『仮面ライダーガッチャード』 第12話「暴走ライナー! 暗黒ライダー!」:感想

2023年11月26日
■ダイジェスト
・数話分のあらすじを間違って台本に載せちゃったのかな?と思うようなダイジェストでした。
前回の時点でドン引きだった女監察官は勝手に説明して誰も何もしないうちに三姉妹に殺される全自動っぷりで更に呆れました。どうせなら監察官は1分も本編に出さず「裏切り者はやつでもう殺した」と全部画面の外で終わらせてくれたら時間の無駄が省けたのにと思うほどでした。

ヴァルバラド敗北→ガッチャード敗北からの逆転!からの攻撃を躊躇ってやっぱ負け→新武器ゲットでまた逆転!…力尽きてできずに終わり。
という流れはまさにダイジェストでした。総集編かと思うくらいに次々と終わっていきました。流行ってるという倍速視聴の手間を省いてくれたんでしょうかね?
打ち切り漫画でもこうはならないと思うほどのやっつけ作業で感想も糞もありませんでした。
スタッフ「終わらせました。確認してください」
私「はい、終わったと思います」
という事務的な反応以外に出せるものがありません。

・次回でとりあえず先輩の奪還は終わらせる(ドレッドはたぶん変身者を変えて出続ける)みたいなので、販促をやらないといけない1クールを可能な限りまとめて片付けたかったんだろうなと思いました。
そこまで行くと「別の番組やったら?」って気分にしかなりません。ミスキャストとかいうレベルですらありません。スタッフ個人ではなく起用した側の正気を疑います。

■宝太郎
・監察官と話しているときにはまたケミーキチガイに戻っていてため息が出ました。やっぱりケミー>>>人間という価値基準なんですね。
そう思っていたら後半では「みんな」と言い出して正気を疑いました。…さっきのケミーキチガイはどこに行ったんでしょう? いつの間にかレプリ宝太郎に入れ替わってましたか?
どこをどうしたらケミーキチガイと”みんな”を大切にする価値観が共存できるのか私には全くわかりませんでした。そんなにアカデミーの学友を大事に思っているなら監察官に対しても「みんな真剣に錬金術に取り組んでいるのに何だお前は!?」とか怒ると思うんですけどねぇ。

・特に状況は変わってないのに急にやる気を出したと思ったら急に顔出しになった途端にパンチを寸止めして返り討ちに会うシーンも意味が全然わかりませんでした。
え?じゃあ今まで攻撃してたのは何だったんですか? 「それまでは何も考えずにマルガム感覚でなんとなく殴ってたけど、顔を見たら『殴ったら死んじゃうかもしれなくね?』と思って怖くなって~」とかいう話なんですか?
別に殺すことが目的じゃないんだから顔を出してもベルトを壊すなり剥がすなりすればいいと思います。なんで執拗に頭を殴ることにこだわっていたんでしょう???

・奇妙と言えば、冥黒の三姉妹が世界を滅ぼすためにガッチャドライバーを狙っているという話もどこかに消えたみたいですね。
前回の時点で「ケミーカードじゃなくてガッチャドライバーを奪えば良かったのに」と疑問に思っていましたが、三姉妹が登場した後もガッチャードをボコって何度も奪うチャンスがあったのに一度も取ろうとしませんでした。
幼女以外の2人は任務中もだいぶ自分勝手に遊んできた印象ですが、アトロポスも真面目なようで本質は同類でいたぶる楽しみを優先していたとか意味があるんでしょうか?

■スパナのヒステリー
・戦いが終わってから急に「これは命がけの戦いなんだ! お遊び気分でいるんじゃねぇ!」とか「お前らが遊んでられたのは何人もの錬金術師の犠牲のおかげだ!」とか説教し始めて唖然としました。
それは事実なのかもしれませんけど、リンネのストーカーと宝太郎への嫌味ばかりやってたやつに言われても説得力がありません。
ちゃんとやってれば「スパナの冷たい態度は学生を命がけの戦いに巻き込みたくなかったからだったんだよ!」みたいな理解につなげられたでしょうに。

・先生の「これは学生に務まることじゃない」とか言ってたことに至っては「元々そうだろ?! あれだけ街を破壊したケミーを何だと思ってたんだよ?!」とびっくりしました。
そもそも”1級錬金術師”のスパナも派遣されている状況のはずなんですがスパナ以上の戦力がいたんでしょうか? それもまた何考えてるのかわからない状況です。
冥黒の三姉妹が関与してることも明らかなのにこれ以上の急務って何ですか? 三姉妹にケミー拡散に裏切り者のガッチャドライバーと危険要素がてんこ盛りで錬金術師総出であたってもおかしくない任務のように私には見えるんですが。

