びっくりするほど面白くない1話

・始まりました仮面ライダーゼッツ。
シリーズ構成は『エグゼイド』『ギーツ』『ゼロワン』を手掛けた高橋悠也さんです。
高橋悠也さんという時点で私にとっては楽しいお話にはならなさそうだなと覚悟していましたが、想像以上に普通につまらない平坦どころか下り坂な1話が出てきてびっくりしました。

スパイごっこがしょぼい! ダサい! つまらない!!

・まず冒頭のスパイごっこの映像がしょぼくて唖然としました。
主役が全然動けていません。演技力も運動もできないド新人に一人芝居をさせること自体が無謀以下の絵空事なので当然の結果です。
セットもしょぼく、演出もパッとせず、演技力をカバーできる物が何もありませんでした。
「役者さんが動ける人だったので変身前の主人公に『すごい!』と思ってもらえるようにこういうアクションを冒頭に持ってきました」
みたいな根拠のある場面なら良いと思いますけど、役者さんを無視して場面だけ作ってもどうにもなりません。それができるならアニメや漫画など作り手が全てを構成できるタイプの物作りだけです。

・顔すらわからない役者のクレジットのオサレ表示には苦笑いするしかありませんでした。
あのぉ~主人公とヒロイン?以外はまだ出てきてすらいないんですけど…
「クレジット出すタイミング間違えちゃってますよ~?」と言いたくなるほどの謎タイミングでした。

・ストーリーもしょぼかったです。
なんで犯人はアイドルを殺そうとしたのか意味がわかりませんでした。
犯罪史に名を残したいとかそういう動機が有るわけでもないなら殺すメリットが無いと思います。
正体も位置もバレてないならもう1回身代金を要求したりする方が儲かるし、悪党らしくしたいなら「身代金で100億円。お前を飼いたがってる金持ちに売ればもう100億だ!」みたいな最初から解放する気がないクズって描写で充分だと思います。
ドラマでも漫画でも何でもこれを持ち込みの企画として持っていたら「とりあえず変身までを5分にまとめてから出直してこい」って言われると思います。
びっくりするくらいにつまならすぎて終始真顔でした。
長すぎて何分経ったか確認したら丸々5分も使っていて唖然としました。
出来上がりがダメダメだったのは東映だから仕方ないとしても、これをカットしなかったことももはや判断ミスです。


良いところが見当たらない主人公

・普通にネガティブで現実逃避してる普通にダメ人間気味で良いところが普通に見当たりませんでした。
凡人としてのリアリティを持たせたいなら一つの手だとは思いますが、「夢の中で戦うヒーロー」というメイン題材との噛み合わせは悪いと思います。
「でもこいつ現実だと能無しの甲斐性なしなんだよね…」と常に脳裏を過る可能性があるのは大きなノイズになると思います。

・連れ去り犯から子供を助けようとしたことのインパクトが弱いことがまずかったと思います。
勇敢って感じはせず、そこそこ普通の善性だと思います。
キャラによってはチンピラとかでも「そんな柄じゃないのについ身体が動いてしまって子供を庇って車に轢かれて死んでしまった」なんてお話ありますよね。
あの流れなら普通に「車に轢かれそうな子供を助けようとして~(主人公は不運に会って助ける以前に倒れ、あの刑事さんが子供を助けた)」の方が勇気は有るように見えたと思います。

・今回倒した相手も自分の夢の中で自分を殺しに来た相手だから誰も助けたことにならないことがまた締りません。
つまりヒーローになれてないってことです。

「明晰夢を見れるから主人公の資格があります」って設定も弱いと思いました。
それなら明晰夢の専門家の方が良くないですか? そもそも主人公は大して思い通りの明晰夢を見れてないみたいですし。
主人公の明晰夢力が強いって言うなら怪人に一泡吹かせた方が良かったと思います。
怪人「これで終わりだ!→何っ?!(攻撃を外される)」みたいな展開を入れてから謎アジトに行った方が主人公はちゃんと怪人が驚くくらいの力を秘めてますよって伝わったと思います。

・全体的に主人公周りの説得力が薄いので現状だと
「『”夢”を見ることは誰にでもできる!』(寝ているときの夢と目標という意味の夢をかけたダブルミーニング)。そう、そこのゼッツを見ているそこの君にもね!」
みたいな凡人狙いのエモ展開でもやりたいのかなという印象ですが、どうなんでしょう?


