『仮面ライダービルド』 第48話「ラブ&ピースの世界へ」:感想

2018年8月19日

■今週の新設定
・気合を入れればローグでもエボルトに勝てる
ハザードレベルってすごいですね。個人的にはこの期に及んでま~た「ハザードレベルが上がっただとぉ!」かよ、って感じでしたが。そんなにハザードレベルが影響するなら戦兎や龍我も消滅寸前まで改造するべきだと思います。「ラブ&ピース」と書いて”保身”と読むのだろうかと疑問に思えてきます。

・エボルトリガーを破壊すればいいじゃんby科学はわからないヒゲ
その発想はありませんでした。天才ですね。幻徳は戦兎を超えました。いやぁ良かったですね。私には全く意味がわかりません。
確か戦兎は前にも「トリガーを攻撃したら機能不全を起こすのではないか?」と考えて試していたと思ったのですがなんで戦兎は今回はやろうと思わなかったのでしょうね?
ビルドは「やらないからには効かないのだろう」という常識的な解釈が通用しなくて困ります。敵味方両方ともピンチの大半が「登場人物がアホだから」以外に説明がつけられないことが多い印象です。

・謎の生中継
市民の声が頂上まで届き、市民の側にもライダーの戦いが生中継されてるっぽいことに戸惑いました。
1)エボルトさんは親切にも相互生中継してくれてた。
2)あれは幻聴。
3)実はパンドラタワーは2階建てくらいの高さしかないので普通に声が届く。
4)あそこがパンドラタワーだなんて誰が言った? 前回のラストからは近くの公園に移動してたんだよ。
とりあえずこんな仮説を思いつきましたがどれでしょうね? 全部間違いでまともな答えがあることを祈ります。

■バトルものやヒーローものに絶望的に向いてない
・今回はまさにビルドのバトルの集大成と呼べる内容でした。
主役二人は早々に負けて「痛いよ~もう立てない~」と地面を舐めている中、脇役が気合を入れたら束になっても勝てなかった相手にあっさり勝って、勝った後には主役二人が急に元気になるとかゴミ箱から引っ張り出してきたようなアイディアにびっくりしました。間違って「こんな展開はダメだ!」と書いてある教科書をそのままやってしまったのでしょうか。
その後の取ってつけたような二人の活躍(たぶん)にも呆れ果てました。幻徳の後に「エボルトを放り込むのは俺がやる、いや俺だ」なんて後始末を巡る低次元の争いを繰り広げたことには唖然としました。そもそも誰かが犠牲にならないといけないなんて話は初耳なんですが。
美空の足手まといムーブも堂が入っていて逆に感心しました。最後まで貫き通しましたね。 パンドラボックスを抱えて走り出したときも「お、今度はエボルトにナイスパスか!」と思いましたがそちらは違いました。
ビルドのスタッフはつくづくバトルものやヒーローものに向いていないと思いました。一度でもヒーローものを見てかっこいいと思った経験があるのか不思議になってきます。

■言動の不一致
・敵も味方も言ってることとやってることが合わない行動ばかりで混乱しました。
戦兎は龍我に「お前が鍵だから最後まで死ぬな」と言っておきながらなぜか自分がロストボトルを抱えていました。常識的に考えると「ロストボトルを浄化する=エボルトからパネルを奪った後=龍我の出番」だから龍我か、美空たちに預けておくのが妥当ではないのでしょうか。自分で持った挙げ句にポロリして奪われてまた完全体になられていて馬鹿かと思いました。何がしたかったのでしょう?

・エボルトも「俺も感情を得たからハザードレベルが上がるようになってるぞ」と言っていたのに幻徳たちのハザードレベルが上がったことに対しては「なんだこの力は?!」と戸惑っていました。
ハザードレベルの影響でなければ何なのでしょう? 戦兎たちの気分が盛り上がるとパワーアップすることも理解できていてもおかしくないと思うのですが。

・ところで未だにジーニアスでエボルトに感情を与えたことのメリットが描かれていない気がするのですがどうするんでしょうね?
今回改めて言及したので無かったことにはできないはずなのですが、まぁビルドなので「え? エボルトが感情を手にしたのは十年も地球で過ごしたおかげですよ? パンチしたら感情が芽生えるなんてそんな非科学的なw」なんて言い出しても驚きませんが。

