『仮面ライダーガッチャード』 第15話「掴めハッピー! 輝けガッチャリバー!」:感想
■バトルが細切れ
エックスレックス圧倒!→ドレッドにカマンティスを使われただけで劣勢→なぜか急にマルガムを圧倒できるようになるリンネ→なぜかさっきまで負けてたドレッドを無視してマルガムを倒しに行く余裕ができたエックスレックス→既に圧勝ムードなのになぜかパワーアップするエックスレックス→でも異常にタフなドレッドドライバーは壊れないし、これで二度目なのに三姉妹が持ち逃げするのも傍観する。
なんですか、これ? 脚本じゃなくて撮影順序を元にして作ったのかと思うような脈絡の無さです。本当にバトルや販促に全くやる気がないんだなと呆れ果てました。不自然であることすら気にしないとは重症です。興味がない人でもおかしな展開と言われるのは嫌がって最低限の辻褄合わせをするのが普通なんですが割り切り方が凄まじいです。
・初代仮面ライダー風の謎の風車演出も滑り倒していて馬鹿だと思いました。「錬金術と恐竜、UFO… つまり風車だ!」ってなんです? UFOだけに電波受信しちゃったんですか?
「それっぽくすればいいんでしょ? 俺は意味わかんないけど」というスタッフの意識の低さが如実に表れているように感じました。本家のはずなのに自分でパロディみたいなことやってても情けないとすら思えないんでしょうね。もう再生産すらできずにひたすら劣化していくフェーズに入ってるようです。
■宝太郎
・クロトーたちが怒ってることが宝太郎にとっては意外だったようです。
やっぱりサイコパスですね。「死んでもいいとか言ってたけど本当は死にたくないんだろ? わかってるって」とでも決めつけてたんでしょうね。武人キャラにそんなことしたら怒るに決まってるでしょ。そんな侮辱をしておいて「そんな馬鹿な…」みたいな気分になってるのはかなりヤバいです。間違えた後ですら自分の間違いを認められていない証拠です。
友達が歌ってるのに退席してホッパーと話している姿もやっぱり人の心がわからないんだなと思いました。それ今しないとダメなことかな? せめて「ホッパー1ともクリスマス会を分かち合いたかった」だったら「カジキとはずっと過ごしてきたしいいでしょ」くらいに甘えがあっても許せなくもなかったのですが。
そもそもカジキとの付き合いがいつからなのかも知らないので判断がつかないんですけどね。少なくともレンゲたちとはこれが初めてのクリスマス会のはずなのは間違いありませんが…
・個人的にはバトル中の豹変*3が特にヤバいと思いました。
さっきまで「リンネや親子が危ない! 助けないと!」ってやっていたはずなのにマルガムを倒すやいなや「うぉー!ガッチャ!!! これでまた友達が増えたぜ~!」って大喜びしていて正気を疑いました。気持ちの切り替えが早すぎて恐いくらいでした。
更にその後には「みんなの思いが俺の中で力になる!」みたいなことを言い出して更に正気を疑いました。さっき「ガッチャ!」って喜んでいた対象は含まれていませんでしたし。同一人物と思えないくらいに言動が変わっていて展開もキャラも異様でした。
■でも記憶は消す
・ゲストの親子は和解してイイハナシダナーってなってましたけど、私は「でもどうせこの記憶は消されて和解も無かったことになるんだよね」と冷めていました。
でも実際には記憶を消すのはエックスレックスに会う直前までだけにしてエックスレックスのピンボケ写真も残してあってびっくりしました。
え、全部消さなくて住むなら彼女と出会う前まで記憶を消されたカジキは何だったんですか?! ただの手抜きですか? 錬金アカデミーは人間だと思っているのでしょうか。
・っと思っていたら東映公式ページで裏が取れてしまいました。
本来はケミーの掟で、ケミーの記録・記憶はすべて消し去らなければなりませんが、
ミナト先生の粋な計らいで、写真という記録が2人に残りました。
でもこの計らいは、きっと宝太郎に影響されたもの。
これまでケミーと人が関わる場合、どうしても最後には記憶消去がついてきました。
第5話のレスラーGと旭の切ない別れ、
第7・8話ではサボニードルの花を残しての別れ、
第9・10話では、UFOエックスが生んだ運命の出会い直し、
そして今回、
プレゼントとして残ったエックスレックスの写真。
実は、話が進むごと、
ケミーが秩序を乱す存在として完全に消し去られるのではなく、
人にプラスの影響を与える形で一部が残る、意図して残すように変化しています。
それはまさに、宝太郎が目指す、ケミーと人がともに生きる未来の実現に、
本当に少しですが近づいているということ!
