『仮面ライダーガヴ』 第47話「幸せのディストピア」:感想

2025年8月10日
■ニエルブの末路
・勝利を確信して高笑いしながら何が起きたかもわからないまま自分が爆死するという呆気ない末路でした。
「え、これで終わり? 本当に死んだの?」と思うような呆気なさが無常感につながっていましたね。知略を尽くそうが物理的に死ねばそこで終わりなんですよね…

・人間牧場を後催眠にして仕込みだけにしておいて、普段は普通以上に幸福に生活させて収穫のときだけ合図で洗脳状態にして移動させるとかアイディア自体は良かったところがまた皮肉だなぁと思いました。確かにタイトル通りの「幸せのディストピア」でした。

・どうやってニエルブor持ってた起爆装置に爆弾を仕込んだのかは不思議に思いました。
他に技術者がいればゴチゾウの爆弾を解除するのは難しくないと思いますけど、自分や重要な装置に爆弾を仕込まれても気づかないのは異常だと思います。
さすがにニエルブもそこまで浅はかではないと思いたいです。大統領の洗脳能力で記憶を消されたんでしょうか?

・記事を書いていて、ふと「ニエルブはデンテに似たのか」と感じました。
デンテも面白そうだから、兄に言われたからと闇菓子を開発し、甥に頼まれたからショウマのガヴを改造し、そこから人間界やお菓子に興味を持って人間界に移住し、最後は姪に殺されました。
できそうだからやる。面白そうだから作る。好奇心という名の目先の欲望に忠実で、目的や物事の良し悪しなどは考えない。
そういうところはデンテとニエルブは似ているなと思いました。
野心に走った結果、ニエルブは利用されて無惨に死に、良心に従ったデンテは幸果やラキアにも死を悼まれる最後を遂げたところだけは明暗が分かれましたね。そういうところもガヴらしいと思います。

■ラキア
・足止めに人プレス化能力を使うところはえげつないなと思いました。
また毒注入で動きを止めるのかなと思っていたらもっと”効果的”な方法でした。
毒だとすぐに効果が切れちゃいますもんね… 改良品だから自前の毒で上書きや相殺できるかもわかりませんし。
方法としては正しく効率的なんですが、「使いたくね~」という気持ちが先立つところが短いシーンながらもガヴらしさを感じました。

■絆斗
・絆斗の方も個人的には短いながらも良い描き方だと思いました。
冒頭ではニエルブのことで師匠の死を思い出してカッとなった一方、ラキアと話した後は師匠の教えを思い出して反省していました。「重要なのは復讐じゃない」というこれまでの絆斗の流れと変化が台詞無しで端的に描かれていて鮮やかでした。

■ジープ
・ニエルブの裏切りにショックを受けたことで心境の変化があったようでした。
今までの流れからリゼルに遊ばれていることに気付いたのかと思いましたがまだそれとは違うみたいでした。
今までシータや兄弟など家族のためと考えて動いてきたけど、家族がみんな完全にバラバラになったことで自分を中心に自立して考えるようになったんでしょうかね?
家族もプライドも実力も全て失ったことで逆に吹っ切れたみたいでした。個人的には今まで一番まともな思考になったように感じました。

・ラキアに「やってることは一緒じゃない」と言ったときは、いや全然違うだろと思いましたが「使える物は忌々しい物(黒ガヴ/人プレス機能)でも何でも使う」という点が同じだと言っていたのなら確かに同じですね。


次回は大統領との決戦のようです。
大統領が強すぎて勝ち目が無さそうだけどどうやって勝つのかなと疑問に思っていましたが、ガヴの新フォームが鍵になるようです。無難に感情や思い出を力に変えてゴリ押しで勝つのでしょうか? それだけじゃない方が嬉しいのですが、ガヴは善性の肯定には熱心なのでシンプルに終わらせそうな気もします。




コメント

6 件のコメント :

