『キミとアイドルプリキュア♪』3クール目まで見終わった時点での感想

2025年10月18日
キミとアイドルプリキュア♪の3クール目を見終わった時点での感想です。厳密には36話まで見た時点での感想です。

夏休みが終わっても虚無は終わらない

・3クール目は今まで以上に内容がありませんでした。
8月分は夏休みが含まれているとはいえ、9月10月も全く何の話も進展しないとは凄まじい進展の無さです。いまだにラスボスの顔見せすら無いって…
「中だるみ」なんて生ぬるく、もはやブヨンブヨンです。脂身の塊で何の歯ごたえもありませんでした。
例によってメインストーリーだけでなく、アイドルというメインモチーフも各キャラの掘り下げも何も無かったので本当に書くことがありません。
一貫した内容や脈絡がないため、何か書こうとするとただの各話感想になってしまいます。
もう記事を書いてて「内容が無いよう…」と呻きたくなるほど何も起きませんでした。
私なんてそういえば3クールがもう終わったんだったと気づいたのが36話の次回予告を見たときでしたからね。
「次回はスーパー化か最強必殺技アイテムの入手回か。この前5人必殺技ゲットしたばかりな気がするよ。…あれ?ってことはもう3クール終わる?!」とメタ的な理由で気づくまでそんな話数が経過した気がしてませんでした。
客観的に振り返ってみたらそう感じるのも当然でした。3クール目のシリーズ構成が登板したのは5人必殺技を習得した前後編の29&30話のたった2回だけだったのですから。
そりゃ内容が無いし脈絡も無いわけです。

・わかりやすいように3クール目を振り返ってみるとざっくりこんな内容でした。

25話:ザックリー浄化。
26~28話:ファンクラブ設立。youtube開始&移り気くん。きゅーちゃん回。
29&30話:メロロンがハートキラリロックに閉じ込められる、メロロン軟化&5人必殺技。
31~36話:センター決め回。プリルンとメロロンが学校に行く。くりきゅうたが勝手に挫けて勝手に立ち直った。名探偵はもりん。カイトと遊園地デートで過去の匂わせ。ライブの宣伝回。

私の書いてた記録用のメモそのままなので詳しい内容は書いてありませんが、こんな単語レベルでもだいたい内容を正しく思い出せることが深刻です。
「印象深い」から思い出せるんじゃなく、「この程度しか内容が無かった」から思い出せちゃうことが大問題です。


メロロンの闇堕ち回(29&30話)

・内容はほぼ各話感想になってしまいますが、3クール目について語れる事が有るとしたらこのメロロン回くらいだと思います。
それすらあんまり良い意味では無いんですけどね…


知らんがな

生まれながらに闇とか知らない理由で闇堕ちしかけて、大して助けられてないうちに自力で立ち上がっちゃって唖然としました。
闇堕ちも友達も本人の心の持ちようの問題だからメロロンがそう決めたなら外野からはもう言えることがないんですよね…
自力救済は別に悪いことじゃないから否定もできません。
ただ、メロロンのこともよくわからないし、周りの活躍も無いしで「何だったんだ、これ…」と置いてけぼりにされて途方に暮れたのは確かでした。
シュールギャグ回ってわけでもないメイン回でどうしてこんな気持ちになるのやら。

・脈絡がないしドラマも無いことが大問題だったと思います。
冷静に俯瞰すると、
「自分は闇の存在だから光とは相容れない。友達なんて要らない」
→「お姉たまさえいればいい!」
→「やっぱりみんなとも友達になりたいな」
これだと最初にプリルンと仲良くなりたいと思った時点でメロロンの心の中では主だったドラマや葛藤は終わってるんですよね。
ゼロを1にするという一番ハードルが高いところを乗り越え済みなわけですからね。
普通だったらここで
「でもハートキラリロックの代償に捧げちゃったから無理じゃん! 戦う力を失うわけにはいかないけど、ナナたちと友達にもなりたい… あぁ、あんな代償にしなければ良かった」
と後悔したり正義と私情の間で葛藤したりするところなんですけど、そういう話は特に無いんですよね…
メロロンは戦う力や正義にこだわっていないですし、性格的にも「じゃあハートキラリロックはもう要らない!」ってロックの方を切り捨てる方が自然でしょう。
結局、代償を踏み倒したのに変身能力は失ってませんし、何もかも実がありませんでした。
ドラマじゃなくて「深刻ぶった雰囲気を出してみただけ」としか言いようのない中身でした。