他の登場人物も壊滅的

現実的だがこれまたネガティブなだけの妹。
特に活躍しない機密保持ガバガバで説明台詞を言うだけの刑事2人。
歩いているだけで何をしたのかよくわかんない悪役らしき人。
「どれが今回限りのゲストでしょう?」ってクイズを出しても違和感ないくらいのモブっぷりでした。


仮面ライダーゼッツ・フィジカムインパクト

デザインの印象は
「アメコミ風にした仮面ライダー1号」
という感じでした。
特に悪くもないし、特別良いとも思えてません。普通です。
実際に見てみても、「うん、普通だなぁ」という第一印象通りな感じで印象は変わりませんでした。
光るのはそれなりに派手でしたが、555とかでも見たことあるのでこれも想像の範疇でした。

光んないのかよ!

・しかもゼッツが光るのが変身直後だけであと光るのは必殺キックで蹴るタイミングとキックを決めた後だけでむしろ拍子抜けしました。
ずっと光ってる敵の目の方が目立ってるって何ですか?
そこは「ずっと発光していて、必殺技のときにはもっと派手に光る」でいいでしょう。

ベルトの意義は全然ピンと来てない

・喧伝しているベルトの位置は今のところ特に意味を感じていません。
個人的にはむしろ首周りの色と同化しちゃって、ベルトの存在感を見失うことが少なくなかったくらいです。

・たすき掛けするベルトと言うと「チャンピオンベルト」はああいう風に身体に掛けることがありますけど、そうじゃないですよね? ゴジュウジャーならともかくゼッツにはチャンピオン要素が皆無でしたもの。
「シートベルト」だとドライブと丸かぶりですし、車要素も全くありません。

「作ってる側だけが『ほら!いつもと違うでしょ!!』と自信満々に語っているけれども、見ている側はその”いつも”をよく知らないから価値が有ると思えない」
みたいな典型的な独りよがりの失敗にならないといいのですが。客観的に考えると
「え? これベルトなの? なんでベルトを胸に掛けるの? 胸に掛けるのはタスキじゃないの?」
って反応が返ってきても不思議はないと思うんですよね。

・ドット絵はなんでドット絵なのか不思議に感じました。
カプセルもドット絵も今のところ何もつながりがわかりませんでした。
どちらも子供っぽい印象を受けるネタで、作品の雰囲気からすると合ってない気がするんですけどね。
世界展開を目指すって話からすると、
「音声やギミックだと世界中の子供に共通してウケるか怪しいから誰が見てもわかるドット絵のアニメーションを目玉にした」
みたいな発想なんでしょうか?

アクション


・全体の印象は普通でした。
1話は殴る蹴るしかやってないです。見た目通りの力でねじ伏せる感じの動きで特に問題はなく、特筆するほど良くもありませんでした。
名前が「フィジカムインパクト」なのでパワーが感じられれば充分なんですかね。
フォームごとの使い分けができていくようになれば、もっと差をわかりやすく感じられるかもしれません。

・1話は夢や空間を操作できる能力の方が強調されていました。
ただ、夢を操作できるけど何ができて何ができないのか基準がわかりませんでした。
どこでもいつでも好きにできたらそれだけで勝てそうに思えるんですが、あれは自分の夢だからできることで「初回はホームグラウンドなので主人公有利」って話でしかないのでしょうか。

・敵を吹っ飛ばしたら吹っ飛ばした先がマグマやら落雷やらの過酷な環境だったシーンは映像も発想もしょぼすぎて唖然としました。
これで”迫力のある映像”のつもりなんですか???

