『仮面ライダーガヴ』 第17話「カラメる触手は幸福味」:感想

2025年1月5日
■前編でしかない
・脚本が香村さんと金子香緒里さんで併記されてる時点で予想はしていましたが内容は薄かったです。
ラーゲ9が変身したところで続きは次回にならなかっただけマシなくらいでした。

・他も普通に良くなかったので本当に語ることがありません。
個人的には「説明台詞が多い!」と思いました。絆斗とショウマの葛藤を全部独り言で言ってました。そこまで説明しなくてもわかる人はわかるし、わからない人はわからないと思うんですけど必要なんでしょうか。
今回のバイトを見つける経緯もいまいちでした。「親切な善人を狙うグラニュートなんだ!」と推測するまでは良いとしても、っでそれをどうやって探すんだよという疑問が特に解消されませんでした。「親切な人が多そうな場所」とか無いですし「親切そうにして犯人をおびき出すんだ!」とか無理があります。
結局、偶然出くわしただけだから分析してもしなくてもそんなに影響なかったような気がしてしまいました。オチとしては弱いと思います。

・今回に限ったことではありませんが、バイトの事件中心に間を持たせるのは難しいと思います。
バイトの事件も今回の「親切な人=心に余裕のある人を狙い、スカーフを無事に掴めた安堵感を幸福感として扱う」みたいな描写は犯人の狡猾さや外道さを明示できて面白いと思うのですが、その一方でショウマ側の調査が面白くありません。
SNSを使った結婚詐欺師みたいにグラニュートにつながる線が無い限り、ショウマ側は調査でやれることがあまり見当たりません。それでいてゴチゾウのスパイ活動やお腹のガヴという動かぬ証拠など身も蓋もない確証を得る手段が複数あるのでバランスが取りづらいです。
番組の時間配分の比率としてはグラニュートの犯行描写よりもショウマ側の調査の方がずっと長いので事件で1話ごとに盛り上げるのは構造的に無理があると思います。まして前後編で引っ張るのはもっと前途多難です。
現状の構成だと1話単位で盛り上げるにはメインストーリーが不可欠だと思うのでメインストーリーのボリュームと各話への振り分けをしっかりやってほしいなと思っています。

■ランゴとの対立は近そう
・前回の次回予告を見て疑問に感じたことの答えが出ました。
ランゴはラーゲ9に「赤ガヴに見つからないようにしろよ」と言っていたのにライダーに変身させて戦わせたら問題になるのでは?と思っていましたが、ニエルブは承知の上で実験する気のようです。
戦ったりしてたら当然ランゴにもバレるでしょうし、ベルトまである以上はバイトが勝手にやったこととしらを切るのも通らないでしょう。

・ランゴとニエルブの対立は近そうです。
この場合、ランゴはどういう態度を取るんでしょうね?
今のところの私の印象だと専横的な態度でニエルブの独断行動を許すタイプには見えません。
ニエルブも家族の情とか信じてるタイプには見えませんし、「今の兄さんに僕を切り捨てることなんてできるわけがない」みたいな腹づもりなのかなと思っています。
「確執は明確に生まれつつも状況としては現状維持のまま」だとまだ大きく進展させるには早いお話の都合としてもやりやすそうですが、どうなるでしょうか。

■仮面ライダーヴラム・プリンカスタム
・3号ライダーのヴラムが登場しました。
耳のアンテナみたいなのは縦に刺さったスプーンでした。プリンだからスプーンでしたかなるほど。
名前の元ネタは「フラスタム(錐台)」と呼ばれるプリンの容器みたいな形を指す言葉だそうです。アメコミの銃声の擬音などで使う「Blame」なのかとか考えていましたが全然違いました。器の形状にそういうものもあるんですね。知りませんでした。

・個人的には変身シークエンスに説得力があって良いと思いました。
セットしたプリンのゴチゾウをドライバーの中に落として、ドライバーの機構で巨大プリンに変換するところにヴラムの見た目にあったサイバー感と「ただゴチゾウの力を引き出すだけのガヴやヴァレンよりもヴラムが強力な理由」が感じられるところが良かったです。

・アクションは変身者が面倒くさがりだから無駄が無い動きが特徴でした。
ヴァレンの弾をその辺の瓦礫で相殺したり、武器をずらして最小限の動きでいなしたり格上感があって強そうでした。

・この調子で素手で戦ってくれたほうがかっこよさそうですが、武器は弓があるみたいですね。残念ですが販促の都合があるので仕方ありません。
いちいち「構えて→撃つ」と段階を踏む必要がある弓はラーゲ9の面倒くさがりのイメージには全然合わない武器のように見えますがどんなアクションにするのでしょう? 面倒くさがりだからといって弓で殴りかかるような効率の悪い行動は取りそうもありませんし。


