『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第8話「正邪ゆらめく、指輪の狩人」:感想

2025年4月13日

■何の話だか全然わからない
・生きていた吠の兄に、吠の抱える虚無感、遂に迎えたゴジュウジャー同士の指輪争奪戦など出来事はいろいろあったはずなんですけど、個人的には何もピンと来ませんでした。
これまでずっとスタート地点も現在位置もわかってないので公式の方から「先に進んだよ!」と言われてもどこからどこにどのくらい移動したのかイメージできないんですよね…

・吠に至ってはとりあえず兄の命令に従って、終わったらなんか無気力になっていて現在の心情すら具体的にはよくわかりませんでした。
いったいどういう心境だったんでしょう?
「兄のゴジュウジャーを倒せという命令に従う」ということは、あの時点の吠にとっては「兄の指示>ゴジュウジャーメンバーへの思い入れや仲間意識」ということだったと推測されるのですが、兄への思いもメンバーへの仲間意識もどっちもピンと来ないんですよね…
兄の方は描かれてないから行方不明だった吠の兄としか知りません。しかも「お前はダメなやつだな」とか「使えねぇなぁ」とか面と向かって悪態ばかり言っていたので全然良い印象がありません。かといって「そんな扱いなのに『兄ちゃんが生きてた!』と心の底から嬉しそうな吠」みたいに吠からの兄への思い入れも感じられなかったので本当にどうして吠が兄に従うのか全くわかりませんでした。

・それだけ兄の存在が絶対的だったのか、あるいは兄の態度に内心ショックを受けてるからこそ内容を考えずに機械的に従い、その結果ファイヤキャンドルにも「こんなの俺が倒したかったゴジュウウルフじゃねぇ!」と吐き捨てられることになったのかな、といった線も考えてみましたが、それはそれで最後の自分から戦いを止め、指輪も捨てる無気力加減が謎になるんですよね…
止めるにも気力や決断力が必要になるからそこもどういう心情なのか理解できません。流されてるだけなのか、自分で考えてるのかどっちなんですか?!

■細かいところも変
・結局、吠の両親のところにいた新しい子どもたちは養子でした。
…じゃあなんで吠は家に帰らなかったんでしょうね? そんな「俺にはもう何も残ってない…」と言うほどの虚無感を抱えていて、それでいて「No1になれ!」とテガソードに言われたら乗り気になる程度の渇望を抱えているなら両親の元に一度は帰る方が自然だと思います。疲れたときに甘えるなら相手は親が対象になって当然でしょう。

・吠が敵になったことをメンバーが大げさにリアクションしているのも興醒めでした。
敵対することに反応すること自体に不思議はありません。むしろ「お前らに仲間意識があったの?」という点の方が不思議でした。
おかげで前回強引な手法でわざわざやったチーム結成話が台無しだと思います。取って付けた感は元より、元々何がしたいのかわからなかった吠がが率先して裏切っちゃったから「チーム結成!」なんて突然湧いた話に乗った分だけメンバーがアホみたいな感じになっちゃいました。前回の時点でも強引で面白くない展開だったのに印象が更に悪くなるとは度し難いです。

■禽次郎
・個人的には今回の主役だったはずの吠よりも禽次郎の方がよほど目立っていると思いました。
引っ越しをしたり、バイトを始めたり、
「いずれ失うにしても、それを理由に諦めるより今を楽しめる方向に行く方がプラスだろう」
と自分の価値観を示したり、よほど好感が持てる人物描写をされていました。
この発想は吠にとっても答えになり得る考えのように見えるので余計に吠の立場がありません。「裏切る前にとりあえず仲間に相談したら?」で解決しちゃう迷惑な主人公なんて見たくありません。

■テガジューン
・ブライダンの女王とされていたロボットみたいな顔がしゃべったり、ガリュードの指輪に使われたりしていてびっくりしました。
名前からするとテガソード神と関係があるんですかね? 「伴侶を求める」とか言っていましたし、指輪争奪戦はこの結婚絡みでもあるんでしょうか?