・敵がいきなり鎖を絡めてくるところも個人的にはだいぶついていけませんでした。
なんで銃の塊みたいな敵から鎖が出てくるんですか?
そこからついていけなくて、見ていて「鎖? どう見ても鎖だよな? どこから出てきたの??」と戸惑いしか感じませんでした。
その後に主人公の妄想力で逆に敵が縛られるシーンも切り替えが急過ぎてこれもすぐに理解できませんでした。

・敵を鎖で縛り返す場面といい、
スパイごっこで最後にヒロインが外に落ちていた場面といい、
ゼッツに変身した直後に野外に出た状態から始まった場面といい、
カット割りが唐突だと感じるシーンが多かったです。普通に演出が悪いと思いました。

必殺技

・初回はライダーキックでした。
キックですらわりと意味がわかりませんでした。
蹴ったらZの文字が浮き上がる?
→いや数字の7。7が3つでスリーセブン(なんでスロット?)
→でも3つ揃うと足が伸びて7からZの形になる。
なんか出てくるものだからそもそも意味がわからないんですが、それにしたって意味がわからな過ぎでした。
「主人公が自称『エージェント・セブン』だから決め技も7です」
って話なんですかね?
007のパクリだろ?という印象で切り捨てていたので強調されて困りました。
もっと真面目に受け止めた方が良いんですかね?
本当に? 大丈夫ですか? 後で「訴えられたら怖いし…」とか日和ったりしませんか??

・「フィニッシュまでに3回段階的に蹴る」ことは演出次第では面白いかもしれないと思いました。
強敵相手にチャンスを作って1発ずつ刻んでいく展開はアクション映えしそうです。
ドラマ面では主人公が敵相手に演説して論破しながら刻んでいくのとか高橋さんは好きそうな気がします。
ただ、ベルト音声との整合性とかで出来無さそうな気もします。
待機音声がどうのとか実際の玩具じゃZが出ないとか再現できない可能性が有りそうです。

怪人のデザイン

・個人的には下半身のカラフルさとかあんまりピンと来ないデザインだなぁと本編を見ている間は思っていました。
でもツイッターでデザイナーの人が挙げているデザイン画を見てかなり印象が変わりました。



・ディテールとか除いてもだいぶ別物ですね。
デザイン画の方だと腕の異形さが目を引きつつ、足や頭部も含めた外側を中心に広がる緑のカラーリングがシルエットに調和感をもたしていますし、
カラフルな部分が目立った分だけ目の部分に弾倉があり歯をむき出しにしたようなグロテスクな顔つきや華奢な胴体の異形さが目立ちます。
実際のスーツの方は目の部分しか目立たず異形感が全然感じられません。
デザイン画の方を見ると「人…間じゃない!」となりますが、
スーツの方だと「人間…だよな? 顔のは何だ?」くらいにしか思えません。

・デザイナーさんは百武朋さんという方でした。
私は知らない人なので軽く検索してみたら、実写映画やドラマを中心に造形物や特殊メイクを作られてきた方で、特撮関連だとウルトラマンブレーザーやアークで怪獣デザインを担当されたようです。
ウルトラマンの方は元々きぐるみ然としていて動きやすさが重視されないからか、きぐるみのデザインが比較的デザイン画に近かったようですが、ライダーだと合わなかったみたいですね…


2話からは平常運転?で他人の夢を助けていくみたいです。
どうやって他人の夢に入るの?とか、
そもそもなんで主人公の深層心理にベルトが隠されてたの?とか、
疑問点が既に有るのですが、次回で解消されるでしょうか。1話の感じからするとどうにもなる気はしません。

・これで”世界展開”とか言ってることはもっと謎です。
正気ですか???
海外ではシリーズ作ではなく実質的に新規IP扱いになるのに1話がこの出来栄えでどうするつもりなんでしょう?
日本国内対象でやってきた普通のライダーと違ってスロースタートなんて許されない環境なんですけどそれすらわかってないんでしょうか?
今のところはいろんな意味で「ダメそう…」という印象が強いです。
ここからの挽回はあり得るのでしょうか?