡くなった妻との関係も良さそうで孫にも恵まれてるけどパリピなりてえという軽い理由で生物の理を覆そうとする禽次郎
返信削除重い過去あるけどあざと女子キャラと全く噛み合ってないし捜査も全く進んでない角乃
この2人が良い話してるようでよく分からない事をやりながら馴れ合ってるのこの作品の歪さが出てるなあ
次回は鬼ごっこ対決だそうです、シンプルなルールでカッコいいアクションにも繋げやすそうで既に普段のNo1バトルより面白そうです
>この2人が良い話してるようでよく分からない事をやりながら馴れ合ってるのこの作品の歪さが出てるなあ
削除メンバー内だと相性が悪い方だと思うんですけどね。願いに関しては特にベクトルが真逆でそれを理由に対立してもおかしくないと思いますし。
>シンプルなルールでカッコいいアクションにも繋げやすそうで既に普段のNo1バトルより面白そうです
アクションでどうにかなるという点では良いかもしれませんね。監督も坂本監督みたいですし。
来週坂本組撮影&樋口さん脚本回との事で、この出来や評判次第ではメインライターが名前だけになって実質降板扱いのセイバー現象が起こりそうですね。
返信削除正直もう目も当てられない展開が続いているので、ここいらで大きくテコ入れしてクリスマス商戦辺りまでには戦える作品に舵を取り直してもらいたいです。
回を重ねるほどボロが出ている状態なので交代自体はやっても一向に構いませんが、私は今のところ樋口さんはローテ参加かスポット参加だろうと思っているので交代するかは考えたことがありません。
削除https://wpb.shueisha.co.jp/news/entertainment/2025/02/23/126130/
こちらのインタビューを信じる限りでは2月時点で20話まで脚本が上がっているそうなので次で11話の現状では交代するには相当な手間がかかるはずです。すぐに交代する可能性は低いと考えています。
鎧武とかもダンス周りの子供ウケが悪すぎて6話ぐらいで虚淵さんをお飾りにして急遽別の方が手直ししまくってましたね(その後玩具は爆発的に売れた)個人的には最初の頃よりかなり見られるようになってきてるように思いますし、子供もあんまり細かいことは気にならず、明るいテンポに徐々にノッてきているようです。大人が見る分には話がとっちらかっててイマイチですが・・
返信削除最近の方がその回ごとのやるべきこと、噛み砕いて言うと”ネタ”が中心になってきているので見やすくはなってきていると思います。
削除ただ、序盤に何をやっていたかと言うと、キャラ周りのストーリーやメインストーリー、設定など本来は中核になるはずの部分なので、序盤のウケが悪かったり、わかりづらいこととして視聴者に受け止められていることはかなりマズいと思います。全体ではなくキャラやNo1バトルなど要素レベルだけであろうとも、ゴジュウジャー独自要素がウケないと映像作品としては失敗になると思います。