『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第27話「バトルで勝ち取れ!一攫千金!」:感想
ギャグ回、ではなかった
・次回予告の段階では長谷川圭一さんにギャグが向いているのかな?と首を傾げていましたが、蓋を開けてみればギャグ回ではありませんでした。
ブーケ回ですらなく、実際は熊手回でした。ブーケは熊手信者Aとしての役割しか今回はありませんでした。ブーケの本番は次回のようです。前半では出るだけで終わったのは、カーレンジャーのメイドさん前後編と同じ構成ですね。
クオンの会社訪問
・こっちも次回用でした。本当に次回用の前フリノルマ消化用って感じで特に意味がありませんでした。
そもそもクオンの会社はブライダンと直接関係が無さそうなので見学する意義が特になく、ゴジュウジャーのメンバーの反応は奇妙でした。
だったら帰ると言い出した吠が一番まともだったと思います。クオンがいるならクオンを倒したり野望を潰したりリスクを犯す意義もありますが、いないんじゃ罠100%か見学の意味ゼロでやる意味ないですからね。
・ただ、今回のメインである熊手以外のメンバーのバトルを収める器としては機能していたと思います。
No1バトルの怪人とタイマンしてる横で雑魚と小競り合いしているいつもの形よりかは、無関係のバトルを別のところでやってる方がまだ有意義に感じました。
対戦相手は指輪の戦士だったので尚更です。常夏総理/ドンブラザーズみたいにNo1バトルに指輪の戦士も参加させる方が話はまとめやすいですが、他のメンバーが浮くという点では問題がありましたからね。今回みたいに分ける形とは一長一短だと思います。
熊手
・掘り下げとしては順当でした。
熊手はなぜ世直し料を請求するのかを1万年前の過去の話と合わせて語っていました。
ただの浪費する金持ちキャラではなく、思想を持って経済を動かしている人間として描かれたことは熊手というキャラを受け入れやすくなってこれも順当だと思いました。
・ただ、具体性に欠けている点は説得力が弱いように感じました。
町内会長に多額のお金を要求しておいて、パーティーを開く頃には感謝される程の何かをやったみたいなのですが一体何だったのでしょう? そんな短期間で商店街を活性化できる程の成果を出せる事が思いつきませんでした。
「寂れた商店街が大きなショッピングモールや高層ビルに生まれ変わってる!」みたいなビジュアルなら資本投下の意義が感じられそうですが、それでいいのかってツッコミどころが出そうだから避けたんでしょうかね?
・No1バトルの理屈も個人的にはピンと来ませんでした。
「お前の金が泣いている」とか「お前の金は死に金だ」とかで勝敗が決まるのはファンタジー過ぎる気がして納得感が薄かったです。その手前の具体的なお金の使い方が描かれていないことがここでも問題になっていたと思います。
・個人的には消費や投資によって未来で生まれる金が有るというのは一理有ると思うので、そっちの方を強調して、「(いきなり『Winner! ゴジュウポーラー!!』といつもの決着ナレーションが流れて)未来への影響も見渡す神の視点で言えば真にお金をたくさん持っているのは熊手なので勝利判定は熊手に下される」みたいにして、
熊手「神の視点は神ではないお前さんには難しかったかな」→怪人が逆上して襲ってくる。
みたいな流れの方が合ってた気がしました。
・ちなみに16話の熊手初登場回では熊手がお金を請求することを「ヒーローとしては決して侵してはいけない〝禁忌〟」とプロデューサーは評していました。過去の指輪の戦士もお仲間だったんですけど… 禁忌犯しすぎじゃありませんか?