・個人的にはブライダンの幹部たちが女王の意識が無いことを知っていたことに驚きました。
「女王様、見ててくれよな!」とか言ってたので意外でした。「(意識がないからどうせ見てるわけないけど)」と思いながら言っていたとは予想外のドライさです。
吠を倒すことも中止していましたし、ファイヤキャンドルも思ってたより単純な人格ではないようです。

■リングハンター・ガリュード
・指輪から人格のない戦隊キャラを召喚できるようです。まんまゴーカイジャーのバスコやゼンカイジャーのステイシーザーですね。

・戦隊キャラを固有武器にも変えられるところが特徴でしょうか。
ただ、固有武器化はそんなに面白いとは思いませんでした。固有武器を使うだけなら召喚した戦隊キャラに使わせても問題ありませんからね。
ガリュードはガリュードのナイフ付き銃で戦う方が個性的だと思いますし、戦隊の固有武器も武器自体は差別化できるほど特徴が強い武器は多くありませんし。
今のところは「時間や撮影の都合で頭数は増やしたくないけど、ガリュードの指輪使用ノルマは果たしたい」みたいな撮影の都合を埋めるための設定かなぁという印象です。

・バトルは特に盛り上がらなかったので印象がよろしくありません。
戦隊キャラを召喚したけどバトルは4vs2で人数は余りがちなままでした。ここでの勝ち負けが状況に与える影響の薄い小競り合いなところも変化がなくて、いつもの消化試合の雑魚戦と内容は大差ないように感じました。

・デザインは頭に拳銃がついている以外は普通ですね。いかにも「悪の狩人」という感じで平凡な印象です。
頭の銃もアクションに活かしたりできず、「何これ?」という違和感のまま終わってるので特徴というよりも「特徴がないから無理やり特徴をつけた」みたいな無理やりな印象で良い印象を持てません。

・クオンのキャラクターは…何にも印象が残りませんでした。
嫌なやつ。敵。そんな単語レベルの印象しかありませんし、洗脳されてても不思議はないので人格を意識する必要性を感じません。


次回は吠が立ち直ってウルフの新武器&換装パーツ?を手に入れるようです。
きっかけになるはずの前編についていけていないので後編をやりますと言われてもついていける気がしません。「吠に立ち直ってほしい!」とも「吠が立ち直ったらどうなるの?」とも何にも興味が湧かないのでほぼ詰んでいます。ここから盛り返すには有無を言わさず盛り上げる剛腕が必要だと思いますが、そんなものがゴジュウジャースタッフから出てくる気はしません。







コメント

2 件のコメント :

  1. 個人的には行方不明の兄貴がいるなら普通に再開を願うだろうに願わず、
    (普通、そういう状況なら少なくとも願い無しにはならないでしょうし・・・)
    じゃあ、兄貴と険悪なのかと思えばそうでもなく
    これは指摘されていた角乃の妹に関する願いとも共通しており、
    もしかしてシリーズ構成は兄弟姉妹の描写が苦手か、何か致命的な勘違いをしているのではと考えてしまいます、

    また、テガジューンは一般販売されるそうで、
    いくらライバルのロボといっても男の子に受けるとは思えず、
    オタクに向けた商品なんですかね、それならプレバンだけで売った方がいいと思うのですが

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    1. >個人的には行方不明の兄貴がいるなら普通に再開を願うだろうに願わず、
      (普通、そういう状況なら少なくとも願い無しにはならないでしょうし・・・)

      奇妙ですよね。兄の救出なり、両親の家に家族として戻れるようにするなり、あれだけの虚無感を抱えているなら望みはあって然るべきだと思います。
      きっぱり諦めていたり絶望しているならそれはそれで「俺から兄や両親の記憶を消してくれ。人生をやり直したいんだ」とかマイナス方向なりの望みはあるでしょう。
      「苛烈無戦いを戦ってまで叶えたいとは思わない」とか「叶えたい願いのあるやつを踏みにじってまで叶える気はない。俺にそんな価値はない」とか、そういう話ならわかりますけど、そういうのもなく「テガソードが言うならとりあえずNo1目指して戦ってみるかぁ」と妙な乗り気になる心情が全然わかりません。
      様々な方向性で考えてみても吠のここまでの心情が全然わかんないですよね…

      >いくらライバルのロボといっても男の子に受けるとは思えず、

      あれで一般販売なのは不思議ですね。私も売れる気はしません。
      まだ「黒いテガソード」みたいなカラバリ武器+ロボパーツの方がマシなくらいだと思います。

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