『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第35話「転身!!君も若返れ」:感想
丁寧なギャグ回
・冒頭の掴みから良かったです。
「ゴミ捨て場の横でやってる屋台」という話の都合が丸出しで、衛生上問題がありすぎて現実にはあり得なさが如実に表れているリアリティラインのおかげでその後の超展開ギャグに馴染みやすかったです。
そのせいで審査員に禽次郎の仲間を選んだことが自分の不利を考えないガバガバ思考なのか、それでも勝てるという強い自信の表れなのか判別がつきませんでしたけど。
・ギャグとしてはちゃんと勝負してるなぁと思いきや、No1はNo1でも「マズさNo1の料理対決」になってるところがズラしてあって普通に笑えました。
普段のNo1バトルはNo1にならないと意味がないからこういう回ごとの揺らぎや変化が起き得ないんですよね…
実際に映像化されたことで改めて「なんでNo1バトルがこの設定でイケると思ったんだろうな… 普通に考えて面白くならないだろ」という根本的な疑問が増しました。
・その後の展開も段階が踏んであってわかりやすかったです。
メンコ勝負の時点で「俺達のルールは普通のメンコと違う」「『扇風機に変身するの有り』と禽次郎が認めている」と常識が通じないことが説明されているので、
野球対決でゴジュウイーグルが羽で羽ばたいてボールを減速させてから打つという反則じみた行為も「まぁ扇風機に変身するの有りだからな。羽ばたくのも有りだろう」と受け流せましたし、そこからリュウレンジャーが棍を使って棒高跳びしてキャッチするのも有りだと違和感なく受け入れられました。
何が起きるかわからない超人野球だからワクワクしますし、勝負としても普通に熱くて面白かったです。
野球勝負なのにピッチャーvsバッターの形式で1対1を始めたときには
「ピッチャーの方が有利では?」とか
「三振か打たれたら終わりだと絵面がつまんなくない?」
「ピッチャーがここまで守備できるならなおさらピッチャーの方が有利では?」
と疑問がいろいろ浮かびましたが、交互に投手と打者を交代するサドンデス形式のようでそこはちゃんと公平になっていて安心感も感じられてバランスも良かったです。
普段のゴジュウジャーとの最大の違い
・丁寧に「何でも有り」をやっているところが今までのゴジュウジャーとは大きく違ったと思います。
ゴジュウジャーの場合は何でも有りを履き違えていて、ただの「どうせ後出しの屁理屈で覆るから考えるだけ無駄」という期待する気が失せる虚無感につながってしまっていました。
・今回の場合は何でも有りがちゃんと「できることは何でもやって死力を尽くして勝ちに行く」という勝負ものの根幹要素につながっていて普通に味方も敵も応援できて盛り上がる展開に仕上がっていました。
バトルロイヤルというならこのくらいの気迫があって然るべきですよね。
「起きている光景はくだらないことなのにやってる本人は大真面目」というギャップもギャグとシリアス、どちらにもプラスの働きをしていたと思います。
これもギャグ系ヒーローかくあるべしという定石だと思います。
作りはオーソドックスですがしっかりとした面白さがあってまさに「王道」という感じがしました。
破天荒とか革新とか気取るなら最低でもこの面白さを超えてからにしてほしいものです。
メイン部分は全然わからん
「お前も若返りたいんだろう!?」
っていや、禽次郎の願いはパリピになって人生エンジョイすることで若返ること自体は本筋ではないはずなんですが?
そもそも論で言うなら「パリピになるのに若返る必要は厳密には無いよね」という根本的な疑問を蒸し返すだけになるでしょう。
と思っていたら東映公式ページの方に
第35話は、禽次郎が幼馴染・源治との再会を通して、禽次郎の願いの核心――「パリピになりたいって何?」「欲しいのは“若さ”なのか?」――に迫った回だったのではないでしょうか。
後半に向けて、その答えが少しずつ見えていく展開にも期待が高まります。
と書いてあって頭を抱えました。今更過ぎる…
仮に核心に迫る必要があるとすれば、今まで描写や掘り下げをサボってきたツケが回ってきただけであり、もっと言えばスタート地点が核心から遠かったことが原因だと思うんですけど…
角乃の妹
・シンケンジャーの指輪を戻しても目覚めない可能性は視野に入っていましたがその理由が予想外でした。
指輪の戦士としてファイヤキャンドルに負けたからじゃないんですね。
なんか「レイさんが持っていた厄災の力が無くなったから」とか言っていて初耳な気がして戸惑いました。
てっきり指輪の戦士として戦ってファイヤキャンドルに奪われて、指輪もファイヤキャンドルを新たな戦士として認めたから指輪の副作用 or 禽次郎の若返りのような特別待遇は指輪をつけても戻らなかったのだと思っていましたが、実際にはレイさんが厄災の力を使ったことが目覚めの要因だったようです。
・え?じゃあレイさんがやってた実験って何のことだったんです?
てっきり「意識不明の妹が突然シンケンジャーの指輪に選ばれて目覚めた」
→「指輪の力ってすごい!と思ったレイさんが妹や指輪の研究を始め、そのうちベルルムに出会って厄災の指輪をもらった」
っていう流れだと思ってたんですけど違うんですか?
目覚めが厄災の力だと妹がファイヤキャンドルに指輪を奪われた後にわざわざ妹を回収していった理由が思いつきません。
「シンケンジャーの指輪を失った後にもう1回厄災の力を与えたら意識不明から戻るか実験したかった(結果は失敗だったからその後は妹はもう用済みになっていた)」
って話なんでしょうか?
・指輪争奪戦の願いの変更が有りになってることも意外でした。
吠が一向に願いが無いままだし、角乃も妹が出てきた後も変わらないから変えられないのかと思ってました。
え、じゃあ陸王は何なんですか…?
前回、レイさんにあれだけ切実な感じに話していたのに願いは自分がアイドルとして復帰することでレイさんの病気を治す願いには変える気がないんですか???
わざわざツッコミどころが増やされていて困惑しています。なんですか、これは?
トランプノーワン
・親友の雑魚兵の名前が「コウ・シンセー」だったのは”虎”にかけたキバレンジャーネタだったって理解で有ってますかね?
っと思っていましたが公式でも触れられていたので合っているようです。
・ただ内容は不可解に感じました。
別に本編ではウォンタイガーとコウの関係性なんて描かれた覚えがありませんし、コウと他のメンバーも「正体は何者なんだ?」とかのミステリーや信頼できるかどうかがメインで友情は特に覚えがありません。
友情ネタは三馬鹿から取ったパーツでコウとは直接関係ないんでしょうか?
次回は後編のようです。
「トランプノーワンが余ったままだけどどうするの?」と見ながら思っていましたが後編がありました。
後編はノーワンとのトランプ勝負や謎のプロレス勝負がメインになるようです。
個人的には野球の続きのままでもう1話で良かったのですが、トランプ勝負も面白いかもしれないので見てみないとわかりませんね。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。