そして、そんな考え方が宝太郎からミナト先生をはじめ、周りに浸透しているということ!
カジキは犠牲になったのだ… ミナト先生の無関心の犠牲にな…
サボニードルのときはサボニードルの存在だけ記憶を消して、宝太郎たちとの関係は変わらない一方でカジキは出会う前までやり直しで逆行してるのに”回を重ねるごとに意図的に変えてます”なんて書いてあるのが実にアホだと思います。今回の風車の演出同様に「お偉いさんの頭の中ではそういうことになってるんです」とどれだけアピールすれば気が済むんでしょう。
■そういうこと?
・OPの劇場版の販促映像にも調査官のおじさんが映っていて、おや?と思いました。もしかして最初から劇場版用のキャラだったんでしょうか?
もしそうならわりと納得がいきます。出す必要性がわからなかった裏切り調査官の女もおじさんも劇場版用のノルマだから出しただけだとすれば無理やり入れたような超絶適当な扱いも納得がいきます。販促やライダーですらこの扱いなのだから劇場版のゲストキャラなんてもっと雑になりますわな。
これ以上無駄に本編に出続けられても困るのでむしろこうであってほしいと思っています。来週になったら「劇場版でやったからいいでしょ? どうなったか知りたきゃ劇場版を見ろよ」と何の説明もなくおじさんが影も形もなくなっていてほしいです。
■スーパーガッチャード・クロスエックスレックス
・デザインはトゲトゲ系で普通なかっこいい系ですね。
ただ、恐竜の顔っぽく見える前面の造形は良いと思いました。東映公式の前回の分のページに書かれていましたが演出や構図も顔を強調する撮り方になっていて存在感がありました。
牙の感じとか立体感が感じられて実写向きで良かったです。感性がずれまくりの最近では珍しくスタッフの意図通りに撮れていて良いことだと思いました。
・アクションはまぁまぁでした。バックブローなど小技の効いた格闘戦は悪くありませんでした。
ただ、デザインやギミックに合っているかというと微妙で特徴づけとしては大して機能していないので格別褒めるほどでもありません。他のフォームでやっても違和感なかったでしょう。
尻尾や咆哮など独自ギミックをアピールするほうが正道だろうと思いました。
・必殺技はパッとしない印象です。
キックは普通だと思いました。脚のトゲトゲパーツで牙を模して挟むのはよくある構図です。
「キックである必然性がない。それどころか違和感がある」という点がマイナスでした。たとえばあれが飛びつき腕ひしぎみたいな最初から挟み込むモーションで入るなら違和感がなかったでしょう。それをいつものキックのフォームでやったから「高くジャンプして斜めに蹴り込み、当てた後に空中で下の脚を持ち上げて挟む(空中でどうやってんだ?!蹴りの勢い死んでない?)」という説得力に欠けた謎アクションになってしまいました。
・剣の必殺技は地味でかっこよく見えませんでした。
剣の軌道に爪のエフェクトが出るという通常技かと思うような地味さでした。しかも逆手に持って地面に突き刺すように振った剣と大してシンクロしてなくてかなり謎な映像になっていました。撮影とCGの連携が全く取れていないようでした。いろいろと普通にダメだと思います。
次回はアトロポスが以前言及していた”グリオン様”が登場するようです。
リンネの安い煽りに乗る今回のアトロポスは三下感が強くて違和感がありましたが、あれはアトロポスの幹部寿命終了を意味していたんですかね。
と思っていたらここで内田さんが登板するようです。サボニードル回以来の2回目の登板がここですか? 個人的には意外なタイミングです。
この感じだと内田さんはどうでもいい回担当で、グリオンもアトロポスたちの上に立つ上級幹部じゃなくてクリスマス回で死ぬためのキャラに過ぎないのかもしれません。
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