知らんがな、その2

・個人的に最大の問題は「別にメロロンと友達になりたいと思ったことがない」ことでした。
普通に疑問なんですけど、30話までのどこでそんなに視聴者からメロロンへの好感度を稼いだつもりだったんでしょう?
私の印象だと毎回「お姉たま好き好き」「お前らはお姉たまに近づくな!」「お前らと仲良くする気はない!」
って言ってるだけでワンパターンな上に普通に嫌な態度を見せられてメロロンの好感度は下がる一方でした。
私にとっては完全に他人事で「まぁウタたちが友達になりたいと思ったんならいいんじゃない。どこを気に入ったのか俺には全然わからんけど」と投げやりな気持ちで眺めていました。

・一番仲良くなったはずのナナの気持ちすら見えてこないところが特に厳しかったです。
「ぼっちで可哀想な子がいるから面倒みてあげてるだけ」という印象で友達って感じはしませんでした。
ナナが本心からメロロンを好きになる心当たりが思いつきません。
別にナナは本が大好きってわけでもないと思いますし、「私も昔はそんな感じだった」っていうシンパシー以外は共通項や同じ趣味すら見当たらないように見えます。
こんな内容でもキミプリの中では指折りの心情描写というのがまた何ともやるせないです。


納得はいったけどさ…

「キラキランドの住人は光だけでできていて闇はありません」という話はある意味納得がいきました。
だからプリルンは何度過ちを犯しても反省という態度が見当たらないんですね!「悪い」って感じる感受性が無いから。
キミプリでは非常にに珍しい説得力のある内容で納得してしまいました。

・ただ…「この設定ってザックリーやカッティには追い打ちになってないか?」とは疑問に思いました。
あの2人も元妖精だったこととなぜ闇堕ちしたのかが解説されましたけど、あの2人ってダークイーネに干渉される前から素行が悪かったんですよね。
種族レベルで闇が無いのに普通に悪いことをできるって相当ヤバいと思います。いわば悪の天才です。
あまりにも根深すぎて、最終回後に世界が平和になっても悪意が芽吹きまくってるこの3人はキラキランドに帰れないんじゃないか?と思えてきました。
「人間界が気に入ったから」とか理由をつけて実質的には永久国外追放処分にされるのでしょうか…


ザックリー浄化回

・あとは一応のメインだったザックリー浄化回でしょうか。
内容としては普通なので本編自体にはあまり語ることがありません。
個人的にはこの回用に取って付けたナナとのインスタントなドラマ以上に、ザックリー離脱の理由の方にこれでいいのだろうかと疑問を感じました。
キュアウインクに惹かれたとかナナの優しさに絆されたとかよりも、「チョッキリ団のブラック労働環境が嫌だったから」という理由の方が大きいように見えてしまいました。
浄化とか光堕ちというのは敵側に強い憎しみや恨みなり強固な洗脳なりがあって成立するもので、普段から「もうこの組織、嫌だ。辞めて~」って言ってるやつが足抜けしても特にカタルシスは生じないと思うんですよね。
闇堕ちも悪の組織にいる理由もちっぽけならちっぽけで、辞める理由も「こんなことしてたらウインクのライブに胸張って行けないじゃねぇか」くらいの些細な理由にしたり、大きな理由は持たないナナとザックリーに合ったもっと良いドラマの道筋があったんじゃないかなと思いました。

カイト

・2クール目の大河内さんが担当した回は良かったんですが、その後はキミプリらしく鳴かず飛ばずでした。
カイトの自身の掘り下げもなく魅力が描かれることもなく、ウタやキュアアイドルとの関係も深まらず、やったのはポッと出の新幹部との見知らぬ因縁話の前フリが中心でした。
視聴者が興味有るとしてもカイトの方で敵幹部の悲しい過去なんて興味無いと思いますよ…
その因縁も31話と35話で仄めかされただけのインスタント展開で次回の37話で終わりそうな雰囲気なのでますますついていける気がしません。
視聴者は過去や因縁どころか、カイトがなぜレジェンドアイドルと呼ばれているのかその所以も、伝説と呼ばれるだけの魅力も感じることができていないのですから。