それはどうにもならん
・今回の内容に問題があるとすれば「そもそも熊手に世直しの印象が無い」という点でしょうね。
熊手編が4話しかなくて4話のうち世直ししたのは初登場回の前半だけで、あとは請求してない運動会回に世直ししてない探偵回と吠の思い出のお姉さん回に消費されてしまいましたから印象に無くて当然です。
長谷川さん同様にローテ脚本が担当した前々回のルパパト回でも熊手と言えば世直しという扱いでした。初期設定で他人と関わる最大の口実を扱わない方がおかしいのでこれも当然ですね。
世直しも何もさせずに街をうろついている蜂蜜好きか、「俺はゴジュウジャーのメンバーだから一緒にいるのは当然だが?」みたいな面をさせてるシリーズ構成の方がどうかしてます。
・ブーケの方も同様でした。
そもそも”ブーケの愛”が「下っ端怪人にも優しい」以外の形で表象化した事例がありませんからね。「愛とは『繋がり』なんだ! だから熊手のお金もブーケ的には愛と呼べるんだよ!」とか力説したところで、「そもそもブーケの愛って何?」と出だしの部分で躓いていしまって理解するのは困難です。
これもシリーズ構成がまともに扱ってこなかったことが元凶なのでどうしようもありません。私だってブーケに絡めた話を熊手でしろって言われたら「あの陸王ファン以外の特徴がないキャラを使って陸王を絡めずに何をしたらいいんだよ?!」と途方に暮れるでしょう。
アクション
・ゴジュウポーラーの方はそこそこ良かったです。熊手編に限らないのですが、No1バトルの怪人って弱いんですよね…
No1バトル中の方に怪人固有の能力が費やされていて戦闘の方には全然能力が活かされないことが多いので対戦相手としての魅力に欠けていることが多いと思います。
バトル自体も巨大戦を挟むせいか消化試合感が強くてこれも盛り上がらない一因です。
その点、今回は怪人はNo1バトルと関係なく、射撃攻撃や火炎放射など能力が多彩でバトルの時間も充分に取られていてゴジュウポーラーが活躍を見せられる場面がいくつも見どころがありました。
正論ではある
・ファイヤキャンドルが現れて巨大戦を始めたときは「え、今からまた仕切り直してやるの?!」と間延び感を感じましたが、そっちは次回の引きだったので安心しました。
・ギャグ地味たグーデバーンのボヤキはわりと正論だと思いました。
「俺様が導いてやる」みたいなことを言ってた割には全然グーデバーンの相手をしていませんからね。
熊手の私情で嫌いな親父と合体させられたり、熊手が特に理由もなく親父に乗ったりしてれば不信感を抱くのも当然だと思います。
これ”生成”AIじゃないのでは?
・クオンの会社で開発されたロボットが「多くのドクターのデータから学習して医療現場で活躍している”生成AI”」と紹介されていましたけど、これって「生成AI」じゃなくてただの「AI」ロボットじゃありませんか?
生成AIと言うのは学習したデータから文章や画像、デザインなど学習データに関連した新しい物を生成できるから生成AIって呼ぶんじゃありませんでしたっけ? AIで動くロボットは
私の理解が間違ってるだけならいいのですが、生成AIがテーマです!とか言っておいて定義を堂々と間違えてたら洒落になりません。
え?どういうこと???
東映公式ページを読んでいたら私にとっては寝耳に水どころじゃない設定が書いてありました。
そういえば、熊手様の過去も少しだけお出しされましたね。(実はこうするとタイムパラドクスが発生するのですが……いちおう解釈は考えているので、そちらはまたどこかで説明できましたら)
少し時系列を整理しますと
熊手くんが普通に過ごした時代(平成付近)に、前回指輪争奪戦勃発
↓
チャンピオンになり、テガソードを駆り厄災に挑む(ユニバース大戦)
↓
ユニバース大戦の中で、時空のはざまに巻き込まれて1万年前に・・
という流れを想定しております。
え?! 熊手って未来人でユニバース大戦が起こったのはゴジュウジャーの時代から1万年後の事だったんですか?!
私はずっと1万年”前”にユニバース大戦が起こって、何らかの理由で世界が作り変えられて今のゴジュウジャー世界が誕生した。
過去の人物である熊手は1万年間時空の狭間に閉じ込められていたけどグーデバーンによって開放されて、熊手からすれば1万年後の世界であるこの世界に出てきたのだと思っていました。
だから熊手は自分の年齢を「26歳、あるいは(時空の狭間にいた分を計算に含めれば)1万と26歳」って言ってるんだと思っていました。
文面の感じからすると、
熊手のいた時代=ゴジュウジャーの時代と同じ頃で指輪争奪戦は実質同じ”初回”になる、
優勝した後に熊手が1万年以上生きた or ユニバース大戦が1万年以上続いたから1万歳と言っている。
という仮定で書かれている気はするのですが、そもそも仮に一万年前に戻ってきたとしても、世界がどうなってるのかよくわかりません。今の世界には今の世界の熊手が見当たりませんし、熊手にアドバイスした指輪の戦士も見当たりません。どう見ても平行世界が良いところです。
テガソード神がテガソードからすると未来人や別世界人である熊手のことを正しく記憶している理由もわかりません。
いきなり必要性のわからない設定語りがでてきて心底戸惑っています。何がどうなってるのかもわかりませんし、この設定も必要性もわかりません。
次回はブーケがメイン…なんですかね?
予告で映ってる部分と女性キャラは優遇されにくい傾向から考えると、蓋を開けてみれば今回は空気気味だったゴジュウジャーのメンバー側か、熊手&ファイヤキャンドルの共闘がメインになっていてブーケの出番は相変わらず少なくても不思議はない気もします。
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