・エボルトに関しては個人的には「今日がお前の命日だ」も愕然としました。
え?、そもそも地球を滅ぼすんじゃありませんでしたっけ? 地球を滅ぼしたら地球人全員の命日になると思うのですが。
まさかエボルトさんは十年も地球で生活しながら「え?地球人ってブラックホールに飲み込まれたり、宇宙空間に放り出されたら生きていけないの?!」とか思っているのでしょうか。 あるいは「地球を滅ぼすとは言ったけど今日やるとは言ってない。戦って疲れたので明日にする」とか言い出すつもりだったのでしょうか。数分前に言ったことも忘れたかのような素振りに不安を感じました。もしかして次回は「数話前に言ったことを忘れる主人公vs数分前に言ったことを忘れるラスボス」による馬鹿決定戦が行われてしまうのでしょうか。

■結局戦兎の答えはどうなったの?
・ドラマ面で個人的に腑に落ちなかったことがありました。それは「龍我もエボルトの遺伝子を持っているから殺すべきby葛城巧」への戦兎の回答です。
結局、何も答えを出さないまま流れてまたどうでもいい扱いになったのかと思っていましたが今回龍我が自主的に蒸し返しました。なんかなぁなぁにしてるうちに問題のほうからどこかに行ってくれた感じで戦兎がかっこ悪く見えます。戦兎は何か答えを出せていたのでしょうか? そこがわかりませんでした。
「龍我を殺す必要はない」 と考えていたなら今回もっと必死に止めていたと思いますし、「やはりそれしか道はないか…」と覚悟していたにしてはこれまでにそういった描写がありませんし結局葛城巧に反論できなかったことになってしまいます。
これは「物事は使い方次第であって物自体には罪はない」という戦兎の科学の定義にもつながる話であり、結論を出さずに放置していい案件ではないと思うのですがどこがどうなっていたのでしょう?


次回は全部終わってエピローグや次の作品用の番外編、ではなくエボルトとまた戦うようです。
ま~た「これで全て終わる(終わらない)」ですか。代表戦といい、本当にこのパターン好きですね。1話前の内容が台無しになる展開を平気でやる神経が信じられません。


コメント

10 件のコメント :

  1. 今更な話ですが、龍我の遺伝子の話はこの期に及んでも意味がわかりませんね。

    寄生された母親から遺伝した→エボルトと融合したことで全部取られた→新たに創り出した!?→エボルトの遺伝子だから暴走する→ベルナージュにぶつけたことで消滅した→持ってるから白パネルを創れたし、エボルトに唯一止めを刺せる

    最後まで混乱しっぱなしでした。スタッフがこの話を真面目に作ってるであろうことが信じられません。


    あの世界の市民は、つい先日までライダーを犯罪者呼ばわりしてたり、劇場版ラストでも、逃走者者扱いしてたのに、突然「もうお前達しかいないんだぁ!」なんて叫び出して呆れ果てました。あんな奴ら助ける価値がないと思いましたし、その為に戦うライダー達も情けなく見えました。


    勝敗を分けたのが、エボルトリガーの破壊だったことが衝撃でした。
    たしがエボルドライバーは破壊不可能な代物だったはずですが、トリガーなら可能なんですね。
    「ローグがベルトに何回か攻撃してたどさくさに抜いた」または百歩譲って「ジーニアスの力orエボルトの遺伝子が可能にした」なら納得できたでしょうが、ただの雑魚のゴリ押しに負けるとは、これまた情けないラスボスです。

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    1. >今更な話ですが、龍我の遺伝子の話はこの期に及んでも意味がわかりませんね。

      一般用語の定義を無視して作中の事実から総合的に考えると以下のようになるのではないかと私は受け止めました。
      「エボルト遺伝子が肉体に影響して龍我は半宇宙人になった。」
      「エボルト遺伝子は人間の肉体がある程度再生できるように、無くなっても復元できる」
      「復元した遺伝子は復元したものだから再生した後は以前と同じである。(だから地球に来る以前のエボルトの記憶もあるし、パンドラボックスも操れる)」
      これのどこが遺伝子なのだろうという疑問は尽きませんがこのような存在であろうと今は理解しています。
      まぁ次回になったら「地球人の遺伝子がエボルトの遺伝子に汚染されてしまったから新しい世界でもエボルトの遺伝子が潜在的に存在している! だから平和になったこれからも第二のエボルトが現れないよう気をつけなければいけないんだ!」なんて新しい謎理論が繰り出される可能性は充分に考えられると思いますが。