今回が前フリだけだったから次回は香村さん単独で本番なのかな?と思っていたら、次回も金子さんと併記のままのようです。
まだまだヴラムの販促期間でショウマ側の負けイベントが多いでしょうし、ラーゲ9的にもショウマたちを倒すのは途中経過に過ぎないので香村さんも当分話を大きく進めるつもりはないんでしょうかね。






コメント

4 件のコメント :

  1. やはりゲストが機能してないというか、味がそこまでしませんね。ウィザードの頃は基本的に不快な立ち位置のゲストが多かったので、そこよりはマシなのかなと思っています。

    ヴラムことラーゲ9は「グラニュートハンターのハンター」という名目で、ちゃんと敵ってのが分かりやすく提示されてたので、いいスタートダッシュが切れたと思います。
    終盤まで敵対するってのはまあ流石にないとは思いますが、馴れ馴れしくはなってほしくないです。

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    1. >やはりゲストが機能してないというか、味がそこまでしませんね。ウィザードの頃は基本的に不快な立ち位置のゲストが多かったので、そこよりはマシなのかなと思っています。

      今回は怪人を除くとゲストもいませんでしたから余計にやることがありませんでしたね。匿名さんも書かれたようにゲスト中心に回すとゲストの話で終わっちゃって、主人公たちはお悩み解決マンにしかなれなくなりがちなのでゲストを出すのも考えものだと思います。
      ガヴの場合はショウマや絆斗の動向がメインストーリーの一部になっていると思うのでなおさらゲスト中心は合わないと思います。最序盤のショウマ旅時代みたいな感じにゲストを出しつつもメインキャラ中心のお話にできればいいんですが話の流れ的にもローテ陣の技量的にも難しそうに見えます。

      >終盤まで敵対するってのはまあ流石にないとは思いますが、馴れ馴れしくはなってほしくないです。

      この手のポジションは味方入りすると途端に空気か以前と別人のようになりがちなのでそういうのは嫌ですね。
      「ストマック家に信用させて入り込む潜入作戦が失敗したので『敵の敵は味方』で状況が合えばショウマたちに協力するようになる」くらいの独立性は保ってほしいです。
      あるいは「ショウマや絆斗より先に目標を成し遂げてすっきりしたので別人のように明るくなり、二人の復讐に協力してくれる」なんて流れなら別人化も有りかもしれません。

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  2. お疲れ様です。
    「バランスの取りづらさ」について、確かにと思いました。情報収集&追跡を職業としているのに、その者して、これといって活かせる特異性を持たない絆斗と、
    はぴぱれに巡り会えなければ放浪者でしかなったにも関わらず、追跡役として固有かつ特殊なツールを持っているショウマ。個人的には、噛み合わなさが明らかであるように感じました。
    解消する手段としては、ショウマの母親に愛されて生きてきたというような環境や、絆斗の改造によって得られた特異体質を、ゲストとの関わりやらに活かすことが挙げられるかな…と思っています。
    せっかく人間ドラマが得意な香村さんが主体かつ、なんでも屋っていう拠点にいるのだから、色々な境遇を持ったゲストが出てくる話を期待したいのですが、
    当分の間はヴラムの件があるので難しいですかね…。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >せっかく人間ドラマが得意な香村さんが主体かつ、なんでも屋っていう拠点にいるのだから、色々な境遇を持ったゲストが出てくる話を期待したいのですが、

      ゲストを絡めた話作りをするならばそういう方向性が合っていると私も思います。
      理想としてはストマック家を絡めたメインストーリーを毎回進めていくほうが良いとは思いますが、香村さんが関わらない回ではメインストーリーが進まない以上は実現するのは困難だと思います。次善策としてはゲストを絡めたメインキャラの掘り下げを行っていくのが現実的だと思います。

      ゲストを出す方法自体は無くは無いと思います。
      たとえば「『人プレスの質にこだわりがあり、特定の特徴を持つ人物に狙いを定めてつきまとうグラニュート』に狙われてるゲストキャラが、ストーカーにつきまとわれてる気がするから調べてほしいと事務所に依頼しにやってくる」
      なんて形式にすれば一般的な探偵ものみたいなフォーマットを使って護衛しながらゲストの話を聞いたり交流したりしていけるでしょう。
      繰り返すとワンパターンになるという弊害は当然ありますが。

      ヴラムの方はヴラムの動かし方次第だと思います。
      今回のようなバイトの護衛やハンター狩りの方をメインに活動するなら「バトルのときだけ現れる戦闘要員」で片付けることは可能だと思います。
      当然ラーゲ9というキャラクターにとっては不都合が多いですが、現状だとそもそも従来のバイト業務とニエルブの依頼のどちらを優先するのか不明なので何とも言えません。両立したとしても共通項のない作業なので人プレスを作ったり戦ったりで場面が飛んで描写が断片的になるのは避けられないでしょう。
      無難に行くなら人プレス納入の方は、エージェントへの納入シーンや本部で報告書を読むランゴの台詞などで順調なり滞ってるなりを説明していくほうが労力が少なく簡便だと思います。

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