  1. ニエルブの最後、すごくよかった。
    現実的に考えれば、すべての死がドラマティックになるわけがないし、もしかしたら本人的には他にも裏の手があったのかもしれないけれど、如何に策略を巡らせようが、それを上回る圧倒的な力の前にはなす術もない。
    無常感と因果応報が相まって、これ以上ない程の相応しい最後だったと思います。

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    1. ガヴの路線としては順当な末路だったと思います。
      ニエルブはトップに立つ器ではなかったし、本人の望みとも食い違いがあったと思います。そして取り巻く環境とも合いませんでした。
      ニエルブにはニエルブの考えや理屈が有ったと思いますが、こういう状況になった以上はこうなるしかなかったのでしょう。

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  2. 来週で大統領と決着つけて最後はランゴ兄さんですかねぇ
    となると後はリゼルとジープなのですがどうすのか

    リゼルはジープを弄んでいる一方で彼女なりにジープを育成したいようにも見えます

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    1. >来週で大統領と決着つけて最後はランゴ兄さんですかねぇ
      となると後はリゼルとジープなのですがどうすのか

      ランゴ、リゼル、ジープはまだどう転がるのか絞れませんね。
      ランゴは一度ショウマと決着をつけてるので、「もう闇菓子は止める。人間界にも関わらない。大統領がいなくなったから普通に大統領戦に出馬して大統領を目指す」で筋は通ってるけどすっきりしないビターエンドにすることも可能だと思います。

      >リゼルはジープを弄んでいる一方で彼女なりにジープを育成したいようにも見えます

      そういう解釈も可能だと思いますが、私はそうは思っていません。
      今回のジープに対する反応も喜びとかは見えず、「思ってた反応と違うんだけど?!」という驚きや戸惑いのように見えました。

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  3. 今週も感想お疲れ様です。

    ニエルブは最後まで大統領に歯向かう意志があったものの、大統領の方が一手も二手も上手だったせいであんな結末になってしまったのは(今までの経緯を踏まえても)敵ながら可哀想だなと思ってしまいました。前回の洗脳対策と言い、大統領は腕っぷしだけでなく敵の策略に手を打つ用意周到さがあるのが強敵らしさを上げてますね。
    ここまで強敵だとガヴの新フォームも何かしらの想定をしているのではないか…と少し不安になってしまいますが、どういう対応になるのでしょうね。

    ガヴとは関係ない話になってしまい申し訳ないですが、先日ゼッツの発表会見で脚本家はエグゼイド等の高橋悠也さんと発表がありましたね…。過去の作品を思うとガヴのような楽しみ方は期待できなさそうなのが残念ですが、Owl0079様の感想ブログはこれからも楽しみにしております。

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    1. nzさん、こんにちは。

      >ニエルブは最後まで大統領に歯向かう意志があったものの、大統領の方が一手も二手も上手だったせいであんな結末になってしまったのは(今までの経緯を踏まえても)敵ながら可哀想だなと思ってしまいました。

      グラニュートの掲げる弱肉強食的な考えは詰まるところ、こういう話だからああなったでしょうね。ニエルブの言う頭脳が評価される社会でも頭も含めた潰し合いになるので「生まれた場所が悪かった」とすら言い難い結末なのだと思います。

      >ここまで強敵だとガヴの新フォームも何かしらの想定をしているのではないか…と少し不安になってしまいますが、どういう対応になるのでしょうね。

      初見なら予想外ではあるんじゃないかと思います。
      ショウマの力が感情に深く関わるという部分まで詳細な分析はニエルブもできていないでしょうし。
      「新フォームで圧勝か?、と思ったら大統領も地力を見せる」くらいは有っても不思議はないと思います。
      香村さんはバトルを長引かせる傾向が薄いのであっさり終わる可能性も充分有りそうですが。

      >過去の作品を思うとガヴのような楽しみ方は期待できなさそうなのが残念ですが、Owl0079様の感想ブログはこれからも楽しみにしております。

      始まってみないと実態はわかりませんが、スタッフやお題目を見る限りでは不安要素が多いですね。

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