・カイトとコンビにされてる新幹部のジョギの方は項目にするほど書くことがありませんでした。
新幹部で他者を見下していて、闇堕ち前はカイトのアイドル仲間だったとか何か関係が有りそう。
と箇条書きで済む内容しか見当たりません。
もう浄化されるかラスボスに乗っ取られそうな雰囲気なので将来性も感じられません。
後から出てくる新幹部らしく今までとはレベルが違う極悪さとか言うほどでもないし、普通に存在感がありません。
怪人が楽しい感情ではなく、負の感情から生まれるようになったこともプリキュアシリーズ的にはむしろ没個性化で全然面白くありませんでした。


ナナ

・結局、「他人のためにピアノを弾くのはもううんざりだ」と言っていたのは一時的な気の迷いや疲れという話で終わったようです。
普通に「他人のために何かせずにはいられない優しい子」に戻りました。
ナナもメロロンと同様の流れですね。ゼロに戻るだけなので、否定する根拠もないけど面白くもありません。
「アイドルは他人を元気づけるのが役割」みたいな路線で行くなら、元気づける対象の1人をナナにしても良かったと思います。
優しい子に落ち着くにしても、アイドルをやっている過程で「みんなが笑顔になってくれるのって良いな」と再確認するドラマは必要だったと思います。
それこそザックリー浄化の回で同じドロップアウト組として共感して、
ザックリー「お前はなんで人のためにがんばれるんだよ。優しくしたって報われないだろ」
ナナ「私もちょっと前はそう思って悩んでた。でもやっぱり人が笑顔になってくれる方が嬉しいから少しくらいならがんばってもいいかなと思えるようになってきたの。その方が私も楽しいから」
ザックリー「自分も楽しい…か。俺がチョッキリ団にいて楽しいって感じたのっていつだっけか…」
みたいな流れを用意しておけば、ナナの変遷もザックリーとの交流もスムーズにまとめられる手が有ったと思います。

・ナナに関してはだいぶドラマが薄く、話も飛んでいて酷い出来栄えだと思うのですが、それでもキミプリ基準だとだいぶマシな方に入ることが辛いです…
実家の喫茶店で歌を歌っていたときの方が観客が近くて楽しそうに見えるウタ。
ダンスを捨ててアイドルになったのに前より自己実現できているように見えないココロなど周りは悲惨過ぎます。メイン回で出番が少ないどころの話ではありません。
2クール目まではナナは「不遇」という印象でしたが、3クール目はメイン回を立て続けにもらえて追加戦士2人を除くとメンバーで一番目立ってました。
この変遷自体は意外でした。だいたいの場合、不遇キャラはずっと不遇なままですから。
このこだわりの無さが本編にも発揮され、思わぬ面白さが飛び出てくる…ことがあったりしたら良いですね。


相変わらず何も無い

・次で37話で、もう通例通りなら残り1クールちょうどってところなんですけど相変わらず先のことについて思うところが何もありません。
今後の展開に関しては2クール時点での感想と同じく「ラスボスを倒す以外に何すんの?」という考えしか思い浮かびません…
もうアイテムゲットイベントも次回の37話のスーパー化/最強必殺技アイテムで最後のはずですし、今まで以上にやることが見当たりません。
中途半端に出てきて悪役としての格も微妙になってるダークイーネで終盤がどうにかなる気がしません。
味方側はもっと壊滅的です。時間ばかりが過ぎていて何の内容も感じられません。
主役のはずのウタですら
「ウタは何がしたくてアイドルやってるんだっけ?」
「敵がいなくなってプリキュア活動が必要なくなってもウタはキュアアイドルとしてアイドル活動を続けるの?」
「アイドル稼業やプリキュア活動で喫茶店での常連との交流や妹と過ごす時間が減っていることに抵抗は無いの?」
などなど初歩的な疑問すら解けていません。初期設定から進んでないどころか、初期設定さえ馴染んでいる気がしません。
こんな有り様のまま最後までスカスカで終わってしまうのでしょうか…

・タイトルを聞いたときから
「『キミと』って誰だよ? 何をするんだよ? 普通のアイドルに双方向性は無いんじゃないの?」っと思えてしまい、アイプリという略称を避けるためだけにつけたおまけでタイトルにはまるで意味を感じられずにいましたが、アイドル要素が形骸化以下になってる今となっては逆に中身の無さをよく表している良いタイトルなんじゃないかと思えてきました。
『キミと(何をするかとか何を伝えたいとかは特に考えてない)アイドルプリキュア』という意味ならぴったりだと思います。






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