      >あんな奴ら助ける価値がないと思いましたし、その為に戦うライダー達も情けなく見えました。

      「そんな弱くて愚かな市民でも守るんだ!」と言うのならまだわかるのですが、なんか普通に「俺たち応援されてるわー」と感動していて戸惑いました。何がしたかったのでしょうね。市民は馬鹿でクズという印象しかないので何のドラマも感じませんでした。まだ鍋島などゲストキャラを使ったほうがマシだったと思います。

      >ただの雑魚のゴリ押しに負けるとは、これまた情けないラスボスです。

      ハザードレベルが上がったから仕方ないのでしょうね。それだともっと前からがんばれば倒せたじゃんって話に思えてきますが。

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  2. 私はトリガー壊せたのはトリガー自体はそれほど頑丈ではないからだと思います。戦兎が破壊しようとしなかったのはエボルトがさせる気なかったからじゃないですかね。ローグ相手でエボルト油断してたんじゃないんでしょうか?生中継は単に市民の声がでかいからだと思いました。新世界の犠牲は後付ですよね46話で言っておくべきでした。私は美空役の女優さんが可哀そうだと思いました。今回くらいは砂羽さんを庇えよと思いましたね。万丈に関しては止める間が無く飛んでいきましたからね。もう少し時間あったら必死で止めると思います。 ここからは私の意見です。市民の応援は私は嫌でした。こういうシーンが苦手なのもありますが、アバレンジャーのクリスマス回の応援は興奮したのでビルドのやり方の問題ですね。予告の金のビルドはあまりかっこいいとは思えませんでした。前作はムテキになれなくてクロノスと戦うという緊迫感がありましたがビルドは来週楽しみになりません。後予告のopをオーケストラ風にしなかったのも不満です。長文失礼しました。

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    1. >ローグ相手でエボルト油断してたんじゃないんでしょうか?

      それだと戦兎が馬鹿ということになります。
      「まともに戦っても勝てないから平行世界を作って消滅させる。勝てなくてもいいからどうにかしてパネルを奪う」というのが戦兎のそもそもの作戦だったはずです。見てのとおり作戦もクソもない運任せのゴリ押し特攻作戦です。油断させれば勝てるなら油断を誘う作戦のほうが遥かにマシでしょう。
      また破壊しようにも隙がないというにはローグ1人でも羽交い締めにできたり、3人がかりならもっと楽にチャンスを作れたように見える描写がいくつもありました。殴りかかっては返り討ちにあっていたのが馬鹿みたいです。
      「戦兎は馬鹿」という結論に行き着く仮説はおよそ正しいものとは思えないので匿名さんの考えに私は否定的です。

      >生中継は単に市民の声がでかいからだと思いました。

      タワーが低いという前提がないとその考えは成り立ちませんがよろしいですか?
      高層ビルの上まで人間の声や物音がはっきり届くかどうかは現実的に考えれば判断できると思います。

      >もう少し時間あったら必死で止めると思います。

      それだと描写になっていないので作劇としては不適格だと思います。
      止める間を作ろうと思えば作れるのが製作側ですから。理由なんてエボルトが足掻いたからとか龍我もボロボロで立ってるのもやっとだからとか、いくらでも用意できます。

      >ビルドのやり方の問題ですね。

      そもそもビルドでは市民を描いたことがほとんど無いので当然のことだと思います。
      戦争だの何だの言っても結局自分が殺したの、自分が辛いだの、仲間がどうのと身近なことにしか登場人物が関心を示してきませんでしたからね。家族のために戦っていたはずの一海ですら仲間にしか興味がなくなったほどです。これで市民と言われても、見知らぬ外国の人や宇宙人に応援されているようなものです。