・個人的には先生たちが誰もケミーの複製に大して驚いていないことも不思議でした。
封印対象がいくらでもコピーし放題ってかなりヤバいことだと思うですけど常識だったんでしょうか?
コピーが当たり前ならむしろその設定を活かさなかったことが不思議です。たとえば「ケミー自体は照明器具や錬金の道具としてレプリケミーがそこら中で使われている。しかしオリジナルのケミーはコピーを作るときだけ取り出され、あとはずっと保管庫に閉じ込められている」なんてことが当たり前の環境だったら錬金術師たちの言う「ケミーは道具だ」もそれに対して憤りを感じる宝太郎の心境ももっと共感しやすくなったと思います。どうせ出すならもっと設定を有効活用したほうが良いと思います。

■錆丸
・今回一番致命的だったのは空気先輩だと思いました。錆丸という名前すら今回連呼されてようやく覚えたくらいに印象の薄いキャラでした。
ケミー好きという主要設定すら前回明かされたばかりで何も思い入れがないのでダイジェストにすらなれませんでした。よく知らないモブ相手に登場人物が感情を高ぶらせているせいで見てるこっちは余計に冷めてしまいました。

・このタイミングでこの話をやりたいならカジキなんて出してる場合じゃなかったと思います。この1クール錆丸の話に全力投球しておくべきでした。カジキくらいに心境や共感できる内容を描いておけば最低限の導入は済ませられたでしょう。

・個人的にはあのタブレットの声が錆丸の心情を代弁していることを周囲が認知していたことにびっくりしました。
え? じゃあ今まで知っててあの悪態に付き合ってたんですか? 「そういう性格のAIが言うことだから仕方ない」って諦めてたんじゃないんですか。
「それくらい自分でしゃべれや!」とも「もう素直じゃないな~」みたいにもならずあの距離感でずっと付き合ってる心情が全然わかりません。宝太郎たちの言動からすると「うわ、関わらんとこ…」みたいな冷めた態度でも無いはずなのですが。

■放送事故?
・「UFO…?」とつぶやきながら虚空を眺める登場人物の姿に怖くなりました。
あるべきエフェクトを入れ忘れたのかな?と思うくらいに謎な映像でした。私にはぼんやりした光以外に何も見えなかったんですが私の目が悪いだけだったのでしょうか。

■仮面ライダードレッド
・動きは良かったです。飾りが少ないおかげか俊敏で格闘戦もガッチャードやヴァルバラドよりずっとかっこよく見えました。
ケミーカードの使用もガッチャードたちより上でした。ガッチャードとヴァルバラドはケミーカードを刺した後に変形を挟まないといけないのでテンポが遅れるし、変形したせいでできることも単純化されてバリエーションを作りづらい構造でした。
その点、ドレッドは事前に使っておけば能力発動はいつでもできるので即応することも謎の能力を仕込んでおくこともどちらもできてアクションが柔軟です。
アクション面だけで言えば、来週から『仮面ライダードレッド』に変わってくれて全く問題ない出来栄えでした。

・デザインは普通だと思いました。鬼っぽいデザインがライダーもどきの作品でよくある感じの外見でモブっぽさすらあります。
スチーム成分もゼロでした。アクションにも関係ないし、他のケミーカードも使うしで最初にスチームを入れる意味すらわかりません。「錬金術と言えば蒸気!」なんて話は聞いたことがないんですが、なんでスチームがメインなんでしょうね。ますます不思議になりました。


次回はUFOケミーの力で錆丸を取り戻すぞ!というお話になるみたいです。
このままじゃ勝てないからUFOケミーの力を手に入れて何とかするぞというのはケミーを友達扱いしているはずの宝太郎には合わないやり方だと思うのですが何か方策があるんでしょうか? まだ見ぬ”ガッチャ”を求める人物の行動としても打算的でそぐわないと思います。ガッチャなんて言ってられる状況じゃなくなった雰囲気でしたし、もう忘れないといけない設定なんですかね。





コメント

2 件のコメント :

  1. 毎年クリスマス前の重販促に苦しめられるなら、いっそ放送時期や販促スパンを以前に戻せばいいのに…'00年代はそれで十分黒字でしたよ?

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    1. まともに販促できないくらいならそのほうが健全だと思います。
      逆にこれでいいなら、もう番組として通年放送する意義があるのか問い直すべきだと思います。実際、ウルトラマンは新作の放送は半年置きにしたりしてるわけですし。通年放送を維持するにしても新作開始時期を変える選択肢もあると思います。とてもベストを尽くしているようには見えません。

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