『機界戦隊ゼンカイジャー』 第47話「パレス突入! ボスの前でも頭が高い!」:感想

2022年2月13日
■とても普通
・ステイシーの軟化もゾックスの再登場&ステイシーとの共闘もどれも順当な展開ばかりでした。必要な展開しかなくて、あらすじを読んでるかのような淡白さでした。

■ステイシー
・この期に及んでも事情がわからなくて共感できませんでした。
「今までなんとなくやってきたから…」と言われても理解はできますが反応に困ります。落ちぶれていくだけなら自業自得で済みますが、侵略戦争に加担してきたわけですから「これからは気持ちを切り替えて心機一転がんばったら良いんじゃない?」なんて気持ちで片付けることはできません。

・ステイシーがどういう境遇だからそういう思考回路になったのかがわからないことが個人的には厳しいです。
偉くなってバラシタラを見返す以外に選択肢が思いつかなかったみたいなことを言っていましたけど、ステイシーはいつからトジテンドに所属しているのでしょう? 母親が死んだ後はどうやって生活してたのでしょう? ジュランたち一般市民が悲惨な生活水準だったようですから孤児がそんなぬるいメンタルで生き残れる社会には見えません。
論理的に考えていくと、
1)バラシタラが生活の面倒を見てくれていた。
2)早くから実験兵士としてイジルデに改造されたり運用実験を担当していた。
のどちらかが有力ではないかと思います。
しかしバラシタラが面倒を見てくれていたならあそこまで恨む理由も、母親が納得のいかない死を迎える理由も怪しくなってきます。
イジルデの下にいたならイジルデに対してある程度の恩義を感じたり、逆にいつも酷い実験をしやがって!と恨みを溜め込んだり、何かしらの感情が膨らんでいくほうが自然だと思います。

・過去に囚われたキャラの過去がよくわからないのでは共感が薄くなるのは当然だと思います。
その辺がかなり半端でドラマが成立してないように感じています。香村さんはそういうところの細やかさに定評があった脚本家だと思うので余計に残念です。

・ブルーンを口実にする話もどういう意図で作られた話なのか理解できませんでした。
同じトジテンドって言っても、基地の掃除係と軍の兵隊として侵略や抹殺を担当していたのとでは罪の重さが全然違うと思います。
あえて勘違いを利用するならそれも有りだと思います。勘違いで救われるというのはゆるくてゼンカイジャーのリアリティラインには合っているでしょう。ステイシーの場合は維持を張ってるだけでさっさと軟化したほうが本人のためになることも明らかですからね。
しかしながらそういう意図でやってるわけでもなさそうでした。
そういう話なら勘違いしているというわかりやすさも兼ねて
ステイシー「掃除人?! 裏切り者を抹殺する汚れ役か… 噂にしか聞いたことがなかったがまさかお前がそうだったとは…」
ブルーン「(なんか盛大な勘違いをされてるみたいなんですが…?)」
介人「(まぁいいんじゃない?)」
みたいなやりとりがあったほうがゼンカイジャーのギャグ路線には馴染む気がします。

■イジルデ
・イジルデはやっぱりどうしようもなかったですね。
強敵としての格が全くありません。パクリだらけで発明家としての格さえありませんからね。バトルシーザーも雑魚ですし。

・バトルも肩透かしの連続でがっかりしました。
素体のクダイテストにすら苦戦するガオーンたちは情けなかったです。戦力バランスとしては苦戦するのも理解できますけどそれでも「雑魚vs雑魚」みたいな構図は萎えます。

・個人的にはゼンリョクゼンカイオーが出なかったことが一番がっかりしました。
介人がゼンリョクイーグルで登場したときには「このままゼンリョクゼンカイオーかな? ん、でもイジルデのロボはジュランたちと同じサイズだからこのままだとゼンリョクゼンカイオーよりだいぶ小さいよな? まぁ巨大化すればいいか。ゼンカイジャーだしそのくらいゆるくてもOKだろ」とか思ってたら実際の答えは「サイズが違うのでジュラガオーンで済ませます」というしょっぼい回答で萎えました。ゼンカイジャーの路線にそんな面白くない展開要らないと思います。

■ゾックス
・やっぱり戻ってきました。
戻ってくる理由が曖昧なんで今のところピンと来ていません。一人でトジテンドを潰せると思うほど楽観的ではないと思います。ゾックスには家族を守る義務があるはずですし危険なことは避けるでしょう。このタイミングで乗り込んでくる合理的な理由がこれといって思いつかないのですが次回でちゃんとフォローされるのでしょうか。


次回はボッコワスとバラシタラが並行して片付けられそうな雰囲気でした。
大ボスと軍司令が同格扱いとは理解に苦しみます。ハカイジュウオーのときにわざわざ大王の血筋の特殊さをアピールしてたのは何だったのでしょう? 最終回を丸々エピローグにあてるほどやることがあるようには見えませんし、次回はボッコワス相手には苦戦するだけで勝てず、バラシタラを倒した二人が合流していよいよ本当の最終決戦に突入するんですかね?


コメント

4 件のコメント :

  1. こんばんは。 ステイシー、ここまで引っ張っておいてどういった人物なのか曖昧なの凄いですよね…
    バラシタラに下剋上したいって野心もふと思いついたような設定にしか見えないです。そう思わせる説得力がほしかったです。それをやる尺はいっぱいあったはずですが何をしていたんでしょうか、この作品は…

    イジルデもやられたのかって感想しか出てこないです。
    ゼンカイジャーと幹部との接点がほぼないので幹部Aがやられた!それだけなんですよね…
    イジルデ関係はハカイザーを絡ませて介人と因縁をつけるとかいくらでもやりようはあったと思います。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ステイシー、ここまで引っ張っておいてどういった人物なのか曖昧なの凄いですよね…

      期間はあったし結構ステイシーに時間を割いたわりには具体性が乏しいのはかなりダメだと思います。ジュランたちがよくわからないのは脇役で描く気がないからで済ませられますがステイシーには適用できません。

      >バラシタラに下剋上したいって野心もふと思いついたような設定にしか見えないです。

      意味するところがよくわかりませんが、それ自体は序盤からずっと言っていたと思いますよ。
      どうやって実現するつもりなのか、そもそも何がどうなったら満足なのかなど具体的なことは特に語られていなかったと思いますが。

      >イジルデ関係はハカイザーを絡ませて介人と因縁をつけるとかいくらでもやりようはあったと思います。

      一応、作中で父ちゃんを洗脳して技術を悪用しやがって!と怒っていたことは怒っていたと思います。
      問題はずっと真剣に考えていたように見えない点だと思います。私は介人のキャラクター性がギャグとシリアスの狭間で不安定なところに原因があると思っています。普段はギャグをやっていて悩む描写や怒る描写が少ないから真剣味が感じにくいのだと思います。総じて言えば「全力全開!(それほど本気じゃないし、両親のことなど他のことのほうが本当は気になってる。ちなみに脚本家はステイシーのほうに全力である)」という看板倒れを放置したことのツケだと思います。
      やればできることを、やってないからできなくなってるのでこれまたもうどうしようもないと思っています。ステイシー同様にこれまで何をやってきたのかと呆れるばかりです。

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  2. フラフラしてるステイシーのオチがこれなのはある意味一貫してるけどフワフワしたものにしかならなかった

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    1. 展開自体は整合性があると思います。急に賢いことを言い出すほうが違和感があるでしょう。
      ただ、この展開をやる価値に疑問を感じます。少なくとも最重要事項として4クールも時間を費やす価値がないのは明らかだと思います。

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