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    2. 考えは人それぞれですし私は管理人さんよりビルド詳しくないので管理人さんの考えが正解に近いかもしれませんね。市民に関しては声がでかい以外だとライダーを思う気持ちが届かせたですかね。ご都合主義になりますが。  断言は出来ませんがビルドは脚本家が悪いと思いますね。エグゼイドの高橋さんは一人で書いて個人的にはそれが面白かったと思いますがビルドは、サブライター付けてウィザードみたいに人助けして終わる箸休めの回を作った方が良かったと思います。質問ですがゲントク死んだ事についてどう思いますか?私は悪い意味で一話から変わったキャラなので良かったと思います。トリガー破壊したので無駄死になったカシラよりは貢献したし。まぁカシラが作ったロストボトルがエボルト苦しめるかもしれないのでまだわからないですけど。予告の戦兎が最高と笑顔で言っていたので多分みんな蘇るんでしょうね。個人的には生き返ってほしくはないですが、アンクや戦極龍馬みたいに死んだ方が輝くキャラがいるからです。

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    3. >市民に関しては声がでかい以外だとライダーを思う気持ちが届かせたですかね。ご都合主義になりますが

      それだとオカルトになるので私は避けています。それが有りだと何でもありになりかねないので出来事がご都合主義以外の何ものでもなくなると思います。

      >質問ですがゲントク死んだ事についてどう思いますか?

      死んだこと自体は順当な結果だとしか思いません。前々からずっと死ぬ死ぬオーラを振りまいていたので死なないほうが肩透かしです。
      良い死に方だったかという問いであれば、そうは思いません。個人的には美空を庇う意義はなかったと思います。幻徳には”大義”という戦う理由があるわけですから美空を守るためなんて小義は不要です。大義という漠然としたもののために命を賭けられることが幻徳のアイデンティティであるならば、純粋に大義のために死ぬほうが効果的だったと思います。

      >個人的には生き返ってほしくはないですが
       
      物語の有り様次第ですが、少なくとも”死”に意味を持たせようとした内容を含んだ作品ではやるべきでないと思います。死というのは不可逆だから成り立つのであって、「死んだり生き返ったりする」そんなものが死んだことに意義を見出すことは無いと思います。

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  3. 今回の市民の対応はファンの中でもあまり好印象ではないらしいですね。映画では仮面ライダーを否定していたはずなのにその後市民の描写を大してしてなかった癖に唐突に手のひら返すのは多少雑に感じてしまいましたね。でもエボルトも人間は身勝手だと言ってましたしある意味リアルなのではないでしょうか?あとローグがエボルトに応戦してたのは一海と同じようにハザードレベル上げまくっていたのと市民の声援でさらに上がったので何とか納得しました。

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    1. >でもエボルトも人間は身勝手だと言ってましたしある意味リアルなのではないでしょうか?

      現実的であることは免罪符にならないと私は思います。特にリアリティを放棄しているビルドではむしろナンセンスだと思います。
      ストーリーとしても登場人物の誰も市民の傾向について触れていないので関係ないと思います。

      >ローグがエボルトに応戦してたのは一海と同じようにハザードレベル上げまくっていたのと市民の声援でさらに上がったので何とか納得しました。

      私はその理由では納得できません。
      その理屈でいくと「戦兎たちは声援に反応しなかった。あいつらは市民の声なんて何とも思ってない冷血漢である」や「これまで苦しんできた人々や三羽烏程度の犠牲ではみんなハザードレベルが上がるほどのやる気が起きなかった」という結論につながると思うからです。これは戦兎たちの言動と著しく食い違うものだと考えます。

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  4. 主役とヒロインに分類されている、戦兎と美空に全く感情移入できません。戦兎はいちいち同じようなことで悩み、美空は典型的な足引っ張り系のヒロインで 、しかも両者が物語中の中心として展開されているので出番が多いのが本当に不快です。 もっと戦兎には序盤の様な市民の為に戦うライダーとしての描写が欲しかったです。

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    1. >戦兎はいちいち同じようなことで悩み

      戦兎のぶり返しはうざかったですね。
      悩みも発展するならまだわかるのですが同じようなことで何度もウジウジしていて立ち直り方も似たり寄ったりで単調でした。私にとっては不快というより、ただつまらなかったです。

      >美空は典型的な足引っ張り系のヒロインで

      美空は私にとってはどうでもいい存在です。
      ベルナージュや浄化など設定周りで出番がある程度でいつもの空気ヒロインだったと思っています。好きになる要素も特にありませんが。

      >もっと戦兎には序盤の様な市民の為に戦うライダーとしての描写が欲しかったです。

      今回のような話をするなら必要だったと思います。

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